シトルリンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法

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栄養素

シトルリンの基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、多く含む食品、効果を促進する栄養素について解説します。

シトルリンとは

シトルリン(citrulline)とは、血管の健康維持に働くアミノ酸の1種です。

1930年に、日本人の研究者がスイカ果汁から発見しました。スイカの学名「Citrullus lanatus」から、citrulline(シトルリン)と名付けられました。

アミノ酸は、タンパク質を構成するものも多く存在しますが、シトルリンは基本的にタンパク質中には存在しません。遊離アミノ酸として、体内を単体で巡っています。

体内では血管を拡張して血流を促進してむくみを解消したり、動脈硬化を緩和したりと血管の機能維持に働きます。

またシトルリンは、体内の老廃物である有毒なアンモニアを無毒化するアミノ酸でもあります。

シトルリンと類似成分の違い

シトルリンと類似する栄養素・成分との違いを解説します。

アルギニン

アルギニンは、体内でシトルリンへと変換されるアミノ酸です。筋力アップ・疲労回復・血流促進など、シトルリンと似た働きをします。

シトルリンとアルギニンの違いは、体内への吸収率です。食品に含まれるアルギニンは吸収率がシトルリンよりも劣り、40%程度しか体内へ吸収されません。

一方シトルリンは、ほとんど損失なく体内へ吸収されると考えられています。そのため、筋力アップ・疲労回復・血流促進の効果を期待する場合は、アルギニンよりもシトルリンを積極的に摂取するのがおすすめです。

アルギニンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

クレアチン

クレアチンは、エネルギー産生に関与するアミノ酸です。体内のクレアチンのうち、約95%が筋肉に分布してエネルギーを産生します。

運動パフォーマンスの向上や筋肉量の増加のほか、疲労軽減にも効果的です。

シトルリンとは異なり、肉類・魚介類・乳製品に多く含まれています。クレアチンを多く含む食品や効率よく摂取する方法については、下記記事をご覧ください。

クレアチンの効果・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

BCAA

BCAAとはBranched Chain Amino Acidの略で、バリン・ロイシン・イソロイシンの3つのアミノ酸を総称したものです。

筋力アップや持久力の向上に効果的で、運動後の疲労回復にも関与しています。

BCAAの3つのアミノ酸は必須アミノ酸と呼ばれ、体内では合成されず、食事から摂取する必要のあるアミノ酸です。シトルリンは体内でアルギニンから合成されるため、必ずしも食事から摂取する必要はありません。

BCAAの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

シトルリンの効果・働き

シトルリンの効果・効能について解説します。

筋肉量を増強させる

シトルリンには、筋力アップの効果があると考えられています。

筋肉はタンパク質で構成されており、タンパク質の摂取と筋トレによって筋肉量が増強されます。シトルリンは、タンパク質合成に関与することが分かっており、筋肉量の増強に効果的です。

また、シトルリンは一酸化窒素の合成に不可欠なアミノ酸です。一酸化窒素は血流をよくする働きがあるため、運動パフォーマンスの向上効果をもたらします。

筋トレの効果を高める栄養素・食べ物・食生活|NANIWA SUPLI MEDIA

血行を促進させてむくみ・冷え性を解消

前述のとおりシトルリンには、血流促進に働く一酸化窒素の合成促進作用があります。そのため、むくみや冷え性の解消にも効果的です。

そもそも、むくみは同じ姿勢を長時間続けて血流が悪くなることで、血管の水分が組織に染み出た状態を指します。シトルリンを摂取して、一酸化窒素の合成を促進すると血流がよくなり、むくみが解消しやすくなります。

冷え性も、指先の末梢血管の血流が悪くなった状態です。血流促進効果のあるシトルリンを摂取すると、血流がよくなって冷え性を改善する可能性があります。

また、シトルリンは育毛にも効果的との見解も散見されます。シトルリンの育毛効果は、血流改善によって頭の血流がよくなり、髪への栄養補給が促進するためです。ただし、育毛にどの程度の効果があるかはまだ研究中であり、効果は保証されていません。

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血管をしなやかにして動脈硬化を予防

一酸化窒素合成を促すシトルリンは、動脈硬化予防にも効果的です。

動脈硬化とは、血管が硬くなったり血管壁に血栓が生じて内腔が狭くなったりした状態です。動脈硬化が進行すると、血栓が心臓や脳へ飛び、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。動脈硬化は、喫煙・高血圧・肥満・運動不足などによって引き起こされます。

一酸化窒素は血管を柔軟にし、血管壁への接着阻害・肥厚抑制などに作用するため、一酸化窒素合成を促進するシトルリンは動脈硬化予防に効果があると考えられるのです。

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疲労回復を促す

シトルリンには、疲労回復効果もあります。シトルリンは、アンモニアを無害化することで疲労回復に働きます。

アミノ酸代謝で作られたアンモニアは、疲労の原因物質です。通常、アンモニアは肝臓で尿素回路に取り込まれ、無害な尿素となって体外へ排出されます。

シトルリンはアンモニアの無害化をサポートし、体内の疲労物質を蓄積しないように働きかけています。

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シトルリンが不足・欠乏すると起こる症状

シトルリンが不足・欠乏すると起こる症状は次の通りです。

  • 疲労増加
  • 老化
  • 腎機能・肝機能の低下

シトルリンは腎臓や肝臓の機能を亢進し、有害物質の無毒化や尿の排出に働く栄養素です。そのため、シトルリンが不足すると腎機能や肝機能が低下すると考えられています。

また、臓器の機能低下により疲労感が増大したり、老化しやすくなったりします。

シトルリンを過剰摂取すると起こる副作用

シトルリンの過剰摂取による副作用は、まだ報告されていません。一般的な食事から摂取する分には、過剰摂取は起こらないと考えられています。

ただし、サプリメントとして摂取するときや、シトルリンの多い食品を大量に摂取する場合は注意が必要です。シトルリンには利尿作用があるため、過剰摂取で頻尿になります。

サプリメントとしてシトルリンを摂取するときは、摂取量を守りましょう。

シトルリンの1日の摂取目安量

シトルリンの1日の摂取目安量は、明確に定められていません。

ただし、食品安全委員会や文献などでは、1日の摂取推奨量を800mgとしています。

一般的な食事で過剰摂取になる可能性は低いですが、サプリメントとして摂取するときは推奨量を大きく超えないように注意が必要です。

シトルリンを多く含む食品

シトルリンを多く含む食品は次の通りです。

食品名成分量100gあたりmg
スイカ180
メロン50
冬瓜18
ゴーヤ16
きゅうり9.6
ニンニク3.9
出典:動脈硬化とアルギニン,シトルリン|日本生化学会

シトルリンはウリ科の植物に多く含まれ、とくにスイカやメロン、冬瓜に豊富に含まれます。

肉類や魚介類にはほとんど含まれないため、シトルリンを積極的に摂取したいならウリ科の植物を食べるとよいでしょう。

スイカの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

メロンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

シトルリンの効果を相性のよい栄養素

シトルリンに期待する効果によって、一緒に摂るとよい栄養素は異なります。

一緒に摂ると効果的な栄養素と効果・多く含む食品は、次のとおりです。

栄養素効果多く含む食品
アルギニン筋力アップ・疲労回復・血流促進大豆・とびうお・かつお節
ビタミンC老化予防ピーマン・芽キャベツ・ブロッコリー
ビタミンE動脈硬化予防アーモンド・煎茶・とうがらし
カリウムむくみ解消・予防ひじき・アボカド・ほうれん草
亜鉛生殖機能の向上牡蠣・レバー・イワシ

ビタミンCの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ビタミンEの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

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亜鉛の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

参考文献

栄養と健康の6つの関係