納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法

31views

納豆の産地や歴史、主要な品種などの基本情報、納豆に含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

納豆とは

納豆とは、大豆を納豆菌で発酵させた食品です。納豆の発祥については諸説ありますが、いずれにしても煮豆と藁の出会いがきっかけだったと考えられています。

弥生時代の人々は竪穴式住居に住んでいました。住居の床には稲藁が敷いてあり、そこに生息していた納豆菌が、煮た大豆に付着し、加えて竪穴式住居の中には炉があって適した温度であったことから、納豆が誕生した、というのが1つの説です。

庶民の間で広まったのは江戸時代に入ってから。国内で納豆の名産地と言えば水戸が有名ですが、それは水戸の周辺地域で納豆の原料である小粒大豆が多く生産されていたことと、明治22年の水戸鉄道(現JR水戸線)の開通が大きく影響しています。

納豆には、血栓を溶かす効果のある「ナットウキナーゼ」、骨粗しょう症を予防する「ビタミンK2」、貧血を予防する「鉄」、アレルギー抑制作用のある「レパン」、肌のハリを良くする「ポリアミン」など、健康・美容促進に効果のある栄養素が豊富に含まれています。

その高い栄養価から、日本が誇るスーパーフードとして、海外でも人気が集まっている食材です。英語では、「Natto」、もしくは「Fermented Soybeans(発酵した大豆)」と表記されます。

納豆の品種・種類

納豆は大きく分けて「粒納豆」と「ひきわり納豆」の2種類に分けられます。それぞれの特徴について解説します。

粒納豆

粒納豆には、大粒・中粒・小粒・極小粒といった、さまざまな粒の大きさがあります。

大粒は食べごたえがあり、ふっくらとしていて食感や風味を楽しめる種類です。納豆に含まれている食物繊維は大豆の皮の部分に含まれているため、大粒納豆の方が比較的食物繊維を含んでいると言えます。

小粒納豆は大粒に比べて粘りがあるのが特徴です。

また粒納豆には、ひきわり納豆の製造過程で溶け出してしまうミネラル類が多く含まれています。

ひきわり納豆

ひきわり納豆には、ビタミンKが粒納豆の約1.5倍含まれています。

ひきわり納豆は、大豆の皮を取り除き、細かく砕いてから発酵させて作る納豆です。細かく砕かれた分、納豆菌が付着する面積が多くなるので、粒納豆よりうまみが強くなります。

納豆に含まれる成分・栄養素

納豆100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

5大栄養素をすべて含み、栄養価が高い納豆。カロリーは、粒納豆で1パック(50g)あたり約100kcal、ひきわり納豆は約97kcalです。

食品名単位糸引き納豆ひきわり納豆五斗納豆寺納豆
エネルギー(kcal)kcal/100 g200194227271
エネルギー(kJ)kJ/100 g8378129501134
水 分g/100 g59.560.945.824.4
たんぱく質g/100 g16.516.615.318.6
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g14.214.8
脂 質g/100 g10108.18.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g-9.7-9.76.96.1
飽和脂肪酸g/100 g-1.45-1.451.131.01
一価不飽和脂肪酸g/100 g-2.21-2.211.221.1
多価不飽和脂肪酸g/100 g-5.65-5.654.263.7
コレステロールmg/100 gTr000
炭水化物g/100 g12.110.52431.5
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g0.30.2
水溶性食物繊維g/100 g2.3221.6
不溶性食物繊維g/100 g4.43.92.96
食物繊維総量g/100 g6.75.94.97.6
灰 分g/100 g1.926.817.4
ナトリウムmg/100 g2223005600
カリウムmg/100 g6607004301000
カルシウムmg/100 g905949110
マグネシウムmg/100 g1008861140
リンmg/100 g190250190330
mg/100 g3.32.62.25.9
亜鉛mg/100 g1.91.31.13.8
mg/100 g0.610.430.310.8
マンガンmg/100 g10.751.7
ヨウ素µg/100 gTr11
セレンµg/100 g16814
クロムµg/100 g122
モリブデンµg/100 g29075110
レチノールµg/100 g0000
α-カロテンµg/100 g0
β-カロテンµg/100 g0
β-クリプトキサンチンµg/100 g0
β-カロテン当量µg/100 g0000
レチノール活性当量µg/100 g0000
ビタミンDµg/100 g0000
α-トコフェロールmg/100 g0.50.80.60.9
β-トコフェロールmg/100 g0.20.30.20.3
γ-トコフェロールmg/100 g5.996.27.6
δ-トコフェロールmg/100 g3.35.41.72.6
ビタミンKµg/100 g600930590190
ビタミンB1mg/100 g0.070.140.080.04
ビタミンB2mg/100 g0.560.360.350.35
ナイアシンmg/100 g1.10.91.14.1
ビタミンB6mg/100 g0.240.290.190.17
ビタミンB12µg/100 gTr0
葉酸µg/100 g12011011039
パントテン酸mg/100 g3.64.282.90.81
ビオチンµg/100 g18.214.719.1
ビタミンCmg/100 gTrTrTrTr
食塩相当量g/100 g005.814.2
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%
備考ビタミンK: メナキノン-7を含むビタミンK: メナキノン-7を含む別名: こうじ納豆ビタミンK: メナキノン-7を含む別名: 塩辛納豆、浜納豆ビタミンK: メナキノン-7を含む
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

納豆の効果・効能

納豆に含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

タンパク質:体を作る

納豆にはタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は、筋肉だけでなく内臓、皮膚、血液の細胞、遺伝子、ホルモンなどの主原料となり体を作る重要な栄養素です。

タンパク質が不足すると、体力が落ちたり、血管がもろくなったり、とさまざまな不調をきたしてしまいます。

ナットウキナーゼ:血栓症の予防

納豆菌によって作られる納豆独自の酵素「ナットウキナーゼ」は、納豆のネバネバした糸に含まれています。

ナットウキナーゼは、血管内の血栓を溶かす効果があり、継続して食べることで心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症の予防につながると言われています。

レシチン:記憶力アップ・生活習慣病予防

納豆の原料である大豆に多く含まれている「レシチン」は、リン脂質の一種です。

細胞膜や生体膜、脳や神経などを形成する重要な成分で、レシチンを摂取することで神経伝達物質を生成し、短期の記憶力アップに効果が期待できます。

また、細胞が栄養を取り込むのを助けたり、血管壁から余分なコレステロールを回収する成分の働きを助けるので、生活習慣病の予防にも効果的です。

イソフラボン:健康・美容の両面で活躍

納豆の原料である大豆には「イソフラボン」が豊富に含まれています。

イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)と似た構造をしており、エストロゲンに似た働きをします。

加齢ととにも減少していくエストロゲンの分泌量を補い、更年期障害による心身の不調を予防する効果があります。

加えて、肌の新陳代謝を促進したり、髪のツヤを保ったり、自律神経を安定させる効果もあり、健康・美容の両面で役立つ栄養素です。

納豆の調理方法

納豆の栄養素を損なわない洗い方や調理方法を解説します。

納豆のおすすめ食べ方

納豆に次の食材を加えることで、栄養素をより効果的に摂取することができます。

納豆+ネギ

納豆に刻んだネギを混ぜることで、納豆に足りないビタミンCを補ったり、ネギに含まれるアリシンという成分によってビタミンBの吸収を高めたりすることができます。

納豆+キムチ

納豆にキムチを加えることでキムチに含まれる乳酸菌と、納豆に含まれるナットウキナーゼの2つの栄養素によって血液をサラサラにする効果が期待できます。

納豆を食べる際の注意点

納豆特有の成分「ナットウキナーゼ」は、納豆のネバネバした糸に含まれています。ナットウキナーゼは熱に弱く、50度以上になると急激に活性が低下してしまいます。

納豆チャーハンや納豆汁など、納豆を使ったレシピは多種ありますが、ナットウキナーゼの効果を得るためには加熱調理は避けましょう。納豆ごはんにする場合もご飯は少し冷ました方が良いです。

納豆の保存方法

納豆は冷蔵・冷凍の2通りの保存方法があります。冷蔵保存の場合、パックのままチルド室に入れて保存します。冷蔵での保存期間は、パックに表示されている賞味期限内に食べるようにしてください。

冷凍保存の場合は、パックのまま冷凍保存袋に入れて、冷凍庫に入れてください。

納豆菌は冷凍している間は発酵が止まりますが、20℃前後に戻ると発酵が開始します。冷凍での保存期間は、約1ヶ月です。