れんこんの栄養と効果効能・調理法・保存法

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れんこん

れんこんの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、れんこんに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

れんこんとは

れんこん(lotus root)は、スレイン科ハス属の植物。漢字では「蓮根」と書きますが、蓮の根ではなく、土の下に伸びる「地下茎(ちかけい)」という茎が肥大化したものです。

昔かられんこんは「先が見通せる」縁起物とされており、現在でもおせち料理やお祝いの席ではれんこん料理が出されることがあります。

れんこんの原産地は、中国などのアジア熱帯地方やエジプトなど諸説ありますが、食用のれんこんの栽培の始まりはインドと言われています。

日本には、奈良時代に中国から伝わったとされています。当初伝来してきたのは観賞用で、鎌倉時代以降に導入された品種が食用として全国各地に広まっていきました。現在市場に出回っているれんこんの多くは、明治時代以降に伝来してきた中国種です。

れんこんの旬は、9・10月〜12月の秋冬の時期にかけて。秋口に出荷される新れんこんは柔らかくあっさり、晩秋から冬のれんこんは甘みが増しているのが特徴です。

れんこんの品種・種類

れんこんは、大きく分けて鎌倉時代以降に中国から伝わってきた在来種と、明治時代以降に中国から伝わってきた中国種に分類されます。

在来種

在来種は、中国種に比べると細長く、少し茶色がかっています。食感は柔らかくて粘り気があり、味が濃いのが特徴です。

栽培に手間がかかり、生産量が少ないため、市場ではあまり見かけません。生産も関東や東海地方などでわずかに出荷されるに留まっています。

中国種

市場に出回っている大半のれんこんは中国種です。ふっくらと丸くて太く、肉厚ではざわりが良いのが特徴。

代表的な品種として、徳島県や愛知県で栽培されている「備中種」や石川県や山口県で生産されている「支那白花」があります。

れんこんに含まれる成分・栄養素

れんこん100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位れんこん 根茎 生れんこん 根茎 ゆで
廃 棄 率%200
エネルギー(kcal)kcal/100 g6666
エネルギー(kJ)kJ/100 g276276
水 分g/100 g81.581.9
たんぱく質g/100 g1.91.3
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g1.3-0.9
脂 質g/100 g0.10.1
トリアシルグリセロール当量g/100 gTr(Tr)
飽和脂肪酸g/100 g0.01-0.01
一価不飽和脂肪酸g/100 g0.01-0.01
多価不飽和脂肪酸g/100 g0.02-0.02
コレステロールmg/100 g00
炭水化物g/100 g15.516.1
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g14.2-13.9
水溶性食物繊維g/100 g0.20.2
不溶性食物繊維g/100 g1.82.1
食物繊維総量g/100 g22.3
灰 分g/100 g10.6
ナトリウムmg/100 g2415
カリウムmg/100 g440240
カルシウムmg/100 g2020
マグネシウムmg/100 g1613
リンmg/100 g7478
mg/100 g0.50.4
亜鉛mg/100 g0.30.3
mg/100 g0.090.05
マンガンmg/100 g0.780.8
ヨウ素µg/100 g9
セレンµg/100 g1
クロムµg/100 g0
モリブデンµg/100 g1
レチノールµg/100 g00
α-カロテンµg/100 g00
β-カロテンµg/100 g33
β-クリプトキサンチンµg/100 g00
β-カロテン当量µg/100 g33
レチノール活性当量µg/100 gTrTr
ビタミンDµg/100 g00
α-トコフェロールmg/100 g0.60.6
β-トコフェロールmg/100 gTrTr
γ-トコフェロールmg/100 g00
δ-トコフェロールmg/100 g00
ビタミンKµg/100 g00
ビタミンB1mg/100 g0.10.06
ビタミンB2mg/100 g0.010
ナイアシンmg/100 g0.40.2
ビタミンB6mg/100 g0.090.07
ビタミンB12µg/100 g00
葉酸µg/100 g148
パントテン酸mg/100 g0.890.49
ビオチンµg/100 g2.9
ビタミンCmg/100 g4818
食塩相当量g/100 g0.10
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g00
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%91
備考廃棄部位: 節部及び皮節部及び皮を除いたもの
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

れんこんの効果・効能

れんこんに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

カリウム:血圧を下げる・むくみを解消する

カリウムは人体に必須のミネラルの1つです。カリウムには、細胞の浸透圧を調整して血圧を下げたり、筋肉の活動を正常に保って便秘などの症状を改善したりといった効果があります。

また、心筋を正常に機能させることで血流を良くして、体内にある過剰なナトリウム(水分)を尿として排出し、むくみを解消する効果もあります。

食物繊維:便秘の予防・解消

れんこんには、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維が含まれています。

水溶性食物繊維は水に溶けやすい性質を持っており、便を柔らかくする、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える、などの効果があります。

不溶性食物繊維は胃や腸の水分を吸収してカサを増やし、腸を刺激することでぜん動運動を促します。水溶性と不溶性の食物繊維の働きによって、便秘の予防・解消が期待できるのです。

妊娠中はホルモンの影響によって便秘になりやすいため、食物繊維が豊富なれんこんは妊婦におすすめの食材と言えます。

ビタミンC:免疫力アップ・アンチエイジング効果・美肌効果

れんこんは野菜の中でも多くのビタミンCを含んでいます。ビタミンCはコラーゲンを合成する働きがあり、傷の治りを早くしたり、毛細血管を丈夫にしたり、肌にハリを与えてシワを予防する効果があります。

また、強い抗酸化作用を持っており、免疫力を高めて風邪や感染症を予防する効果や、老化の原因となる活性酸素を除去して細胞を若々しく保つ効果もあります。

さらに、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の発生を抑制し、美肌づくりを助ける効果も発揮します。

タンニン:生活習慣病の予防

ポリフェノールの一種であるタンニンには抗酸化作用があります。

抗酸化作用により、体内に発生した活性酸素を除去し、老化を遅らせたり、動脈硬化・高血圧・がんなどの生活習慣病を予防したりすることができます。

れんこんの食べ方

れんこんの栄養素や風味を損なわない調理方法や、調理する際の注意点などを解説します。

れんこんの調理方法

れんこんにはビタミンCが多く含まれています。ビタミンCは熱に弱い性質を持っていますが、れんこんの場合は主成分であるでんぷんがビタミンCを熱から守る働きがあるため、加熱調理をしてもあまり損なわれません。

れんこんを調理する際の注意点

れんこんは、カットした後すぐに水にさらさないと変色してしまいます。これは、ポリフェノールの一種である「タンニン」が空気に触れて酸化することが原因です。水につけることで空気に触れさせず、変色を止めることができます。

また、タンニンは鉄と結びつくと黒く変色するため、鉄鍋を使っての調理は避けましょう。

れんこんの食べ合わせ

ビタミンCは鉄の吸収を助ける作用があるため、肉や魚など動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」とれんこんを一緒に食べることで、貧血を予防する効果が期待できます。

れんこんを食べる際の注意点

タンニンは、野菜や穀類に含まれる「非ヘム鉄」の吸収を阻害する作用があります。

非ヘム鉄を摂取したいときは、ひじきや納豆、ほうれんそうなど非ヘム鉄を含む食材とは一緒に食べない方が良いでしょう。

れんこんの保存方法

れんこんの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

冷蔵保存:保存期間は約1週間

カットされているれんこんは切り口をラップでぴったりと包んで、冷蔵庫の野菜室で保存します。冷蔵保存での保存期間はおよそ1週間です。

冷凍保存:保存期間は約1ヶ月

冷凍保存する場合は、まずれんこんの皮を剥いて縦半分に切ります。水2カップに対して酢小さじ1の酢水を作り、れんこんを約5分さらします。こうすることでアクと取り、白さを保つことができます。

酢水からあげたれんこんはキッチンペーパーで水気を拭き取り、ラップでぴったりと包んで冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。冷凍保存での保存期間はおよそ1ヶ月です。

解凍する際は、常温で3分ほど置いてから調理に合わせてカットしてください。