ブロッコリースプラウトの栄養と効果効能・調理法・保存法

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ブロッコリースプラウトの基本情報、よく似た野菜との栄養価の違い、含む栄養素とその効果効能、栄養を損なわない調理法や保存法、上手な育て方などを解説します。

ブロッコリースプラウトとは

ブロッコリースプラウトは、発芽して間もないブロッコリーの新芽です。

スプラウトとは発芽直後の植物の新芽のことで、成熟した野菜とは異なり、成長に必要な栄養素を豊富に蓄えています。

緑黄色野菜や豆類のスプラウトが一般的で、日本ではかいわれ大根などが代表的です。

スプラウトはそのまま生食できるものが多く、加熱すると損なわれやすい栄養素なども手軽に摂取することができます。

ブロッコリースプラウト以外のスプラウトとの違い

スプラウトとは、食用の植物の新芽全般のこと。発芽直後のスプラウトは、これから大きく成長するために栄養を豊富に含んでおり、その豊富さから天然のサプリメントとも呼ばれます。

ブロッコリースプラウトはブロッコリーの新芽ですが、ブロッコリースプラウト以外にもスプラウトはたくさんあるのです。

ブロッコリー以外のスプラウトには、たとえば次のようなものがあります。

  • かいわれ大根:大根のスプラウト。大根特有のピリッとした辛みが特徴
  • 豆苗(トウミョウ):えんどう豆のスプラウト。豆特有の甘味が感じられる
  • マスタードスプラウト:マスタードのスプラウト。ピリッとした辛味がある
  • ガーデンクレススプラウト:ガーデンクレスのスプラウト。わさびに似た辛味がある

ブロッコリースプラウトとブロッコリーの栄養素の違い

食品名単位ブロッコリースプラウト(生)ブロッコリー(生)
たんぱく質g/100 g1.94.3
食物繊維総量g/100 g1.84.4
カリウムmg/100 g100360
カルシウムmg/100 g5738
β-カロテン当量µg/100 g1400810
ナイアシンmg/100 g1.30.8
葉酸µg/100 g74210
ビタミンCmg/100 g64120
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ブロッコリースプラウトとブロッコリーの違いは、成熟しているかしていないかだけですが、含有する栄養素も大きく異なります。

ブロッコリースプラウトは成長する前なので、ブロッコリーと違い、これから成長するための栄養素を豊富に含有しているのが特徴です。

ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーに比べてβ-カロテンが約1.7倍、カルシウムが1.5倍、ナイアシンが1.6倍、スルフォラファンに至っては10倍以上含んでいます。

一方で、成熟したブロッコリーの代表的な栄養素である植物性のタンパク質や食物繊維、カリウムや葉酸、ビタミンCなどは、ブロッコリースプラウトよりも成熟したブロッコリーの方が豊富です。

成熟したブロッコリーと比べて劣る栄養素もあるものの、ブロッコリースプラウトの成分含有量は全体的に優秀であり、たとえばビタミンCはレモン果汁(100gあたり50mg)よりも豊富に含まれています。

ブロッコリースプラウトとブロッコリースーパースプラウトの違い

ブロッコリースプラウトのなかでも、発芽3日目のものをブロッコリースーパースプラウトと呼びます。

ブロッコリースプラウトとブロッコリースーパースプラウトの違いは、主にスルフォラファンの含有量です。

通常のブロッコリースプラウトに、成熟したブロッコリーのおよそ10倍のスルフォラファンが含まれているのに対して、ブロッコリースーパースプラウトにはそのさらに2倍、つまり成熟したブロッコリーの20倍のスルフォラファンが含まれています。

ブロッコリースプラウトに含まれる成分・栄養素

ブロッコリースプラウト100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

スルフォラファンについては、日本食品標準成分表の中で言及がないため具体的な含有量は不明ですが、表を見るとスルフォラファン以外の栄養素も豊富であることが改めて分かります。

たとえばβ-カロテンは1400μgも含まれているので、ブロッコリースプラウト1パック20gを食べることによって、およそ成人男女が1日に必要とするβ-カロテン量を摂取することが可能です。

食品名単位ブロッコリースプラウト(生)
エネルギー(kcal)kcal/100 g19
水 分g/100 g94.3
たんぱく質g/100 g1.9
炭水化物g/100 g2.6
水溶性食物繊維g/100 g0.3
不溶性食物繊維g/100 g1.5
食物繊維総量g/100 g1.8
ナトリウムmg/100 g4
カリウムmg/100 g100
カルシウムmg/100 g57
マグネシウムmg/100 g32
リンmg/100 g60
mg/100 g0.7
亜鉛mg/100 g0.4
mg/100 g0.03
マンガンmg/100 g0.37
β-カロテン当量µg/100 g1400
α-トコフェロール (ビタミンE)mg/100 g1.9
ビタミンKµg/100 g150
ビタミンB1mg/100 g0.08
ビタミンB2mg/100 g0.11
ナイアシンmg/100 g1.3
ビタミンB6mg/100 g0.2
葉酸µg/100 g74
パントテン酸mg/100 g0.52
ビオチンµg/100 g
ビタミンCmg/100 g64
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ブロッコリースプラウトの効果・効能

ブロッコリースプラウトの栄養素が持つ効果・効能について解説します。

スルフォラファンががん予防に効果

ブロッコリースプラウトに豊富に含まれているスルフォラファンは、解毒作用や抗酸化作用があり、がん予防に効果的(※1)とされています。

スルフォラファンには、がん予防以外にも血糖値改善(※2)・精神疾患の予防(※3)・肝臓機能の改善(※4)など、非常に幅広い健康効果があり、ブロッコリースプラウトがスーパーフードと呼ばれる由縁です。

β-カロテンがビタミンAになり皮膚や粘膜を正常に保つ

β-カロテンは、ビタミンAが不足するとビタミンAに変化して作用するプロビタミンA(ビタミンAの前駆体)です。

ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にして感染症などへの抵抗力を強めたり、視機能を強化して夜間の視力を維持したりといった機能を持っています。

プロビタミンAの大きな特長のひとつが、ビタミンAが不足したときだけビタミンAになるため、過剰摂取の心配がない点です。

ビタミンA(レチノール)はレバーなどに多く含まれており、特に妊娠初期の妊婦は摂りすぎないよう注意が必要ですが、β-カロテンとして摂取する場合はこの心配がいりません。

β-カロテンとビタミンCによる抗酸化作用がアンチエイジングに効果

β-カロテンには、ビタミンAとして作用する以外にも、有害な活性酵素から体を守る抗酸化作用や、免疫力を増強する作用があります。

さらに、β-カロテンに加えてビタミンCを含有していることで、アンチエイジング効果が期待できます。

ビタミンCはコラーゲンの構築をサポートする機能や抗酸化作用を持ち、美肌やシミ対策、老化防止効果が期待される栄養素のひとつです。

ビタミンCは水溶性ビタミンのため、水に溶けやすく熱に壊れやすいため、生食できるブロッコリースプラウトはビタミン補給にも適しています。

カリウムがむくみ解消・高血圧予防に効果

カリウムには体内の余分なナトリウム(塩分)を体外に排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節してむくみや高血圧を予防します。

カリウムが不足した状態を低カリウム血症と言い、筋力低下・自律神経失調・嘔吐・便秘などさまざまな症状を引き起こします。

一方、カリウムを過剰に摂取しすぎると高カリウム血症となり、悪心・嘔吐・知覚過敏・不整脈・脱力感などを引き起こすため、食べ過ぎにも注意が必要です。

カリウムは刻み昆布・干しヒジキ・乾燥ワカメ・味付けのりなどの乾物、インスタントコーヒーなどに多く含まれているため、これらを食べ過ぎている場合は注意してください。

ブロッコリースプラウトの調理方法

ブロッコリースプラウトの栄養を損なわない調理方法を解説します。

ブロッコリースプラウトの洗い方

ブロッコリースプラウトは、スポンジで栽培されているためパックから取り出すとスポンジ部分とその周辺にびっしりと種がついています。

種に害はありませんが、食感を損ねるため基本的に取り除いた方が食べやすいでしょう。

洗い方は、スポンジ部分を持って上下逆さの状態で水に漬けて、軽く揺するようにすれば茎や葉に絡まった種が取れます。

なお、スポンジ部分を水に漬けてしまうとスポンジの種が葉や茎についてしまうので、なるべくつけないようにしましょう。

ブロッコリースプラウトのおすすめ調理方法

ブロッコリースプラウトは、栄養が損なわれるのを防ぐため、加熱せずにサラダやトッピングなど、生で食べるのが基本です。

また、豊富に含んだβ-カロテンは脂質との相性が良いため、ドレッシングをかけると吸収効率がアップします。

ブロッコリースプラウトの保存方法

スプラウトは乾燥に弱く、新鮮なものでも3日ほど経つと傷んでくるため、できるだけ早めに使いきりましょう。

小分けにして使う場合は、使う分だけをスポンジから取り外し、残りはそのままパックに戻して冷蔵庫の野菜室へ入れると3日ほど日持ちします。

もう少し長期間持たせたい場合は、容器に水を注いでスポンジ部分を湿らせて、ラップをして立てた状態で冷蔵庫の野菜室に入れましょう。この状態ならおよそ1週間程度は日持ちします。

ブロッコリースプラウトは冷凍保存には向かないため、これ以上の長期保存は避けた方がよいでしょう。

ブロッコリースプラウトの育て方

最後に、ブロッコリースプラウトの育て方についてです。

根や茎を少し残して、そこから再び育てられる野菜のことを「リボベジ(リボーンベジタブル、再生野菜)」と言い、ブロッコリースプラウトを含む一部のスプラウトもこのリボベジに該当します。

豆苗などの再生は比較的簡単ですが、ブロッコリースプラウトの再生には少しコツが必要です。

水を入れすぎると腐りやすいため、根が浸かる程度にします。水を交換しないとカビやヌメリが発生してしまうため、1日1回以上、夏場は1日2回以上は水を換えましょう。

このとき、水は足すのではなくきちんと捨てて取り換えることが重要です。

参考文献

※1 Prevention of Carcinogen-Induced Oral Cancer by Sulforaphane.

※2 Sulforaphane Reduces Hepatic Glucose Production and Improves Glucose Control in Patients With Type 2 Diabetes – PubMed

※3 Dietary glucoraphanin prevents the onset of psychosis in the adult offspring after maternal immune activation.

※4 Sulforaphane-rich broccoli sprout extract improves hepatic abnormalities in male subjects