オレンジの栄養と効果効能・調理法・保存法

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オレンジの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、オレンジに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

オレンジとは

オレンジ(Orange)は、ミカン科ミカン属の常緑樹で、柑橘類を代表するフルーツです。果皮および果肉が可食部で、生食されるほかジュースやソースの原材料にもなります。

オレンジの原産地はインドのアッサム地方で、日本には明治時代に導入されたと言われています。オレンジの和名はアマダイダイ(甘橙)です。

バレンシアオレンジやネーブルオレンジなどの主要品種の多くは、アメリカ・カリフォルニア州や南アフリカ、オーストラリアなどから輸入されており、1年を通して市場に出回っています。

日本国内では、広島県などで主にネーブルオレンジが栽培されています。国産のネーブルオレンジは、12月に収穫されたあとに一度貯蔵されてから出荷されるので、旬の時期は2~3月です。

オレンジとみかんの違い

オレンジとみかんは同じ柑橘類ですが、種類が異なります。オレンジというと一般的にバレンシアオレンジやネーブルオレンジなどのスイートオレンジ類のことを指しますが、みかんはマンダリンオレンジの近縁種である温州みかんのことを言います。

みかんと比較してオレンジには食物繊維が豊富なため、便秘改善効果を期待するならオレンジがおすすめです。ビタミンCやカリウムといった栄養素の含有量も、オレンジのほうが豊富です。

一方、みかんには、がん予防や美容に効果的なβクリプトキサンチンがオレンジの10倍近く含まれているといった特徴があります。

オレンジの品種・種類

オレンジの主な種類は、バレンシアオレンジ・ネーブルオレンジ・ブラッドオレンジの3つで、日本で発見された福原オレンジなどの品種もあります。それぞれの特徴を解説します。

バレンシアオレンジ

最も一般的なバレンシアオレンジは、酸味と甘みのバランスが良く、果汁が豊富なためジュースに加工されることも多いオレンジです。皮に厚みがあり、砂糖漬けのオレンジピールとして食べることもできます。

ビタミンCなどの含有量はネーブルオレンジより少ないものの、抗酸化作用のあるβカロテンを多く含んでいます。

ネーブルオレンジ

ネーブルオレンジは、果実の果頂部にへそのような窪みがあるオレンジです。バレンシアオレンジより甘みが強いため、生食に向いています。

ネーブルオレンジは、ビタミンC・カリウム・βクリプトキサンチンなどの栄養素をバレンシアオレンジより多く含んでいる栄養豊富なオレンジです。ただし、甘みが強いぶんカロリーがやや高めなので、ダイエット中の方は食べ過ぎないように注意しましょう。

ブラッドオレンジ

地中海沿岸が原産地とされるブラッドオレンジは、果肉が血(ブラッド)のように赤い色をしていることからこの名が付けられました。

赤い色素成分である、抗酸化物質のアントシアニンが豊富に含まれています。アントシアニンは、眼精疲労やがん予防などに効果的な栄養素です。

福原オレンジ

福原オレンジは、1900年に千葉で発見された品種で、3~5月に収穫される晩生種です。果肉は甘みが強いのが特徴で、栄養価はバレンシアオレンジとほぼ同じですが、ビタミンCがやや多く含まれています。

オレンジに含まれる成分・栄養素

オレンジ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位ネーブル 砂じょう 生バレンシア 米国産 砂じょう 生バレンシア ストレートジュースバレンシア 濃縮還元ジュースバレンシア 50 %果汁入り飲料バレンシア 30 %果汁入り飲料バレンシア マーマレード 高糖度バレンシア マーマレード 低糖度福原オレンジ 砂じょう 生
廃 棄 率%354000000050
エネルギー(kcal)kcal/100 g46394242474125519339
エネルギー(kJ)kJ/100 g1921631761761971721067808163
水 分g/100 g86.888.787.888.188.489.736.451.788.7
たんぱく質g/100 g0.910.80.70.40.20.20.31
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g0.5-0.7-0.3-0.3-0.2-0.1-0.1-0.2
脂 質g/100 g0.10.1Tr0.10.2Tr0.10.10.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g-0.1-0.1-0.1-0.1
飽和脂肪酸g/100 g-0.01-0.01-0.03-0.02
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.02-0.02-0.02-0.04
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.02-0.02-0.03-0.04
コレステロールmg/100 g00Tr000000
炭水化物g/100 g11.89.81110.710.81063.247.79.8
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g8.3-7.1-8.9-7.9-61.3
水溶性食物繊維g/100 g0.40.30.20.20.100.50.90.3
不溶性食物繊維g/100 g0.60.50.1TrTrTr0.20.40.5
食物繊維総量g/100 g10.80.30.20.1Tr0.71.30.8
灰 分g/100 g0.40.40.40.40.20.10.10.20.4
ナトリウムmg/100 g1111261191
カリウムmg/100 g18014018019099572749140
カルシウムmg/100 g24219953161921
マグネシウムmg/100 g9111010633511
リンmg/100 g222420181064524
mg/100 g0.20.30.10.10.1Tr0.10.20.3
亜鉛mg/100 g0.10.2Tr0.1TrTrTrTr0.2
mg/100 g0.060.060.040.030.020.010.010.010.06
マンガンmg/100 g0.060.050.020.030.020.010.020.030.05
ヨウ素µg/100 g000
セレンµg/100 g000
クロムµg/100 g000
モリブデンµg/100 g011
レチノールµg/100 g000000000
α-カロテンµg/100 g31477300014
β-カロテンµg/100 g235012172001750
β-クリプトキサンチンµg/100 g21013039521004877130
β-カロテン当量µg/100 g1301203547802456120
レチノール活性当量µg/100 g111034102510
ビタミンDµg/100 g000000000
α-トコフェロールmg/100 g0.30.30.20.30.10.10.30.40.3
β-トコフェロールmg/100 g000000000
γ-トコフェロールmg/100 g0000000.10.10
δ-トコフェロールmg/100 g000000000
ビタミンKµg/100 g000000000
ビタミンB1mg/100 g0.070.10.070.070.040.020.010.010.1
ビタミンB2mg/100 g0.040.030.010.020.010.01000.03
ナイアシンmg/100 g0.30.40.20.30.10.10.10.10.4
ビタミンB6mg/100 g0.060.070.060.060.030.020.020.020.07
ビタミンB12µg/100 g000000000
葉酸µg/100 g343225271282332
パントテン酸mg/100 g0.280.360.140.230.010.04000.36
ビオチンµg/100 g0.60.90.9
ビタミンCmg/100 g6040224216105460
食塩相当量g/100 g000000000
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g0.9
重量変化率%
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

オレンジの効果・効能

オレンジに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

美容効果・免疫力増強作用のあるビタミンC

ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種で、オレンジなどの柑橘類に豊富に含まれています。

人体に対してあらゆる効能を持つビタミンCですが、コラーゲン生成を助けて肌のハリツヤを維持したり、シミの原因となるメラニンの発生を抑えるなど美肌効果もあり、美容面での活躍が注目されています。

また、ビタミンCには鉄の吸収を助けて免疫力を向上させ、ウイルスや菌に対する抵抗力を高めるなどの効果もあります。

オレンジの主要品種のなかで、特にビタミンC含有量が多いのはネーブルオレンジです。美容のために食べるならネーブルオレンジが向いています。

カリウムで高血圧やむくみを改善

オレンジには、必須ミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれています。カリウムは、細胞の浸透圧を調節し、ナトリウムを体外に排出しやすくする働きを持つ栄養素です。

塩分の摂りすぎが一因となって引き起こされる高血圧などの生活習慣病や、むくみの改善には、カリウムの摂取が効果的と言われています。

バレンシアオレンジよりネーブルオレンジに多くカリウムが含まれているため、塩分の摂りすぎが気になるときにはネーブルオレンジがおすすめです。

がんや生活習慣病予防に役立つβクリプトキサンチン

βクリプトキサンチンは、植物に含まれるカロテノイド色素の一種で、抗酸化作用があり、病気の予防やアンチエイジングに効果的と考えられている栄養素です。

他のカロテノイドと比較してがんや生活習慣病のリスク低減効果が高いという報告もあり、骨粗しょう症の予防効果も示唆されています。

βクリプトキサンチンは柑橘類に多く含まれていますが、温州みかんに特に豊富なことで知られています。温州みかんほどではありませんが、オレンジにも多くのβクリプトキサンチンが含まれており、健康効果が期待できます。

なお、ネーブルオレンジにはバレンシアオレンジのほぼ2倍のβクリプトキサンチンが含まれているため、栄養価を重視するならネーブルオレンジを選びましょう。

葉酸で貧血予防

オレンジには、ビタミンの一種である葉酸が含まれています。葉酸には血をつくる作用があり、貧血の予防・改善に役立つほか、皮膚や粘膜の健康を維持します。

また、葉酸は胎児の健康な発育のために重要で、妊婦や授乳中の女性にとっては必要不可欠な栄養素です。

ヘスペリジンで血行促進し冷え性を改善

オレンジの果皮やすじには、ヘスペリジン(ビタミンP)と呼ばれるフラボノイドが含まれています。

ヘスペリジンには毛細血管を強化して血流を促す作用があり、冷え性などの体の不調を改善する効果があると言われています。また、悪玉コレステロールを低下させる作用や、花粉症などのアレルギーや骨粗しょう症への効能も期待されている栄養素です。

オレンジの食べ方

オレンジの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

熱に弱い成分が多いので生食がおすすめ

オレンジに豊富なビタミンCやカリウムは熱に弱い成分なので、栄養素を壊さないためには生のまま食べるのがベターです。

また、オレンジの皮にも食物繊維やビタミンなどが含まれているため、栄養を最大限に摂取したいときは皮も食べましょう。皮は、生のまま食べると硬く苦みがありますが、砂糖漬けのオレンジピールに加工すると食べやすくなります。

日光に当てると皮が青くなることも

本来なら橙色をしているはずのオレンジの果皮が、青みがかっていることがあります。これは、果実を日光に当てることで起こる「回青現象」と呼ばれるもので、熟していないわけではありません

果皮が青くても果肉はきれいな橙色をしているので、追熟させようとせず、通常通り食べましょう。

加工食品の食べ過ぎには注意

オレンジは、食物繊維などダイエットに効果的な成分を含む食材です。ただし、果汁入りジュースやマーマレードなどの加工食品は、糖質が多くカロリーも高いため、食べ過ぎるとダイエットには逆効果となる可能性もあります。

オレンジの保存方法

オレンジの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

常温・冷蔵保存

輸入品のオレンジには防腐剤や防カビ剤が使われていることが多く、傷みにくくなっています。そのため、気温が高くなる夏以外は、常温で1~2週間ほど保存することが可能です。夏場は冷蔵庫の野菜室に入れてください。

乾燥を防ぐためにキッチンペーパーや新聞紙などで果実を一つひとつ包んでおくと、より長持ちします。なお、カットしたオレンジは、季節に関わらず冷蔵庫に入れて保存しましょう。

冷凍保存

オレンジを長期保存する場合は、食べやすい大きさにカットしてから冷凍します。カットした果肉はラップで包み、冷凍保存用の袋に入れて冷凍庫に入れてください。冷凍したオレンジは、1~2ヶ月程度保存が可能です。

オレンジは、凍らせてもあまり硬くならないという特徴があるので、半解凍の状態でもシャーベットとして食べることができます。

参考文献