ずいきの栄養と効果効能・調理法・保存法

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zuiki

ずいきの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、ずいきに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

ずいきとは

ずいきとは里芋やハス芋などの、葉と茎の間の部分を指します。この部分は葉柄とも呼ばれ、シャキシャキとした歯ごたえが特徴です。この独特の歯触りと味のしみやすさを活かし、煮物やおひたしなどの料理に利用されるほか、かんぴょうの代用品としても使われています。

ずいきの原産地はインドネシアをはじめとした熱帯地域と考えられており、縄文時代に中国を経由して日本へ伝わりました。とくに生のずいきを干したものは「芋がら」と呼ばれ、保存食として活用されてきました。ずいきには、血液をキレイにして悪露(おろ)の排出を促すという言い伝えもあり、古くから産後の滋養食として有名です。

よく似た食品としてルバーブがありますが、タデ科カラダイオウ属のルバーブと、サトイモ科のずいきは分類が異なります。お菓子作りによく使われるルバーブは酸味が特徴で、クセのないずいきとは味わいも違います。

ずいきの品種・種類

続いて、ずいきの品種について解説していきます。

赤ずいき

赤ずいきは葉柄の赤い八ツ頭や唐芋などから採れます。もっとも流通量が多く、一般的にずいきと呼ばれる食品は赤ずいきを指す場合がほとんどです。別名で「紅ずいき」とも呼ばれます。

主な産地は石川県・三重県・新潟県などです。とくに石川県は有名な産地で、金沢市花園地区や三馬地区で採れる赤ずいきは加賀の伝統野菜に指定されています。また、津市芸濃地区で栽培される「芸濃ずいき」も三重県のブランド野菜として有名です。

白ずいき

白ずいきは八ツ頭をはじめとした里芋の茎を軟白栽培したものです。地域によっては「白ダツ」とも呼ばれます。和食の高級食材として用いられることが多く、スーパーではあまり見かけない品種です。

名産地である奈良県の「軟白ずいき」は大和の伝統野菜に認定されています。唐芋系統のずいきを遮光して育てるので、あくが少ないのが特徴です。えぐみがほとんどなく淡白な味わいを活かし、和え物や酢の物などによく使われます。

青ずいき

青ずいきはハス芋の茎で、鮮やかな緑色をしています。このハス芋は葉柄のみを使う専用種なので、芋の部分は食用されません。高知県では「リュウキュウ」、鹿児島県では「トイモガラ」とも呼ばれます。

赤ずいきに比べてアクが少ないので、下処理は塩もみして水洗いする程度で十分です。

ずいきに含まれる成分・栄養素

ずいき100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

ずいきのシャキシャキとした食感は、豊富に含まれる食物繊維が関係しています。特に不溶性食物繊維が多く含まれているので、繊維質が強く独特の噛み応えが生まれます。

また、成分表には記載がありませんが、赤ずいきはポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富です。ポリフェノールには高い抗酸化作用があり、さまざまな健康作用が期待されています。

さらにずいきは糖質が少なく、カロリーも低いためヘルシーな食品です。健康維持の目的で、毎日の食生活にずいきを取り入れてみても良いでしょう。

食 品 名単位ずいき 生ずいき 生ずいき 生ずいき ゆでずいき 干しずいき 乾ずいき 干しずいき ゆで
廃 棄 率%30000
エネルギーkJ644197238
kcal15102329
水 分g94.596.19.995.5
タンパク質アミノ酸組成によるタンパク質g-0.2-0.2-2.6-0.2
タンパク質g0.50.46.60.5
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g-0.3
コレステロールmg0000
脂質g000.40
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g
g
利用可能炭水化物(質量計)g
差引き法による利用可能炭水化物g2.81.241.80.6
****
食物繊維総量g1.62.125.83.1
糖アルコールg
炭水化物g4.13.163.53.4
有機酸g
灰分g0.90.418.20.6
無機質ナトリウムmg1162
カリウムmg3907610000160
カルシウムmg80951200130
マグネシウムmg671208
リンmg1392105
mg0.10.190.7
亜鉛mg10.95.40.3
mg0.030.020.550.05
マンガンmg2.241.69252.35
ヨウ素μg
セレンμg
クロムμg
モリブデンμg
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg0000
α|カロテンμg0300
β|カロテンμg110110150
β|クリプトキサンチンμg0000
β|カロテン当量μg110110150
レチノール活性当量μg9910
ビタミンDμg0000
α-トコフェロールmg0.40.30.40.1
β-トコフェロールmg0000
γ-トコフェロールmg0.10.10.20
δ-トコフェロールmg0000
ビタミンKμg914193
ビタミンB1mg0.0100.150
ビタミンB2mg0.0200.30.01
ナイアシンmg0.202.50
ナイアシン当量mg-0.3-0.1-3.6-0.1
ビタミンB6mg0.030.010.070
ビタミンB12μg0000
葉 酸μg1410301
パントテン酸mg0.280.120.06
ビ オ チ ンμg
ビタミンCmg5100
アルコールg
食塩相当量g0000
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ずいきの効果・効能

ずいきに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

食物繊維の整腸作用

食物繊維は胃で消化されず、大腸まで届く栄養素です。腸内で善玉菌のエサとなるため、整腸作用が期待されます。

特にずいきに多く含まれる不溶性食物繊維は、腸内での保水性に優れているのが特徴です。腸内で水分を吸収して膨らむことで便の体積を増やし、腸のぜん動運動を促してくれます。便秘改善に役立つ食品と言えるでしょう。

食物繊維リンク

アントシアニンで眼精疲労を軽減

ポリフェノールのアントシアニンは、抗酸化物質の一種です。体内で過剰に発生した活性酸素を除去し、がんや動脈硬化などの疾患予防に役立ちます。

特にアントシアニンは目への作用が期待されている成分です。網膜に存在するロドプシンの再合成を促すことで、目の健康をサポートしてくれます。

ポリフェノールリンク

ずいきの食べ方や注意点

ずいきの栄養素を損なわない選び方・調理方法・食べ方などを解説します。

生のずいきの選び方

旬時期の夏には、スーパーや八百屋で生のずいきが販売されています。選ぶときは、太くてハリのあるものを選びましょう。しなびているずいきは鮮度が落ちている傾向にあります。切り口が変色していないものも新鮮な証拠です。

特に赤ずいきは、色が濃いものを選ぶと、茹で上がったときに色がキレイに仕上がります。

赤ずいきの下処理方法

赤ずいきはあくの強い食品なので、下処理が必要です。ずいきのあくの正体はシュウ酸カルシウムで、そのまま食べるとピリピリとした痛みとえぐみが感じられます。

このあくを抜くには酢が効果的です。鍋に大さじ1程度の酢を加えた水を用意し、生のずいきを約1時間ほど浸けておきます。別の鍋にたっぷりの酢水を用意したら、ずいきを入れて1分から2分ほど茹でましょう。あまり長く茹でるとずいきの独特な食感が失われてしまいますので、短時間で済ませるのがポイントです。菜箸で掴んだ際に柔らかければ問題ありません。

茹で上がったら冷水にあげて、皮を剥いたら下処理の完了です。皮は茹でる前に剥く方が作業しやすいですが、人によってはあくの成分で手がかゆくなる場合があるので気を付けましょう。

芋がら(干しずいき)の下ごしらえ

乾燥した芋がらはあく抜きされていないので、戻しながら下処理していきます。

まず軽くもみ洗いしてから、水に浸けましょう。浸け時間は好みにより、10分から1時間ほどが目安です。浸ける時間が長いほど、シャキシャキ感が強くなると言われています。

その後は何度か水を換えながらもみ洗いし、沸騰させた鍋で3分ほど茹でます。芋がらは軽くて水に浮きやすいので、落し蓋をしながら茹でる方法がおすすめです。冷水にあげたら味を確認して、あくがまだ残っているようだったら酢水でもう一度茹でこぼしてください。

市販の芋がらを使う場合はパッケージに戻し方が詳しく書いてあるので、その方法に従って行うとよりおいしく食べられるでしょう。

よく似たクワズイモに注意

ずいきによく似たクワズイモを食べたことにより、食中毒が毎年発生していますので注意しましょう。

クワズイモには、不溶性シュウ酸カルシウムがかなり多く含まれていて、食べると嘔吐や下痢など消化系の中毒症状を招く恐れがあります。また、クワズイモの汁に触れたことによる皮膚炎も報告されています。

対処法としては、口内に異変を感じたらすぐに吐き出し、口の中をよく洗浄することです。クワズイモに含まれる不溶性シュウ酸カルシウムは針状の結晶になっており、口に入れた瞬間に強い刺激が感じられます。

クワズイモは葉柄がずいきに類似しているため、宿泊施設の食事やスーパーなどにずいきに紛れて混入するケースが多いようです。正しい対処法を知って健康を守りましょう。

ずいきの保存方法

ずいきの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温保存

夏野菜のずいきは低温に弱い性質を持つため、冷蔵庫に入れると低温障害を起こす場合があります。生のまま保存したいときは、新聞紙に包んで風通しの良い場所に常温で保存しましょう。

しかしあまり日持ちしないため、購入した際はその日にあく抜きして、冷蔵保存か冷凍保存するのがおすすめです。

冷蔵保存

ずいきを日持ちさせたい場合は、すぐにあく抜きして冷蔵庫で保存します。記事内で紹介した方法で下処理したずいきを、酢水につけて保存すれば3日から1週間は日持ちします。ただし品質が落ちないうちに早めに使い切ったほうが良いでしょう。

冷凍保存

冷凍保存する際もあく抜きが必要です。下処理したずいきの水気を拭き取り、重ならないようバットに並べて冷凍します。凍ったら保存袋などにまとめて入れて冷凍保存しておきましょう。

使うときは自然解凍か、煮物のように加熱調理に使う場合は凍ったまま調理できます。

干す方法

もっとも長期保存できるのは、干しずいきにする方法です。事前にずいきの皮を剥いて天日で干し、カラカラになるまで乾燥したら完成です。

あく抜きしていない状態なので、食べるときは下ごしらえが必要です。記事内で紹介した戻し方を参考にして下処理してましょう。

参考文献