アボカドの栄養と効果効能・調理法・保存法

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アボカドの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

アボカドとは

アボカドは、クスノキ科ワニナシ属に分類される果物です。植物学ではベリーの一種とされ、日本食品標準成分表2015年版(七訂)でも果実類に分類されています。

ビタミンE・不飽和脂肪酸・カリウム・葉酸など栄養が豊富で、健康や美容促進が期待できることから「食べる美容液」と呼ばれることも。またクリーミーな食感と高い脂肪分から、「森のバター」などの別名もあります。

中央アメリカ原産で主にメキシコで栽培されており、日本で輸入しているアボカドの約9割がメキシコ産。安定した品質のアボカドが通年輸入されており、旬はないと考えるのが一般的ですが、季節によって味わいは変化します。

輸入アボカドは3〜6月に比較的多く出回り、油分が多く味が良い傾向。また、和歌山県や沖縄県など国内でも栽培されており、収穫時期の10月下旬〜1月頃が国産アボカドの旬となっています。

アボカドの品種・種類

アボカドの品種は世界で3,000以上あり、大きく分けて「メキシコ系」「グアテマラ系」「西インド諸島系」「雑種」の4つに分かれます。それぞれの特徴について解説します。

メキシコ系:小ぶりでやわらかい

メキシコ系は、小ぶりでやわらかいのが特徴で、代表的な品種は「メキシコーラ(Mexicola)」。

重さは100g前後の小玉で、耐寒性が強く、果皮が非常に薄いアボカドです。

グアテマラ系:卵型でざらざらとした果皮

グアテマラ系は、大きな実と厚く粗面で粒状な果皮が特徴。

代表的な品種は、日本で最も流通している「ハス(Hass)」です。卵型で果皮はザラザラしており、熟すと果皮が緑色から黒く変化します。

西インド諸島系:寒さに弱い

西インド諸島系は、中くらいの実で、果皮は厚く革のようななめらかな質感が特徴。寒さに最も弱く、国内では沖縄の気候でのみ栽培が可能な品種です。

雑種(ハイブリッド):メキシコ系と他系統の掛け合わせ

雑種は、メキシコ系と他の系統を掛け合わせたものです。

代表的な品種は、メキシコ系×グアテマラ系の「フェルテ(Fuerte)」で、重さは220〜400gと比較的大きめ。

西洋梨に似た形で香りが良く、世界的に最も人気がある品種のひとつです。

アボカドに含まれる成分・栄養素

アボカド100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

単位アボカド 生
エネルギー(kcal)kcal/100 g187
水 分g/100 g71.3
たんぱく質g/100 g2.5
炭水化物g/100 g6.2
水溶性食物繊維g/100 g1.7
不溶性食物繊維g/100 g3.6
食物繊維総量g/100 g5.3
カリウムmg/100 g720
マグネシウムmg/100 g33
リンmg/100 g55
mg/100 g0.7
亜鉛mg/100 g0.7
mg/100 g0.24
β-カロテン当量µg/100 g75
α-トコフェロール(ビタミンE)mg/100 g3.3
ビタミンB1mg/100 g0.1
ビタミンB2mg/100 g0.21
ナイアシンmg/100 g2
ビタミンB6mg/100 g0.32
ビタミンB12µg/100 g0
葉酸µg/100 g84
パントテン酸mg/100 g1.65
ビオチンµg/100 g5.3
ビタミンCmg/100 g15
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)  
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

アボカドの効果・効能

アボカドに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

ビタミンE・ビタミンC:美肌促進に効果

ビタミンEは美容効果を支えるのに必要不可欠とも言える栄養素です。

具体的には、抗酸化作用によって血流を良くして細胞の新陳代謝を促し、肌荒れを改善。また、体内の抗酸化作用の働きを抑える効果もあるため、潤いのある若々しい肌を保つことができます。

さらに、アボカドに含まれるビタミンCは、コラーゲンの合成に不可欠な栄養素で、肌の弾力回復や美白効果に優れています。

不飽和脂肪酸:動脈硬化を予防する

「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、果肉の約20%が脂質でできています。脂質といっても、その80%はリノール酸やオレイン酸などが含まれる不飽和脂肪酸。

不飽和脂肪酸は、血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らしたり、血栓を防ぐ働きがあります。

ビタミンB群:疲労を回復する

エネルギー代謝を助ける栄養素であるビタミンB群。そのなかでもアボカドに多く含まれるのが、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6の3つです。

ビタミンB1は運動後の疲れや、集中力不足の解消に効果的。ビタミンB2は、脂肪の代謝や細胞の再生を助け元気をサポートします。

ビタミンB6は倦怠感に効果的で、皮膚炎などの炎症を抑える効果も。

カリウム:むくみ予防に効果

アボカドには、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれていますが、なかでも多いのがカリウムです。

カリウムは体内の余分なナトリウム(水分)を体外に排出する働きがあるため、高血圧やむくみの予防に役立ちます。

アボカドの調理方法

アボカドの栄養素を損なわない洗い方や調理方法を解説します。

アボカドの洗い方

アボカドを食べる際は、まず流水でよく洗いましょう。

このとき、皮の硬い食品を洗うのに便利な野菜用ブラシで優しくこすりながら洗うと、農薬やバクテリアを効果的に洗い流すことができます。

アメリカ政府が提供する食の安全に関するサイトによると、アボカドの皮にはサルモネラ菌やリステリア菌がいる可能性があるとのこと。

除菌効果を高めるためにも、よく水で洗って、仕上げに清潔なふきんやペーパータオルで水気を拭き取りましょう。

アボカドのおすすめ調理方法

ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に調理することで効率的に吸収することができます。

加熱しても壊れにくいので、天ぷら・フライなどの揚げ物にするほか、カットした生のアボカドをオイルドレッシングで和えるのもおすすめです。

一方、ビタミンB群やビタミンCは水溶性ビタミンのため、水に溶けてしまいます。水溶性ビタミンは、ジュースやスムージーにすることで逃さず摂取することができます。

アボカドを調理する際の注意点

アボカドはカットすると断面が黒く変色してしまいます。

これは、アボカドに含まれるフェノール酸化酵素とポリフェノールが、空気に触れることで引き起こされる酸化反応です。

防ぐためには、空気に触れないようにラップで包んでおくか、レモン汁・酢・オリーブオイルを塗っておくと良いでしょう。

アボカドの保存方法

アボカドの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温保存

まだ熟していないアボカドは、風通しの良い冷暗所にて常温保存し、熟すまで置いておきましょう。

追熟(※)期間の目安は3〜5日です。ただし、27℃以上になる夏場は熟すスピードが早くなるので、こまめに食べごろをチェックすることをおすすめします。

食べごろの判断は、皮の色が黒くなっているかどうか、触ったときに多少の弾力があるかどうかを目安としてください。

※収穫後の野菜や果物を一定期間放置し、食べごろの状態まで熟させること

冷蔵保存

熟して食べごろになったアボカドは、ポリ袋などに入れて乾燥を防ぎ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

この状態で4〜5日は保存することができます。

ただし冷蔵庫で保存する際は、温度に注意が必要です。アボカドの保存には5〜27℃が適温で、5℃以下だと低温障害を起こし、変色してしまいます。

半分余った場合は、種は取らず、実にレモン汁を塗って変色を防ぎましょう。ラップをしてからポリ袋に入れて口を閉じ、冷蔵庫の野菜室(5℃以上)で保存してください。カットしたアボカドは、2日程度保存することができます。

冷凍保存

アボカドは冷凍保存することもできます。カットする前であれば、そのままラップして、ジップロックなど冷凍用保存袋に入れて空気を抜くように口を閉じ、冷凍庫に入れましょう。

カットしている場合は、実にレモン汁を塗った後にラップをし、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れます。

どちらも1ヶ月程度は保存することが可能です。食べるときは、常温で自然解凍してください。