食欲不振の原因とは|食欲増進におすすめの食べ物・飲み物

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栄養素

食欲不振の症状や定義、原因について解説したうえで、食欲増進効果のある栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

食欲不振とは

食欲不振とは、「食物を食べたい」という生理的な欲求が低下・喪失している状態のことを言います。食欲不振の原因は多岐にわたり、精神的なストレスに起因するものから、がんなどの疾患により引き起こされるものまでさまざまです。

消化器の不調による食欲不振は、腹痛・胃痛・吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの症状を伴うこともあります。食欲がなく十分に栄養を摂取できない状態が続くと、体重減少や倦怠感などの症状が現れます。

食欲不振は、食欲を増進させる栄養素を含む食べ物・飲み物の摂取や、生活習慣の改善により解消できる場合があります。

食欲不振の原因

食欲不振を引き起こす主な原因は以下の通りです。

ストレス

ストレスによる自律神経の乱れが食欲不振を引き起こします。自律神経には交感神経・副交感神経の2種類があり、両者のバランスが崩れると食欲が起こりにくくなるのです。

精神的または身体的なストレスを感じると、交感神経の働きが活発になり、消化吸収を促す副交感神経の働きが抑えられ、食欲が低下します。

ストレスの一因となるイライラの解消に効果的な食べ物・飲み物は以下の記事で紹介しています。

イライラしたときにおすすめのイライラ解消に効果的な食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA

夏バテ

夏バテとは、体が夏の高温・高湿度に適応できないことで生じる不快な症状の総称です。夏バテにより消化器の働きが衰えると、食欲が湧かなくなります。

夏バテの予防・解消におすすめの食べ物・飲み物は以下の記事で紹介しています。

夏バテ対策におすすめの食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA

アルコールの飲み過ぎ

お酒を飲み過ぎると、胃もたれ・吐き気・下痢をはじめとした消化器の不調が起こり、食欲不振を招きます。適量であれば食欲を増進させるアルコール類も、過剰に摂取すると胃腸にダメージを与えるので注意が必要です。

食欲不振は、アルコール類を摂取した翌日以降に起こる二日酔いの代表的な症状でもあります。二日酔いの予防・解消に役立つ食品は以下の記事で紹介しています。

二日酔いの予防・解消に効く食べ物&飲み物10選|NANIWA SUPLI MEDIA

生活習慣の乱れ

運動不足や睡眠不足など生活習慣の乱れも、食欲不振の原因です。運動不足によって日々の活動量が低下すると、体にエネルギーを補給する必要がなくなり食欲が落ちていきます。

また、睡眠が十分でなかったり就寝時間が一定でなかったりすると、自律神経のバランスが乱れて胃腸の機能が低下し、食欲が減退します。

妊娠中のつわり

妊娠初期に起こるつわりが原因で、食欲が低下することがあります。つわりは、妊娠5週目ごろから始まる食欲不振・吐き気・嘔吐といった症状で、12週~16週になると自然に治まります。

生理・PMS

強い生理痛や、だるさ・倦怠感により、生理中に食欲不振に陥る女性は少なくありません。ホルモンバランスの変化が原因で起こる月経前症候群(PMS)で食欲がなくなる人もいます。反対に、生理前や生理中になると食欲がいつもより増すケースもあります。

PMS(月経前症候群)対策になる生理前におすすめの食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI

生理痛対策になる生理中におすすめの食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI

加齢

加齢も食欲不振のひとつの原因です。加齢によって胃腸の消化吸収能力が衰えるのに伴い、食欲が減退していきます。若いときと比べて活動量が減ることや、孤独感や将来への不安などの精神的なストレスが影響していることも考えられます。

また、歯や歯茎が衰えることで、食べ物を咀嚼しづらくなることも食欲を低下させる一因です。

食欲不振の原因となる疾患

生活習慣や加齢ではなく、心身の病気にともない食欲が落ちることもあります。

食欲不振を引き起こすことがある主な疾患は以下の通りです。気になる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診して医師の診断を受けてください。

  • 慢性胃炎
  • 胃潰瘍
  • がん
  • うつ病
  • 拒食症(神経性食欲不振症)
  • 甲状腺機能低下症
  • 亜鉛欠乏症
  • 歯周病
  • 風邪・インフルエンザなどの感染症

食欲増進におすすめの食べ物・飲み物

食欲増進におすすめの栄養素を含む食べ物・飲み物は以下の通りです。唾液や胃液の分泌を促して、食欲を高める効果のある食材を中心に紹介します。

ただし、紹介する食材には胃腸への刺激となり得る成分も含まれています。消化器が弱っているときに食べると食欲不振を悪化させてしまう可能性があるので、食欲の低下している原因によっては注意が必要です。

胃腸の調子が悪いときには、以下の記事で紹介している胃に優しい食べ物・飲み物を摂取するのがおすすめです。こちらも合わせてご確認ください。

胃腸の調子が悪いときにおすすめの胃に優しい食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA

梅干し:唾液と胃液の分泌を活発にするクエン酸

梅干しは、食欲増進効果のあるクエン酸を豊富に含んでいます。クエン酸は酸味成分で、唾液腺を刺激して唾液や胃液の分泌を促進し、食欲をアップさせる効果があります。

コンビニの梅干し入りおにぎりや、梅干しのお菓子でも食欲増進効果が見込めます。梅干しには発汗で失われるビタミン・ミネラル類も多く含まれているので、夏バテによる食欲不振や熱中症の対策にもおすすめです。

梅の栄養と効果効能・調理法・保存法 |NANIWA SUPLI MEDIA

酢:食欲増進効果に加え血圧低下作用も

食欲が出ないときにおすすめの調味料は酢です。

酢は、唾液を分泌させるクエン酸や酢酸などの酸味成分が多く含んでいます。加えて、酢の風味や香りが味覚や嗅覚を刺激することで、食欲をアップさせる効果が期待できます。

また、食欲増進効果のほか、血圧を下げる作用など、酢には多くの健康効果があることが認められています。

酢の栄養と効果効能・調理法・保存法 |NANIWA SUPLI MEDIA

とうがらし:食欲増進効果のあるカプサイシン

とうがらしの辛味成分であるカプサイシンは、舌や食道を刺激して唾液の分泌を促し、食欲を高める効果のある栄養素です。カプサイシンには、血流を改善する効果や脂肪燃焼を促進する効能もあります。

ししとう・ピーマン・パプリカなど、辛味の少ない甘味種のとうがらしにはカプサイシンがほとんど含まれないため、食欲増進効果を期待するときには辛いとうがらしを利用しましょう。

なお、とうがらしの以外の多くの香辛料にも食欲増進効果が認められています。ターメリックやクミンなどのスパイスを多く用いたカレーは、食欲がないときにおすすめのレシピのひとつです。

とうがらしの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆:唾液の分泌を促すポリグルタミン酸

納豆の粘り成分であるポリグルタミン酸には、唾液の分泌を促進する作用があることが近年の研究で明らかになりました。納豆を食べることで唾液の量を増やし、食欲を高めて消化吸収をスムーズにする効果が期待できます。

納豆にはスタミナを付けるのに役立つビタミンB群も豊富で、夏バテや蓄積した疲労で体が弱っているときの食欲不振にも効果的と言えるでしょう。

また、納豆をはじめとした大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをし、女性の健康をサポートする栄養素です。大豆イソフラボンには、食欲不振を引き起こす生理痛やPMSを緩和する効果があることも示唆されています。

納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

豚肉:食欲不振の原因となる夏バテに効果的なビタミンB1

豚肉は、夏バテで食欲が落ちているときにおすすめの食材です。豚肉に豊富なビタミンB1は、炭水化物などに含まれる糖質をエネルギーに代謝する働きがあり、疲れた体の回復を早めます

ビタミンB1は、豚ヒレ肉・豚もも肉など赤身の多い部位に特に豊富に含まれています。

豚肉の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

にんにく・ねぎ:ビタミンB1の吸収を高めるアリシン

にんにく・ねぎ・にらなどネギ属の野菜に含まれるアリシン(硫化アリル)は、疲労回復に有効なビタミンB1の吸収効率を高める作用があります。

ネギ属の野菜をビタミンB1が豊富な食材と一緒に食べることで、食欲不振を引き起こす夏バテの解消に効果を発揮するでしょう。

また、ネギ属の野菜特有の強い香りが嗅覚を刺激して、食欲を湧かせる効果も期待できます。生姜やしそなどの香味野菜も同様です。

にんにくの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ねぎの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

アルコール類:食欲増進効果のある食前酒

適量のアルコールは、食欲を増進させて食事をより美味しく食べられるようにする効果があります。特に、食事の前に飲む食前酒には食道や胃を刺激する作用があり、食欲増進に効果的です。

食前酒は、18世紀のイタリアで始まったとされ、ヨーロッパでは広く浸透している習慣です。シェリー酒・シャンパン・キールなど、ワインやワインカクテルが食前酒によく利用されます。

食欲不振の予防・改善に効果的な生活習慣

食欲不振を予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

ストレスを軽減する

ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、食欲が減退してしまいます。職場や学校の人間関係、家庭のトラブルなどによる日常的なストレスから遠ざかる方法や、解消する方法を見つけましょう。

規則正しい生活を送る

生活リズムが乱れると自律神経のバランスが崩れて食欲不振に陥ります。起床・就寝時刻および食事をとる時間を一定にする、十分な睡眠時間を確保するといった生活を維持する工夫も行ってください。

歯のケアを怠らない

虫歯や歯周病などが原因で食欲不振に陥る可能性があります。嚙み合わせが悪くなったり、歯の痛みで食べ物を思うように噛めなくなったりすると、食事をとるのが億劫になります。食欲不振を予防するには歯のお手入れも大切と言えるでしょう。

胃腸が弱っているときは消化に良い食品を摂取する

消化器の不調により食欲が落ちているときは、胃腸に優しく消化に良い食事を心がけましょう。胃腸の働きを助けるキャベツ・大根などの野菜類をはじめ、おかゆ・うどん・たまご・乳製品などがおすすめです。

反対に、脂質の多い食事・硬い繊維の多い食材・スパイスなどの刺激物・アルコール類を摂り過ぎると、胃腸にダメージを与えて、食欲をさらに減退させてしまう恐れがあります。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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