みかんの栄養と効果効能・調理法・保存法

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みかん

みかんの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、みかんに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

みかんとは

みかんは、ミカン科ミカン属の柑橘類の果物。日本で流通している一般的なみかんは、温州みかんを指しています。

もともとは中国原産とされており、中国の温州(うんしゅう)にちなんで「温州みかん」と名付けられましたが、後に日本の鹿児島県の原産ということがわかました。

温州みかんの栽培が本格的に始まったのは明治時代に入ってからのこと。それまでは、紀州みかんが主流でしたが、種がなく食べやすい温州みかんの人気が高まっていきました。

みかんとオレンジは同じ柑橘類ですが、種類が異なります。そのため、英語では「orange(オレンジ)」ではなく、「mikan(みかん)」もしくは「satsuma(さつま)」と呼ばれます。

みかんは、収穫時期によって「極早生」「早生」「中生(普通)」「晩生」の4種類に分かれます。旬は「極早生」が9月〜10月下旬、「早生」が10月下旬〜12月下旬、「中生(普通)」が11月下旬〜12月下旬、「晩生」が12月下旬〜3月頃です。

「こたつにみかん」と言われるほど冬の風物詩でしたが、近年はこたつ文化の衰退やさまざまなスイーツの台頭から、消費量は減少傾向にあるようです。

みかんの品種・種類

みかんの品種について解説します。

極早生

9月〜10月下旬と収穫時期が最も早い極早生。若いみかんなので果皮に青みが残っており、酸味がやや強めに感じられます。

果肉を包む「じょうのう膜」も薄く、食べやすいという特徴もあります。代表的な品種は「日南1号」や「上野早生」です。

早生

早生は、10月下旬〜12月下旬に収穫されるみかんのことです。

果皮はほとんどオレンジ色になり、甘みと酸味の良いバランスが楽しめます。代表的な品種は「宮川早生」「興津早生」です。

中生(普通)

中生は、11月下旬〜12月下旬に収穫されるみかんです。酸味に比べて甘みが強く感じるのが特徴です。

じょうのう袋は早生に比べると少し厚くなります。代表的な品種は「南柑20号」や「大津4号」などです。

晩生

12月下旬〜3月頃に収穫されるみかんを晩生といいます。収穫してから1ヶ月ほど貯蔵させることで、甘みが強くなるのが特徴。

有名な品種は、静岡県の「青島温州(あおしまうんしゅう)」や「十万温州」、「寿太郎温州」です。

みかんに含まれる成分・栄養素

みかん100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位温州みかん じょうのう 早生 生温州みかん じょうのう 普通 生温州みかん 砂じょう 早生 生温州みかん 砂じょう 普通 生みかんジュース濃縮還元ジュース果粒入りジュース50%果汁入りジュース20%果汁入りジュース温州みかん 缶詰 果肉温州みかん 缶詰 液汁
廃 棄 率%202025250000000
エネルギー(kcal)kcal/100 g4546434541384760506463
エネルギー(kJ)kJ/100 g188192180188172159197251209268264
水 分g/100 g87.286.987.887.488.589.386.784.987.483.884.1
たんぱく質g/100 g0.50.70.50.70.50.50.20.20.10.50.3
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g-0.30.4-0.3-0.40.30.3-0.1-0.1-0.1
脂 質g/100 g0.10.10.10.10.10.1TrTrTr0.10.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g(Tr)Tr(Tr)(Tr)(Tr)(Tr)0(Tr)(Tr)(Tr)(Tr)
飽和脂肪酸g/100 g-0.010.01-0.01-0.01-0.01-0.010(Tr)(Tr)-0.01-0.01
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.020.02-0.02-0.02-0.02-0.02(Tr)-0.01-0.01-0.02-0.02
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.010.01-0.01-0.01-0.01-0.01(Tr)(Tr)(Tr)-0.01-0.01
コレステロールmg/100 g00000000000
炭水化物g/100 g11.91211.311.510.69.91314.712.415.315.3
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g-8.99.2-9.59.89.28.5
水溶性食物繊維g/100 g0.30.50.20.200Tr0.100.20
不溶性食物繊維g/100 g0.40.50.20.2000000.30
食物繊維総量g/100 g0.710.40.400Tr0.100.50
灰 分g/100 g0.30.30.30.30.30.20.10.20.10.30.2
ナトリウムmg/100 g11111141144
カリウムmg/100 g1301501301501301103363217575
カルシウムmg/100 g172111158654285
マグネシウムmg/100 g111110108934276
リンmg/100 g1215121511945287
mg/100 g0.10.20.10.10.20.10.10.10.10.40.3
亜鉛mg/100 g0.10.10.10.1TrTrTrTrTr0.10.1
mg/100 g0.050.030.040.030.020.020.010.010.010.020.01
マンガンmg/100 g0.080.070.060.050.030.030.030.01Tr0.030.02
ヨウ素µg/100 g0Tr1
セレンµg/100 g00Tr
クロムµg/100 g001
モリブデンµg/100 gTrTrTr
レチノールµg/100 g00000000000
α-カロテンµg/100 g1101102300010
β-カロテンµg/100 g8918094190538134442191
β-クリプトキサンチンµg/100 g19001700200018007401100360460210640
β-カロテン当量µg/100 g1000100011001100420610220280120410Tr
レチノール活性当量µg/100 g878492923551182310340
ビタミンDµg/100 g00000000000
α-トコフェロールmg/100 g0.40.40.40.40.20.20.10.10.10.50
β-トコフェロールmg/100 g00000000000
γ-トコフェロールmg/100 g00000000000
δ-トコフェロールmg/100 g00000000000
ビタミンKµg/100 g00000000000
ビタミンB1mg/100 g0.070.10.070.090.060.060.020.030.010.050.04
ビタミンB2mg/100 g0.040.030.030.030.010.040.010.010.010.020.02
ナイアシンmg/100 g0.20.30.20.30.20.20.10.1Tr0.20.2
ビタミンB6mg/100 g0.070.060.070.050.030.040.010.020.010.030.03
ビタミンB12µg/100 g00000000000
葉酸µg/100 g2422242215200821212
パントテン酸mg/100 g0.210.230.150.230.140.260.080.100.090.05
ビオチンµg/100 g0.50.40.3
ビタミンCmg/100 g353235332930121871515
食塩相当量g/100 g00000000000
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%
備考廃棄部位: 果皮廃棄部位: 果皮廃棄部位: 果皮及びじょうのう膜廃棄部位: 果皮及びじょうのう膜果粒(砂じょう) 20 % を含むビタミンC: 酸化防止用として添加品あり試料: ライトシラップ漬内容総量に対する果肉分: 60 %試料: ライトシラップ漬内容総量に対する液汁分: 40 %
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

みかんの効果・効能

みかんに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

ビタミンC:免疫力を高める、美白効果がある

みかんはビタミンCを豊富に含んでいます。ビタミンCは水に溶けやすい水溶性のビタミンで、体内で作り出すことができないため食べ物などから摂取する必要があります。

ビタミンCを摂取することで、免疫力が高まり感染症やがんを予防したり、鉄の吸収を助けることで貧血を予防・改善したり、肩こりや疲労を解消したり、頭痛や生理痛を緩和したりすることができます。

また、ビタミンCが持つ抗酸化作用により、しみやそばかすの原因となるメラニンの発生を抑制して美白効果をもたらしたり、コラーゲンを合成してシワを予防したりと、美容面にも嬉しい効果があります。

ヘスペリジン:血流を改善する、悪玉コレステロールを下げる

ヘスペリジンはポリフェノールの一種で、「ビタミンP」とも呼ばれます。

みかんの白い筋(アルベド)に多く含まれており、毛細血管を強化する、血流を改善して体を温める、悪玉(LDL)コレステロールを低下させる、免疫力を高める、壊れやすいビタミンCを守り吸収を助ける、といった効果があります。

β-クリプトキサンチン:がんの発生や進行を予防する

β-クリプトキサンチンは、みかんのオレンジ色の色素の一種です。近年の研究で、β-クリプトキサンチンには、がんなど循環器系の疾患の予防に効果があることがわかりました。

これは、β-クリプトキサンチンのがん細胞の分裂や増殖を防ぐ働きによるもので、発がん抑制の効果も期待できます。

また、2型糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果があります。

ペクチン:腸内環境を整えて便秘を予防・改善する

みかんの果肉を包む「じょうのう袋」には、食物繊維の一種である「ペクチン」が含まれています。

ペクチンにはコレステロールの吸収を抑制したり、血糖値の急激な上昇を抑えたり、善玉菌を増やして腸内環境を整えたり、といった効果があります。

β-カロテン:生活習慣病を予防する

β-カロテンはカロテノイドの一種で、体内でビタミンAに変換される性質を持っています。

β-カロテンには強い抗酸化作用があり、活性酸素の抑制を防いで動脈硬化やがんなどの生活習慣病を予防したり、細胞を若々しく保ったり、皮膚や粘膜の細胞を正常に保ったり、などの効果があります。

みかんの食べ方

みかんの栄養素を損なわない食べ方や、食べる際の注意点を解説します。

みかんのおすすめの食べ方

みかんの皮をむくと、白い筋のようなものがついています。この筋は「アルベド」と言い、果実へ養分を運ぶ働きを持っています。

アルベドには食物繊維やビタミン、ポリフェノールの一種「ヘスペリジン」など、豊富な栄養素が含まれているので、筋は取り除かずにそのまま食べた方が、栄養素をあますことなく摂取することができます。

みかんを食べる際の注意点

みかんを食べすぎると、顔や手足が黄色くなる「柑皮症」になる恐れがあります。これは、みかんに含まれるβ-カロテンという色素が皮膚表面や皮下脂肪組織に沈着するためです。

みかんの食べる量を減らせば自然と改善していきますが、人によっては改善するまでに数週間〜数ヵ月かかる人もいます。

また、みかんを食べすぎるとビタミンCを過剰に摂取することになり、肝臓に大きな負担がかかってしまいます。その結果、お腹がゆるくなったり、下痢になったり、頭痛になったりする恐れがあります。

みかんの1日の摂取量の目安は、2〜3個。食べる量には注意しましょう。

みかんの保存方法

みかんの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

みかんを保存する気温は5〜10度が最適です。冬の時期は、暖房のついていない部屋では常温のままで問題ありませんが、それ以外の季節は冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

常温保存:保存期間は約3週間

常温保存する場合、まず通気性の良いカゴなどの容器にキッチンペーパーを敷き、みかんを並べます。

1段並べ終わったらその上にキッチンペーパーを敷き、さらにみかんを並べていきます。この時、乾燥を避けるためにヘタを下にして並べるようにします。

冷蔵保存:保存期間は約2週間

冷蔵保存する場合は、みかんを皮付きのままキッチンペーパーで1つずつ包み、数個まとめて保存袋に入れます。常温保存と同様にヘタを下にして、冷蔵庫の野菜室に入れます。

冷凍保存:保存期間は約1ヵ月

みかんは冷凍保存することもできます。みかんの皮をむき、筋も取り除きます。みかんを丸ごとラップで包んで冷凍庫に入れます。ラップに包まずに保存袋に入れるとくっついてしまうので注意してください。