はちみつの栄養と効果効能・調理法・保存法

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はちみつの原産国、種類や旬などの基本情報、はちみつに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

はちみつとは

はちみつは、名前の通り「蜂の蜜」のことをいいます。なお、公正競争規約におけるはちみつの定義は、下記の通りです。

公正競争規約における「はちみつ」とは、みつばちが植物の花蜜、植物の分泌物又は同分泌物を吸った他の昆虫の排出物を集め、巣に貯え、熟成した天然の甘味物質であって、特定の性状(特有の香味)を有し、また、別に定める組成基準に適合したものです。

公正競争規約|全国はちみつ公正取引協議会

働きバチが、約500の花を訪れて蜜を吸い、巣に持ち帰りはちみつを集めます。巣に持ち帰った時点のはちみつは水分を70%含んだ状態。それを蜂の酵素で分解し、羽ばたきでじっくり時間をかけて水分を飛ばします。

1匹の蜂が一生かかって作れるはちみつの量は、わずかティースプーン一杯。蜂にはさまざまな種類がありますが、はちみつを作れるのはミツバチだけです。

瓶詰めのはちみつは1年中出回っていますが、はちみつの採集時期は決まっています。はちみつが採れる時期は日本ミツバチと西洋ミツバチで異なり、日本ミツバチの場合、春・5月ごろ・秋の3回。西洋ミツバチは、初春・4〜5月の2回です。

イギリスには「The history of honey is the history of mankind.(はちみつの歴史は、人類の歴史)」ということわざがあるほど、人類とはちみつの歴史は古く、紀元前6,000年頃まで遡ります。

スペイン東部のラ・アラーニャ洞窟の壁画には、はちみつを採集する人が描かれています。養蜂家が登場するのは紀元前5,000年頃。日本には明治時代に養蜂に適した西洋バチが輸入されたことで、一気に普及していきました。

はちみつの種類

はちみつは、蜜の源となる花の種類に分けられます。はちみつの大部分を1種類の花から採れたはちみつを「単花蜜(たんかみつ)」、複数の花から採れたはちみつを「百花蜜(ひゃっかみつ)」と言います。

はちみつの香りや味は花の種類によって異なりますが、同じ花でも、採蜜する場所、その年の天候によって、少しずつ変わってきます。以下では、代表的な蜜源の種類を解説します。

れんげはちみつ:はちみつの王様

日本を代表するはちみつで「はちみつの王様」と呼ばれています。

まろやかな味と上品なコク、ほのかな香りが特徴。近年れんげ畑が少なくなってきていることと、外来の害虫による被害を受け、国産のれんげはちみつは希少で高級なものになっています。

アカシアはちみつ:はちみつの女王

れんげはちみつと並んで、日本で人気のあるはちみつです。

やさしい香りでクセがなく、さらりとした淡白な味わい。結晶ができにくいという特徴もあります。

そばはちみつ:黒砂糖ににた深いコク

日本での主な生産地は北海道。濃い褐色、強い香り、黒砂糖に似た深いコクが特徴です。

れんげはちみつやアカシアはちみつと比べて、日本ではあまり馴染みがありませんが、フランスでは高級はちみつとして人気があります。

オレンジはちみつ:柑橘ならでは爽やかな香りと味わい

主に南米やアメリカから輸入されるはちみつ。柑橘系ならではの爽やかな香りと甘酸っぱさ、フルーティーな味わいが特徴です。

レモンはちみつ:すっきりとした味わい

主な産地はアルゼンチンとニュージーランドです。柑橘系の爽やかな香りとスッキリとした味わいがあります。

クローバーはちみつ:世界で最も人気の高いはちみつ

優しい甘みと上品な風味が特徴で、世界で最も人気の高いはちみつ。クセがないことから、どんな料理や飲み物とも合わせやすいはちみつです。

マヌカはちみつ:殺菌・抗菌作用が強い

ニュージーランド原産のはちみつで、マヌカハニーと呼ばれます。

ピロリ菌や大腸菌などに対する殺菌、抗菌作用が高いはちみつ。クリーミーな食感で、濃厚な味わいが特徴です。

はちみつに含まれる成分・栄養素

はちみつ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位はちみつ
%0
エネルギー(kcal)kcal/100 g303
エネルギー(kJ)kJ/100 g1267
水 分g/100 g17.6
たんぱく質g/100 g0.3
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g-0.2
脂 質g/100 gTr
トリアシルグリセロール当量g/100 g
飽和脂肪酸g/100 g
一価不飽和脂肪酸g/100 g
多価不飽和脂肪酸g/100 g
コレステロールmg/100 g0
炭水化物g/100 g81.9
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g75.3
水溶性食物繊維g/100 g0
不溶性食物繊維g/100 g0
食物繊維総量g/100 g0
灰 分g/100 g0.1
ナトリウムmg/100 g2
カリウムmg/100 g65
カルシウムmg/100 g4
マグネシウムmg/100 g2
リンmg/100 g5
mg/100 g0.2
亜鉛mg/100 g0.1
mg/100 g0.04
マンガンmg/100 g0.21
ヨウ素µg/100 gTr
セレンµg/100 g0
クロムµg/100 g1
モリブデンµg/100 g0
レチノールµg/100 g0
α-カロテンµg/100 g0
β-カロテンµg/100 g1
β-クリプトキサンチンµg/100 gTr
β-カロテン当量µg/100 g1
レチノール活性当量µg/100 g0
ビタミンDµg/100 g0
α-トコフェロールmg/100 g0
β-トコフェロールmg/100 g0
γ-トコフェロールmg/100 g0
δ-トコフェロールmg/100 g0
ビタミンKµg/100 g0
ビタミンB1mg/100 gTr
ビタミンB2mg/100 g0.01
ナイアシンmg/100 g0.3
ナイアシン当量mg/100 g-0.4
ビタミンB6mg/100 g0.02
ビタミンB12µg/100 g0
葉酸µg/100 g7
パントテン酸mg/100 g0.12
ビオチンµg/100 g0.4
ビタミンCmg/100 g0
食塩相当量g/100 g0
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g0.3
重量変化率%
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

はちみつの効果・効能

はちみつに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

カリウム:むくみを予防する・血圧を下げる

はちみつには、カリウムが豊富に含まれています。

カリウムは、体内の過剰な水分(ナトリウム)を体外に排出する働きがあるため、むくみ予防に効果的です。また、カリウムは「自然の降圧薬」とも呼ばれ、血圧を下げる効果があります。

グルコン酸:殺菌作用・保湿効果がある

はちみつに含まれるグルコン酸には殺菌作用があり、のどの痛みや咳止め、口内炎、ニキビの原因となるアクネ菌や雑菌を減らす効果があります。

はちみつの中でも、殺菌・抗菌力が強いマヌカはちみつは、インフルエンザなどのウィルス対策にも効果を発揮します。

さらにグルコン酸は、はちみつを直接肌や唇に塗ることで保湿効果も発揮します。

フラボノイド・プロポリス:認知症を予防する

はちみつに含まれるポリフェノールの一種「フラボノイド」と、ミツバチが作り出す天然の抗菌物質「プロポリス」は、認知症予防に効果的です。

認知症は、LPSという体内の常在菌が排出する毒素が増加し、脳細胞に炎症を起こすことが原因とされています。

フラボノイドとプロポリスには脳細胞の炎症を防ぐ働きがあり、認知症を予防することに繋がるのです。

コリン:コレステロールの沈着を予防する

はちみつに含まれる「コリン」と呼ばれるビタミンは、血管を拡張させて血圧を下げる働きと、血管の壁に悪玉コレステロールを沈着するのを予防する働きがあります。

はちみつの効果的な食べ方

はちみつの栄養素を損なわない洗い方や調理方法を解説します。

はちみつを食べるタイミング

就寝する約1時間前に大さじ1杯のはちみつを食べると、良質な睡眠に効果的です。はちみつは血液中のブドウ糖の濃度を安定させる作用があるので、眠気を誘います。

また、はちみつに含まれる糖質を摂取することで血糖値が上昇し、すい臓からインスリンが放出されます。

するとはちみつに含まれる必須アミノ酸のトリプトファンが取り込まれやすくなり、副交感神経を優位にしてリラックス効果をもたらすメラトニンに変換。メラトニンは夜間に分泌される神経ホルモンで、睡眠を安定させたり、体内時計を調整したりする作用があります。

はちみつのおすすめ組み合わせ

「レモンのはちみつ漬け」のように、レモンを組み合わせると、はちみつに不足しているビタミンCを補うことができます。

さらに、はちみつに含まれるブドウ糖とレモンに含まれるクエン酸で、疲労回復効果も期待できます。

はちみつを食べる際の注意点

はちみつに含まれるビタミンや酵素は熱に弱いため、栄養素を損なわずに摂取したい場合は加熱する料理には使わず、そのまま食べるようにしましょう。

また、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを食べさせると、「乳児ボツリヌス症」にかかる恐れがあります。ボツリヌス菌は自然界に存在する菌で、まれにはちみつにボツリヌス菌の芽胞が入っていることがあります。

1歳未満の赤ちゃんは腸の働きが未発達なため、誤ってボツリヌス菌を体内に入れてしまうと、腸管内で発芽・増殖し毒素を発生させてしまいます。

ボツリヌス菌は熱に強いので、加熱や調理をしても死ぬことはありません。1歳未満の赤ちゃんには、はちみつや、はちみつ入りの飲料も与えないようにしましょう。

はちみつの副作用

はちみつに含まれるグルコン酸には、腸の働きを活性化する効果があります。そのため、はちみつを食べ過ぎると、お腹がゆるくなってしまい、下痢になる可能性があります。

また、はちみつは砂糖よりもカロリーは低いものの、はちみつに含まれる果糖は肝臓に脂肪として蓄積されやすい特徴があります。またブドウ糖は中性脂肪が多く、摂りすぎると皮下脂肪が増えてしまいます。

はちみつの保存方法

はちみつは直射日光さえ避ければ、夏場でも常温保存で問題ありません。

はちみつは高い糖度と殺菌成分を含んでいるため、細菌の水分を減少させる効果があり腐りにくいのです。

冷蔵庫で保存するとブドウ糖が白く結晶しやすくなるため、冷蔵保存は避けた方が良いでしょう。