納豆が免疫力アップに効果的な理由を徹底解説【摂取目安量やタイミングも】
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納豆が免疫力アップに効果を発揮する理由について解説します。免疫力アップ効果をより高めるために守りたい摂取目安量や摂取タイミング、摂取方法や合わせて摂りたい栄養素・食べ物についても解説します。免疫力アップに興味のある方はぜひ参考にしてください。
納豆とは
納豆とは、大豆を納豆菌で発酵させた食品です。
納豆には、血栓を溶かす効果のある「ナットウキナーゼ」、骨粗しょう症を予防する「ビタミンK2」、貧血を予防する「鉄」、アレルギー抑制作用のある「レバン」、肌のハリを良くする「ポリアミン」など、健康・美容促進に効果のある栄養素が豊富に含まれています。
その高い栄養価から、日本が誇るスーパーフードとして、海外でも人気が集まっている食材です。英語では、「Natto」、もしくは「Fermented Soybeans(発酵した大豆)」と表記されます。
納豆がもつ免疫力アップ以外の効果や、納豆を活用するダイエット法「納豆ダイエット」についての詳細は下記記事をご覧ください。
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納豆に含まれる免疫力アップに効果を発揮する栄養素
納豆に含まれる栄養素のなかでも、免疫力アップに効果を発揮すると考えられるものについて解説します。
納豆菌
納豆に含まれる納豆菌は、大腸に届くと乳酸菌などのエサとなり、腸内細菌の活動をサポートします。
免疫にかかわる細胞の6割以上は腸に存在しているため、腸内環境を改善することが免疫力のアップに繋がると考えられます。
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食物繊維
納豆には、原料となる大豆の皮の食物繊維が含まれています。食物繊維も納豆菌と同様、腸内環境の改善を促して免疫力アップに貢献してくれるでしょう。
とくに納豆の食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が「2:1」という理想的なバランスで含まれている点も魅力です。食物繊維はどちらか一方を大量に摂取するとかえって下痢や便秘を引き起こしかねないため、両方の食物繊維がバランスよく摂取できる納豆は腸内環境改善に非常に効果的と言えるでしょう。
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ナットウキナーゼ
納豆のネバネバした糸に含まれる「ナットウキナーゼ」は、納豆菌によって作られる納豆独自の酵素です。ナットウキナーゼは、血管内の血栓を溶かす効果があり、継続して食べることで心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症の予防につながると言われています。
血液がサラサラになると、免疫細胞を体内のすみずみまで行き届かせる効果も望めることから、免疫力アップが期待できるでしょう。
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サポニン
サポニンはマメ科の植物に多く含まれる成分で、大豆製品である納豆にも含まれています。独特の苦味を持っており、強い抗酸化作用や肥満予防効果に加えて、免疫機能の向上効果があると考えられています。
サポニンにはNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化させる働きがあり、サポニンによって活性化したNK細胞が細菌やウイルスなどの病原体から体を守ります。
サポニンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
ポリアミン
納豆は、ポリアミンと呼ばれる生きるために必要不可欠な栄養素を含んでいます。ポリアミンは細胞の生まれ変わり(細胞分裂)において必要となるため、乳児期の細胞や精液中に高濃度に含まれている傾向があります。
ポリアミンは、アミノ酸の一種であるアルギニンやオルニチンにより体内で合成される成分ですが、20歳頃をピークに減少してしまいます。不足した分は食べ物などから補うことで、効果を発揮できます。
ポリアミンの健康効果について、米国国立老化研究所(NIA)も「寿命延伸に役立つと考えられる七つの方法の一つ」として評価しています。また学術誌Scienceでは、2018年にスペルミジンが健康寿命の維持に役立つ仕組みからこれまでの研究までをまとめた論文が掲載されました。
大豆イソフラボン
大豆に含まれるポリフェノールの一種であるイソフラボンには、免疫機能を高める作用があります。イソフラボンの一種「ダイゼイン」をマウスに与えたところ、免疫機能が高まったという研究報告もあります。
また大豆イソフラボンは抗酸化作用を持っていることから、活性酸素の発生を抑制する効果も期待できます。過剰な活性酸素は免疫力低下の一因となるため、そういった面でも免疫力アップに寄与してくれるでしょう。
イソフラボンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
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タンパク質
タンパク質は筋肉や臓器だけでなく、免疫細胞を作る材料としても機能しています。そのため食事からのタンパク質補給が不足すると、免疫細胞の働きが悪くなります。
とくに、細菌やウイルスなどの病原菌を排除する働きのある免疫細胞・キラーT細胞を活性化させるためには、タンパク質が必要不可欠です。
タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミンK2
ビタミンKは、丈夫な骨を維持する効果や、動脈硬化の予防効果をもつ一方で、ビタミンK2は免疫力アップにも寄与することがわかっています。
オランダの研究によれば、血中のビタミンK2濃度が低下するとCOVID-19が重症化しやすいことが報告されています。
ビタミンK2は発酵食品に多く含まれる栄養素であり、発酵食品のなかでも納豆は桁違いの量をビタミンK2を含んでいることから、世界的に注目を集めています。
ビタミンKの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミンE
納豆には、イソフラボンなどと同じく強い抗酸化力を持つビタミンEが含まれています。ビタミンEの持つ強い抗酸化力により、活性酸素による過酸化脂質の産生を抑制して免疫力の維持をサポートします。
ビタミンEの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミンB2
ビタミンB群は糖質・脂質・タンパク質を代謝するうえで必須の栄養素であり、免疫機能の維持にも役立ちます。
そんなビタミンB群のうち、納豆に含まれる栄養素のひとつがビタミンB2です。ウイルスの侵入口となる口などの粘膜には粘膜免疫というものがあり、ビタミンB2はこれらの粘膜を正常に保つ働きがあります。
ビタミンB2の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミンB6
ビタミンB6も、納豆に含まれるビタミンB群のひとつです。ビタミンB6は補酵素としてタンパク質の代謝を促進する働きがあるため、十分に摂取することで、丈夫で健康な皮膚・粘膜・髪・歯・爪などの生成に繋がります。
ビタミンB6が不足するとタンパク質の代謝を十分に行えず、免疫細胞の産生に問題を生じる可能性があります。
ビタミンB6の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミンB群の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
亜鉛
亜鉛は人体に必須のミネラルであり、免疫機能が働く上でも必要な栄養素です。
近年の研究では、亜鉛の欠乏により免疫不全が起こる可能性が指摘されています。亜鉛には免疫細胞の働きを活性化させる働きがあることから、欠乏すると免疫の働きが低下してしまうのです。これは軽度の亜鉛欠乏症であっても同様で、マクロファージやナチュラルキラー細胞などの活性が低下する危険性があるといいます。
また亜鉛はコラーゲンの合成にも関わっており、肌の正常なターンオーバーを促す働きがあることから、美容・美肌を求める人々からも注目される微量ミネラルです。
亜鉛の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
鉄
納豆には、免疫細胞の働きを維持するのに必要なミネラルのひとつである鉄も含まれています。鉄は、免疫系の細胞の増殖に欠かせない栄養素で、コラーゲンの合成にもかかわっているため、健やかな皮膚や粘膜を保つうえでも重要です。
鉄の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
銅
人体の活動を維持するうえで必須の栄養素のひとつである銅は、マクロファージなどの免疫細胞のエネルギー代謝にかかわる酵素の構成成分であるため、免疫力を高める効果があります。
銅の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
納豆の摂取目安量
納豆の摂取目安量は1日1パックが目安です。多くても2パック程度までにとどめましょう。
摂取目安量の理由は、納豆に含まれる成分のうち、塩分、セレン、プリン体、大豆イソフラボンなどの栄養素が、過剰に摂取すると胃腸障害や痛風といった症状を引き起こす可能性があるためです。
また、目安量の範囲にとどめる場合であっても、添え付けのたれは半分にしておくなど、普段から塩分過多にならないよう工夫するとより良いでしょう。
納豆のおすすめの食べ方
納豆の栄養素をさらに活かす、おすすめの食べ方や食べ合わせを紹介します。
納豆+ネギ
納豆に刻んだネギを加える定番の組み合わせです。ネギを混ぜることで、納豆に足りないビタミンCを補ったり、ネギに含まれるアリシンという成分によってビタミンBの吸収を高めたりする効果が期待できます。
ねぎの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミンCの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
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納豆+キムチ
発酵食品である納豆に、同じく発酵食品であるキムチを加える食べ合わせです。キムチに含まれる乳酸菌と納豆に含まれるナットウキナーゼの2つの栄養素によって、血液をサラサラにする効果や腸内環境の改善作用などが期待できます。
キムチの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
乳酸菌の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
納豆+たまご
納豆に生卵を合わせる食べ合わせです。納豆だけでは摂取できない栄養素も補えて、栄養バランスがさらによくなります。
たまごの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
納豆+オリーブオイル
納豆にオリーブオイルなどの脂質を加えると、便秘解消効果が期待しやすくなります。加えるオイルをごま油にすれば、中華風の味わいになります。
オリーブオイルの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
納豆+砂糖
納豆に砂糖を加えて混ぜると、粘りが一層強くなりナットウキナーゼも増えることがわかっています。ナットウキナーゼが増える理由は、砂糖が納豆菌のエサになるためです。
砂糖だけを加えると甘みが強くごはんと合わせづらいため、たれを加えた状態に少しだけ砂糖を加えて、すき焼きのような味付けにすると食べやすくなります。
納豆を食べる際の注意点
納豆特有の成分であるナットウキナーゼは、納豆のネバネバした糸に含まれています。ナットウキナーゼは熱に弱く、50度以上になると急激に活性が低下してしまいます。
納豆チャーハンや納豆汁など、納豆を使ったレシピは多種ありますが、ナットウキナーゼの効果を得るためには加熱調理は避けましょう。納豆ごはんにする場合もご飯は少し冷ましてから食べたほうが無難です。