カモミールの栄養と効果効能・調理法・保存法

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カモミール

カモミールの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、カモミールに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

カモミールとは

カモミール(Chamomile)とは、ハーブとして利用されるキク科の植物です。ヨーロッパ原産のハーブで、日本ではカミルレやカミツレとも呼ばれます。

背丈は50〜60cmほどに成長し、茎や葉など全体に芳香があります。とくに花は香りが強く、精油として用いられるハーブです。

カモミールの開花前の花を摘んで、乾燥させたものがカモミールティーに用いられます。りんごのような甘い香りをもちますが、品種によって香りの特徴が異なります。

カモミールの旬は5月です。3月頃から花の収穫が始まり、開花する6月頃までが収穫時期です。

カモミールの品種・種類

カモミールにはさまざまな品種がありますが、一般的に見られるのはローマンカモミールとジャーマンカモミールです。

それぞれの違いを解説します。

ローマンカモミール

ローマンカモミールとは、花と葉にりんごのような香りのあるカモミールです。

花は後述するジャーマンカモミールと似ていますが、ひと回り大きいことが特徴。ハーブティーや精油、入浴剤、化粧品のほか、園芸用としても用いられます。

ジャーマンカモミール

ジャーマンカモミールとは、主にドイツで栽培されるハーブです。

花はローマンカモミールと同じ、りんごのような香りが強く、白い花びらに黄色の頭花をつけます。ローマンカモミールに比べて葉の香りはほとんどないのが特徴です。

ハーブティーや入浴剤、うがい薬、香水として用いられます。

その他の品種

  • ダイヤーズカモミール:和名ではコウヤカミツレと呼ばれる。ヨーロッパやアジア原産で、寒さに強いのが特徴。花の色は染料として利用される。
  • コシカギク:ジャーマンカモミールの近縁種。北アメリカ原産で、花と葉にパイナップルに似た香りがあることから、パイナップルウィードと呼ばれることもある。

カモミールの効果・効能

カモミールに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

不安を解消して安眠促進

カモミールにはリラックス効果があり、不安解消や安眠促進に効果的です。

一部の研究では、カモミールの摂取は全般性不安障害に対して、有効に働くとの報告もあります。カモミールは、不安を感じているときやリラックスしたいときにおすすめです。

また、不眠症ではない人に対して実施されたカモミールの睡眠に関する研究では、睡眠の質が改善されたと示唆される結果でした。

ただし、不眠症に対する研究は少なく、効果が必ず現れるものではないと理解しておくとよいでしょう。

胃のむかつきや下痢解消

カモミールは、胃腸症状を和らげる働きのあることが知られています。主な効能は、以下のとおりです。

  • 胃のむかつき軽減
  • ガスの抑制
  • 下痢症状の軽減

カモミールには胃けいれんを抑制する効果があり、吐き気や腹痛、嘔吐、下痢などの症状を緩和します。

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肌荒れ予防・解消

カモミールには抗炎症作用があり、肌荒れ予防や解消に効果的です。古代より薬として、口内炎や歯肉炎の治療に用いられていきました。

そもそも肌荒れは、皮膚の炎症によって引き起こされます。肌荒れしている皮膚が赤いのは、そのためです。カモミールの抗炎症作用を利用して、皮膚の炎症を抑えて肌荒れを予防したり解消したりできます。

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生理痛の緩和

ハーブティーは月経中に身体を温め、月経前症候群(PMS)や生理痛による症状を緩和することが知られています。なかでも、カモミールにはリラックス効果もあり、生理前や整理中におすすめのハーブティーです。

生理中は子宮が収縮して、子宮内膜を排出します。しかし血行が悪く、子宮の収縮が抑制されると子宮内膜の排出がうまくいかなくなります。

カモミールには身体を温める効果があり、血行をよくして子宮収縮を促進するのに効果的です。また、カモミールは子宮収縮を促進するため、子宮内膜の排出をサポートする役割も果たします。

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カモミールの食べ方

カモミールの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

カモミールの収穫時期

カモミールを自宅で栽培する場合、どのタイミングで収穫すればよいか迷うかもしれません。

香りの強いカモミールを収穫したいなら、花の咲いた2〜3日後がベストです。ベストな時期を逃してしまっても、開花後5日程度なら問題ありません。花が散ってしまうと香りが落ちるため、できるだけベストな時期に収穫しましょう。

ただし、カモミールの種を採取したいときは花が散るのを待ち、黄色い頭花が茶色くなってきてから収穫します。

カモミールの収穫方法

開花後2〜3日経ったら、カモミールの花の部分を収穫します。

ローマンカモミールは茎にも芳香があるため、花の少し下をハサミで切って収穫しましょう。ジャーマンカモミールは茎に香りがないため、花の部分だけ摘み取ります。

カモミールの洗い方

自宅で栽培したり、もらったカモミールには虫や土がついていることもあるため、水で汚れを落とします。

ボールに花を入れ、流水でしっかりと汚れを取ります。洗った後はキッチンペーパーで水気を取り、風通しのよい日陰で1週間ほど乾燥させましょう。

定番のカモミールティー

カモミールといえば、ハーブティーにするのがオーソドックス。

乾燥させたカモミールを、ティースプーン2杯に対してお湯を200ml注ぎ、5分ほど蒸らします。アイスティーにするときはお湯の量を減らして、蒸らした後に氷を入れたグラスへ移しましょう。

ブレンドハーブティーを作るときは、ローズヒップと合わせるとカモミールのよさを引き出せます。

少し手間はかかりますが、冬はミルクティーにするのもおすすめです。

鍋に200mlの牛乳とカモミールを入れて、5分ほど煮出します。カモミールは茶こしなどで取り除いて、はちみつや砂糖を入れて完成です。

余ったカモミールの葉はサラダにも

ローマンカモミールは花だけでなく、葉も調理に使えます。ジャーマンカモミールとは異なり、葉も花と同じようにりんごの香りがするからです。

カモミールの葉を調理する際は、汚れを取り除いて適当な大きさにちぎります。

細切り大根のサラダやミックスリーフに混ぜて、お好みのドレッシングをかけるだけ。カモミールの葉の苦味が癖になるレシピです。

キク科植物にアレルギーのある人は注意

カモミールの摂取が原因と考えられる副作用は、ほとんどないと考えられています。ただし、まれに以下の副作用を起こす場合もあります。

  • 悪心
  • めまい
  • アレルギー反応

とくに、ブタクサやヒナギク、マリーゴールドなどのキク科植物にアレルギーのある人は、カモミールに対してもアレルギー反応を起こす可能性があります。

キク科植物にアレルギーのある場合や、カモミールを摂取してかゆみや蕁麻疹などの症状が出た場合はすぐに摂取を中止してください。

ワルファリンを服用中の場合は主治医に相談を

カモミールは、ワルファリンと相互作用して薬剤の効果を高めすぎてしまう恐れがあります。ワルファリンとは、血栓予防のために血液をさらさらにする薬剤です。

薬剤の効果が高まるのはよいことだと誤解されがちですが、必要以上に効果が発揮されると、反対に身体には害となって症状が現れる可能性もあります。

ワルファリン服用中の場合は、主治医に相談してからカモミールを摂取するようにしましょう。

妊娠中の摂取は控える

妊娠中や授乳中のカモミール摂取の安全性は、未解明な部分が多いのが現状です。一般的にカモミールには、子宮収縮を促進させる効果があるため、妊娠中の摂取は控えたほうが無難でしょう。

ハーブには子宮収縮作用のあるものが多いため、ハーブティーを摂取するときはハーブの種類に気を付けましょう。

妊娠中にハーブティーを飲むなら、ミネラルやビタミンの多いルイボスティーやローズヒップティーがおすすめです。

カモミールの保存方法

カモミールの栄養素を損なわない保存方法について解説します。

市販のカモミールは密閉容器に入れて保存

カモミールティーのティーバッグや市販のカモミールは、湿気るとカビが生えたり香りが失われたりします。

乾燥剤と一緒に密閉容器に入れ、直射日光の当たらない場所で保存しましょう。遮光瓶にいれておくと、より香りが長持ちします。

摘んだばかりのカモミールは冷凍保存も可能

自宅で栽培したカモミールは、意外と多く収穫できてしまうもの。どうしても余ってしまいがちです。

摘んだばかりのカモミールは流水で汚れを落とし、乾燥させずに密閉容器に入れ、冷凍保存します。冷凍保存なら1年程度鮮度を保てるため、収穫しすぎてしまった場合におすすめの方法です。

ただし、乾燥させた鮮度のよいカモミールのほうが香りは強く、冷凍保存すると香りが落ちてしまいます。できるだけ乾燥カモミールとして保存したいものですが、余りすぎた場合は冷凍保存も試してみるとよいでしょう。

参考文献

栄養と健康の6つの関係