白髪予防におすすめの食べ物・飲み物

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白髪の症状や定義、原因について解説したうえで、白髪の予防・改善に役立つ栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

白髪とは

白髪(gray hair)とは、メラニン色素が含まれないまま生えてきた髪の毛です。メラニン色素は髪を色づける役割があり、含有量が多いほど黒々とした髪になります。

メラニン色素が毛の内部に取り込まれるタイミングは、毛母細胞が髪を形成するときです。毛球部にある色素細胞(メラノサイト)でメラニン色素が作られなかったり、毛母細胞にうまく受け渡しされなかったりすると、髪にメラニン色素が入りません。

髪が着色されるメカニズムから考えると、白髪は「すでに生えている黒髪の色素がなくなるわけではない」ことがわかります。

白髪の原因

白髪は色素細胞が正常に働かないことで形成されます。色素細胞の働きを低下させる原因を以下で説明していきましょう。

老化

一般的に年を重ねると白髪は増えていきます。原因は加齢による色素細胞の機能低下です。

髪の毛が抜け落ちるときに色素細胞は失われてしまいますが、新しい髪が作られる際にまた生成されます。ただし、老化が進むともととなる細胞が減少してしまうため、白髪が発生ししやすくなると考えられるのです。

病気

まれに、病気が原因となり白髪が生える場合もあります。

例えば、甲状腺機能低下症は、甲状腺が正常に働かないことでホルモンが減少し、あらゆる部分の新陳代謝が衰える病気です。また、悪性貧血などの場合も、細胞に栄養素が送られないために色素細胞の働きが低下します。

遺伝

若白髪は遺伝が関係している可能性も考えられます。

両親のどちらかが若くから白髪が生えていた場合、色素細胞の働きが低下しやすいなどの遺伝を引き継いでいる可能性が高いです。

ストレス

白髪と深い関係にあるのがストレスです。精神的なストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れ皮脂が過剰に分泌されます。空気に触れた皮脂は過酸化脂質となり、色素細胞の働きに影響を与えてしまうのです。

また、ストレスは血行不良も招くため、色素細胞に行き渡る栄養が不足して白髪を発生させる要因となります。

生活習慣

不規則な生活にも注意が必要です。生活リズムの乱れは自律神経のバランスを崩し、色素細胞に影響を与える過酸化脂質の発生や血行不良を招きます。

特に睡眠中に分泌される成長ホルモンは色素細胞と深く関わりがあると言われているため、睡眠不足には気を付けましょう。

栄養不足

食事から摂る栄養が偏っていると、色素細胞に届けられる栄養素も不足してしまいます。髪に良い栄養素を積極的に摂取することを心がけましょう。

また、過剰摂取すると色素細胞に悪い影響を与える成分にも気を付けてください。糖分や脂質の多い食事は皮脂の分泌を過剰にしてしまうため、過酸化脂質を発生させ色素細胞を傷つけてしまいます。塩分過多の食事も高血圧を招き、末梢血管に血液が循環しにくくなるため食塩の摂りすぎは禁物です。

白髪は完全には防げないが予防は可能

加齢による白髪は自然な老化現象のため、完全に防ぐことは難しいのが現状です。ただし、白髪の増加抑制や、発生を遅らせるなどの予防は可能だと考えられます。

健やかな頭皮環境を維持できれば、色素細胞の正常化を促すことも可能です。そのためまずは、栄養をしっかり摂取して質の良い髪を育てましょう。頭皮環境を整えれば、自ずと薄毛対策にもつながります。

白髪の予防・改善に効果的な栄養素

白髪の予防・改善を促す、頭皮環境の維持・改善に効果的な栄養素について解説します。

ビタミンEやビタミンC:高い抗酸化作用

色素細胞を傷つける存在として、体内で生成される活性酸素も関係しています。活性酸素は体内の代謝活動にとって必要ですが、過剰に分泌されてしまうと細胞を傷つける恐れのある物質です。

活性酸素の発生を抑えるには、抗酸化作用を持つ栄養素が最適。代表的な栄養素はビタミンEやビタミンCです。ビタミンEとビタミンCは、同時に摂取することでさらに高い抗酸化作用が見込めます。

ビタミンEの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンCの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

鉄:髪に栄養を届ける

貧血を予防する栄養素として名高い鉄は、ヘモグロビンの一部となり、体内のあらゆる場所へ酸素を運搬します。

体内が酸素不足になると、髪を作る細胞に酸素や栄養分が行き届きません。健康的な髪を維持するためには、鉄は必要不可欠です。

鉄の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

亜鉛:美髪をサポート

亜鉛はタンパク質の代謝に必須な栄養素です。髪の毛を構成するケラチンというタンパク質の生成を促します。

さらに亜鉛には抗酸化作用があり、色素細胞を傷つける活性酸素の発生も抑えてくれます。健康な髪を維持するには亜鉛の存在は非常に重要です。

亜鉛の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

タンパク質:色素の材料となるチロシン

タンパク質は、髪を構成する大切な栄養素です。20種類のアミノ酸で成り立ち、なかでもチロシンというアミノ酸が髪にとって重要な役割を果たします。

チロシンはメラニン色素の生成に必要なアミノ酸です。さらに自律神経の調整にも関わっているので、白髪の原因となる血行不良を間接的に防いでくれます。

タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンB2:髪の発育や頭皮環境改善に

ビタミンB2は別名「成長のビタミン」と呼ばれ、髪の発育には欠かせない栄養素です。頭皮の皮脂コントロールにも関わり、ビタミンB2が欠乏すると脂漏性皮膚炎を起こす場合があります。

健やかな髪は土台となる頭皮環境が重要となるため、頭皮環境を整えてくれるビタミンB2を積極的に摂取しましょう。

ビタミンB2の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンB6:チロシンの吸収をサポート

ビタミンB6の役割のひとつはタンパク質の代謝促進で、メラニン色素のもとになるチロシンの効率的な吸収をサポートしてくれます。

さらに、ビタミンB6は脂質の代謝や貧血予防にも効果が期待できるので、丈夫な髪の育成には必要な栄養素です。

ビタミンB6の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンB12:睡眠の質向上

白髪を作る要因として睡眠不足がありますが、ビタミンB12は良質な睡眠をサポートしてくれる栄養素です。睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの生成を促進し、睡眠の質を向上させます。

ビタミンB12は、欠乏すると悪性貧血を引き起こす可能性のある栄養素でもあります。貧血になると、酸素不足により色素細胞に必要な栄養素が届けられなくなり、白髪へとつながります。

ビタミンB12は魚介類や肉類に多く含まれており、野菜だけを摂取するような無理なダイエットを続けると不足する場合があります。

ビタミンB12の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA

不飽和脂肪酸:血流を促進

オメガ3脂肪酸をはじめとする不飽和脂肪酸は、高血圧予防に注目されている栄養素です。血管が詰まる要因となる血栓をできにくくし、血流の改善に役立ちます。

末梢血管のすみずみにまで血液が循環すれば、色素細胞や毛母細胞にも栄養がしっかり行き届くようになるので、頭皮にとっても重要です。

オメガ3の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

白髪の予防・改善におすすめの食べ物・飲み物

白髪の予防・改善に効果的な食べ物・飲み物について解説します。

ごま

ごまは不和脂肪酸、亜鉛などの栄養素が豊富なので、健康な髪を作るにはぴったりの食材です。

また、ごまにはゴマリグナンという成分も含まれ、高い抗酸化作用が報告されています。色素細胞の老化を防ぐ役割にも期待できるでしょう。

ごまの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

海藻

髪に良いとされる海藻には、ミネラル類やビタミンB群が多く含まれています。

特に海苔は亜鉛や鉄の含有量が多く、丈夫な髪を目指す方に適した食材です。また、わかめも野菜に劣らないほどのビタミン量なので、食事に取り入れてみましょう。

海苔の栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

わかめの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

魚介

魚は不飽和脂肪酸、タンパク質、ビタミンB群が豊富です。なかでもいわしは鉄の含有量も多いため、効率的な栄養摂取ができるでしょう。

貝類にも髪に必要な栄養素が含まれるので注目してみてください。あさりは鉄とビタミンB12、かきは亜鉛が多く含まれます。

いわしの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

アボカド

栄養価の高いアボカドも髪にとって良い働きをしてくれます。アボカドはビタミンB群、ビタミンE、不飽和脂肪酸、ミネラル、チロシンなどの栄養素が豊富です。

さまざまな栄養素が高い割合で含まれるので、積極的に取り入れたい食材と言えます。

アボカドの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ブロッコリー

ブロッコリーにはビタミンB2やビタミンC、ビタミンEが多く含まれています。特にビタミンCの含有量は、野菜や果物のなかではトップクラスです。

ビタミンB群やビタミンCは水溶性のビタミンなので、ブロッコリーを加熱する際は焼き調理や電子レンジで蒸す方法がおすすめ。栄養素が水に溶け出すのを防げ、効率よく摂取できます。

ブロッコリーの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

チーズ

チーズに含まれるタンパク質には、アミノ酸のチロシンが豊富です。カマンベールチーズやプロセスチーズは特にチロシンが多く含まれています。

チーズはコンビニやスーパーでも手軽に買える食材なので、日頃の食事に取り入れやすいのではないでしょうか。

大豆製品

大豆は高タンパクの食材として有名です。メラニン色素の材料となるチロシンも多く含まれているうえに、糖質や脂質も少ないため健康な頭皮環境を維持するのにも役立ちます。

大豆そのもののほうがチロシンの含有量は多いですが、食事に取り入れるなら大豆を使った加工品が手軽です。特に納豆はナットウキナーゼという独自酵素が血栓を防いでくれるので、血流改善にも期待できます。

大豆の栄養と効果効能・食べ方・注意点・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

白髪の予防・改善に効果的な生活習慣

白髪を予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

身体を冷やさない

健康的な髪を維持するには、血行を促進することが大事です。スムーズな血流は頭皮に栄養を運び、結果的に色素細胞の活性化につながります。

血流を阻害しないためにも身体を温めるようにしましょう。身体が冷えると血管が収縮し、血行不足を招くため、手足を冷やさない、入浴習慣を身に着けるなどの工夫が大切です。

特に入浴は副交感神経を優位にするため、ストレス緩和や自律神経の調整にも役立ちます。

良質な睡眠

睡眠不足は自律神経を乱して血行不足を悪化させるうえに、色素細胞に必要な成長ホルモンが十分に分泌されなくなるため注意しましょう。

成長ホルモンをより多く分泌させるためには、22時から翌2時の間に深い睡眠に入ることが重要です。入眠から3時間後に深い睡眠に入ると言われているので、逆算して就寝時間を決めると良いでしょう。

規則正しい生活を続けていけば、自ずと自律神経も整ってきます。

運動で代謝アップ

運動不足は身体の代謝を低下させ、血流にも影響を与えます。さらに筋肉量が少ないと、体内で熱を作る力が弱まり、身体を温められません。

特に女性は筋肉量が男性より少ないため、定期的に運動する習慣を作ることで血行不良を防止しましょう。

バランスの良い食事

頭皮環境を整えるためにも、今回紹介した食材を中心にバランスの良い食事を心がけましょう。一時的に必要な栄養を摂取するのでは効果が見込めませんので、毎日の継続が重要になります。

また、頭皮環境を乱す原因となりえる糖分や脂質、塩分の多いジャンクフードやスナック菓子はほどほどにしましょう。

むやみに白髪を抜かない

白髪を抜くと増えるという噂もありますが、白髪ができるメカニズムからも迷信と言えるでしょう。

ただし、髪の毛を抜けば毛根へのダメージや毛髪サイクルの乱れにつながります。眉の毛を抜き続けると生えてこなくなるのと同様、髪の毛も生えなくなる可能性があるため、むやみやたらに抜くのは禁物です。

白髪を見つけて気になるようであれば、根元に近い部分で切るようにしましょう。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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