メロンの栄養と効果効能・調理法・保存法

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melon

メロンの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、メロンに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

メロンとは

メロン(melon)は、ウリ科キュウリ属のつる性植物です。ジューシーで甘いメロンの果実は、高級フルーツの代名詞として親しまれています。

主に畑やハウスで育てられるメロンは、栽培方法的には野菜に分類されます。ただし、実際には果実として利用されることが多いため、農林水産省は「果実的野菜」と定義しています。

メロンの原産地は、東アフリカ・インドなどいくつかの説があります。古代エジプトや古代ギリシャでメロンの仲間が栽培されていたと言われるほど、メロンは古くから人々に利用されてきました。

日本では、弥生時代の遺跡から東洋系メロンのマクワウリの種子が見つかっています。現在一般的に食べられている西洋系メロンは、明治・大正時代に栽培が始まり、徐々に日本全国に広まっていきました。

マスクメロン(アールス系メロン)などの高級品種は温室で栽培され、その他の品種は露地またはハウスで栽培されるのが一般的です。

メロンが収穫されるのは春から夏で、九州など暖かい地方のメロンは4月ごろから出回りはじめ、東北・北海道のメロンは7月ごろに旬を迎えます。メロンの生産量が最も多いのは茨城県です。

メロンの品種・種類

メロンは、果肉の色によって緑肉系・赤肉系・白肉系の3種類に大きく分けられます。また、果皮に入る網の有無でネット系・ノーネット系に分類するほか、温室・露地など栽培方法によって種類を区別することもあります。

ここでは、果肉の色別にそれぞれの特徴や代表的な品種を紹介します。

緑肉種(青肉種)

緑肉種のメロンは、果肉が黄緑色~黄色をしています。流通量も多く、万人受けする爽やかな甘みとさっぱりした後味が特徴です。

高級品種として知られるマスクメロン(アールス系メロン)をはじめ、アンデスメロン・タカミメロン・プリンスメロンなどが代表的な緑肉系メロンです。

アールス系のメロンは、緑肉種のメロンのなかでも特に葉酸が豊富ですが、ビタミンCの含有量はやや少なめです。

赤肉種

赤肉種のメロンは、果肉が鮮やかなオレンジ色をしています。緑肉種のメロンより甘みが濃厚なのが特徴で、夕張メロン・クインシーメロンなどが代表品種です。

赤肉種のメロンには、アンチエイジングや生活習慣予防に効果的なβ-カロテンが、緑肉種のメロンの約25倍も含まれています。

白肉種

果肉が白い白肉種のメロンは、果汁が多くジューシーで、さっぱりした味わいが楽しめるメロンです。果皮には網目が少なく、表面がツルっとしています。

メキシコから多く輸入されるハネデューメロンや、ホームランメロンが代表的な白肉メロンの品種です。

メロンに含まれる成分・栄養素

メロン100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位温室メロン 生露地メロン 緑肉種 生露地メロン 赤肉種 生
廃 棄 率%504545
エネルギー(kcal)kcal/100 g424242
エネルギー(kJ)kJ/100 g176176176
水 分g/100 g87.887.987.9
たんぱく質g/100 g1.111
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g-0.70.6
脂 質g/100 g0.10.10.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g-0.1-0.1
飽和脂肪酸g/100 g-0.03-0.03
一価不飽和脂肪酸g/100 g(Tr)(Tr)
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.04-0.04
コレステロールmg/100 g000
炭水化物g/100 g10.310.410.4
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g-9.69.5
水溶性食物繊維g/100 g0.20.20.2
不溶性食物繊維g/100 g0.30.30.3
食物繊維総量g/100 g0.50.50.5
灰 分g/100 g0.70.60.6
ナトリウムmg/100 g766
カリウムmg/100 g340350350
カルシウムmg/100 g866
マグネシウムmg/100 g131212
リンmg/100 g211313
mg/100 g0.30.20.2
亜鉛mg/100 g0.20.20.2
mg/100 g0.050.040.04
マンガンmg/100 g0.040.020.02
ヨウ素µg/100 g000
セレンµg/100 g211
クロムµg/100 g100
モリブデンµg/100 g422
レチノールµg/100 g000
α-カロテンµg/100 g0616
β-カロテンµg/100 g321403600
β-クリプトキサンチンµg/100 g300
β-カロテン当量µg/100 g331403600
レチノール活性当量µg/100 g312300
ビタミンDµg/100 g000
α-トコフェロールmg/100 g0.20.20.2
β-トコフェロールmg/100 g000
γ-トコフェロールmg/100 g0.10.10.1
δ-トコフェロールmg/100 g000
ビタミンKµg/100 g000
ビタミンB1mg/100 g0.060.050.05
ビタミンB2mg/100 g0.020.020.02
ナイアシンmg/100 g0.50.80.8
ビタミンB6mg/100 g0.10.110.11
ビタミンB12µg/100 g000
葉酸µg/100 g322424
パントテン酸mg/100 g0.190.160.16
ビオチンµg/100 g0.90.90.9
ビタミンCmg/100 g182525
食塩相当量g/100 g000
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

メロンの効果・効能

メロンに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

カリウムで高血圧を予防・改善

メロンに多く含まれるカリウムは、人体の健康維持に必要なミネラルの一種で、細胞内液の浸透圧を調節する働きがあります。

カリウムには余分なナトリウムを体外に排出する作用があり、過剰な塩分の摂取により起こる高血圧やむくみなどの予防に効果的です。血圧が高い方や、塩分の多い食事を摂る機会が多い方は、デザートや間食にメロンを取り入れてみましょう。

なお、緑肉系・赤肉系どちらのメロンにもカリウムが豊富で、果肉の色によって含有量の大きな差はありません

がんや生活習慣病予防に役立つβ-カロテン

β-カロテンは、植物に含まれるカロテノイド色素の一種です。β-カロテンには抗酸化作用があり、がんや生活習慣病、老化の原因となる活性酸素の働きを抑えて除去します。

β-カロテンは体内に取り込まれるとビタミンAに変換されるプロビタミンAでもあり、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。

赤橙色の色素成分であるβ-カロテンは、メロンのなかでも赤肉種に特に多く含まれています。生活習慣病や老化を予防を目的としてメロンを選ぶときは、夕張メロンやクインシーメロンなどの赤肉メロンを選ぶようにしましょう。

一方、緑肉種のメロンのなかでも、温室で栽培されたアールス系メロンは、突出してβ-カロテンの含有量が少なくなっています。高級品種として知られるアールス系メロンですが、β-カロテンの健康効果を期待して食べるのにはおすすめできません。

ウリ科に豊富なシトルリンで筋トレの効率アップ

シトルリンは、スイカ・きゅうりなどウリ科の植物に多く含まれているアミノ酸の一種で、メロンにも多く含まれています。

シトルリンには血管拡張作用があり、筋肉の血流を促進して運動パフォーマンスを高めることで、筋トレの効率をアップする効果が期待できます。また、運動時に生じる乳酸やアンモニアを除去する働きがあり、運動後の疲労回復を早めると考えられます。

シトルリンを摂取することで血流が促進されるため、冷えやむくみの改善にも効果的な栄養素と言えるでしょう。

動脈硬化や脳卒中予防に効果的なアデノシン

メロンのワタの部分に多く含まれるアデノシンには、血液が固まるのを予防し、血液の流れを良くする作用があります。血管内に生じた血栓が原因となる、動脈硬化や脳卒中などの予防に効果的です。

また、血流に作用するアデノシンは、発毛促進成分として育毛剤にも利用されています。

血管の健康が気になるときは、種だけ取り除いて、メロンのワタも果肉と共に食べるようにしましょう。ワタや種ごとミキサーにかけて、メロンジュースにするのもおすすめです。

美肌作用や免疫力アップ効果のあるビタミンC

メロンをはじめとした果物や野菜に多く含まれるビタミンCは、美容に嬉しい効果を多く備えた水溶性ビタミンです。ビタミンCは、人間の体内で生成できないため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。

ビタミンCには肌の弾力を保つコラーゲンの生成を助ける働きや、シミやそばかすの原因物質であるメラニン色素を抑制し、透明感のある肌へ導く作用があります。美容作用のほかに、免疫力を高めて風邪を引きにくくする効果も期待できます。

メロンは、ビタミンCが豊富なフルーツのひとつです。温室栽培のアールス系メロンと比較して、露地栽培のメロンにより多くのビタミンCが含まれているため、美容効果を期待するなら露地栽培のメロンがおすすめです。

メロンの食べ方

メロンの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

メロンの切り方と食べ頃の見分け方

メロンの果実は、中心部に近づくほど糖度が高くなります。甘さを平等に切り分けるには、つるを上に向けて縦方向にカットしてください。

メロンは、収穫されてから3~7日後に完熟します。食べ頃を見分けるには、メロンのお尻の部分を軽く押してみて、少し柔らかくなっているか確認してください。また、つるが枯れてきたり、果皮が黄色味を帯びてきたときも完熟したサインです。

塩分の多い食事のデザートにはメロンがおすすめ

塩分の多い食品や料理を食べたあとのデザートにはメロンがおすすめです。メロンには、余分なナトリウムを排出する作用があるカリウムが豊富に含まれているので、塩分が過剰になるのを防いでくれます。

高血圧など塩分の摂りすぎが原因となる生活習慣病や、むくみの症状にお悩みの方は、積極的にメロンを食べてみてください。

ダイエット中のメロンの食べ方

メロン(露地メロン・緑肉種)100gあたりのカロリーは、42kcalと果物のなかでは比較的低くなっています。また、糖質もバナナやりんごと比較して控えめで、メロンはダイエット中にもおすすめの果物です。

ただし、カロリーや糖質が低いからといってメロンを食べ過ぎると肥満を助長させます。ダイエット中にメロンを食べるときは、1日あたり200g(1/3~1/4個)程度にとどめておきましょう。

メロンを食べる際の注意点

メロンに含まれるククミシンというたんぱく質分解酵素により、口内や喉がイガイガしたり、ピリピリしたりする症状が現れることがあります。メロンを食べてすぐに生じるこれらの症状は、アレルギー症状ではなく、ククミシンによる粘膜への刺激が原因です。

イガイガ感は通常15分程度で治まりますが、すぐに症状を鎮めたいときは、口をゆすいだりうがいをしてください。

また、ククミシンには乳製品のたんぱく質を苦味のある物質に分解する作用があります。ククミシンを含むメロンは、ヨーグルトや牛乳などの乳製品と合わせると苦くなってしまうことがあるため、食べ合わせに注意が必要です。

メロンの保存方法

メロンの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

食べ頃になるまで常温保存し、完熟したら冷蔵保存

未熟なメロンは、常温で保存し食べ頃になるまで追熟させます。完熟したら、冷蔵庫の野菜室で保存してください。

カットされた状態のメロンは、乾燥と劣化を防ぐためラップに包んで冷蔵庫で保存します。

長期保存するには冷凍

食べきれないメロンは冷凍保存することもできます。メロンを冷凍する場合、切り分けて種とワタを取ってから、冷凍用の保存容器やジップ付き袋に入れて凍らせてください。

メロンを冷凍保存できる期間は、3週間が目安です。冷凍メロンは常温で自然解凍し、半解凍状態でシャーベットのように食べることもできます。

参考文献