肝臓にいい食べ物・飲み物・食事方法

125views

栄養素

肝臓の調子が悪くなる原因や症状、基準値について解説したうえで、肝臓の機能を高める肝臓にいい食べ物や飲み物、生活習慣を紹介します。

肝臓とは

肝臓(liver)は、腹部の右上にある臓器です。成人男性では約1.5kg、成人女性では約1.3kgの重さがあります。

肝臓の主な作用は、栄養素の代謝・有害物質の解毒・食べ物を消化するのに必要な胆汁の生成および分泌の3つです。

肝臓は、障害が生じてもなかなか症状が現れないことから「沈黙の臓器」と呼ばれています。気付いたときには深刻な病状となっていることが多いため、血液検査などで早めに異常を発見し、治療を行う必要があります。

肝臓が疲れているときの症状

肝臓は、生活習慣の乱れにより働きが悪くなることがあります。肝機能が低下して体に必要なエネルギーが不足すると、以下のような症状が出る可能性もあるため注意してください。

  • 体が疲れやすい
  • 倦怠感
  • お酒に弱くなる
  • 食欲不振
  • むくみ
  • 腹部膨張感

AST・ALT・γ-GTPの数値に異常が出たら要注意

肝臓の状態は、健康診断や人間ドックの血液検査でわかる、AST(GOT)・ALT(GPT)γ-GTPの数値で判断できます。これらの数値が基準値を上回っている場合、アルコール性肝機能障害・胆道の圧迫や閉塞・肝硬変・慢性肝炎・すい炎・すい臓がんなどの疾患が疑われます。

ASTとALTは、肝細胞で生成される酵素です。ASTの基準値は7~38 IU/L、ALTの基準値は4~44 IU/Lです。

γ-GTPは、胆道から分泌され、タンパク質を分解する酵素の一種です。γ-GTPの基準値は、男性が50IU/l以下、女性が30IU/l以下とされます。

γ-GTPだけが基準値より高いときは、アルコールが原因の肝障害・すい臓の病気(すい炎やすい臓がん)の可能性があります。一方、ASTおよびALTの数値も高い場合、アルコール性肝障害以外の肝臓の病気である可能性があり、より詳しい検査をする必要があります。

肝機能が低下する原因

肝機能の低下を招く原因となる生活習慣は次の通りです。

アルコールの過剰摂取

体内に入ったアルコールは肝臓で無毒化されるため、お酒を飲み過ぎると肝臓に大きな負担がかかります。アルコールを大量に摂取し続けることで徐々に肝臓の機能が低下していき、脂肪肝・アルコール性肝炎・肝硬変などを発症します。

アルコールが分解されるときに発生するアセトアルデヒドは、体にとって有害な物質です。肝臓がアセトアルデヒドを分解しきれなくなると、肝臓の細胞がアセトアルデヒドに攻撃され、変性や壊死を引き起こすのです。

アルコールを分解する力には個人差があり、分解能力が弱い人は短期間・少量の飲酒でも肝臓の調子が悪くなる可能性があります。また、アルコールの代謝速度が男性よりも遅い女性のほうが、アルコール性肝障害を発症しやすいと考えられます。

肥満

肥満や太りすぎも肝臓に負担をかける原因です。肥満の人には脂肪肝の割合が多く、肝疾患の発症リスクも高まります。

脂肪肝は、中性脂肪が肝臓にたまった状態で、倦怠感・疲れやすいなどの症状が出ることも。脂肪肝が進行すると肝臓がんや肝硬変を引き起こす可能性があります。

肝臓にいい食べ物・飲み物

肝機能をサポートしてくれる、肝臓にいい食べ物・飲み物について解説します。

しじみ:二日酔いの解消にも効果的

しじみには、肝臓に良い効果のあるタウリン・オルニチンなどのアミノ酸が豊富です。

タウリンは、肝臓が分泌する胆汁の主成分で、肝機能を強化する効果があります。タウリンには悪玉コレステロールの吸収を抑える機能もあり、肥満や脂肪肝の予防にも効果的と考えられます。タウリンは、しじみのほか、あさり・牡蠣・タコ・エビ・などの魚介類に豊富です。

一方、オルニチンには肝臓の働きをサポートする作用があり、二日酔いや悪酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を促進します。アルコールを大量に摂取したり、肝臓の働きが悪くなっているときに起こる二日酔いを予防します。

オルニチンは、同じ貝類でもあさりやはまぐりにはほとんど含まれないため、二日酔いのときに食べるならしじみがおすすめです。

しじみの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

梅干し:肝臓の機能を高めるピルビン酸

梅干しに含まれるピルビン酸は、肝機能を高める効果が期待される有機酸の一種です。梅干しにはクエン酸・リンゴ酸など多くの有機酸が含まれており、疲労回復やカルシウムの吸収効率を高める機能があります。

また、梅干しにはナトリウムなどのミネラル類も豊富で、脱水状態となっている二日酔いの回復を早める効果もあります。

梅の栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

緑黄色野菜:肝臓を酸化ストレスから守る抗酸化ビタミン

肝臓が弱っているときは、抗酸化作用のあるビタミンA・ビタミンC・ビタミンEを摂取して酸化ストレスから肝臓を守りましょう。酸化ストレスとは、酸化反応により引き起こされる生体にとって有害な作用のことで、肝疾患の一因でもあります。

ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEといった抗酸化ビタミンは、かぼちゃ・にんじん・ほうれん草・小松菜・ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

お酒を飲む機会が多いときは、これらの野菜を含む料理やおつまみを積極的に食べてみてください。コンビニで買える野菜スティックも手軽でおすすめです。

かぼちゃの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI

ニンジンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI

ほうれん草の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI

小松菜の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI

ブロッコリーの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI

牛乳・乳製品:良質なタンパク質の摂取元

牛乳は、アミノ酸スコア100の良質なタンパク質を含む栄養価の高い飲み物です。牛乳をはじめとする乳製品には、肝臓が機能するうえで必要なアミノ酸が豊富に含まれています。

肝臓が疲れていると感じるときは、牛乳やチーズなどの乳製品から栄養素を補給するようにしましょう。ただし、脂質の多い食品は肝臓への負担となるため、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳がおすすめです。

牛乳の栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

肝臓に負担をかけない生活習慣

肝臓への負担を減らすために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

お酒を飲み過ぎない

アルコールの過剰摂取は、肝臓の機能を低下させ、肝機能障害や脂肪肝を引き起こす主要な原因です。

アルコールの摂取量を減らすと共に、週に1~2日以上はお酒を飲まない休肝日を設けるのが肝臓のためには理想と言えるでしょう。

脂質の多い食事を控える

脂質の多い食品の食べ過ぎは、脂肪肝の発症リスクを高めます。脂肪肝は肥満と併発することも多いため、脂質の多い肉類や揚げ物・炒め物など油を多く使う料理は食べ過ぎないようにし、体型をキープしましょう。

食品添加物の多い加工食品は避ける

保存料・着色料・人工甘味料などの食品添加物のなかには、肝臓に負担をかけるものがあります。肝臓の健康のために、食品添加物を多く含む加工食品は食べ過ぎないようにしましょう。加工食品には脂質が多く含まれるものもあり、脂肪肝の人にとっても良くありません。

薬・サプリメントの飲み過ぎには注意

薬に含まれる成分が原因で、薬物性肝障害を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

薬だけでなく、サプリメント・漢方薬・健康食品が肝臓へ悪影響を及ぼす可能性もあります。肝臓への負担を考えて、薬やサプリメントをむやみやたらに服用しないように気を付けてください。

タバコをやめる

喫煙によって肝臓病のリスクが高くなることが指摘されています。タバコの煙には約70種類の発がん性物質が含まれており、がんのリスクも高めます。

飲酒を控えるだけでなく喫煙の習慣も見直し、肝臓への負担を最小限に抑えましょう。

規則正しい生活を心がける

睡眠不足や生活リズムの乱れも肝臓の働きに悪影響を及ぼします。マウスを使った実験では、睡眠障害が肝臓の代謝を変化させ、肝脂肪の蓄積を増加させることが判明しています。

肝臓の調子が悪いときは十分な睡眠をとるよう心がけ、体の回復を早めてください。

有酸素運動を習慣的に行う

脂肪肝のリスクを高める肥満を解消するためには、1日20分以上の有酸素運動で体脂肪を燃やすのが効果的です。運動不足の自覚がある方は、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動から始めてみると良いでしょう。

参考文献