ごま油の栄養と効果効能・調理法・保存法

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ごま油

ごま油の旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、ごま油に含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

ごま油とは

ごま油(sesame oil)とは、焙煎した白ごまの種子から抽出したオイルです。香ばしいごまの風味が特徴で、中華料理や韓国料理に幅広く用いられます。

ごま油は、体内で生成できない必須脂肪酸のリノール酸や、LDLコレステロールを減少する効果が期待できるオレイン酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。さらに、ごまに含まれるセサミンやビタミンEの抗酸化作用による健康効果も期待できます。

一般的に油は空気や光、熱に触れると酸化してしまいますが、ごま油はビタミンEが豊富なため酸化しにくい性質を持っています。保管しやすいだけでなく、熱を加えても酸化しにくいので、揚げ物や炒め物など高温の調理にも気軽に使えるのが特徴です。

ごまの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

ごま油とえごま油の違い

似た名前から混同されることのある食品に、荏胡麻油(えごま油)があります。えごまは、種子がごまの形に似ていることから「えごま」と呼ばれるようになりましたが、ごまの仲間というわけではありません。

ごまがゴマ科の植物であるのに対し、えごまはシソ科の植物です。用途も全く違い、ごまは香ばしい香りを活かして風味づけなどに使われるのに対し、えごまは少し苦味のある独特なクセを活かしてお肉を巻いたりサラダにしたりして食べられます。

含まれる脂肪酸組成も大きく異なり、ごま(ごま油)が熱に強いオメガ6系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)とオメガ9系脂肪酸(一価不飽和脂肪酸)を多く含むのに対し、えごま(えごま油)はオメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含んでいます。

そのためえごま油は非常に高い健康効果が期待される一方で、酸化しやすいため加熱調理には向きません。

えごまの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

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ごま油の種類

ごま油は褐色で香ばしい風味があるものが一般的ですが、他にもさまざまな種類があります。ここでは、ごま油の主な種類を紹介します。

焙煎ごま油

焙煎ごま油は、名前の通りごまを焙煎して作る最も一般的なごま油です。褐色な色合いとごまの香ばしい風味が特徴。色や風味は焙煎の温度により異なり、高温でじっくりと焙煎したものは濃い色に、低温でじっくり焙煎したものは鮮やかな琥珀色になります。色の濃い焙煎ごま油は風味も強く、低温焙煎のものは甘く香ばしい香りが特徴です。

太白ごま油

太白ごま油は、ごまを焙煎せずに生のまま圧搾精製したものです。生絞りのため、焙煎ごま油に比べてごま油特有の色や香りが控えめで、クセが少ないぶん揚げ物・炒め物・ドレッシングのほかお菓子作りなど幅広い用途に使うことができます。

黒ごま油

一般的なごま油は白ごまのみ、あるいは白ごまと黒ごまをミックスして作られますが、なかには黒ごまのみを絞って作られる「黒ごま油」もあります。

黒ごまは白ごまと比べて表皮がかたく、油分も少ないため圧搾の手間がかかると言います。その代わり、黒ごまの表皮に含まれるポリフェノールによる健康効果も期待できます。

なお原料とは関係なく、太白ごま油を白ごま油と呼ぶのに対し、焙煎ごま油を黒ごま油と呼ぶ場合もあり、なかには醤油のように真っ黒な黒ごま油もあるそうです。

玉締めしぼりごま油

ごま油の製法のひとつに「玉締めしぼり」というものがあり、この製法で作られたごま油は「玉締めしぼりごま油」と呼ばれます。

一般的なごま油は、原料のごまを加熱しながら強い圧力をかけて油を抽出しますが、玉締めしぼりでは常温かつ低圧力で油を搾りだすことで、ごまの香りやビタミンEなどの栄養素を余すことなくごま油に移せるのです。

江戸時代からの伝統製法で作られており、高級品ですがそれだけに味や香り、栄養面でも優れています。

ごま油に含まれる成分・栄養素(その他の油との違い)

ごま油100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。なお比較のため、その他の油脂類の成分表をあわせて並記しています。

食 品 名単位ごま油オリーブ油なたね油とうもろこし油ひまわり油 ハイリノールひまわり油 ミッドオレイックひまわり油 ハイオレイックサフラワー油 ハイオレイックサフラワー油 ハイリノールぶどう油あまに油えごま油
エネルギーkcal890894887884899892899892883882897897
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g------------
たんぱく質g000000000000
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g98.198.997.596.899.998.499.798.596.696.599.599.5
コレステロールmg002000000020
脂質g100100100100100100100100100100100100
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g------------
g
利用可能炭水化物(質量計)g------------
差引き法による利用可能炭水化物g1.91.12.53.20.11.60.31.53.43.50.50.5
************
食物繊維総量g000000000000
糖アルコールg------------
炭水化物g000000000000
有機酸g------------
灰分g000000000000
無機質ナトリウムmgTrTr000000000Tr
カリウムmgTr0Tr00000000Tr
カルシウムmg1TrTrTr000000Tr1
マグネシウムmgTr0000000000Tr
リンmg10Tr0000TrTr001
mg0.100000000000.1
亜鉛mgTr0Tr000000000
mg0.01000000000.0200
マンガンmg000000000000.01
ヨウ素μg0000--------
セレンμg1000--------
クロムμg1Tr0Tr--------
モリブデンμg0000--------
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg000000000-00
α|カロテンμg00000000000Tr
β|カロテンμgTr180000000061022
β|クリプトキサンチンμg050000000032
β|カロテン当量μgTr180000000061123
レチノール活性当量μg0150000000Tr12
ビタミンDμg000000000000
α-トコフェロールmg0.47.415173939392727280.52.4
β-トコフェロールmgTr0.20.30.30.80.80.80.60.60.700.6
γ-トコフェロールmg441.232702222.32.35.83959
δ-トコフェロールmg0.70.113.40.40.40.40.30.31.20.64.6
ビタミンKμg54212051111111010190115
ビタミンB1mg000000000000
ビタミンB2mg000000000000
ナイアシンmg0.100000000000
ナイアシン当量mg0.100000000000
ビタミンB6mg0000000000--
ビタミンB12μg0000000000--
葉 酸μg0000000000--
パントテン酸mg0000000000--
ビ オ チ ンμg0000-----0--
ビタミンCmg000000000000
アルコールg------------
食塩相当量g000000000000
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ごま油の効果・効能

ごま油に含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

ゴマリグナン

ごま油には、ポリフェノールの一種であるゴマリグナンという微量成分が含まれています。ゴマリグナンは、セサミン・セサモリン・セサミノールの総称で、そのほかのポリフェノールと同じく、強い抗酸化作用を持っているのが特徴です。

特にゴマに豊富に含まれるセサミンは、血圧の上昇を抑える、肝機能の改善、免疫力を高める効果が期待できます。

リノール酸

体内で作ることができないため、食べ物から摂取しなければならない必須脂肪酸です。リノール酸は血中総コレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防する効果があります。ただし、摂取しすぎると善玉コレステロールも下げてしまうことがあるので、摂取量には注意が必要です。

下記表は、ごま油とえごま油に含まれるリノール酸の量を比較したものです。

食品成分ごま油えごま油
n-6リノール酸mg4100012000
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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オレイン酸

オレイン酸は、血中の悪玉コレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸の1種です。悪玉コレステロールはコレステロールを全身に運ぶ役割をしており、生命に欠かせない物質ですが、一方で増加により動脈硬化の発症リスクが高まります。

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ビタミンE

ごま油に豊富なビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、体をストレスから守り老化を抑える効果があります。油が酸化するのを防ぎ、シミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防する、などの効果が期待できます。

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セレン

セレンは活性酸素に対抗する酵素を作る働きがあり、老化防止に効果が期待できるミネラルです。ビタミンCやビタミンE、β-カロテンなど抗酸化作用の強いビタミンと一緒に摂取することでより効果が期待できます。

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ごま油の保存方法

ごま油は酸化しにくい油ですが、空気や直射日光に当たり続ければ酸化してしまいます。他の油と同様、高温多湿や直射日光を避けて保管してください。冷蔵保存すると固まることがあるので、基本的に常温での保存がおすすめです。

ごま油は酸化すると風味がなくなったり異臭がしたりするので、開封したときと違う味や香りを感じる場合は使用を控えましょう。頻繁に感じる場合は、ふだんから小容量のごま油を買うようにすると、酸化する前に食べきることができます。

参考文献

栄養と健康の6つの関係