小松菜の栄養と効果効能・調理法・保存法

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小松菜

小松菜の旬や原産地、主要な品種などの基本情報、ほうれん草との栄養価の違い、小松菜に含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

小松菜とは

小松菜(こまつな・コマツナ)は、アブラナ科アブラナ属の葉物野菜で、ツケナ類の一種です。ツケナとはアブラナ科の結球しない野菜のことで、チンゲンサイや野沢菜も含みます。

旬は11月~3月の冬野菜で、冬菜(ふゆな)や鶯菜(うぐいすな)の別名も持ちます。

葉と茎を可食部とし、おひたし・漬物・炒め物・味噌汁・鍋・サラダなど幅広い料理に活用できる野菜です。小松菜の菜の花も、おひたしなどにして食べることができます。

カルシウム・鉄・ビタミン類・食物繊維などが豊富で、栄養価の高い野菜としても知られています。特にカルシウムの含有量は、「野菜の王様」とも呼ばれる栄養豊富なケールに次ぐ高さを誇ります。

小松菜の原産地は日本です。江戸時代に東京・江戸川区の小松川地区周辺で作出されたことから、小松菜の名が付きました。そのため、英語でもKomatsunaと表記され、Japanese mastered spinachと呼ばれることもあります。現在では、関東地方を中心に日本各地で栽培されています。

新鮮で良質な小松菜は、肉厚で丸みがある、濃い緑色の葉を持っています。茎が太くしっかりしているものも生育の良い小松菜です。

小松菜とほうれん草の見た目・味・栄養素の違い

小松菜とほうれん草は、見た目が似ていることからよく比較されます。

両者は一見よく似ていますが、ほうれん草は茎の根元が赤いのに対し、小松菜は白いため、簡単に見分けることができます。

味は、小松菜の方がアクや苦味が少なく、さっぱりとしています。比較的生でも食べやすいと言えるでしょう。

栄養の観点からみると、小松菜にはほうれん草の約3倍のカルシウムが含まれており、鉄も豊富です。一方、βカロテンやカリウムの含有量は、ほうれん草が小松菜を上回っています。

カルシウム・鉄を効率的に摂取したいときは小松菜が、βカロテン・カリウムを摂りたいときはほうれん草がおすすめです。

小松菜の品種・種類

小松菜の代表的な品種・種類を紹介します。

ちぢみ小松菜

ちぢみ小松菜は、名前の通り一般的な小松菜より葉が縮んでいる小松菜です。葉の縮れは霜にさらすことで生じるもので、主に冬季に出回ります。

縮んだ肉厚の葉には、甘みと旨味が凝縮されていて食べ応えがあります。ちぢみ小松菜は、東北地方や茨城県などで栽培されています。

紫小松菜

紫小松菜は、葉や茎が紫色をした小松菜です。普通の小松菜と比べて筋やえぐみが少なく、生食にも向いています。サラダや浅漬けにぴったりです。

赤や紫のアントシアニン系の色素は、長時間茹でると溶け出してしまうため、加熱は短時間で済ませましょう。

千宝菜(せんぽうさい)

千宝菜は、小松菜とキャベツのハイブリッド種です。見た目は小松菜に似ていますが、キャベツの甘さと小松菜の柔らかさを持ち合わせています。

小松菜特有のアクが少なく、おひたしや炒め物に最適です。このほか、小松菜とチンゲンサイを掛け合わせた「友好菜」(ゆうこうさい)などもあります。

小松菜に含まれる成分・栄養素

小松菜100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位小松菜 生小松菜 茹で
エネルギー(kcal)kcal/100 g1415
エネルギー(kJ)kJ/100 g5963
水 分g/100 g94.194
たんぱく質g/100 g1.51.6
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g1.3-1.4
脂 質g/100 g0.20.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g0.1-0.1
飽和脂肪酸g/100 g0.02-0.01
一価不飽和脂肪酸g/100 gTr(Tr)
多価不飽和脂肪酸g/100 g0.08-0.04
コレステロールmg/100 g00
炭水化物g/100 g2.43
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g0.3-0.3
水溶性食物繊維g/100 g0.40.6
不溶性食物繊維g/100 g1.51.8
食物繊維総量g/100 g1.92.4
灰 分g/100 g1.31
ナトリウムmg/100 g1514
カリウムmg/100 g500140
カルシウムmg/100 g170150
マグネシウムmg/100 g1214
リンmg/100 g4546
mg/100 g2.82.1
亜鉛mg/100 g0.20.3
mg/100 g0.060.07
マンガンmg/100 g0.130.17
ヨウ素µg/100 g2
セレンµg/100 g1
クロムµg/100 g2
モリブデンµg/100 g10
レチノールµg/100 g00
α-カロテンµg/100 g00
β-カロテンµg/100 g31003100
β-クリプトキサンチンµg/100 g2828
β-カロテン当量µg/100 g31003100
レチノール活性当量µg/100 g260260
ビタミンDµg/100 g00
α-トコフェロールmg/100 g0.91.5
β-トコフェロールmg/100 g0Tr
γ-トコフェロールmg/100 g0.10.1
δ-トコフェロールmg/100 g00
ビタミンKµg/100 g210320
ビタミンB1mg/100 g0.090.04
ビタミンB2mg/100 g0.130.06
ナイアシンmg/100 g10.3
ビタミンB6mg/100 g0.120.06
ビタミンB12µg/100 g00
葉酸µg/100 g11086
パントテン酸mg/100 g0.320.23
ビオチンµg/100 g2.9
ビタミンCmg/100 g3921
食塩相当量g/100 g00
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g0.50.3
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%88
備考廃棄部位: 株元廃棄部位: 株元ゆでた後水冷し、手搾りしたもの
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

小松菜の効果・効能

小松菜に含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

カルシウムで骨や歯を丈夫にする

小松菜のカルシウム含有量は、100gあたり170mgと野菜のなかでも断トツの高さで、牛乳やヨーグルトよりも豊富です。加えて、カルシウムの吸収を高めるビタミンKが豊富なのも見逃せません。

小松菜に豊富なカルシウムは、骨や歯を形成するミネラルの一種です。不足すると骨粗しょう症を引き起こす可能性もあり、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。

なお、茹でた小松菜のカルシウム含有量は100gあたり150mgと、生食に比べてあまり損なわれません。加熱しても栄養価が失われにくく、日々の食事から無理なくカルシウムを摂取したいときにぴったりの食材です。

貧血予防・妊娠中の健康維持を助ける鉄と葉酸

鉄は、赤血球中のヘモグロビンに存在し、全身に酸素を行き渡らせるミネラルの一種です。鉄が不足すると、貧血・集中力低下・頭痛・食欲不振などが引き起こされます。

鉄は、妊娠中・授乳中の女性に特に不足しやすいと言われています。小松菜に含まれる鉄の量はほうれん草よりも多く、効率的に栄養を補うことができる食材です。

また、小松菜にはビタミンの一種である葉酸も豊富。葉酸は、血液を作ったり、胎児の健康な成長に大切な成分で、妊娠中の健康を維持するためにはぜひ取っておきたい栄養素です。

皮膚や粘膜を健康に保つβ-カロテン

小松菜などの緑黄色野菜やフルーツには、β-カロテンという色素成分が豊富です。

β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAには、皮膚や粘膜の健康を維持する効果があり、健康な体や美肌づくりには欠かせない成分です。

一方、β-カロテン自体には強力な抗酸化作用があり、体に害を及ぼす活性酸素を取り除いてくれます。活性酸素が引き起こす、動脈硬化・老化・ガンの予防効果も期待できます。

小松菜の食べ方

小松菜の栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

小松菜の洗い方

小松菜は、調理する前に葉と茎を水で洗ってください。

葉はサッと洗うだけで大丈夫です。茎の根元部分には土やゴミが入り込んでいることが多いため、茎を開きながら念入りに洗うようにしましょう。

根元を洗いにくいと感じたときは、包丁で十字に切れ込みを入れると汚れを落としやすくなります。

小松菜の調理方法

調理前に5分ほど水につけておくと、葉がピンとしたみずみずしい状態になり、よりおいしく食べられます。ただし、栄養素が失われてしまう可能性があるので、長時間水につけすぎないように注意してください。

水につけ終わったら、根元の部分を包丁で切り落とし、料理に合わせて適切なサイズにカットします。サラダや和え物に使う場合は、茹でてから切っても大丈夫です。

なお、小松菜は茹でずに電子レンジで下ごしらえすることもできます。

小松菜を数株ずつラップでくるみ、電子レンジで1分~2分ほど加熱します。水で冷やせばそのままお浸しなどの材料として使えるので、忙しい方におすすめの方法です。

小松菜の食べ方

炒め物・おひたし・味噌汁や鍋の具材など、小松菜はアレンジ自在の食材です。

なかでも、小松菜のおひたしは定番かつ人気のレシピです。茹でた小松菜をめんつゆで和えるだけで、簡単に作ることができます。かつおぶしや油揚げを加えても良いでしょう。

小松菜を炒め物に使うのもおすすめです。小松菜に含まれるβ-カロテンは、脂質と共に取ることで吸収がよくなるため、油で炒めることで効率的に栄養を摂取できます。

小松菜を調理する際の注意点

小松菜を調理する際は、茹ですぎに注意しましょう。小松菜を長時間茹でると食感が損なわれるだけでなく、ビタミンなどの栄養素も失われてしまう可能性があります。

新鮮な小松菜はエグミがないので、茹で時間は1分以内で十分です。炒めものなどに使う際は、下茹でせずにそのまま使えます。

葉をシナシナにしない茹で方のポイントは、茎を先に茹でておくことです。

沸騰したお湯にまず茎の部分だけ入れ手に持った状態で、30秒ほど茹でます。次に、葉ごと鍋に入れ15秒ほど茹で、水で粗熱を取れば完成です。

小松菜の保存方法

小松菜の栄養素を損なわない保存方法を解説します。

冷蔵保存

生の小松菜は、冷蔵庫の野菜室で保管します。湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて立てた状態で保存しておけば、2~3日は日持ちします。

茹でて水気を切ってから保存しても構いません。その際は、清潔な密閉できる容器に入れて冷蔵庫で保存するようにしましょう。

冷凍保存

食べきれない小松菜は、栄養素を保つため冷凍保存しておくのがベターです。

小松菜は、生のまま冷凍してもOK。洗って水気をきり、適当な大きさにカットした小松菜を、ジップ付き袋などに入れて冷凍庫に入れます。

冷凍小松菜は、味噌汁や炒め物の具材に凍ったまま使えるので便利です。おひたしや漬物にするときは、冷蔵庫で自然解凍してから茹でてください。

小松菜を茹でてから冷凍する場合は、水気をしっかりきってから凍らせるようにしてください。冷凍で保存できる期間の目安は、2~3週間です。