つわり対策におすすめの食べ物・飲み物【妊娠初期から後期つわりまで】

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morning sickness food

つわりの症状や定義、原因について解説したうえで、つわりの予防・改善に役立つ栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

つわりとは

つわり(morning sickness)は、妊娠初期に起こる、食欲不振・吐き気・嘔吐といった症状を伴う生理的な変化です。

症状には個人差があり、妊婦の50~80%に何らかの症状が見られる一方で、症状を全く感じない妊婦もいます。なお、つわりの有無は胎児の健康状態に関係ありません。

つわりは妊娠5週目頃から始まり、7~12週目ごろにピークを迎えます。多くの場合、20週目頃までには自然と症状が落ち着きますが、まれに出産直前まで続くケースも。

「つわりがひどいと女の子」など、つわりの種類や症状の重さによって性別が分かるとする言い伝えもありますが、医学的な根拠はありません。

つわりの原因

つわりの原因について明確なことはわかっていませんが、妊娠による急激な女性ホルモンの変化に母体が対応しきれないために起こるものと一般的に考えられています。

なかでも、ヒト絨毛性ゴナドトロピンという妊娠中に分泌されるホルモンが、嘔吐中枢を刺激するという説が有力です。

また、妊娠中に増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)が体内にガスを溜め込みやすくし、吐き気や腹部の不快感と関連しているという指摘もあります。

つわりの症状

つわりの主な症状は次の通りです。英語では「Morning sickness(朝の病気)」と呼ばれるように、夜よりも朝に症状が重くなるケースが多く見られます。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 胃腸の不快感
  • 食べ物の好みが変わる
  • においに敏感になる
  • よだれが大量に出る
  • めまい
  • 強い眠気
  • だるさ
  • 頭痛

つわりの種類・タイプ

つわりは、症状によっていくつかのタイプに分けられます。つわりが重症化すると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれる疾患と診断され、通常のつわりとは区別されます。

吐きづわり

吐きづわりは、胃のむかつき・吐き気・嘔吐といった症状の総称です。食べ物を口にしたり、においを嗅いだりすると、気持ちが悪くなって吐いてしまいます。

気分が悪いときに無理に食べる必要はありませんが、脱水や栄養不足にならないよう注意が必要です。さっぱりした味付けの料理や冷たいゼリー・アイスなど、無理なく食べられそうなものから少しずつ摂取しましょう。

食べづわり

食べづわりは、空腹になると気持ちが悪くなり、常に食べ物を食べ続けてしまうタイプです。体重が増加すると胎児の発育や出産にも悪影響を及ぼす可能性があるため、高カロリーの食品ばかり食べ過ぎないように気を付けましょう。

また、炭水化物メインの食事だと空腹時の血糖が急激に下がり、気持ち悪さが増幅してしまいます。食事の栄養バランスを整えると共に、1日の食事を5〜6回に分けることも食べづわりの対策になります。

においづわり

においづわりは、妊娠前には気にならなかった特定のにおいに敏感になり、嗅ぐと吐き気をもよおす症状です。食べ物・化粧品・柔軟剤・タバコなど、さまざまなにおいに耐えられなくなります。

においづわりの一番の対策は、苦手なにおいから遠ざかること。マスクをしたり、ハンカチを鼻元に当てたりといった物理的な対策が有効です。

また、温かい食べ物よりも冷たい食べ物のほうがにおいが立ちにくくなるため、料理を冷ましてから食べるようにすると良いでしょう。

寝づわり

妊娠中は、プロゲステロンの影響で眠気を感じやすくなります。つわりの時期に眠気がひどい状態を、寝づわり・眠りづわりなどと呼びます。

眠いときは我慢せずに寝て、体力を回復させるのがベストな対策です。夜間の睡眠不足が原因で昼に眠くなる場合、楽な姿勢で寝られる寝具にする、寝る前にスマートフォンを触らないなど、夜にぐっすり眠れるように工夫しましょう。

よだれづわり

よだれづわりは、大量に出る唾液(よだれ)に悩まされるつわりの一症状です。妊娠中は唾液の分泌量が減少する傾向にありますが、つわりの時期に唾液がたくさん出るようになって不快感を感じる妊婦もいます。

唾液をこまめに吐き出したり、飴・ガム・マウスウォッシュなどで口内の不快感を減少させるのがおすすめです。

重症化したつわりは「妊娠悪阻」という病気

水分や食べ物をまったく受け付けないほど重症化したつわりは「妊娠悪阻」と診断されます。

下記の症状にひとつでも当てはまる場合、つわりから妊娠悪阻に移行している可能性があるため、医療機関を受診してください

  • 吐き気が強く水分・食べ物を受け付けない
  • 排尿の回数、尿の量が減った
  • 体重が妊娠前の-5kgか、5~10%ほど減少

つわりの予防・改善におすすめの栄養素

つわりの予防・改善に効果的な栄養素を紹介します。

ショウガオール・ジンゲロール

生姜の辛味成分であるショウガオールやジンゲロールには、嘔吐中枢を刺激して吐き気を抑える作用があります。海外の研究では生姜がつわりの吐き気を改善したというデータも発表されています。

ビタミンB6

ビタミンB群の一種であるビタミンB6は、つわりを軽減する効果があることがいくつかの研究で認められた栄養素です。米国産科婦人科学会(ACOG)は、つわりの症状に対し、医師の管理のもとでビタミンB6を摂取することを推奨しています。

妊娠中は、タンパク質の代謝が促進されるためビタミンB6が欠乏しやすく、吐き気や嘔吐の症状が引き起こされるとする説もあります。

ビタミンB6の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

葉酸

葉酸は、貧血予防に役立つビタミンB群の栄養素です。葉酸には、吐き気・食欲不振などつわりの症状を緩和する効果が期待できます。

また、妊娠前から葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害の発生リスクを低減させる機能も。厚生労働省のガイドラインでは、妊娠を計画している女性および妊娠の可能性がある女性は、1日あたり400μgの葉酸の摂取が推奨されています。

葉酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

つわりの予防・改善におすすめの食べ物・飲み物

つわりの予防・改善に効果的な栄養素を含む食べ物・飲み物と、吐き気がひどいときでも食べやすい食べ物・飲み物を紹介します。

生姜:吐き気・嘔吐を軽減する効果あり

生姜は、つわりによる吐き気や嘔吐の症状を軽くする効果が認められている食材です。

オーストラリアで行われた実験では、つわりに悩む妊婦が生姜の乾燥粉末を3週間摂取したところ、約半数に症状の改善がみられたという結果が出ています。

つわりで吐き気が辛いときは、生姜を料理に取り入れてみてください。すりおろした生姜をドリンクやスープに入れるのも手軽でおすすめです。

生姜の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

バナナ:ビタミンB6・葉酸などつわりにいい栄養素が豊富

バナナは、つわりを和らげる効果のあるビタミンB6や葉酸が豊富な果物です。皮を剥くだけで食べられるバナナは、体調が悪く食事の準備をする気力のないときにも嬉しい食材と言えます。

また、バナナには体や脳を動かすエネルギーの源となる糖も豊富。多くのエネルギーを必要とする妊娠中の栄養補給にはぴったりの食材です。

バナナの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

鶏肉:つわりを緩和するビタミンB6が豊富なのはささみ・むね肉

つわりの改善に有効なビタミンB6は、鶏肉からも効率的に摂取できます。特に、ささみやむね肉などの赤身中心で脂質の少ない部位に多くのビタミンB6が含まれています。

ささみやむね肉は、あっさりとした淡白な味わいで、脂っこいものを体が受け付けないつわりのときにも食べやすい食材です。

鶏肉の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

枝豆:葉酸を効率的に摂取できる

枝豆は、野菜類のなかでも特に多くの葉酸を含んでおり、つわり対策におすすめの食材です。生の枝豆100gあたりには320μgの葉酸が含まれています。

ただし、枝豆を塩ゆでなどで食べる場合は、塩分の過剰摂取とならないように注意しましょう。

葉酸は、枝豆のほか、ほうれん草・ブロッコリー・モロヘイヤなどの緑黄色野菜からも多く摂ることができます。

柑橘類:食欲が出ないときにおすすめのフルーツ

オレンジ・グレープフルーツ・レモン・みかんといった柑橘類は、適度な酸味と甘みのあるさっぱりとした味わいで、食欲が出ないときにも食べやすいフルーツです。

柑橘類は水分も多く含んでいるため、食事を思うように摂れないときの水分補給にも役立ちます。ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で、栄養価が高いのもポイント。

また、柑橘系の香りには気分をリラックスさせる効果もあるため、体調不良で気分が塞ぎこみがちなときにもおすすめです。

オレンジの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

グレープフルーツの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

みかんの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

レモンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

梅:酸っぱいものを食べたいときにおすすめ

妊娠中は、無性に酸っぱいものを食べたくなる人も多いようです。酸味の強い梅は、つわりのときにも比較的食べやすい食材と言えます。

梅そのものを食べるのはもちろん、梅ジュースや梅味のお菓子などで気分転換しても良いでしょう。また、梅には疲労回復に効果的なクエン酸が豊富で、体が疲れているときにもぴったりです。

なお、梅を漬け込んだ梅干しは、塩分を多く含むため、食べ過ぎには気を付けてください。妊娠中には減塩タイプの梅干しのほうが安心して食べられるでしょう。

梅の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

アイス・シャーベット:冷たいもののほうが食べやすい傾向

つわりで気持ち悪いときには温かいものより冷たいものの方が食べやすいと感じる人が多く、食欲がないときでもアイスやシャーベットなら食べられたというケースも。食べ物を飲み込めないときは、冷やしたゼリーやプリンもおすすめです。

ただし、医師からカロリーの制限を指示されているときや妊娠糖尿病と診断されたときは、糖を多く含むアイスの食べ過ぎは禁物です。また、アイスばかり食べていると体を冷やしてしまうため、適量にとどめておきましょう。

飴やガム:空腹による吐き気・気持ち悪さを予防

飴やガムなどのお菓子は、空腹時に吐き気をもよおす吐きづわりの対策に役立ちます。コンビニなどで購入でき、持ち歩きできるため、外出時のつわり予防にも良いでしょう。

飴やガムを食べることは、唾液が過剰に出るのを予防し、眠気の対策にもなります。よだれづわり・寝づわりの症状があるときにもおすすめです。

スポーツドリンク:嘔吐がひどいときの栄養補給にも

つわりでものを食べられないときや嘔吐を繰り返しているときは、脱水状態に陥りやすくなります。可能な限り、水分をこまめに補給するようにしましょう。

スポーツドリンクや経口補水液は、嘔吐や発汗で失われたミネラル・ビタミン・糖も同時に補えます。シャーベットのように凍らせて食べるのもおすすめです。

つわりのときに避けたい食べ物・飲み物

つわりを悪化させる可能性があり、つわりの症状があるときに避けたい食べ物・飲み物は以下のようなものが挙げられます。

においの強い食べ物

つわりの症状のひとつが、においに敏感になるというもの。においの強い食べ物が、吐き気や嘔吐のきっかけとなることもあります。

人によって不快に感じるにおいは異なりますが、ねぎ・玉ねぎ・にんにくなどのネギ類をはじめ、魚類・肉類・コーヒー・炊き立てのご飯・味噌汁・納豆・キムチなど、においの強い食品や料理には注意しましょう。

自分が嫌だと感じるにおいのする食材は、無理に食べようとせず、不足した栄養素は他の食材やサプリメントから補うことも検討してみてください。

脂っこい食べ物

揚げ物や脂身の多い肉・魚などの脂っこい食事は、吐き気や胸焼けのあるときにはおすすめできません。脂質の多い食べ物は消化に悪く、胃腸にも負担をかけます。

また、食べづわりによりひたすら食べてしまうというときに、カロリーの高い食材ばかり食べていると、体重増加や肥満を引き起こすことも懸念されます。

一方で、つわりのときに天ぷら・とんかつ・フライドポテトなど油分の多い食材が無性に食べたくなるケースも見受けられます。そうした場合は、カロリーオーバーにならない程度に食べたいものを食べて、母体に必要な栄養を摂取しましょう。

温かい食べ物

温かい食べ物は、冷たい食べ物と比較して香りが立ちやすく、においづわりのある方にとっては避けたいものです。つわりのときは、冷ご飯や冷たい味噌汁のほうが美味しく感じられる場合もあります。

温かい食べ物が食べづらいときは、冷ましてから食べるのがおすすめ。また、食べ物は、調理するときに特ににおいが立ちやすいため、家族と家事を分担することも効果的です。

つわりの予防・改善に効果的な生活習慣

つわりを予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

胃を空にしない

食べづわりをはじめ、空腹時には吐き気を感じやすくなります。1日の食事を6回以上に分けて胃を空にしないようにし、血糖値が乱高下しないように対策しましょう。

飴などのお菓子をこまめに食べて、空腹感を紛らわすのも効果的です。

こまめな水分補給

脱水状態になると吐き気を感じやすくなります。食欲がないときにもこまめな水分補給を心がけ、体内の水分が不足しないように気を付けましょう。

ストレスをためない

ストレスもつわりの症状を悪化させる可能性があります。妊娠中は何かと不安や悩みを抱えやすい時期ですが、信頼できる友人や家族に話を聞いてもらい、体調の不安は医師に積極的に相談するなどして、自分ひとりでストレスを抱え込まないように心がけてください。

また、つわりで食欲が出ないとき、無理に食べなければと思うこともストレスになります。食べられそうなものから徐々に口にするようにし、自分を追い詰めないようにしましょう。

適度な運動

妊娠中に運動することは気分転換にもなり、つわりが辛いときにもおすすめです。

ただし、普段やったことがないような激しい運動は、母体への負担となり、ケガや流産に繋がる可能性もあり危険です。妊娠中の運動は医師に相談したうえで、ウォーキング・マタニティヨガなど、自分にとって無理のない負荷の軽い運動を行いましょう。

歯磨きは無理のない範囲でOK

人によっては、歯磨きをするときに吐き気をもよおす場合もあります。吐き気が辛いときは、歯ブラシが舌に触れないように小刻みに動かし、前かがみの姿勢をとると気持ち悪くなりにくくなります。

歯磨き粉のにおいや味を不快に感じたら、水でブラッシングするだけでも大丈夫です。歯ブラシを口に入れられない場合は、マウスウォッシュや水でうがいするだけでも口内を洗浄できます。

参考文献