胃腸の調子が悪いときにおすすめの胃に優しい食べ物・飲み物

3318views

digestion-food_top

胃腸の調子が悪くなる原因について解説したうえで、胃に優しい食べ物や飲み物を紹介します。

さらに後半では、胃腸の調子が悪いときに心がけたい食事習慣・生活習慣も解説しますので、胃腸の調子が悪いとお悩みの方は参考にしてください。

胃腸の調子が悪くなる原因

胃もたれ・胃の痛み・胸焼け・吐き気・下痢・便秘など、胃腸の不調にはいくつかの原因が考えられます。

感染症・食中毒などウイルスや菌が引き起こすものを除いて、胃腸の調子が悪くなる主な原因を紹介します。

消化の悪い食品

胃は、食べたものを一定時間貯蔵して胃液と混ぜ合わせ、消化しやすい形に変えてから小腸に送り出す役割を担っています。

食材によって消化にかかる時間は異なります。脂質や食物繊維の多い食べ物は、胃に長時間とどまるため、胃もたれや消化不良の原因となります。

なお、消化に良い食べ物でも、一度に多くの量を食べ過ぎると消化に時間がかかってしまい、胃もたれを引き起こすことがあるので注意が必要です。

胃酸の分泌を促す食品

胃酸が過剰に分泌されると胃壁が荒れ、胃もたれや胃痛、胸焼けなどの症状が引き起こされます。

漬物など塩気が多い食品、スパイスなど辛い食品、チョコレートなど甘い食品は、胃酸の分泌を促す食材です。

胃腸の調子が悪いときにこれらの食材を食べ過ぎると、胃酸が過剰になり胃が荒れてしまいます。

アルコールの飲み過ぎ

お酒の飲み過ぎは、胃もたれ・吐き気・下痢など、さまざまな胃腸の不調を引き起こします。飲酒した翌日に起こる二日酔いでも、胃腸の調子が悪くなることがあります。

アルコールには胃酸や唾液の分泌を促す作用があります。少量の飲酒なら食欲増進や消化促進効果が期待できますが、飲み過ぎると胃酸過多となり、胃がむかついたり痛くなったりします。

また、アルコールは胃酸から胃壁を守っている胃粘膜の働きを阻害し、血流障害による嘔吐・吐血などの症状を引き起こすこともあります。

アルコールの飲み過ぎは、胃だけでなく腸にも影響を及ぼすので厄介です。アルコールには小腸の消化吸収能力を低下させる作用があり、お酒を飲み過ぎると下痢になることがあります。

加齢や睡眠不足で胃腸の機能が弱っている

加齢や不規則な生活が原因で胃腸の機能が弱り、胃もたれや便秘などの不調が引き起こされる可能性もあります。

不規則な生活や睡眠不足が続くと自律神経が乱れます。自律神経の乱れは胃腸の機能にも影響し、吐き気や食欲不振などの症状を引き起こします。

また、腸を動かす副交感神経は加齢とともに低下するため、高齢者に多い便秘の要因となります。

妊娠中のホルモンバランスの変化

妊娠中には女性ホルモンのバランスが大きく変化します。ホルモンの変化に体が対応しきれないことで、さまざまな胃腸の不調が引き起こされます。

妊娠中に増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、受精卵の着床に備えて子宮内膜を整えたり、基礎体温を上昇させる機能のある大切なホルモンです。

一方で、プロゲステロンが増加すると、体内にガスが溜まりやすくなったり、胃の消化機能や大腸のぜん動運動が低下してしまいます。

さらに、妊娠後期になると、大きくなった子宮が胃や腸を圧迫し、吐き気・胃もたれ・便秘などの症状が起こりやすくなります。

ストレスによる自律神経の乱れ

ストレスによる自律神経の乱れも、胃腸の機能に影響を及ぼします。

ストレスが溜まって自律神経のバランスが崩れると、胃酸から胃を守る胃粘膜が正常に働かなくなるうえ、胃酸の分泌が過剰になり、胃痛や胃もたれが起こります。

ストレスによる胃痛が深刻な場合は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの疾患につながることもあるため、注意が必要です。

また、自律神経が乱れると腸がうまく動かなくなり、下痢や便秘を繰り返すこともあります。

胃に優しい食べ物・飲み物

胃に優しい食べ物・飲み物について解説します。

キャベツ:荒れた胃の粘膜を修復するキャベジン

キャベツ・白菜・ほうれん草・小松菜などの葉物野菜は、固い繊維が少ないため消化しやすく、胃に優しい食材です。

なかでも、胃粘膜の修復効果と、胃の機能を正常に整える作用のあるキャベジン(ビタミンU)を含むキャベツは、胃の調子が悪いときにおすすめです。キャベジンは、キャベツの絞り汁から発見された栄養素で、トマトやレタスなどの野菜にも含まれています。

キャベジンは水に溶けやすく熱に弱い性質があるので、栄養価を損なわないためにはキャベツを生のまま食べるのが最も理想的です。

ただし、茹でる・煮るなどで柔らかく調理すると、さらに消化しやすくなり胃への負担が軽減されるので、すでに胃が荒れている場合は軽く加熱しても良いでしょう。

キャベツの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

大根:胃腸の働きを助ける消化酵素が豊富

大根には、消化機能をサポートして弱った胃腸の回復を助ける、アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼなどの消化酵素が豊富に含まれています。

大根に含まれるアミラーゼはでんぷん、プロテアーゼはタンパク質、リパーゼは脂質の分解を促進する酵素です。これらの消化酵素は熱に弱いため、生のまま大根おろしにして食べるのが最も効果的な摂取方法です。

胃腸の機能が弱っていると感じたときは、大根おろしを雑炊やうどんなどのトッピングに取り入れてみてください。生の大根から大根おろしを作る手間を省きたいときは、コンビニでも購入できるパウチタイプの大根おろしが簡単でおすすめです。

大根の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

バナナ:果肉が柔らかく消化しやすい

胃腸の調子が優れないときにフルーツを食べるなら、バナナがおすすめです。果肉が柔らかいバナナは消化しやすいうえ、糖質の分解を助ける酵素のアミラーゼを含んでおり、胃腸の働きを助けます。

バナナに含まれる糖質は素早くエネルギーに変換されるため、忙しいときの朝食や運動時の間食にもおすすめです。コンビニでも手軽に購入できるバナナを、胃の調子が悪いときの栄養補給に役立ててみてください。

バナナのほかに消化吸収に優れたフルーツは、りんごや白桃です。反対に、柑橘類・パイナップル・キウイフルーツなどは胃腸に負担をかけるため、調子の悪いときは控えるようにしましょう。

バナナの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

お粥・雑炊・リゾット:消化吸収が早く胃腸に負担がかからない

白米は消化に良い炭水化物です。特に、お粥や雑炊など柔らかく煮込んだ料理は素早く消化吸収されるため、弱った胃腸にも負担がかかりません。

レトルトパウチのお粥は、コンビニでも買うことができ、手軽に取り入れられます。ファミレスなどで外食するときは、雑炊・リゾット・スープご飯など、米を柔らかく煮た料理を選びましょう。ただし、味の濃いものや脂質の多いメニューは避けてください。

また、米自体は消化スピードの早い食材ですが、炒飯やジャンバラヤなど油を多く使って調理した料理は、胃腸の調子が悪いときには不向きです。

米(白米)の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

うどん:大根おろしうどん・たまごとじうどんがおすすめ

胃の調子が悪いときに麺類を食べるなら、うどんがおすすめです。うどんは、そうめんや中華麺のように調理過程で油を使用しないため、胃への負担が少ない食材です。

また、そば粉を原料とするそばは、小麦粉を原料とするうどんよりも脂質や食物繊維を多く含んでいます。胃の調子が悪いときには、そばよりうどんを選ぶようにしましょう。

うどんの食べ方としては、消化酵素を多く含む大根おろしをのせたり、消化に良く栄養素の豊富なたまごでとじるのがベストです。カップうどんなら、油で揚げたフライ麺のものは避け、生タイプのうどんを選びましょう。

たまご:栄養価が高く消化スピードも早い

たまごにはアミノ酸・ビタミン・ミネラルが豊富で、ビタミンCと食物繊維以外のすべての栄養素を含む「完全栄養食」のひとつ。

栄養価の高いたまごは、消化吸収にも優れた胃に優しい食材です。最も消化に良いのは半熟たまごで、固ゆでたまごや生たまごよりも1時間~2時間ほど早く消化されます。たまご豆腐・茶碗蒸し・オムレツなどのたまご料理も消化に優れています。

胃に負担をかけず栄養素も摂れる半熟たまごは、コンビニで1個から購入できるので、朝食などに取り入れてみてください。

たまごの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

鶏肉:胃腸に負担をかけないのは脂質の少ない肉

胃に優しい肉は、鶏ささみ・鶏むね肉(皮なし)・豚ひれ肉・豚もも肉など、脂身の少ない部位です。ばら・ロース・カルビなど脂質の多い部位や、ハムやソーセージなどの加工肉は、胃の調子が悪いときには避けましょう。

鶏肉にはタンパク質やアミノ酸が豊富で、特に脂質が少ないささみや皮なしのむね肉なら、胃腸への負担を最小限に抑えながら栄養素を摂取できます。

豚肉だと、脂肪分の少ないヒレ肉やモモ肉が胃腸に優しい部位です。とんかつなどは避け、しゃぶしゃぶやゆで豚などヘルシーな料理を選ぶようにしましょう。

白身魚:たら・かれいなど淡白な魚がおすすめ

胃腸の調子が悪いときは、脂ののった赤身魚より脂肪分が少ない白身魚がおすすめです。たら・かれい・たいなどの白身魚は、脂質が少ないうえに柔らかく、素早く消化吸収されます。

白身魚の調理方法としては、油っこいフライや塩分の多い干物は避け、薄味の煮物や蒸し魚、鍋料理にするのがおすすめです。

なお、脂の多い赤身魚に加え、タコやイカなど歯応えのある食材も消化に時間がかかるため、胃の調子が悪い時には避けたい魚介類です。

大豆製品:豆腐・豆乳・ひきわり納豆は消化しやすい

豆腐・豆乳などの大豆製品は、消化しやすく胃に優しい食材です。

特に、豆腐の消化吸収率は90%以上と高く、胃腸に負担をかけることなく大豆の栄養素を効率的に摂取できます。なお、木綿豆腐より絹ごし豆腐のほうが脂質や食物繊維が少なく消化に優れているため、胃腸の調子が悪いときは絹ごし豆腐がおすすめです。

納豆も消化に良い食品のひとつです。なかでも、ひきわり納豆は大豆を細かく砕いているため消化しやすく、胃腸が重いときの朝食にもぴったりです。

豆腐の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

乳製品:消化吸収に優れた牛乳やヨーグルト

牛乳やヨーグルトなどの乳製品も消化に良い食品です。牛乳のタンパク質は胃酸によって固まる性質があり、ヨーグルトのような状態になることで消化酵素が入り込みやすくなり、消化されやすくなります。

ヨーグルトは、タンパク質やカルシウムなど牛乳の栄養をそのまま含んでいながら、乳酸菌の働きによりさらに消化吸収がスムーズです。

ヨーグルトには腸内環境を整える乳酸菌も豊富なため、便秘や下痢でお悩みの方にもおすすめ。胃腸の調子が悪いときの間食やデザートには、ヨーグルトを選んでみましょう。

牛乳の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

胃腸の調子が悪いときに心がける生活習慣

胃腸の調子が悪いときに心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

消化に悪い食材を避ける

脂質や食物繊維を多く含む食材は、消化するのに時間がかかり胃腸に大きな負担をかけます。

胃腸の不調を悪化させる原因となるので、脂身の多い肉・揚げ物・スナック菓子・ナッツ類・海藻類・きのこ類などは避けましょう。食物繊維の多いごぼうやれんこんなどの野菜も控えてください。

調理方法も、揚げる・油で炒めることは避け、煮る・蒸す・電子レンジで温めるなど、なるべく油を使わない方法がベターです。

また、胃酸が過剰になり胃にダメージを与える可能性があるため、香辛料やアルコールなど胃酸の分泌を促進する食品にも注意が必要です。

咀嚼回数は30回を目標に

食べ物を良く噛んで細かくし、消化しやすい形にしてから胃に送ることも、胃腸の負担を和らげるひとつの方法です。咀嚼回数は30回を目安に、噛まずに飲み込む癖がある方は意識してみてください。

早食いも胃腸にダメージを与えます。食事はじっくりと時間をかけて摂るようにしましょう。

胃腸が正常に働くよう生活リズムを見直す

胃腸の不調を改善するには、内臓の機能を高めることも大切です。

不規則な生活や寝不足などで自律神経が乱れると、胃腸の働きが悪くなり、胃もたれや消化不良による下痢などが引き起こされます。起床時間と就寝時間を一定にし、7時間以上は睡眠をとるようにするなど、規則正しい生活を心がけましょう。

また、消化不良を予防するためには、食事は眠りにつく3時間前までに済ませておくのが理想です。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
https://aya-works.com/