牛乳の便秘解消・便秘予防効果を徹底解説【悪化する理由も】

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牛乳

便秘解消や便秘予防効果で注目される牛乳の栄養や効果について解説します。便秘改善に正しく効果を発揮するために守りたい牛乳の摂取目安量やおすすめの飲み方なども解説するので、便秘にお悩みの方は参考にしてください。

牛乳とは

牛乳(milk)は牛の乳のことを指しますが、牛から絞った段階の乳は生乳(せいにゅう)と呼ばれ、市販されている牛乳とは異なるものです。

生乳は殺菌処理がされていないもので、ヨーグルトやバターなどあらゆる乳製品の原料となります。生乳に清浄化や加熱殺菌など処理を加えたものが、一般的に飲用される牛乳です。

牛乳の便秘解消効果以外の効果効能、牛乳と豆乳の違い、牛乳ダイエットの詳細については下記記事をそれぞれご覧ください。

牛乳の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

牛乳ダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点|NANIWA SUPLI MEDIA

牛乳に含まれる成分・栄養素

牛乳100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

牛乳には、100gあたり110mgのカルシウムが含まれています。カルシウムはミネラルの一種で、骨と歯を形成する大事な栄養素です。カルシウムだけでなく、同じく骨の形成を助けるリンも多く含まれています。

さらに牛乳はカルシウム以外にも栄養成分をたっぷり含んでおり、準完全栄養食品と呼ばれるほど栄養価が高い食品です。ミネラル以外にもビタミン、炭水化物、タンパク質、脂質がバランスよく配合されています。

食 品 名単位普通牛乳 脱脂乳加工乳 濃厚加工乳 低脂肪
廃 棄 率%0000
エネルギーkJ256134291178
kcal61317042
水 分g87.49186.388.8
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g33.133.4
たんぱく質g3.33.43.43.8
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g3.50.14.21
コレステロールmg123166
脂質g3.80.14.21
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g4.74.855.1
g****
利用可能炭水化物(質量計)g4.44.64.84.9
差引き法による利用可能炭水化物g5.355.55.7
食物繊維総量g0000
糖アルコールg----
炭水化物g4.84.85.35.5
有機酸g0.20.20.20.2
灰分g0.70.80.80.9
無機質ナトリウムmg41515560
カリウムmg150150170190
カルシウムmg110100110130
マグネシウムmg10101314
リンmg939710090
mg0.020.10.10.1
亜鉛mg0.40.40.40.4
mg0.010.01Tr0.01
マンガンmgTr000.01
ヨウ素μg16252419
セレンμg3333
クロムμg0000
モリブデンμg4344
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg38Tr3413
α|カロテンμg0000
β|カロテンμg60143
β|クリプトキサンチンμg0000
β|カロテン当量μg60143
レチノール活性当量μg38Tr3513
ビタミンDμg0.3TrTrTr
α-トコフェロールmg0.1Tr0.1Tr
β-トコフェロールmg00TrTr
γ-トコフェロールmg00TrTr
δ-トコフェロールmg00TrTr
ビタミンKμg201Tr
ビタミンB1mg0.040.040.030.04
ビタミンB2mg0.150.150.170.18
ナイアシンmg0.10.10.10.1
ナイアシン当量mg0.90.90.91
ビタミンB6mg0.030.040.050.04
ビタミンB12μg0.30.60.40.4
葉 酸μg500Tr
パントテン酸mg0.550.60.520.52
ビ オ チ ンμg1.83.13.52
ビタミンCmg12TrTr
アルコールg----
食塩相当量g0.10.10.10.2
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

牛乳に含まれる「乳糖」が便秘に効果を発揮

牛乳が便秘改善に効果を発揮するのは、乳糖と呼ばれる糖質が含まれているためです。乳糖には次のような働きがあります。

乳糖の働き①腸のぜん動運動を促す

牛乳に含まれる乳糖は、腸内細菌によって乳酸や酢酸に変換されると、腸のぜん動運動を高めて便秘を防ぐ働きがあります。

また乳糖には、水分を取り込んで便を柔らかくする働きもあると言われています。

乳糖の働き②腸内フローラを改善する

乳糖は体内でエネルギー源にもなりますが、難消化性のため一部は未消化のまま大腸に到達し、腸内細菌による発酵を受けて乳酸や酢酸といった有機酸を発生させます。

このとき発生した有機酸は腸内に存在する善玉菌のエサになるほか、腸内のpHを酸性に傾かせて善玉菌優位の腸内フローラ形成に寄与します。

【腸活におすすめ】腸内環境を整える食べ物・飲み物・生活習慣|NANIWA SUPLI MEDIA

牛乳で便秘が悪化する理由

牛乳の摂取により便秘が悪化すると考えられる理由を解説します。

牛乳を飲んでいるのに便秘が解消しない、あるいは悪化するという場合は、乳糖不耐症(牛乳不耐症)などの症状が考えられます。

臨床研究では実際に、便秘の子ども30人に牛乳やミルクをやめてもらうと排便が見られ、牛乳やミルクの摂取を再開したところ72時間以内に便秘が再現されたという報告もあります。

同様に、牛乳を大量に飲む子どものうち、便秘や裂肛を生じる子どもに牛乳の飲用を中止してもらったところ便秘症状が改善したという報告もあるとのことです。

牛乳の摂取目安量

牛乳を便秘解消や予防を目的として食べる場合の摂取目安量について解説します。

便秘解消のために牛乳を摂取する場合、起きてすぐにコップ1杯の冷たい牛乳を飲むのが効果的とされています。起床直後は水分不足で便が硬くなりやすいため、水分補給も兼ねて牛乳を飲むことで腸のぜん動運動が促される仕組みです。

ただし、前述の通り牛乳が原因で便秘が悪化することもあります。また、冷たい飲み物の摂取は腸を刺激してぜん動運動を促す一方で、飲み過ぎると胃腸を冷やして血行不良などを招きかねません。

普段から冷えが気になる場合は、牛乳を常温まで温めてから飲むなど工夫するとよいでしょう。

牛乳を食べる・摂取する際の注意点

牛乳を食べる際の注意点を解説します。

けいれん性便秘の場合は温めて

けいれん性便秘は、弛緩性便秘とは反対に、腸管の緊張しすぎによって便の運搬が滞ることで引き起こされる便秘です。

けいれん性便秘も弛緩性便秘と同様に、便の水分が過剰に吸収されることで、便が硬くコロコロとした状態になります。食後に腹痛があったり、便が出ても残便感が残ったりするほか、自律神経の失調により便秘と下痢を交互に繰り返す傾向もあります。

けいれん性便秘を引き起こす原因には、ストレスや睡眠不足、環境の変化などによる自律神経の乱れが関係しています。けいれん性便秘の改善には、過剰なストレスをなくすことが大切です。

そのため、冷たい牛乳を飲むよりも、温めた牛乳を朝晩などに摂取することで緊張をほぐすほうが効果的と考えられます。

牛乳で酸化マグネシウム(非刺激性の便秘薬)を服用しない

酸化マグネシウムは、腸に刺激を与える成分を含まない非刺激性の便秘薬のため、くせになりにくく便秘解消に活躍します。

しかし酸化マグネシウムを大量の牛乳で服用すると、高カルシウム血症が起こり吐き気や食欲不振などを引き起こすことがあります。

通常の食事に含まれる程度のカルシウムであれば問題ないとされていますが、酸化マグネシウム服用中に症状が現れた場合は服用を中断して様子を見ましょう。

下痢を起こす場合は無理に飲まない

牛乳を飲んで下痢を起こす場合は、無理に牛乳を飲み続けるのはやめましょう。乳糖不耐症でお腹を下している可能性もあり、下痢と便秘を繰り返すとかえって腸内環境が乱れてしまいます。一時的に下痢で便秘が解消しても、根本的な便秘解消にはつながりません。

参考文献

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