プロテオグリカンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法

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栄養素

プロテオグリカンの基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏による影響、1日の摂取目安量、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。

プロテオグリカンとは

プロテオグリカン(proteoglycan)とは、糖とタンパク質が結合した物質です。プロテオはプロテイン(タンパク質)、グリカンは糖鎖を意味します。

コラーゲンやヒアルロン酸のように、人間の皮膚や軟骨を構成する成分のため、近年は美容健康サプリメントとして注目されています。

もともとは鮭の鼻軟骨から見つかった成分で、魚や肉類の軟骨に多く含まれる栄養素です。

プロテオグリカンはそのままの形では体内に吸収されず、一度グルコサミンに分解されてから吸収されます。

プロテオグリカンと類似成分の違い

プロテオグリカンと類似する栄養素・成分に、グルコサミンやコラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチンがあります。それぞれの違いを解説します。

グルコサミン

グルコサミンとは、ヒアルロン酸やプロテオグリカンを構成する成分です。軟骨や皮膚、爪などに存在します。

人体ではN-アセチルグルコサミンの形で存在しますが、サプリメントにはグルコサミン硫酸塩やグルコサミン塩酸塩として含まれています。

グルコサミンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

コラーゲン

コラーゲンとは、皮膚に張りや弾力を与えるタンパク質の一種です。人体を占めるコラーゲンのうち、約40%は皮膚に存在します。

皮膚を健康に保ったり、骨を丈夫にしたりする働きをする栄養素です。加齢によって不足し、皮膚の張りが失われます。

コラーゲンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・一緒に摂取したい栄養素|NANIWA SUPLI MEDIA

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸はムコ多糖類の一種で、高い保水力をもつ成分です。皮膚や軟骨に存在し、細胞同士をつなぐ働きをしています。

コラーゲンとともに加齢によって減少し、皮膚の保水力も低下するメカニズムです。

プロテオグリカンと同様に、関節のクッションとして働くため、関節痛を和らげる効果があります。

ヒアルロン酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

コンドロイチン

コンドロイチンも、ヒアルロン酸と同じムコ多糖類の一種です。細胞間の隙間を埋め、筋組織や神経組織を形成します。

硫酸と結合したものをコンドロイチン硫酸と呼びます。コンドロイチン硫酸は、軟骨や皮膚、血管壁の主成分として働く成分です。

コンドロイチン硫酸は、プロテオグリカンを構成するムコ多糖の原料になります。

コンドロイチンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

プロテオグリカンの効果・働き

プロテオグリカンの効果・効能について解説します。

弾力性アップで美肌へ

軟骨や皮膚に多く存在するプロテオグリカンは、肌の張りを保ち弾力性を維持する効果があることから、肌のアンチエイジングに効果的と考えられています。

皮膚は、表層から表皮・真皮・皮下組織の3層構造をしています。真皮にあるプロテオグリカンは、細胞の隙間を埋める成分です。

真皮のプロテオグリカンやコラーゲンなどが加齢により減少すると、しわやたるみの原因となります。肌の張り不足は、細胞の隙間を埋める間質成分の不足が原因であるためです。

肌にいい食べ物・飲み物|MANIWA SUPLI MEDIA

炎症抑制でニキビ・肌荒れ予防

プロテオグリカンには、抗炎症作用があることがわかっています。

そもそも炎症とは、物理的・化学的刺激や細菌などの微生物に対して起こる身体の防御反応です。肌に炎症が起こると、ニキビができたり赤くなったりします。

プロテオグリカンは、炎症にかかわるサイトカインに働きかけ、炎症を抑制します。そのため、肌荒れやニキビなどに効果的と考えられている栄養素です。

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変形性関節症の症状緩和

プロテオグリカンは、皮膚を作るだけでなく軟骨の構成成分です。ヒアルロン酸やコンドロイチンとともに、軟骨を形成して衝撃を和らげるクッションの役割を果たします。

近年の研究では、変形性関節症の症状緩和に効果的と考えられています。

変形性関節症とは、軟骨の変形や摩耗によって、関節の周りに炎症が波及する病気です。関節周囲の痛みや腫れ、違和感などの症状が起こります。

関節の軟骨では、プロテオグリカンやコラーゲンが変性している状態です。プロテオグリカンを摂取すると、変形性関節症の痛みが緩和されると期待されています。

プロテオグリカンが不足・欠乏すると起こる症状

プロテオグリカンが不足・欠乏すると、関節痛が起こる可能性があります。

関節の間には軟骨があり、衝撃吸収の役割をしています。軟骨の約70%は水分でできており、その他の成分はコラーゲンやプロテオグリカンです。

プロテオグリカンが不足すると、軟骨が弱くなって関節がすり減ったり、変形したりします。関節の変形が起こると、関節痛が起こります。

プロテオグリカンの1日の摂取目安量

プロテオグリカンの1日摂取目安量は、明確に定められていません。

ヒト安全性試験で、プロテオグリカンナチュラルパウダーの安全性を確認したところ、1日あたり1,500mgを5日連続摂取しても臨床上は問題なかったとの報告もあります。

プロテオグリカンナチュラルパウダーは、健康食品やサプリメントなどに利用されるプロテオグリカンの加工品です。

メーカーの表示に従ってサプリメントを摂取する場合は、一般的に過剰摂取になる可能性は低いと考えられています。

プロテオグリカンを多く含む食品

プロテオグリカンを多く含む食品は次の通りです。魚介類や肉類の軟骨に多く含まれています。

  • 鮭をはじめとする魚介類の軟骨
  • 肉類の軟骨

鮭の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

プロテオグリカンを効率よく摂取する方法

最後に、プロテオグリカンを効率よく摂取したいときの対策を紹介します。

グルコサミンとコンドロイチンを多く摂る

プロテオグリカンを摂取したい場合は、構成成分となるグルコサミンやコンドロイチンが多く含まれる食品を摂るのも重要です。

グルコサミンはカニやエビなどの甲殻類、コンドロイチンはオクラやなめこなどのネバネバした食品に多く含まれます。

エビの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

オクラの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

なめこの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

サプリメントとして摂取する

プロテオグリカンの多い食品を摂取しても、100%が体内に吸収されるわけではありません。そのため、食品からプロテオグリカンを摂取するには限界があります。

より効率よくプロテオグリカンを摂取したいなら、サプリメントとして摂るのがおすすめです。

一般的には、プロテオグリカンが多く含まれる魚介類の軟骨成分を利用したサプリメントが市販されています。コラーゲンや、コンドロイチンが配合されたものも販売されています。

参考文献

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