アンチエイジングにおすすめの抗酸化作用のある食べ物・飲み物

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栄養素

アンチエイジングをサポートする栄養素を豊富に含む、アンチエイジングに効果的な食べ物や飲み物を紹介します。

アンチエイジングとは

アンチエイジングとは「抗老化」や「抗加齢」を意味する言葉です。医療の分野では、健康的な身体を作ることで病気や老化による衰えを防ぐ意味があります。

肌も加齢によりシミやシワ、たるみなどのトラブルが起きやすくなるため、アンチエイジングの考え方は重要です。健やかな肌をキープするためにも身体が老化する原因を理解したうえで、食事や生活習慣を見直しましょう。

肌が老化する原因

加齢により肌が老化する原因を解説します。

肌機能低下

年齢を重ねると、肌機能そのものが低下してしまいます。

肌にはバリア機能が存在していますが、その機能が低下してしまうと外部からの刺激を受けやすくなります。バリア機能は肌内部の水分保持にも関わっているので、同時に肌の乾燥を招いてしまうのです。

結果的に肌の生まれ変わりサイクルであるターンオーバーも乱れがちになり、肌トラブルが起こりやすくなってしまいます。

身体の酸化

「サビつき」とも呼ばれる身体の酸化は、体内で発生した活性酸素により細胞が傷つけられてしまう状態です。活性酸素は身体の生理活性や免疫機能に利用される物質ですが、過剰に生成されると悪影響をもたらします。

紫外線・ストレス・喫煙・食品添加物などあらゆる要因で活性酸素は発生するので、身体を酸化させないためにも抗酸化作用のある食品を摂取するのが望ましいです。

身体の糖化

老化を促進させるものとして、近年注目されているのが身体の糖化です。身体の「こげつき」とも呼ばれます。

糖化は体内で余分な糖分とたんぱく質などが結びつき、AGEs(終末糖化産物)が生成されることを指します。AGEsは細胞を劣化させる原因となります。

また、血糖値の急な上昇も糖化を招くので、糖分の過剰摂取には気を付けましょう。

アンチエイジングに効果的な栄養素

アンチエイジングに効果的な食べ物・飲み物について解説します。

タンパク質:健康的な肌を作る

タンパク質は、構造タンパク質として身体のあらゆる部分を構成する栄養素です。皮膚にはコラーゲンとして存在し、十分なタンパク質の摂取は健康な皮膚の生成につながります。

体内でのタンパク質の利用率を高めるには、アミノ酸をバランスよく含んでいるタンパク質を摂取することが重要です。

タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品 | NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンC:紫外線から肌を守る

肌の老化原因の多くは紫外線にあると言われています。強い紫外線を浴びると、体内で活性酸素が発生して細胞を傷つける危険性が高まるためです。

ビタミンCは高い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去する働きがあります。さらにメラニン色素の生成を抑制する作用もあるため、日焼けやシミの予防にも効果的です。

ビタミンCの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンE:若返りのビタミン

皮膚の細胞を傷つける物質のひとつに、過酸化脂質があります。過酸化脂質はコレステロールや中性脂肪が活性酸素により酸化したものの総称です。

ビタミンEは過酸化脂質の発生を抑制する作用が優れています。高い抗酸化作用で活性酸素を除去するだけでなく、フリーラジカルを排除する働きで脂質の酸化を強力に防ぎます。

ゆえにビタミンEは「若返りのビタミン」と呼ばれ、アンチエイジングで注目されているのです。

ビタミンEの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

カロテノイド:高い抗酸化作用

カロテノイドとは、赤色または黄色の色素で、カロテン類とキサントフィル類に大別されます。カロテン類ではβ-カロテンやリコピン、キサントフィル類ではアスタキサンチンやルテインが代表的です。

カロテノイドは抗酸化物質のひとつで、過剰に発生した活性酸素を除去したり、活性酸素の発生そのものを抑えたりする作用があります。身体の酸化を防ぐには欠かせない栄養素です。

リコピンの効果効能・多く含む食品・1日の摂取目安量・効率よく摂取する方法・副作用 | NANIWA SUPLI MEDIA

β-カロテンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

クエン酸:抗糖化を抑制

クエン酸は食品から摂取した糖質をエネルギーに変換させるのに活躍する栄養素です。老化につながる身体の糖化は糖がタンパク質と結びつくことで発生するので、糖の代謝を促進してくれるクエン酸は抗糖化作用に期待できます。

また、抗糖化の原因となる血糖値の急激な上昇も抑えてくれるので、お酢やレモンを積極的に使うと良いでしょう。

クエン酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

ポリフェノール:老化を防ぐ

ポリフェノールとは植物の苦味・渋味・色素などのもとになる成分です。高い抗酸化作用を持っているため、活性酸素による老化を防ぎアンチエイジングに役立ちます。

ポリフェノールは種類が多くあり、カテキンやイソフラボンなどが代表的です。特に緑茶葉に含まれる茶カテキンは糖の吸収を穏やかにする作用があり、血糖値の急上昇を抑えることから抗糖化にも期待ができます。

ポリフェノールの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

アンチエイジングにおすすめの食べ物・飲み物

アンチエイジングに効果的な食べ物・飲み物について解説します。

納豆

納豆には健康的な肌作りに欠かせないタンパク質が多く含まれています。

また、近年注目を浴びている栄養素がポリアミンです。ポリアミンは抗炎症作用を持つことが研究によって明らかになっており、老化の要因となる体内の炎症抑制に役立つと考えられています。

ポリアミンは体内で生成できますが加齢とともに生成量は減っていくので、ポリアミンが多く含まれる食品の摂取はアンチエイジングにつながるでしょう。

納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法法 | NANIWA SUPLI MEDIA

りんご

りんごにはビタミンCやクエン酸のほか、さまざまなポリフェノールが豊富に含まれています。特にもっとも含有量の多いプロシアニジンは、ポリフェノールのなかでもとりわけ抗酸化作用の強い栄養素です。

国内のりんごでは「ふじ」や「王林」にやや多く含まれるので、購入の際に参考にしてみてください。

りんごの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

アサイー

アサイーは非常に栄養価が高く、「スーパーフルーツ」や「ミラクルフルーツ」などとも呼ばれる果実です。ポリフェノールの含有量が多く、なんと赤ワインの約30倍ものポリフェノールが含まれていると言われています。

ブラジル以外で生果実は販売されていませんが、国内ではパウダータイプや冷凍ピューレなどの加工品を購入できます。

アサイーの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

緑茶

抗酸化作用と抗糖化作用のどちらもほしい方には、緑茶がおすすめです。

緑茶に含まれるカテキンはポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用を持っています。さらに血糖値の急な上昇を抑制する働きがあり、抗糖化にも期待できる飲み物です。

普段飲んでいるものを緑茶に置き換えてみるのも良いでしょう。

黒酢

黒酢にはメラノイジンというポリフェノールが豊富に含まれています。メラノイジンは高い抗酸化作用を持ち、身体の酸化防止に役立つでしょう。

また、食後の血糖値上昇を抑える作用もあるため、抗糖化にも効果的です。

黒酢の栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

赤ワイン

ワインのなかでも赤ワインはポリフェノールが豊富です。原料であるブドウの皮や種子にポリフェノールが多く含まれるため、丸ごと絞って作られる赤ワインのほうが白ワインよりも抗酸化作用が高いと言えます。

ポリフェノールは熱に強い性質があるので、赤ワインを使った煮込み料理やお菓子作りなどに活用でき、お酒が苦手な方でも取り入れやすいでしょう。

豆乳

大豆には大豆イソフラボンがや大豆サポニンなどの抗酸化物質が含まれるので、高い抗酸化作用が期待できるでしょう。タンパク質が豊富な大豆は肌作りにぴったりな食材と言えます。

毎日の生活に取り入れるなら、コンビニでも買える豆乳が最適です。加工品の豆乳にもイソフラボンは多く含まれるので、上手に活用しましょう。

大豆の栄養と効果効能・食べ方・注意点・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

はちみつ

直接肌に塗っても、食べても保湿効果を発揮するのがはちみつです。はちみつにはポリフェノールのプロポリスが含まれ、抗酸化作用が期待されます。

レモンのはちみつ漬けにすると、アンチエイジングに重要なビタミンCやクエン酸を補えるのでおすすめです。マヌカハニーならビタミンCも含まれているため、そのままでも効果が期待できてより手軽でしょう。

はちみつの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

マヌカハニーの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウトはブロッコリーの新芽で、栄養価が高いのが特徴です。

ブロッコリーに比べβ-カロテンの含有量は約1.7倍、抗酸化物質であるスルフォラファンは10倍以上も多く含まれています。

脂溶性の栄養素であるβ カロテンを効率的に摂取するには、ドレッシングオイルと一緒に食べると良いでしょう。

ブロッコリースプラウトの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

アーモンド

ビタミンEが豊富な食品の代表格はアーモンドです。健康的な肌作りをサポートするビタミンB2も多く含まれるため、肌にとって好影響を与えてくれるでしょう。

ただしアーモンドは脂質が多いので、カロリーが高い傾向にあります。1日あたりの摂取量目安は成人男性で約22粒、成人女性は20粒です。食べ過ぎにはくれぐれも注意しましょう。

アーモンドの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

ごま

近年、アンチエイジングで注目されている食品がごまです。ごまにはゴマリグナンと呼ばれる成分が含まれており、抗酸化作用が期待できます。

ごまの皮はかなり硬く消化しづらいため、むきごまのほうが栄養を吸収しやすいでしょう。しかし皮にも栄養が含まれているので、余さず栄養素を摂取したい人にはすりごまをおすすめします。

ごまの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

なす

なすにはナスニンというポリフェノールが含まれています。ナスニンはアントシアニン系色素で、なすの鮮やかな紫色を作り出している成分です。皮により多く含まれるため、調理をするときは丸ごと使ったほうが良いでしょう。

水溶性の栄養素なので、油でコーティングしてから加熱調理すると栄養が損なわれにくいですよ。

なすの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

れんこん

野菜のなかでもれんこんはビタミンCの含有量が多い野菜です。ポリフェノールの一種であるタンニンも含まれるため、身体の酸化防止に役立つでしょう。

一般的にビタミンCは熱に弱い性質がありますが、れんこんは豊富に含まれるでんぷんがビタミンCを守ってくれるので、加熱調理しても栄養素の損失が少ない野菜です。

れんこんの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

かぼちゃ

かぼちゃには「ビタミンACE(ビタミンエース)」と呼ばれる三大抗酸化ビタミンが含まれています。β-カロテン(ビタミンA)・ビタミンC・ビタミンEが豊富に含まれ、アンチエイジングにはぴったりの食材です。

特にβ-カロテンは果肉より皮に多く含まれているので、できるだけ皮ごと調理するようにしましょう。

かぼちゃの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

摂取に気を付けたい食べ物

アンチエイジングの効率を高めるには、避けるべき食品がいくつかあります。その代表例を以下で紹介します。

  • 白砂糖が多く含まれる食べ物:急激な血糖値上昇を招き、糖化を進める危険性があります。
  • ハムやベーコンなどの加工品:AGEs(終末糖化産物)の含有量が高い食品なので、身体の糖化につながります。
  • 揚げ物:高温で長時間調理した料理はAGEs(終末糖化産物)が高くなる傾向があります。
  • 食品添加物の多いもの:食品添加物は活性酸素を増やす原因となる物質です。

アンチエイジングに効果的な生活習慣

アンチエイジングを目指すうえで心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

急激に血糖値を上げない

糖化を進める要因として、血糖値の急激な上昇があります。血糖値が上がりやすい白砂糖を避けるなど、食生活を見直してみましょう。

食習慣で取り組みやすいのは食べる順番です。野菜から食べると、野菜に含まれる食物繊維のおかげで糖質の吸収がゆるやかになります。食物繊維が豊富な海藻類、キノコ類を最初に食べる方法でも構いません。

紫外線ケア

活性酸素を過剰に発生させる要因のひとつは紫外線です。紫外線は1年中降り注いでいるので、照射量に合わせて紫外線対策を講じるのが良いでしょう。

特にUVBの照射量が多い夏は、SPFの値が高い日焼け止めを選ぶのが得策です。日差しの弱い冬や曇りの日も波長の長いUVAは降り注いでいるため、忘れずに日焼け止めを塗りましょう。

ストレスを溜めない

過度なストレス状態は、体内で活性酸素を発生させるので気を付けましょう。身体がリラックスできるようこまめに休息を取ることが重要です。

入浴は交感神経からリラックス状態の副交感神経に切り替わりやすくしてくれるので、毎日の習慣に取り入れると良いでしょう。

十分な睡眠

睡眠不足は成長ホルモンの分泌を阻害してしまうため、肌の代謝機能が衰える原因となります。成長ホルモンが活発に分泌されるのは22時から翌2時にかけてなので、タイミングを合わせて睡眠時間を決めると良いでしょう。

質の良い睡眠を取るには、寝る前の行動も重要です。ブルーライトは交感神経を優位にしてしまうため、寝る直前まで携帯電話やパソコンを使用するのは避けましょう。

運動習慣

軽い運動は、身体の抗酸化力アップをサポートします。ただし、激しい運動は逆に活性酵素の過剰発生を促すため、注意してください。ウォーキングや軽いジョギングなどがおすすめです。

また、運動により筋肉量が増えれば、肌にハリが生まれ若々しい印象を保ちやすくもなります。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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