毎日の食事に取り入れたい体に良い食べ物8選【症状別に効果の期待できる食べ物】
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生活習慣病予防効果・疲労回復効果・つわり対策などが期待できる栄養素を含む、体に良い食べ物や飲み物を紹介します。
体に良い食べ物について
まず、体に良い食べ物とは何なのかを解説します。
「体に良い食べ物」とは
体に良い食べ物とは、生体機能を維持するための栄養素を含み、かつ体によい効果をもたらすものです。
しかし、どんな食べ物でも「体に良い食べ物」と言い切ることは難しく、食べすぎたりバランスが悪かったりすれば、体に良い食べ物とは言えません。
そのため、栄養バランスのよい食事を適量食べることが、健康を維持するために大切なポイントです。
「何をどれくらい食べるか」の目安
健康を維持するために必要な食事量は、年齢・性別・持病の有無などによって異なるため、次の「SV」という単位を目安として考えましょう。
SVはサービングと読み、食事のバランスを示す際に使われる単位です。厚生労働省と農林水産省が合同で策定したもので、主食・副菜・主菜・乳製品・果物の5つの料理区分に分け、それぞれの摂取量目安をSVで示しています。
食べ物ごとに数字が決められており、料理区分ごとに合計して摂取量に合っているかを確認できます。
料理区分 | 摂取量目安 | 働き | 例 |
主食 | 5~7SV | エネルギー源 | 食パン1枚:1SV ごはん1杯:1.5SVラーメン1杯:2SV |
副菜 | 5~6SV | 体の調節 | 野菜サラダ:1SV煮物・野菜炒め:2SV |
主菜 | 3~5SV | 体づくり | 目玉焼き:1SV焼き魚:2SVハンバーグ:3SV |
乳製品 | 2SV | 体づくり | ヨーグルト1個:1SV牛乳1杯:2SV |
果物 | 2SV | 体の調整 | みかん1湖・りんご0.5個:1SV |
参考:「食事バランスガイド」サービング数計算と表示のルール|農林水産省
食べすぎ・ダイエットに注意
体に「良い」「悪い」は、年齢や性別などの個人によるだけでなく、食べる量によっても基準がさまざまです。
体に必要な栄養素を含む食べ物でも、食べすぎれば体に悪い食べ物になってしまいます。反対に、ダイエットによる栄養不足も、疾病や体調不良の原因になります。
体に良いからといって、1種類の食べ物を大量に食べるのではなく、栄養バランスのとれた食事を摂りましょう。
栄養素の基本
次に、5大栄養素の種類と、その働きを説明します。5大栄養素に含まれない食物繊維などのフィトケミカルや、水分も健康維持に欠かせない栄養素です。
栄養素 | 働き | 食べ物例 | ||
5大栄養素 | 3大栄養素 | 炭水化物 | エネルギー減 | ごはん・パン・麺類・いも類・豆類・砂糖など |
3大栄養素 | 脂質 | エネルギー源・体をつくる | 植物油・バター・魚介類・肉類など | |
3大栄養素 | タンパク質 | エネルギー源・体をつくる | 肉類・魚介類・大豆・乳製品・卵など | |
ビタミン | 体の調整 | 野菜・果物・いも類・穀類・肉類・魚介類など | ||
ミネラル | 体の調整・体をつくる | 乳製品・貝類・レバー・海藻など |
炭水化物
炭水化物は糖質とも呼ばれ、食べ物として体内に取り込まれると、唾液や胃液などの消化液によって分解され、ブドウ糖となる栄養素です。
一時期、「炭水化物抜きダイエット」が注目されましたが、炭水化物は脳へのエネルギー補給や筋肉の形成を行っているため、炭水化物を完全に抜くことはリスクが伴います。
炭水化物は普段、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられており、不足すると筋肉の炭水化物がエネルギー源として使用されます。そのため、炭水化物の不足が、筋肉量の低下につながるのです。
炭水化物の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
脂質
脂質は、炭水化物やタンパク質よりも、産生するエネルギー量の多い3大栄養素の1つです。エネルギー源となるだけでなく、細胞の外側にある細胞膜の構成成分でもあり、脳や視神経の合成、ホルモンの材料として欠かせません。
脂質には、中性脂肪や不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、コレステロールなどの種類があり、このうち不飽和脂肪酸は体に良い栄養素として知られています。不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らしたり、高血圧や動脈硬化を予防する効果があります。
タンパク質
タンパク質は、骨や筋肉など人体の構成成分として使われる栄養素です。通常は脂質や炭水化物がエネルギー源として利用されますが、それらが不足すると、体内に貯蔵されているタンパク質がエネルギー源になります。
そのため、食事中のタンパク質が不足すると、筋力の低下など体調に影響が出ると考えられています。
タンパク質は、20種類のアミノ酸で構成されていて、食べ物によって含まれるアミノ酸の種類が異なることが特徴です。アミノ酸のうち、人体が合成できないアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、食べ物から摂取する必要があります。
タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
ビタミン
ビタミンは、3大栄養素の代謝を助けたり、体を整えたりと健康維持に欠かせない栄養素です。
大量に摂取しても悪影響の少ない水溶性ビタミンと、過剰摂取で健康に悪影響を及ぼす脂溶性ビタミンに分けられます。脂溶性ビタミンは、ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKです。水溶性ビタミンは、脂溶性ビタミン以外のビタミンで、ビタミンB群やビタミンCが含まれます。
ミネラル
ミネラルは、人体の4%を構成する栄養素で、体を作ったり生体機能を正常に保ったりする働きをしています。
健康を維持するために必要なミネラルを必須ミネラルと呼び、食べ物から一定量を摂取する必要のある栄養素です。
体に良い食べ物・飲み物
健康維持に効果が期待できる体に良い食べ物・飲み物について解説します。
玄米
玄米は、精白米から胚芽を取り除いたものです。主成分は炭水化物で、胚芽にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれています。脳神経のエネルギーとなるビタミンB1が精白米よりも約5倍多く、体に良いと考えられています。
玄米はヘルシー志向の人に人気の食べ物ですが、一方で精白米に慣れていると食べにくいことがデメリットです。玄米が苦手な場合は、より食べやすい発芽玄米を選ぶとよいでしょう。栄養素も豊富で、玄米と同様に体に良い食べ物です。
玄米の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
オリーブオイル
オリーブオイルは、オレイン酸と呼ばれる一価不飽和脂肪酸の1つが豊富に含まれる植物性油脂です。このオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らしたり、血圧を下げたりするほか、動脈硬化を予防する効果があると考えられています。
健康によい食事として、オリーブオイルをふんだんに使用した、地中海料理が注目を集めています。地中海料理とは、全粒穀類のパン・サラダ・魚介料理・ナッツ類・ワインを中心とした、地中海沿岸で食べられている食事です。地中海料理には、オリーブオイルが多く使われており、健康増進の一助をになっています。
そのためサラダ油の代わりに、オリーブオイルを使って料理をすることは、体に良いと考えられています。
オリーブの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
ヨーグルト
毎日食べる乳製品として、ヨーグルトもおすすめです。
ヨーグルトには、カルシウムやタンパク質が豊富に含まれているだけでなく、発酵作用をもつ乳酸菌が、タンパク質の吸収率を上げる効果もあります。乳酸菌は、腸内環境を整え、腸内を健康に保つ助けをします。
ヨーグルトに含まれるカルシウムには、骨粗しょう症を予防し、骨を健康に保つ役割をする栄養素です。
ヨーグルトの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
緑黄色野菜
野菜の中でも、ニンジンやほうれん草、かぼちゃなどの色の濃い野菜には、β‐カロテンやミネラルなどの栄養素がたっぷり含まれています。体調を整え、免疫機能を正常に保つ役割をします。
野菜ジュースでも、栄養素が摂取できると思われがちですが、加工される過程で栄養素が損なわれていることも考えられ、生野菜には及ばないのが実情です。
体に良い食べ物として、色の濃い野菜を中心に食べるとよいでしょう。
ニンジンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
ほうれん草の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
かぼちゃの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
トマト
トマトには、β‐カロテンやビタミンCが豊富に含まれており、健康に良い食べ物です。トマトの含まれるリコピンは、赤い色素成分で、強い抗酸化作用をもっています。
抗酸化作用は、動脈硬化や老化を予防する効果があり、生活習慣病が気になる人におすすめの食べ物です。
トマトの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
キムチ
発酵食品であるキムチには、乳酸菌が多く含まれています。乳酸菌は腸内の環境を整え、体を内側から健康に保つ役割をします。
また、キムチにはアリシンと呼ばれるにおい成分も含まれ、免疫力を高める効果のある食べ物です。白菜などの野菜を原料としていることから、食物繊維もたっぷり含まれています。
キムチの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
納豆・豆腐・豆乳などの大豆製品
大豆には、植物性タンパク質が豊富に含まれており、良質なタンパク源です。大豆イソフラボンやサポニンなど、大豆特有の栄養素も含み、ホルモンバランスの調整や脳・視神経の構成成分となり、体に良い働きを示します。
とくに納豆にはビタミンKが多く含まれ、血圧降下や血行促進の効果が期待されます。副菜として納豆・豆腐を食べるほか、牛乳の代わりに豆乳を利用したスープや飲み物もおすすめです。
納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
豆腐の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
豆乳の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
ナッツ類
ナッツ類も、地中海料理としてよく食べられている食べ物で、ビタミンEと不飽和脂肪酸が豊富なことが特徴です。
不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールの減少や血管の老化予防など、生活習慣を予防し、体に良い栄養素と考えられています。ビタミンEは、老化の原因となる活性酵素を除去する抗酸化作用があります。
抗酸化作用をより効果的にするには、ビタミンCやβ‐カロテンなどを多く含む野菜・果物と一緒に食べるのがおすすめです。アーモンドやくるみをサラダのトッピングにすると、無理なく食べられるでしょう。
アーモンドの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
くるみの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
症状ごとに効果の期待できる食べ物・飲み物
最後に、症状ごとにとくに効果の期待できる栄養素と、それらを含んだ食べ物・飲み物についてご紹介します。
疲労回復に効果のある食べ物・飲み物
疲れがとれない原因は、食事の内容にあるかもしれません。
疲労回復には、ビタミンB群を多く含む食べ物の摂取が効果的です。とくにビタミンB1は、疲労回復に効果的な栄養素として知られており、豚肉や豆腐に多く含まれます。
また、精神的な疲労には、ビタミンCやビタミンEが効果的です。詳細は、下記記事で紹介しています。
疲労回復におすすめの食べ物・飲み物と疲労をためない生活習慣|NANIWA SUPLI MEDIA
生理痛に効果のある食べ物・飲み物
生理痛対策には、大豆イソフラボンやビタミンEの摂取が効果的です。
大豆イソフラボンには、女性ホルモンと似た働きがあり、食べ物として外部から取り入れることで、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品に含まれる栄養素で、生理痛が起こってからではなく、日常的に取り入れたい食べ物です。
生理痛に効果のある食べ物・飲み物について、下記記事で詳細を紹介しています。
生理痛対策になる生理中におすすめの食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA
つわり対策に効果のある食べ物・飲み物
つわりの原因は、妊娠によって女性ホルモンが大きく乱れることです。吐き気を抑えたいときは、ショウガオールやビタミンB6、葉酸を多く含む食べ物を選ぶとよいでしょう。
つわり対策におすすめの食べ物や飲み物の詳細は、次の記事で紹介しています。
つわり対策におすすめの食べ物・飲み物【妊娠初期から後期つわりまで】|NANIWA SUPLI MEDIA
動脈硬化・高血圧の予防に効果のある食べ物・飲み物
動脈硬化や糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を予防するには、普段の食事が重要です。
血管の柔軟性が失われて硬くなる動脈硬化や高血圧は、玉ねぎなどのネギ類に含まれるアリシンや、青魚のオメガ3脂肪酸などの栄養素が効果的。血液をサラサラにして、血流を正常に維持します。
動脈硬化や高血圧の予防に効果のある食べ物・飲み物の詳細は、下記の記事を参考ください。
動脈硬化の予防・改善におすすめの血液がサラサラになる食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA
高血圧の予防・改善におすすめの血圧を下げる食べ物|NANIWA SUPLI MEDIA
糖尿病の予防に効果のある食べ物・飲み物
また、糖尿病の予防には、血糖値の上昇がゆるやかな食べ物を選ぶとよいでしょう。血糖値を抑えたいときにおすすめの食べ物は、大豆やいも類、果物です。コンニャクなど、炭水化物の少ない食べ物を選ぶことも、糖尿病予防になります。
糖尿病の予防におすすめの食べ物・飲み物については、次の記事で詳しく解説しています。
糖尿病の予防・改善におすすめの血糖値を下げる食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA
脂質異常症の予防に効果のある食べ物・飲み物
脂質異常症も、生活習慣病として気をつけたい病気です。脂質異常症を予防するには、中性脂肪やコレステロールの少ない食べ物を中心にしましょう。
玄米や大豆、きのこなどが効果的です。
体重増加が気になる人や、健康診断で中性脂肪が多いと言われた人が、知っておきたい中性脂肪を下げる食べ物については、下記の記事で詳細を解説しています。
中性脂肪を下げる・落とす食べ物|NANIWA SUPLI MEDIA
参考文献
- 栄養学の基礎がまるごとわかる事典(西東社)
- きちんとわかる栄養学(西東社)
- 不飽和脂肪酸|e-ヘルスネット
- 生活習慣病とは|よつば循環器科クリニック
記事の監修
AYA ARAHARA
ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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