ブラックベリーの栄養と効果効能・調理法・保存法

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ブラックベリー

ブラックベリーの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、ブラックベリーに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

ブラックベリーとは

ブラックベリー(Blackberry)は、バラ科キイチゴ属の低木で、ラズベリーと同じキイチゴの仲間のベリーです。原産地はアメリカ中部と言われています。

ブラックベリーの実は黒くツヤがあり、小さな粒が寄り集まったような姿をしています。実の直径は概ね2~3cmほどですが、楕円形のものや球形のものなど品種によって形はさまざまです。

実は生で食べられますが、酸味が強いものはジャムに加工したり、タルトやケーキなどのトッピングとして利用されます。

ブラックベリーは初夏に花を咲かせ、7~8月が実の収穫時期です。国産品の旬は夏ですが、アメリカなどから輸入されるブラックベリーは1年を通して出回っています。冷凍食品・ジュース・酢・粉末など、加工食品としても流通しています。

ブラックベリーは、強健で育てやすいため、家庭菜園の果樹としても人気。家庭で育てやすいトゲなし品種もあります。

ブラックベリーとラズベリーの違い

ラズベリーの実は赤く、ブラックベリーの実は黒色をしています。ブラックベリーの黒い色は、アントシアニンによるものです。

また、ブラックベリーの実は比較的大粒で、ラズベリーのような産毛は生えていません。

味の特徴としては、ラズベリーが酸味強めであっさりとしているのに対し、ブラックベリーはコクのある風味を持っています。

ブラックベリーとブルーベリーの違い

ブラックベリーはバラ科の果樹ですが、ブルーベリーはツツジ科です。ブルーベリーはつるんとした球形の実ですが、ブラックベリーは表面がデコボコとしています。

どちらもポリフェノールなどの栄養が豊富なベリーですが、研究によるとブルーベリー類よりブラックベリー類は抗酸化活性が高い可能性が示唆されています。

ブラックベリーに含まれる成分・栄養素

ブラックベリー100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

成分名ブラックベリー(生)ブラックベリー(冷凍)ブラックベリー(ジュース)単位
88.1582.2190.9g
エネルギー436438kcal
エネルギー181268158kJ
タンパク質1.391.180.3g
総脂質(脂肪)0.490.430.6 0.6g
0.370.510.4g
炭水化物、違いによる9.6115.677.8g
食物繊維、総食物繊維5.350.1g
砂糖、NLEAを含む合計4.88-7.7g
スクロース0.07--g
ブドウ糖(ブドウ糖)2.31--g
フルクトース2.4--g
乳糖0--g
マルトース0.07--g
ガラクトース0.03--g
スターチ0--g
カルシウム、Ca292912mg
鉄、Fe0.620.80.48mg
マグネシウム、Mg202221mg
リン、P223012mg
カリウム、K162140135mg
ナトリウム、Na111mg
亜鉛、亜鉛0.530.250.41mg
銅、銅0.1650.120.114mg
マンガン、Mn0.6461.223mg
セレン、Se0.40.40.3µg
ビタミンC、総アスコルビン酸213.111.3mg
チアミン0.020.0290.012mg
リボフラビン0.0260.0460.018mg
ナイアシン0.6461.2070.446mg
パントテン酸0.2760.151-mg
ビタミンB-60.030.0610.021mg
葉酸、合計253410µg
葉酸000µg
葉酸、食品253410µg
葉酸、DFE253410µg
コリン、合計8.58.56.6mg
ベタイン0.3--mg
ビタミンB-12000µg
ビタミンB-12、追加000µg
ビタミンA、RAE1166µg
レチノール000µg
カロチン、ベータ1286874µg
カロチン、アルファ000µg
クリプトキサンチン、ベータ000µg
ビタミンA、IU214114123IU
リコピン000µg
ルテイン+ゼアキサンチン11811868µg
ビタミンE(アルファ-トコフェロール)1.171.170.9mg
ビタミンE、追加000mg
トコフェロール、ベータ0.04--mg
トコフェロール、ガンマ1.34--mg
トコフェロール、デルタ0.9--mg
トコトリエノール、アルファ0--mg
トコトリエノール、ベータ0--mg
トコトリエノール、ガンマ0--mg
トコトリエノール、デルタ0--mg
ビタミンD(D2 + D3)、国際単位000IU
ビタミンD(D2 + D3)000µg
ビタミンK(フィロキノン)19.819.815.2µg
ビタミンK(ジヒドロフィロキノン)0--µg
脂肪酸、総飽和0.0140.0150.018g
4:0000g
6:0000g
8:0000g
10:0000g
12:0000g
14:0000g
16:00.0120.010.014g
18:00.0030.0020.003g
脂肪酸、全一価不飽和0.0470.0410.058g
16:1000g
18:10.0440.0380.054g
20:10.0040.0030.004g
22:1000g
脂肪酸、総多価不飽和0.280.2450.344g
18:20.1860.1630.229g
18:30.0940.0820.115g
18:4000g
20:4000g
20:5 n-3(EPA)000g
22:5 n-3(DPA)000g
22:6 n-3(DHA)000g
脂肪酸、トータルトランス000g
コレステロール000mg
アルコール、エチル000g
カフェイン000mg
テオブロミン000mg
出典:FoodData Central|USDA(米国農務省)

ブラックベリーの効果・効能

ブラックベリーに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

アントシアニンで眼精疲労を予防

アントシアニンはポリフェノールの一種で、植物が紫外線から身を守るために備えている青紫色の色素です。眼の機能の改善や眼精疲労に効果があると言われています。

ブラックベリーの実の黒々とした色は、アントシアニンによるもの。眼の疲れが気になるときにおすすめのフルーツです。

また、アントシアニンなどのポリフェノール類は強力な抗酸化作用を持っていて、がん・老化・生活習慣病などの予防に役立ちます。ポリフェノールを豊富に含むブラックベリーの抗酸化作用は、他のベリー類と比較しても強力と言われています。

美白効果が期待できるエラグ酸

エラグ酸とは、ベリー類に多く含まれるポリフェノールの一種。エラグ酸には、シミやそばかすの原因となるメラニン色素を抑制する作用があるとされ、医薬部外品の美白有効成分としても承認されている成分です。

ブラックベリーのエラグ酸含有量は、ラズベリーやいちごよりも高いという研究報告もあり、ベリー類のなかでも特に高い美白効果が期待できます。

エラグ酸は、体に有害な活性酸素を減少させる抗酸化物質でもあり、老化予防やアンチエイジングにも効果的です。

免疫力を向上させるビタミンC・ビタミンE

ブラックベリーは、多くのベリー類と同じようにビタミン類が豊富です。

ブラックベリーに特に豊富に含まれているのは、ビタミンCやビタミンE(α-トコフェロール)。どちらのビタミンにも抗酸化作用があり、活性酸素を除去し免疫力を高めることで、菌やウイルスに負けない体を作ります。

また、ビタミンCには果物や野菜に含まれる非ヘム鉄の吸収を良くし、体の免疫系統が正常に働くのを助ける効果も。ブラックベリーには鉄も含まれており、ビタミンCとの相乗効果でより効率的に栄養素を摂取することができる食材です。

ブラックベリーの食べ方

ブラックベリーの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

ブラックベリーの洗い方

ブラックベリーの果実は、食べる前に軽く水洗いして表面の汚れを落とします。ただし、果皮は柔らかくデリケートで、すぐに傷ついてしまうので要注意です。皮が破けて栄養素が流出しないよう、優しく洗うようにしましょう。

ブラックベリーの食べ方

ブラックベリーは、生でフルーツとして食べることもできますが、酸味が強いものはジャムやシロップに加工するのがおすすめです。

ブラックベリーに豊富なポリフェノール類は比較的熱に強いと言われている栄養素なので、加熱調理しても栄養価を損なう心配はありません。

ブラックベリーを食べる際の注意点

ブラックベリーの実には、硬く小さな種が多く入っています。種には食物繊維の一種であるペクチンなどの栄養素が含まれており、実と一緒に食べられますが、歯に挟まってしまい食べづらいと感じる場合があります。

種が気になる方や子供にブラックベリーを食べさせる場合は、裏ごしして種を取り除き、ジャムやピューレに加工するのがおすすめです。

ブラックベリーの保存方法

ブラックベリーの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温保存

ブラックベリーはすぐに傷んでしまうベリーなので、常温では保存できません。熟すと実が崩れてしまううえ、表面にカビが生えやすくなります。

冷蔵保存

ブラックベリーを数日以内に食べきる場合は、保存袋やタッパーに入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。水分が残っていると傷む原因となるので、洗ったあとにしっかり水気をふき取るか、洗わずに冷蔵庫に入れてください。

冷凍保存

ブラックベリーを長期保存する場合は冷凍しましょう。軽く洗ってキッチンペーパーなどで水気を取ってから凍らせます。

果実同士がくっついてしまうのを避けるため、まずはトレイやアルミホイルなどに重ならないように並べて冷凍し、凍ったものを保存容器に移すのがおすすめです。

参考文献

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