オクラの栄養と効果効能・調理法・保存法

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オクラ

オクラの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、オクラに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

オクラとは

オクラ(Okra)はアオイ科トロロアオイ属の植物。特有の食感とネバネバが特徴で、花と若い実を食用としています。茹でで食べるイメージがありますが、新鮮で柔らかいものであれば生でも食べることができます。

オクラの原産地は、エジプトやエチオピア、アフリカ北東部と言われています。紀元前2,000年の古代エジプトではすでに栽培されており、日本には明治時代初期にアメリカより伝わりました。本格的に栽培が始まり一般に普及したのは1970年代のことで、比較的新しい野菜です。

旬は7〜9月ごろの夏の時期。国内の主な産地は鹿児島県、高知県、沖縄県で、旬でない時期はタイなどの南国から輸入しています。

オクラの品種・種類

オクラには、一般的に出回っているのは緑色の品種以外にも種類があります。

オクラ(五角種)

実が緑色で、カットすると星型になっているオクラ。その形から「五角種」とも呼ばれています。

代表的な品種には、実の色が濃く肉質が柔らかい「アーリーファイブ」や、極早生種で曲がり果の少ない「ベターファイブ」などがあります。

赤オクラ(紅オクラ)

アントシアニンという天然色素を含み、実の表皮が濃い赤紫色をしているオクラです。大きさや味、粘りは一般的なオクラと変わりません。

加熱すると緑色になるので、色を楽しみたい場合は生のまま食べるのが良いでしょう。

丸オクラ

丸オクラは、一般的なオクラと違い角がないため、カットすると丸い形になります。強いネバネバ、やわらかい口当たり、大きく育っても固くならないのが特徴です。

有名な品種に沖縄県産の島オクラや、八丈島産の八丈オクラがあります。

白オクラ

白オクラは、名前の通り白みがかった淡い緑色のオクラです。クセがないため食べやすく、比較的粘りが強いのが特徴。生食に向いていて「サラダオクラ」とも呼ばれます。

ミニオクラ

一般的な緑色のオクラを、長さ2~3cmほどの若いうちに早採りしたオクラをミニオクラといいます。とても柔らかく、生のまま食べることができます。

あまりスーパーなどには出回らず、飲食店に卸されることが多いオクラです。

オクラに含まれる成分・栄養素

オクラ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

生のオクラと茹でたオクラの成分表を比較すると、ほとんどの栄養素で変動がないことがわかります。一部、ビオチンやビタミンCなどの水溶性ビタミンは損なわれるものの、もともとの含有量が多いわけではないため、これらの損失はあまり気にする必要はないでしょう。

一方で、ナトリウムを排出してむくみ解消などに役立つカリウムは、同量比では茹でたオクラの方が豊富に含まれるほどです。

食品名単位オクラ 果実 生オクラ 果実 ゆで
廃 棄 率%1515
エネルギー(kcal)kcal/100 g3033
エネルギー(kJ)kJ/100 g126138
水 分g/100 g90.289.4
たんぱく質g/100 g2.12.1
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g1.5-1.5
脂 質g/100 g0.20.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g-0.1-0.1
飽和脂肪酸g/100 g-0.03-0.02
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.02-0.01
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.03-0.02
コレステロールmg/100 gTrTr
炭水化物g/100 g6.67.6
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g1.9-2.1
水溶性食物繊維g/100 g1.41.6
不溶性食物繊維g/100 g3.63.6
食物繊維総量g/100 g55.2
灰 分g/100 g0.90.8
ナトリウムmg/100 g44
カリウムmg/100 g260280
カルシウムmg/100 g9290
マグネシウムmg/100 g5151
リンmg/100 g5856
mg/100 g0.50.5
亜鉛mg/100 g0.60.5
mg/100 g0.130.11
マンガンmg/100 g0.480.48
ヨウ素µg/100 gTr
セレンµg/100 gTr
クロムµg/100 g1
モリブデンµg/100 g4
レチノールµg/100 g00
α-カロテンµg/100 g20
β-カロテンµg/100 g670720
β-クリプトキサンチンµg/100 g10
β-カロテン当量µg/100 g670720
レチノール活性当量µg/100 g5660
ビタミンDµg/100 g00
α-トコフェロールmg/100 g1.21.2
β-トコフェロールmg/100 g00
γ-トコフェロールmg/100 g0.20.1
δ-トコフェロールmg/100 g00
ビタミンKµg/100 g7175
ビタミンB1mg/100 g0.090.09
ビタミンB2mg/100 g0.090.09
ナイアシンmg/100 g0.80.8
ビタミンB6mg/100 g0.10.08
ビタミンB12µg/100 g00
葉酸µg/100 g110110
パントテン酸mg/100 g0.420.42
ビオチンµg/100 g6
ビタミンCmg/100 g117
食塩相当量g/100 g00
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 gTr0
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g0.1
重量変化率%97
備考廃棄部位: へた廃棄部位: へた
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

オクラの効果・効能

オクラに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

ペクチン:動脈硬化・高血圧・糖尿病の予防、便秘解消

ペクチンはオクラに含まれるネバネバ成分で、水溶性食物繊維の一種です。

ペクチンには、体内でコレステロールが吸収されるのを防いでコレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧を予防する効果があります。また、糖分の吸収を防いで血糖値の上昇を抑え、糖尿病を予防する効果も期待できます。

さらに、ペクチンは腸内の乳酸菌など善玉菌を増やし、腸内環境を整えて便秘の予防・解消に役立つ栄養素です。

ムチン:目や胃腸の粘膜を保護する

ムチンはオクラなどのネバネバした食材に含まれており、糖とタンパク質が結合したことによってできた糖タンパクの一種です。人間の体内では、涙や胃腸、鼻などの粘膜に多く存在しています。

涙には目が乾かないようにする、目に入ってきた異物を洗い流す、殺菌するなどの働きがあります。ムチンには目の角膜に最も近いムチン層に含まれており、涙を目につなぎとめる効果があります。

パソコン作業やスマートフォンの使用などによってまばたきの回数が減ったり、涙の質が悪くなったりすることによってドライアイが引き起こされますが、ムチンを補うことによってドライアイを予防・改善することができます。

また、ムチンには、ストレスや暴飲暴食、喫煙、刺激物の過剰摂取などによって引き起こされる胃炎や胃潰瘍などの病気を、粘膜の働きを正常に保つことによって予防する効果があります。

β-カロテン:生活習慣病の予防・目の機能を改善する

β-カロテンは、緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイド(天然色素)の一種です。体内に取り込まれたβ-カロテンは一部が脂肪組織に蓄えられ、残りはビタミンAとして働きます。

β-カロテンは、強い抗酸化作用によって活性酸素を除去し、がんや動脈硬化などの生活習慣病を予防したり、細胞を若々しい状態に保ったりといった効果を発揮します。

また、ビタミンAの働きとして、目の機能を改善する、目や皮膚の粘膜を健康に保つ、免疫機能を正常に働かせるなどの効果があります。

ビタミンB1:疲労回復・脳や神経を正常に保つ

ビタミンB1は水溶性ビタミンの一種。ブドウ糖をエネルギーに変換するのに必要な栄養素であることから「疲労回復のビタミン」と呼ばれています。

また、糖質を主なエネルギー源とする脳や神経を正常に保つ、脚気などビタミンB1の不足による病気を予防する効果があります。

カリウム:血圧を下げる・むくみを予防する

カリウムは、人体に必須のミネラルの1つです。

細胞の浸透圧を調整して血圧を下げる、筋肉や心筋の活動を正常に保つ、血流を改善して体内にある過剰な水分(ナトリウム)を排出しむくみを予防する、などの効果があります。

オクラの食べ方

オクラの栄養素を損なわない茹で方・調理する際の注意点などを解説します。

オクラの茹で方

茹でる前の下ごしらえとして、まずガク(ヘタのまわりの固い部分)を面取りするように切ります。この時、先端を切り落とすと、茹でる時に水が切り口から入って水っぽくなってしまうため、先端はそのままにしておきましょう。

ガクを切り落としたらさっと水洗いして塩を全体にまぶします。ころがすようにして産毛を取り、表面をなめらかにします。最後に、沸騰したお湯にオクラを入れ、約1分茹でれば完了です。

オクラを調理する際の注意点

オクラのネバネバ成分であるペクチンは、水溶性の食物繊維です。そのため茹ですぎるとお湯に溶け出してしまうため、茹で時間は約1分を守るようにしましょう。

また、ペクチンやムチンは熱に弱いため、それらの栄養素を無駄なく摂取したいのであれば、生食がおすすめです。

なお、オクラに含まれるβ-カロテンは脂溶性の栄養素なので、油と一緒に摂取することで吸収率を高めることができます。炒めものや天ぷらなど油を使う料理や、チーズなど脂質の多い食品と一緒に食べると良いでしょう。

オクラの保存方法

オクラの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

冷蔵保存:保存期間は3〜5日

冷蔵保存する際はまず、乾燥を防ぐためにキッチンペーパーで生のオクラを包みます。それらをポリ袋に入れて口を縛り、冷蔵庫に入れます。

オクラは南国原産の野菜なので、温度が低すぎると低温障害を起こす恐れがあります。冷蔵庫での保存には温度に気をつけ、3〜7度の野菜室に入れるようにしましょう。冷蔵保存での保存期間は3~5日間です。

冷凍保存:保存期間は約1ヶ月

購入してから数日中に食べられない場合は、冷凍保存をします。まずオクラに塩をまぶして転がし、表面の産毛を取りましょう。ヘタの先端とガク(ヘタのまわり)を切り落としたら、オクラを数本ずつまとめてラップに包みます。

冷凍用保存袋に入れて口を閉じ、冷凍庫で保存します。冷凍保存での保存期間はおよそ1ヶ月です。