グルコサミンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法

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グルコサミンの基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、1日の摂取目安量、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。

グルコサミンとは

グルコサミン(glucosamine)は、ヒアルロン酸を構成する2種類の物質のうちのひとつです。

グルコース(ブドウ糖)にアミノ基がついた代表的なアミノ糖で、動物の皮膚・軟骨に含まれるほか、甲殻類の殻やキノコ類などに含まれています。

人体には、軟骨・皮膚・爪・じん帯などさまざまな臓器・組織に存在していて、クッションのような役割を担っています。

コンドロイチンとともに、軟骨の主成分であるプロテオグリカンを構成する重要な成分のひとつです。

グルコサミンの種類

グルコサミンにはいくつか種類があります。

N-アセチルグルコサミン

ヒトの体をはじめ、生体内においてグルコサミンはN-アセチル体(N-アセチルグルコサミン:NAG)として存在しています。

健康食品やサプリメントなどに含まれる、グルコサミン塩酸塩やグルコサミン硫酸塩は、摂取すると分解され、N-アセチルグルコサミンになります。

グルコサミン塩酸塩

グルコサミン塩酸塩は、原料および製法の違いによって大きく2種類に分けられます。

カニやエビなどの甲殻類の殻を原料として得たキチンを、更に濃塩酸水溶液によって加水分解し、単離、精製して得られたグルコサミン塩酸塩を「甲殻由来グルコサミン」と呼びます。

対して、微生物の培養液より得たキチンを含む菌体を、塩酸で加水分解した後、単離、精製して得られたグルコサミン塩酸塩を「微生物由来グルコサミン」と呼びます。

グルコサミンと類似成分の違い

グルコサミンと同じように、関節のクッションとして機能したり、皮膚の水分を保持したりする類似成分について解説します。

コラーゲン

コラーゲン(collagen)は、タンパク質の一種です。繊維状をしていて、体組織にハリや弾力を与え健康的に保つ働きがあります。

人の体に含まれるタンパク質のうち、コラーゲンは約30%を占めており、そのうち40%が皮膚に、20%は骨や軟骨に、残りが血管・内臓・じん帯・腱などさまざまな組織に存在します。

皮膚の約70%もの割合を占めており、健康的な肌を保つために欠かせない栄養素です。一方で、経口からのコラーゲン摂取が本当に有効かどうかは、十分に証明されていません。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸(hyaluronic acid)は、保水力が高く皮膚のみずみずしさを保つために重要な成分です。保水力の高さは、ヒアルロン酸1gで6Lもの水分を保持できるほど。

ヒアルロン酸はムコ多糖類と呼ばれる糖質の一種で、グルコサミンはヒアルロン酸の2種類の原料のひとつです。

経口摂取によるポジティブな効果はほとんど確認されておらず、主に注射によって肌の真皮層に届けることで効果を発揮します。

コンドロイチン

コンドロイチン(chondroitin)は、ヒアルロン酸と同じくムコ多糖類の一種です。

軟骨に含まれるプロテオグリカンを構成する重要な成分で、関節が柔軟に動くために不可欠とされています。

グルコサミンがプロテオグリカンの主成分となるのに対して、コンドロイチンはプロテオグリカンに弾力を与える働きがあるため、どちらもバランスよく補給することで相乗効果が期待できます。

セラミド

セラミド(ceramide)は、バリア機能を持った脂質の一種です。角質層に存在し、乾燥・紫外線・細菌・アレルギー源などの刺激から肌を守ります。

経皮摂取(塗ることによる摂取)が可能なため、化粧水などに配合されていることが多いですが、実は経口摂取も可能なことが報告されています。

プラセンタ

プラセンタ(placenta)は単独の成分名ではなく、動物の胎盤、および胎盤から抽出したエキスとその成分群のことを指します。

胎盤とは、妊娠中の母体と胎児の臍帯(へその緒)をつなぐ器官です。

動物性プラセンタ・海洋性プラセンタ・植物性プラセンタなどいくつか種類がありますが、一般的に健康食品などで用いられるプラセンタは、哺乳類のものを指します。

ヒト由来のプラセンタもありますが、こちらは医薬品として用いられるため食品には使えません。

プラセンタは、主に下記の栄養を含みます。

  • アミノ酸
  • タンパク質
  • 糖質
  • ビタミン
  • ミネラル
  • 成長因子

特に重要なのが成長因子で、細胞の成長・増殖を促すほか、新陳代謝を促進するといった働きがあります。

しかし、哺乳類のプラセンタの経口摂取によって得られる効果は十分に証明されておらず、安全性への懸念も指摘されています。

グルコサミンの効果・働き

グルコサミンの持つ効果・効能・働きについて解説します。

なおここで紹介する効果は、グルコサミンの人体内での働き全般であり、経口摂取・経皮摂取といった摂取方法で同様の効果が得られることを示すものではありません。

関節のクッションの役目を果たす

グルコサミンは、軟骨の主成分であるプロテオグリカンの生成に欠かせない成分です。

関節にある軟骨は、約70%が水分で占められており、保水力の高いプロテオグリカンがクッションの役割を果たすことで、骨と骨がこすれることなくスムーズな動作を可能にしています。

なお、一部の健康食品・サプリメントなどの広告では、関節の軟骨がすり減ることを抑制したり、軟骨を再生したりする効果があると謳うものも少なくありませんが、これらの効果を実証する信頼性の高い研究結果は今のところ報告がありません。

美肌効果・乾燥肌の改善

グルコサミンは、肌のうるおいを保つために欠かせないヒアルロン酸の原料でもあります。

実験によれば、N-アセチルグルコサミンを含む飲料、ヒアルロン酸を含む飲料、いずれも含まない飲料をそれぞれ別のグループに8週間摂取させたところ、N-アセチルグルコサミンを含む飲料を摂取したグループが最も水分量が多かったそうです。

その他にも、N-アセチルグルコサミンとヒアルロン酸を皮膚に塗布したところ、N-アセチルグルコサミンを塗布した方が浸透性が高かった、といった報告もあります。

ただしいずれも、この結果だけをもとにN-アセチルグルコサミンの経口摂取や経皮摂取の有効性を認めるものではありません。

骨関節炎に有効?

グルコサミンは、軟骨の原料として関節のクッションの役目を果たすことから、関節の動きをなめらかにする、関節の痛みを改善するといった機能が期待されています。

しかし、実際にはグルコサミン硫酸塩が骨関節炎におそらく有効である、と示唆されたのみで、それについても、重篤で慢性的な骨関節炎の痛み緩和には効果がないとされています。

またその他の効果の有効性にいたっては、信頼できる研究結果は見当たりません。

グルコサミンが不足・欠乏すると起こる症状

体内のグルコサミンが不足・欠乏すると起こる症状は次の通りです。

  • 軟骨が形成されにくくなる
  • 関節を曲げると骨同士がこすれ痛みや炎症を引き起こす
  • 肌の水分を保持するヒアルロン酸(グルコサミンを原料とする)が減少し肌の乾燥を引き起こす

ただし、グルコサミンはもともと体内で合成される成分であり、上記の症状はあくまでも体内でのグルコサミン生成量が減少した状態における症状を指します。

食品やサプリメントからの経口摂取が、グルコサミンの補給につながったという報告は少ないか信頼性が低く、一般に期待されるような効果が得られる可能性は高くないでしょう。

グルコサミンを摂取すると起こる副作用

グルコサミンを摂取すると起こる副作用は次の通りです。

  • 軽い胃腸症状(お腹の張り、ガスがたまる、痙攣、便秘、胸やけなど)

なお、糖尿病患者が摂取したところ血糖値が上昇したという報告もありますが、健常者やⅡ型糖尿病患者が3ヵ月使用しても血糖値に影響はなかったとの報告もあり、これについては副作用と明言はできないものの、該当する方は気を付けた方がよいかもしれません。

グルコサミンがインスリンに作用を及ぼし、代謝阻害のリスクが上昇し、コレステロール値および血圧の上昇を誘発するという懸念もあります。

そのため、糖尿病、高脂血症(脂質異常症)、高血圧のリスクのある人は、グルコサミンを注意して使用した方がよいでしょう。使用を検討する場合、あるいはすでに使用しており継続を検討する場合は、血糖値、血清脂質、血圧を定期的に観察してください。

これ以外に、特に甲殻由来のグルコサミンを摂取する際は、甲殻アレルギーに注意が必要です。実際に被害が生じた報告はないようですが、原料に甲殻類を使うグルコサミンは少なくありませんので、気を付けましょう。

グルコサミンの1日の摂取目安量

グルコサミンの1日の摂取目安量は、グルコサミンとして0.5~1.5g(500~1,500mg)です。

この摂取量は、日本健康・栄養食品協会が示したもので、健康効果が得られる目安量ではなく、健康食品としての規格基準として設けられています。

一方、全日本民医連のエントリーによれば、1日あたり1~2gのグルコサミンを摂取したところで、関節の軟骨に十分な量が届くと考えるのには無理がある、としています。

同記事内には、1.5gの硫酸グルコサミンを30ヵ月投与したもののポジティブな効果は見られなかった実験結果も紹介されています。

グルコサミンを効率よく摂取する方法

カニやエビの殻にはグルコサミンが豊富に含まれていますが、これらの食品から摂取するのは現実的ではありません。

そのため、相当量のグルコサミンを摂取したい場合は、甲殻由来や微生物由来のグルコサミンを配合したサプリメントを利用した方が確実でしょう。

参考文献

くすりの話 129 「グルコサミン」とは何ですか?|全日本民医連

くすりの話 193 関節痛にグルコサミンは効かない|全日本民医連

グルコサミンとコンドロイチン | 海外の情報 | 医療関係者の方へ|厚生労働省

Aesthetic Dermatol, 18, 91-99 (2008)