りんごの栄養と効果効能・調理法・保存法

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りんごの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、りんごに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

りんごとは

りんごは、バラ科リンゴ属の果物です。

りんごの原種はいくつかの地域に分かれていますが、現在日本人の多くが食べている一般的なりんごの原種は、カスピ海と黒海にほど近いコーカサス地方から北部ペルシャ(イラン)地方、中央アジアの天山山脈に自生しているりんごだと言われています。

日本にりんご産業が根付いたのは、明治時代の文明開化以降。当時は外国産品種が主流でしたが、昭和30年代から日本オリジナルの品種がつくられ、栽培されるようになりました。

ビタミンC、カリウム、ポリフェノール、食物繊維など栄養素が豊富に含まれており、欧米では「An apple a day keeps the doctor away.(一日一個のリンゴは医者を遠ざける)」ということわざがあります。

栄養素の高さと食べやすさ、100gあたり61kcalというカロリーの低さからも、健康・美容に効果的な果物といえるでしょう。

りんごの旬は秋から冬。ほぼ1年中出回っているのは、品種によって収穫時期にばらつきがあるためです。また同じ品種でも、産地によって旬は変わります。

りんごの品種・種類

りんごの品種は多岐にわたり、世界に約15,000種、日本に約2,000種あると言われています。なかでも代表的な品種を紹介します。

ふじ:日本で最も栽培されている品種

日本で最も多く栽培されている晩生種。大きさは約300~400gで、ジューシーで甘く、鮮やかな紅色が特徴です。

貯蔵性に優れているため、秋に収穫された後は冷蔵保存され、他の品種が出回らなくなる4〜8月頃に店頭に並びます。2001年には、品種別生産量で世界1位になりました。

つがる:果汁がたっぷりで甘みが強い

収穫時期が9月中旬〜10月頃の早生種です。袋をかけずに栽培され、太陽の光を浴びることで甘みが強くなります。

紅色で全体的に薄い縞模様があるのが特徴。糖度が高くジューシーで、酸味はほとんどありません

王林:芳醇な香りを持つ青りんごの代表格

11月中旬〜翌年2月頃が旬の晩生種で、青リンゴの代表品種。主に青森県で栽培されています。

皮は薄緑色で糖度が14度と高く、強い甘みと芳醇な香りが特徴です。

ジョナゴールド:酸味が際立つアメリカ生まれのりんご

10月上旬〜11月中旬にかけて出回るアメリカ生まれの品種。大きさは約300~400gで、甘みの中に感じるやや強めの酸味が特徴です。

生のままはもちろん、調理用にも適しています。

シナノゴールド:歯ごたえの良い黄色りんご

10〜12月が旬の中生種で、長野県生まれの黄色りんごです。引き締まった果肉、サクサクとした歯ごたえ、バランスの良い甘みと酸味があります。

紅玉:濃い紅色の酸味が強いりんご

10月上旬〜11月頃が旬の中生種。「Jonathan(ジョナサン)」というアメリカ原産の古い品種で、日本には明治4年に開拓しによって導入されました。

大きさは約200gと比較的小さめで、ジューシーで酸味が強く、濃い紅色の果皮が特徴です。

りんごに含まれる成分・栄養素

りんご100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

参考として、生のりんご以外に、ジュース、缶詰、ジャムなどの成分表を並記しています。

食品名単位りんご 皮つき、生りんご 皮つき、焼きりんご 皮むき 生りんご 果実飲料 ストレートジュースりんご 果実飲料 濃縮還元ジュースりんご 果実飲料 50 %果汁入り飲料りんご 果実飲料 30 %果汁入り飲料りんご 缶詰りんご ジャム
エネルギー(kcal)kcal/100 g6183574443464683213
水 分g/100 g83.177.284.187.788.188.388.579.446.9
たんぱく質g/100 g0.20.20.10.20.10.1Tr0.30.2
脂 質g/100 g
0.3
0.40.20.10.2TrTr0.10.1
飽和脂肪酸g/100 g-0.020.01-0.01-0.02(Tr)(Tr)-0.01-0.01
一価不飽和脂肪酸g/100 g(Tr)Tr(Tr)(Tr)00(Tr)(Tr)
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.050.03-0.02-0.04-0.01(Tr)-0.02-0.02
コレステロールmg/100 g000000000
炭水化物g/100 g16.221.915.511.811.411.511.420.152.7
水溶性食物繊維g/100 g0.50.60.4TrTr000.20.5
不溶性食物繊維g/100 g1.41.91TrTr000.20.3
食物繊維総量g/100 g1.92.51.4TrTr000.40.8
ナトリウムmg/100 gTr1Tr362827
カリウムmg/100 g1201701207711055243033
カルシウムmg/100 g453232246
マグネシウムmg/100 g573342122
リンmg/100 g121712694344
mg/100 g0.10.10.10.40.10.1Tr0.20
亜鉛mg/100 g0.10.1TrTrTrTrTr0.1Tr
mg/100 g0.050.070.050.030.020.010.010.020.02
マンガンmg/100 g0.040.050.020.030.040.010.010.010.01
ヨウ素µg/100 g01001
セレンµg/100 g00000
クロムµg/100 g0Tr112
モリブデンµg/100 g110TrTr
レチノールµg/100 g000000000
α-カロテンµg/100 g000000
β-カロテンµg/100 g223212004
β-クリプトキサンチンµg/100 g10147000
β-カロテン当量µg/100 g273915000094
レチノール活性当量µg/100 g23100001Tr
ビタミンDµg/100 g000000000
α-トコフェロールmg/100 g0.40.70.10.10.1Tr00.10.1
β-トコフェロールmg/100 g000000000
γ-トコフェロールmg/100 g000000000
δ-トコフェロールmg/100 g000000000
ビタミンKµg/100 g23Tr000000
ビタミンB1mg/100 g0.020.030.020.01Tr000.010.01
ビタミンB2mg/100 g0.010.01Tr0.01Tr000.010
ナイアシンmg/100 g0.10.10.10.10.1000.10
ナイアシン当量mg/100 g-0.10.2
ビタミンB6mg/100 g0.040.060.040.030.020.010.010.010.03
ビタミンB12µg/100 g000000000
葉酸µg/100 g342321031
パントテン酸mg/100 g0.050.050.030.210.110000
ビオチンµg/100 g0.70.90.50.50.3
ビタミンCmg/100 g67431TrTrTrTr
備考廃棄部位:果しん部果しん部を除いたもの廃棄部位: 果皮及び果しん部ビタミンC: 酸化防止用として添加品ありビタミンC: 酸化防止用として添加品あり試料: ヘビーシラップ漬液汁を含んだもの (液汁 50 % )ビタミンC: 酸化防止用として添加品ありビタミンC: 酸化防止用として添加品あり
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

りんごの効果・効能

りんごに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

カリウム:むくみを予防する・血圧を下げる

りんごには、ミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれています。

カリウムは、細胞内にある過剰な水分(ナトリウム)を体外に排出してむくみを予防したり、血圧を下げたりといった効果があります。

水溶性食物繊維:腸内環境を整える

りんごには水溶性食物繊維であるペクチンが豊富です。ペクチンは善玉菌を増やす作用があり、腸内環境を整える効果が期待できます。

また、水溶性食物繊維は水分を含むとジェル状になる性質を持っており、便をやわらかくする効果もあります。

ポリフェノール:細胞の老化を防止する

りんごはさまざまなポリフェノール類を含んでいますが、全体の約6割を占めるのが「プロシアニジン」です。

すべての品種に含まれており、国内の品種では「ふじ」「王林」にやや多めに含まれています。

プロシアニジンの特徴は、ポリフェノールの中でも強い抗酸化力です。この抗酸化作用によって、老化や免疫力低下の原因となる活性酸素の働きを抑える効果があります。

ビタミンC:美白効果・貧血予防を助ける

ビタミンCは、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑え、美白づくりを助ける効果があります。

また、ビタミンCは鉄の吸収を高める作用があるため、貧血予防にも効果が期待できるでしょう。

りんごの効果的な食べ方

りんごの栄養素を損なわない食べ方を解説します。

皮ごと食べる

りんごの皮や皮の近くには、果肉よりも多くの食物繊維やビタミンC、ポリフェノールが含まれています。

これらの栄養素を摂取するためには、皮ごと食べるのが良いでしょう。皮が硬くて食べにくい場合は、皮ごとすりおろしたり、小さめにカットして煮詰めてジャムにする方法があります。

加熱調理する

りんごを加熱調理すると、水溶性食物繊維のペクチンが増えるという報告があります。

また、体内にある過剰な水分を体外に排出する働きがあるカリウムも、加熱調理することで100gあたり120mgから170mgに増え、その効果が高まることがわかっています。

りんごを食べる際の注意点

りんごのカロリーは低めですが、糖質は主に果糖・ショ糖・ぶどう糖で、100gあたり14.3g含まれています。

バナナやイチゴなど他の果物に比べるとやや含有量が多いので、ダイエットや糖質制限中の人は摂取量に注意が必要です。

りんごのおすすめの調理方法

りんごのおすすめ調理法を紹介します。

りんごジャム

まず、りんごを洗って水気を拭き取り、種と芯を取り除いていちょう切りにします。耐熱ボウルにりんご、レモン汁、砂糖を入れてラップをし、電子レンジを数回かけて水分を飛ばします。

完成したジャムは、冷蔵・冷凍保存が可能。冷蔵保存で約2週間、冷凍保存で約1ヶ月保存することができます。

りんごスムージー

りんごを洗って水気を拭き取り、一口大に切って冷凍庫で凍らせます。ミキサーに凍らせたりんご、牛乳、はちみつを入れたらりんごスムージーの完成です。

便通改善が期待できる食物繊維や、美白を促進するビタミンC、アンチエイジング効果のあるポリフェノールなど、美容に嬉しい栄養素を摂取することができます。

りんごを使った離乳食

りんごを使った離乳食は、離乳食初期(生後5〜6ヶ月ごろ)から赤ちゃんに食べさせることができます。

すりおろしてペースト状、角切り、スティック状に下ごしらえをし、耐熱容器に入れて電子レンジで加熱するか、鍋に入れて弱火で煮込むなどしましょう。

製氷機で小分けにしてから冷凍保存すれば、解凍調理する際も便利です。

りんごの保存方法

最後に、りんごの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

冷蔵保存

りんごは乾燥に弱い果物です。ペーパータオルや新聞紙に1玉ずつ包み、熟成を早める「エチレンガス」でほかの食材に影響を与えないために、ポリ袋に入れて口を閉じます。このとき、磨く必要などはありません。

ポリ袋に入れたりんごは冷蔵庫で保存します。りんごは低温多湿での保存が好ましいので、野菜室ではなく冷蔵室に入れましょう。保存期間は約2ヶ月です。

常温保存

大量にりんごがあり、冷蔵庫に入り切らない場合は、廊下や玄関などで温度が低い冷暗所で常温保存しましょう。常温保存の保存期間は約1ヶ月です。夏場は冷蔵保存が好ましいです。

冷凍保存

冷凍保存する場合は、りんごをよく洗ってからくし切りにして芯を取り除き、3切れほどまとめてラップに包みます。

皮はついたままでも、剥いても、どちらでも問題ありません。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れてください。冷凍状態で約1ヶ月保存することができます。

変色を防ぐ

カットしたりんごは酸化により変色してしまいます。防ぐためには、塩水、もしくはレモン水を断面につけて、ラップで包んで保存しましょう。