納豆の便秘解消・便秘予防効果を徹底解説【悪化する理由も】

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納豆

便秘解消や便秘予防効果で注目される納豆の栄養や効果について解説します。便秘改善に正しく効果を発揮するために守りたい摂取目安量やおすすめの食べ方なども解説するので、便秘にお悩みの方は参考にしてください。

納豆とは

納豆とは、大豆を納豆菌で発酵させた食品です。

納豆には、血栓を溶かす効果のある「ナットウキナーゼ」、骨粗しょう症を予防する「ビタミンK2」、貧血を予防する「鉄」、アレルギー抑制作用のある「レバン」、肌のハリを良くする「ポリアミン」など、健康・美容促進に効果のある栄養素が豊富に含まれています。

その高い栄養価から、日本が誇るスーパーフードとして、海外でも人気が集まっている食材です。英語では、「Natto」、もしくは「Fermented Soybeans(発酵した大豆)」と表記されます。

納豆がもつ便秘解消以外の効果や、納豆を活用するダイエット法「納豆ダイエット」についての詳細は下記記事をご覧ください。

納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆ダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆が免疫力アップに効果的な理由を徹底解説【摂取目安量やタイミングも】|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆に含まれる成分・栄養素

納豆100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

5大栄養素をすべて含み、栄養価が高い納豆。カロリーは、粒納豆で1パック(50g)あたり約100kcal、ひきわり納豆は約97kcalです。

食 品 名単位だいず [納豆類] 糸引き納豆だいず [納豆類] 挽きわり納豆
廃 棄 率%00
エネルギーkJ790772
kcal190185
水 分g59.560.9
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g14.515.1
たんぱく質g16.516.6
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g-9.7-9.7
コレステロールmgTr0
脂質g1010
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g0.30.2
g
利用可能炭水化物(質量計)g0.30.2
差引き法による利用可能炭水化物g7.76.4
**
食物繊維総量g6.75.9
糖アルコールg--
炭水化物g12.110.5
有機酸g--
灰分g1.92
無機質ナトリウムmg22
カリウムmg660700
カルシウムmg9059
マグネシウムmg10088
リンmg190250
mg3.32.6
亜鉛mg1.91.3
mg0.610.43
マンガンmg-1
ヨウ素μgTr-
セレンμg16-
クロムμg1-
モリブデンμg290-
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg00
α|カロテンμg-0
β|カロテンμg-0
β|クリプトキサンチンμg-0
β|カロテン当量μg00
レチノール活性当量μg00
ビタミンDμg00
α-トコフェロールmg0.50.8
β-トコフェロールmg0.20.3
γ-トコフェロールmg5.99
δ-トコフェロールmg3.35.4
ビタミンKμg600930
ビタミンB1mg0.070.14
ビタミンB2mg0.560.36
ナイアシンmg1.10.9
ナイアシン当量mg5.25
ビタミンB6mg0.240.29
ビタミンB12μgTr0
葉 酸μg120110
パントテン酸mg3.64.28
ビ オ チ ンμg18-
ビタミンCmgTrTr
アルコールg--
食塩相当量g00
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

納豆に含まれる便秘に効果を発揮する栄養素

納豆に含まれる便秘に効果を発揮する栄養素を解説します。

納豆菌

納豆に含まれる納豆菌は、熱や酸に強い性質があり、生きたまま大腸まで届くプレバイオティクスの一種です。納豆菌は大腸に届くと乳酸菌などのエサとなり、腸内細菌の活動をサポートします。

腸内で悪玉菌の割合が増えると腸のぜん動運動がスムーズに行われなくなり、便秘や下痢などの症状が出やすくなります。

なお納豆に含まれる納豆菌は、非常に熱に強いことから耐熱性菌とも呼ばれており、100℃で加熱しても胞子は生き残ると言われています。

【腸活におすすめ】腸内環境を整える食べ物・飲み物・生活習慣|NANIWA SUPLI MEDIA

乳酸菌

納豆には、腸にいい影響を与える乳酸菌も含まれています。乳酸菌は腸内で有機酸を作り、善玉菌優位の腸内環境を整えることで悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。

そのほか、中性脂肪やコレステロール値の低下、免疫機能の向上、インフルエンザ予防効果、アレルギー症状への有効性などが報告されています。

乳酸菌の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

食物繊維

納豆には、原料となる大豆の皮の食物繊維が含まれています。食物繊維も納豆菌と同様、腸内環境の改善を促して便秘解消に貢献してくれるでしょう。

とくに納豆の食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が「2:1」という理想的なバランスで含まれている点も魅力です。食物繊維はどちらか一方を大量に摂取するとかえって下痢や便秘を引き起こしかねないため、両方の食物繊維がバランスよく摂取できる納豆は腸内環境改善に非常に効果的と言えるでしょう。

食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA

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納豆の摂取目安量

納豆の摂取目安量は1日1パックが目安です。多くても2パック程度までにとどめましょう。

摂取目安量の理由は、納豆に含まれる成分のうち、塩分、セレン、プリン体、大豆イソフラボンなどの栄養素が、過剰に摂取すると胃腸障害や痛風といった症状を引き起こす可能性があるためです。

また、目安量の範囲にとどめる場合であっても、添え付けのたれは半分にしておくなど、普段から塩分過多にならないよう工夫するとより良いでしょう。

納豆のおすすめの食べ方

納豆の栄養素をさらに活かす、おすすめの食べ方や食べ合わせを紹介します。

納豆+ネギ

納豆に刻んだネギを加える定番の組み合わせです。ネギを混ぜることで、納豆に足りないビタミンCを補ったり、ネギに含まれるアリシンという成分によってビタミンBの吸収を高めたりする効果が期待できます。

ねぎの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンCの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

アリシンの効果・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆+キムチ

発酵食品である納豆に、同じく発酵食品であるキムチを加える食べ合わせです。キムチに含まれる乳酸菌と納豆に含まれるナットウキナーゼの2つの栄養素によって、血液をサラサラにする効果や腸内環境の改善作用などが期待できます。

キムチの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

乳酸菌の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆+たまご

納豆に生卵を合わせる食べ合わせです。納豆だけでは摂取できない栄養素も補えて、栄養バランスがさらによくなります。

たまごの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆+オリーブオイル

納豆にオリーブオイルなどの脂質を加えると、さらに便秘解消効果が期待しやすくなります。加えるオイルをごま油にすれば、中華風の味わいになります。

オリーブオイルの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆+砂糖

納豆に砂糖を加えて混ぜると、粘りが一層強くなりナットウキナーゼも増えることがわかっています。ナットウキナーゼが増える理由は、砂糖が納豆菌のエサになるためです。

砂糖だけを加えると甘みが強くごはんと合わせづらいため、たれを加えた状態に少しだけ砂糖を加えて、すき焼きのような味付けにすると食べやすくなります。

納豆を食べる際の注意点

最後に、納豆を食べる際に気を付けたい注意点を解説します。

加熱しすぎに注意

「納豆に含まれる便秘に効果を発揮する栄養素」の項でも触れた通り、納豆に含まれる納豆菌は耐熱性菌と呼ばれ、加熱に強い性質を持っています。

しかし、納豆のネバネバした糸に含まれるナットウキナーゼは、熱に弱く50℃以上になると急激に活性が低下してしまいます。ナットウキナーゼの持つ血液をサラサラにする効果などをあわせて期待する場合は、加熱するレシピは避けたほうがよいでしょう。

調味料の使い過ぎに注意

納豆を食べる際は、調味料の使い過ぎにも注意しましょう。塩分を過剰摂取すると腸の筋肉低下が引き起こされ、腸のぜん動運動がうまくできず便秘につながる場合があります。

納豆に備え付けのたれは全て使わないなど、日頃から工夫するとよいでしょう。

ナトリウムの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA

参考文献

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