はちみつダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点

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はちみつ

エネルギー補給に適したはちみつを用いた「はちみつダイエット」の効果と正しいやり方、継続のコツから注意点までを解説します。

はちみつダイエットにチャレンジしたい方はもちろん、すでにはちみつダイエットに取り組んでいるけれど、いまいち成果が出ないとお悩みの方もぜひご覧ください。

はちみつダイエットとは

はちみつダイエットについて食品や栄養素などの観点から解説します。

痩せ体質に導くダイエット法

はちみつダイエットとは、夜寝る前にはちみつを摂取し、痩せやすい身体を目指すダイエット方法です。医師考案のダイエット法として、書籍が話題になりました。

エネルギーへの転換スピードが早いはちみつは、インスリンの分泌量を保ちながら睡眠時に必要なエネルギーを補充できるメリットがあります。脳に十分なエネルギーが送られると、脂肪燃焼を促進する成長ホルモンの分泌が活発になり、ダイエット効果が得られるのです。

栄養価の高いはちみつ

はちみつは糖分・ミネラル・ビタミンなどが含まれる、栄養価の高い食品です。

その約80%を占めるのは、ブドウ糖やグルコースなどの単糖類。分解および吸収速度が早いため、効率の良いエネルギー補給に適しています。整腸作用を助けるグルコン酸や抗酸化作用のあるポリフェノールも多く含まれているので、健康面でも美容面でも大いに役立ちます。

はちみつに含まれる栄養素や、はちみつの持つ健康・美容効果などの詳細については、下記記事もご確認ください。

はちみつの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

はちみつダイエットの効果

はちみつダイエットにより期待できる効果や、痩せる仕組みについて解説します。

睡眠中に脂肪を燃焼

はちみつダイエットのメカニズムには、成長ホルモンが関わっています。

通常、人間は寝ている間に成長ホルモンを用いて、身体のメンテナンスを行います。その過程で睡眠中に脂肪が燃焼されますが、脳がエネルギー不足になると成長ホルモンの分泌が滞ります。結果として、十分な脂肪燃焼が行われなくなってしまうのです。さらにエネルギーになる糖分が少ないと、代わりにタンパク質を消費し筋肉が減ってしまう悪循環も招きます。

エネルギー補給に優れたはちみつを食べることで、エネルギー不足が回避され、成長ホルモンの分泌が活発になり、脂肪燃焼を促進する効果が期待できるのです。

脂肪を燃焼する食べ物・飲み物 | NANIWA SUPLI MEDIA

血糖値の急上昇を防ぐ

研究によると、はちみつは血糖値の上昇を抑える作用があることが報告されています。糖尿病のマウスにはちみつを継続的に摂取させたところ、8週間後にスクロース群よりも血糖値が低くなったとのことです。血糖値の上昇を抑える効果により脂肪がつきにくくなることから、ダイエットをサポートしてくれるでしょう。

また、はちみつの摂取後は、上昇した血糖値が元の値に戻る速度も早いことがわかっています。

こうした働きからはちみつは、インスリンの分泌を適正に保ちながら、栄養補給ができる食品としても注目を浴びているのです。

糖尿病の予防・改善におすすめの血糖値を下げる食べ物・飲み物 | NANIWA SUPLI MEDIA

ポリフェノールが脂肪の代謝を高める

はちみつにはポリフェノールが多く含まれています。

ポリフェノールには、脂肪細胞の中にある熱を多く発生させて、エネルギー消費を高めるたんぱく質「UPC」を増やす働きがあります。さらに、ブドウ糖の代謝を高める炎症性サイトカインの発生を抑える働きも。こうした脂肪の代謝を高める働きにより、脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます。

またポリフェノールには、抗酸化作用もあります。抗酸化作用とは、体内で発生した活性酸素を除去したり、その働きを抑制したりする作用です。活性酸素は適正な量であれば生命維持に役立ちますが、過剰に発生すると老化や病気を促進します。

ポリフェノールが含まれるはちみつは身体の酸化ストレスをやわらげ、アンチエイジングもサポートしてくれるでしょう。

ポリフェノールの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

アンチエイジングにおすすめの抗酸化作用のある食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA

腸内環境を整える

はちみつに含まれるブドウ糖と、酵素のグルコースオキシターゼが反応して生まれる有機酸「グルコン酸」は、腸内フローラを改善して腸内環境や腸の調子を整える作用が期待できます。

腸の調子が整えば、スムーズな消化吸収、便秘の解消などにつながります。反対に、腸に不調を抱えたままでいると、せっかく栄養バランスに配慮した食事を摂取しても、適切に代謝されない可能性が高くなってしまいます。そのため、より健康的なダイエットの実現には、腸内環境の改善が欠かせません。

成人男性に1日9gのグルコン酸を摂取させたところ、ビフィズス菌の増加が確認されたと報告する研究もあります。

【腸活におすすめ】腸内環境を整える食べ物・飲み物・生活習慣|NANIWA SUPLI MEDIA

ストレスを軽減

睡眠中の脳に必要なエネルギーを補給するはちみつダイエットは、ストレス軽減にも役立ちます。睡眠中に脳のエネルギーが不足した場合、筋肉や骨からエネルギーを作り出すためストレスホルモンが分泌されます。このストレスホルモンは交感神経を優位にさせるため、睡眠の質を下げてしまう原因となります。

睡眠とストレスは、密接に関係するものです。睡眠不足が続けば、結果的にストレスや疲れにつながってしまいます。逆に、脳にしっかり栄養を補給できれば、深い睡眠がとれ、ストレス軽減に期待できるでしょう。

また、甘いものを控えなければいけないダイエットは、ストレスが溜まるものです。しかしはちみつダイエットなら甘味のあるはちみつを罪悪感なく摂取できるので、ストレス緩和に役立つと考えられます。

ストレス解消に効果的な食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA

はちみつダイエットの正しいやり方

はちみつダイエットの正しいやり方を解説していきます。

寝る前にはちみつをひと口

基本のはちみつダイエットでは、睡眠に入る30分~1時間前に大さじ1杯のはちみつを摂取します。少量でも満足感があるので、お腹が空いて眠れないときにもおすすめです。

ただし睡眠に良いからといって摂り過ぎると、糖分過多になるので注意しましょう。はちみつ大さじ1杯(約22g)の糖質量は約18gで、カロリーは67kcal程度です。余分な糖質は体内で中性脂肪に変換されてしまいますので、必ず摂取量を守りましょう。

また、早めに摂取すると睡眠に入る前にエネルギーとして消費されてしまいます。成長ホルモンの分泌につなげるためにも、摂取の時間帯と量を守るのが大切です。

お湯割りにしても

はちみつはそのまま摂取しても構いませんが、食べにくい場合は白湯に溶かしましょう。ただし、はちみつに含まれる酵素は60度以上の高温で死滅してしまうので、使うならぬるめの白湯がおすすめです。

また、睡眠を妨げるカフェインを含む飲料や、糖質の多いジュースなどは避けましょう。はちみつダイエットの効果を半減させる可能性があります。特に糖質は、インスリンの分泌を増やしてしまうので気を付けたいところです。牛乳やヨーグルトも、意外と糖質が多いので控えましょう。

純粋はちみつを選ぼう

はちみつにはいろいろな種類がありますが、はちみつダイエットでは余計な材料を加えていない純粋はちみつを選びましょう。

特に避けたいのは、加糖はちみつや精製はちみつです。加糖はちみつは、はちみつに水あめやショ糖を加えた製品。すぐにエネルギーとして吸収されないので、はちみつダイエットには適していません。

精製はちみつは、はちみつを加熱して水分を飛ばした加工品です。60度以上加熱するとはちみつの酵素が失われしまいますので、栄養素の面で劣ります。また、海外産のはちみつは加熱処理済みのものが多いため、できれば国産を選ぶと安心です。

間食の代わりにはちみつを

スタンダードな方法ではありませんが、おやつをはちみつに置き換える方法もあります。普段から間食をする習慣がある人は、おやつをはちみつに置き換えるだけでも摂取カロリーの削減に役立つでしょう。

ただし、食べ過ぎはもちろんNGです。先ほども解説した通り、摂取量は大さじ1杯を目安にしましょう。

また、お菓子作りをする人は白砂糖の代用品としてはちみつを使うのもおすすめです。はちみつは甘みが強いので、砂糖の半分程度の量を使うようにしてください。

はちみつダイエットのコツ

はちみつダイエットを継続するコツや、よりダイエット効果を発揮するためのポイントを解説します。

夕食の糖質量を減らす

夜にはちみつを摂取するはちみつダイエットの場合、夕食の炭水化物は控えめにしましょう。寝る前にはちみつでエネルギーを補給するため、カロリーオーバーになる危険性があります。

例えば、お茶碗1杯分の白米(約150g)のカロリーは234kcalです。対して、はちみつダイエットで摂取するはちみつ(大さじ1杯分)のカロリーは67kcal。

確実にカロリーオーバーを防ぎたい場合は、白米の量を3分の1程度減らしましょう。そうすれば、はちみつ大さじ1杯分のカロリーを加えても、お茶碗1杯分のカロリーより抑えることができます。

早寝早起きを心がける

はちみつダイエットで重要なのは睡眠の質です。より睡眠をコントロールするために、早寝早起きを意識して生活リズムを整えましょう。

特に早起きして朝日を浴びると、セロトニンが活発に分泌されます。セロトニンは眠りホルモンのメラトニンの材料になるので、より質の高い睡眠へと誘導してくれます。

運動をプラスしてカロリーを消費

ただはちみつを摂取するだけでなく、よりダイエット効果を高めるなら運動を加えましょう。

ダイエットの基本は、摂取カロリーより消費カロリーを増やすことです。毎日の運動習慣をつければ消費カロリーが増え、はちみつダイエットの効果を後押ししてくれるでしょう。

はちみつダイエットの注意点

最後に、はちみつダイエットにおける注意点をまとめます。

はちみつを食べ過ぎない

はちみつは決して低カロリーの食品ではないので、食べ過ぎには気を付けましょう。夜にはちみつをとる基本的なダイエット方法なら、1日大さじ1杯を厳守してください。

間食にもはちみつを摂取するなら、より厳密に1日の摂取カロリーを考えたほうが良いでしょう。はちみつ大さじ1杯のカロリーは、炊いた白米42g程度に相当します。これを目安に、普段の食事を減らし過ぎない程度にカロリーをコントロールしましょう。

ルールを守って取り組む

はちみつダイエットを実践する人の口コミの中には、「逆に太った」「失敗した」といった声も見られます。原因はさまざまですが、ルールを守り切れていない点も要因のひとつと言えそうです。

夜にはちみつを摂取するダイエットの場合、ルールをしっかり守らないと、はちみつの効果がうまく発揮されません。以下の2点は守るようにしましょう。

  • 睡眠に入る30分~1時間前にはちみつを大さじ1杯のみ摂取する
  • はちみつを摂取する分、夕食の炭水化物を減らす

睡眠をしっかり取る

はちみつダイエットの鍵となるのは睡眠です。質の良い睡眠が成長ホルモンの分泌を促し、はちみつダイエットにおける脂肪の燃焼を後押ししてくれます。

そのため、毎日寝る時間を決めて、睡眠に入りやすい習慣を身につけることが大切です。入浴も、自律神経を整え睡眠に入りやすくなるのでおすすめです。

バランスの良い食事を心がける

はちみつダイエットの基本は、栄養バランスの整った食事です。リバウンドを防ぐためにも、しっかり栄養をとって健康的に痩せましょう。

はちみつは栄養価の高い食品ですが、身体作りに欠かせないタンパク質はほとんど含まれていません。はちみつを摂取するからといってむやみに食事量を減らし過ぎず、さまざまな食品から栄養を摂取する意識が大切です。

糖尿病や高血糖の人は注意

はちみつは、上がった血糖値がすばやく元に戻る利点がありますが、糖質をコントロールする必要がある糖尿病や高血糖の人は摂取に気を付けたほうが良いでしょう。

場合によっては、はちみつダイエットで症状が悪化する可能性も考えられます。必ずかかりつけ医に相談して、自己判断で実施しないようにしてください。

参考文献

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