アルファルファの栄養と効果効能・調理法・保存法

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アルファルファ

アルファルファの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、アルファルファに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

アルファルファとは

アルファルファ(Alfalfa)は、イランや小アジアを原産とするマメ科の植物です。

食用のアルファルファは、発芽したばかりの新芽(スプラウト)を食します。見た目が糸のように細いことから「糸もやし」とも呼ばれ、みずみずしくシャリっとした歯ごたえが特徴です。

新芽の状態からさらに成長させた緑の葉部分はハーブとしても活用され、ハーブティーなどに使われています。

アルファルファはペルシア語で「牧草」という意味を持ち、食用とされる前から牧草として活用されてきました。和名のムラサキウマゴヤシも、馬がよく食べて肥えることから名づけられたと言います。

日本に伝来したのは江戸時代でしたが、本格的に栽培されるようになったのは明治初期に入ってからです。主な栽培地域は北海道で、牧草だけでなく栄養価の高さから緑肥として土地の改良にも役立てられました。

アルファルファの品種・種類

アルファルファの品種は3種類に大別されます。それぞれの特徴をご紹介しましょう。

紫花アルファルファ

紫花アルファルファは、紫色の花をつけるアルファルファの品種です。主に暖かい地方での栽培が適しています。

黄花アルファルファ

黄色アルファルファは、黄色の花をつける品種です。寒さに強い品種のため、北海道で多く栽培されています。

雑色花アルファルファ

雑色花アルファルファは、紫花アルファルファと黄花アルファルファの交配によってできた品種です。交配の程度によって、品種の特性はそれぞれ異なります。

アルファルファに含まれる成分・栄養素

アルファルファ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

アルファルファは発芽に必要な栄養素を多く含んでいるため、成熟した野菜と比較すると栄養価が高い傾向にあります。

タンパク質やミネラル、ビタミンをバランスよく含み、便秘改善が期待できる食物繊維も豊富です。アメリカでは栄養価の高さから「植物の父」とも呼ばれています。

栄養分が多く含まれている割に低カロリーなので、ダイエット目的の人やヘルシー志向の人に人気です。

食品名単位アルファルファもやし 生
廃 棄 率%0
エネルギー(kcal)kcal/100 g12
エネルギー(kJ)kJ/100 g50
水 分g/100 g96
タンパク質g/100 g1.6
アミノ酸組成によるタンパク質g/100 g-
脂 質g/100 g0.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g-0.1
飽和脂肪酸g/100 g-0.01
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.01
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.06
コレステロールmg/100 g0
炭水化物g/100 g2
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g-0.3
水溶性食物繊維g/100 g0.1
不溶性食物繊維g/100 g1.3
食物繊維総量g/100 g1.4
灰 分g/100 g0.3
ナトリウムmg/100 g7
カリウムmg/100 g43
カルシウムmg/100 g14
マグネシウムmg/100 g13
リンmg/100 g37
mg/100 g0.5
亜鉛mg/100 g0.4
mg/100 g0.09
マンガンmg/100 g0.1
ヨウ素µg/100 g1
セレンµg/100 g1
クロムµg/100 g0
モリブデンµg/100 g16
レチノールµg/100 g0
α-カロテンµg/100 g0
β-カロテンµg/100 g56
β-クリプトキサンチンµg/100 g0
β-カロテン当量µg/100 g56
レチノール活性当量µg/100 g5
ビタミンDµg/100 g0
α-トコフェロールmg/100 g1.9
β-トコフェロールmg/100 g0
γ-トコフェロールmg/100 gTr
δ-トコフェロールmg/100 g0
ビタミンKµg/100 g47
ビタミンB1mg/100 g0.07
ビタミンB2mg/100 g0.09
ナイアシンmg/100 g0.2
ビタミンB6mg/100 g0.1
ビタミンB12µg/100 g0
葉酸µg/100 g56
パントテン酸mg/100 g0.46
ビオチンµg/100 g4.4
ビタミンCmg/100 g5
食塩相当量g/100 g0
アルコールg/100 g-
硝酸イオンg/100 gTr
テオブロミンg/100 g-
カフェインg/100 g-
タンニンg/100 g-
ポリフェノールg/100 g-
酢酸g/100 g-
調理油g/100 g-
有機酸g/100 g-
重量変化率%-
備考別名: 糸もやし
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

アルファルファの効果・効能

アルファルファに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

むくみ改善が期待できるカリウム

アルファルファにはミネラルのなかでもカリウムが多く含まれています。カリウムはナトリウムを排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを防いでくれる栄養素です。

体は塩分濃度が高まると、バランスを保つために水分を溜め込む性質があります。カリウムによって塩分が適宜排出されれば、むくみの改善にもつながるでしょう。

骨の強化に役立つビタミンやミネラル

アルファルファにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富です。さらに脂溶性ビタミンのビタミンKが多く含まれています。

いずれも骨の形成に関わる栄養素で、人体を構成するためには必要不可欠です。

ガンや動脈硬化予防に抗酸化作用

アルファルファに含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変換されるためプロビタミンAとも呼ばれます。

β-カロテンは活性酸素の発生を抑える抗酸化作用が期待される栄養素です。過酸化脂質の生成を防ぐため、動脈硬化やガンなどの予防効果が見込めるでしょう。

また、アルファルファに含まれるクロロフィルにも抗酸化作用が期待されています。研究ではクロロフィルの抗酸化活性を調べたところ、β-カロテンよりさらに強い活性作用が見られました。

コレステロールの低下作用

アルファルファに含まれるクロロフィルには、コレステロールの低下作用も見込めます。シロネズミを用いた研究ではクロロフィルを構成するフィトクロリンという物質にコレステロールの低下作用が確認されました。

さらにアルファルファに含まれる食物繊維にも血中コレステロール濃度の低下作用があるため、生活習慣病の予防としても効果的です。

良質なタンパク質

タンパク質は筋肉や臓器を構成する重要な栄養素です。また、酵素やホルモンなどの調節機能があります。

体内でタンパク質を合成するには20種類のアミノ酸が必要となりますが、そのうち9種類は体内では合成できない必須アミノ酸と呼ばれる栄養素です。アルファルファのタンパク質には必須アミノ酸が含まれているため、良質なタンパク質と言えるでしょう。

アルファルファの食べ方

アルファルファの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

アルファルファの洗い方

アルファルファは水ですすぎ洗いするだけで構いません。アルファルファの種自体は食べられますが、食感が気になる人はよく洗って取り除きましょう。ボウルに水を張って、アルファルファをゆするように洗うと種もよく取れます。

アルファルファの調理方法や食べ方

アルファルファは生食できるので、そのままサラダとして食べるのが一般的です。ほかには、サンドイッチの具材にしたり、ミキサーで撹拌してスムージーにしたりなどの方法があります。

加熱調理するなら、スープや野菜炒めの具材としてもぴったりです。

アルファルファを食べる際の注意点

アルファルファは植物性エストロゲンが豊富です。植物性エストロゲンは女性の体をサポートする成分として有名ですが、過剰摂取すると体への影響が懸念されます。

特に、乳がんなどのエストロゲンに感受性の高いがんの発生リスクについてはいくつか事例がありますので、食べ過ぎには注意しましょう。

アルファルファの毒性成分に注意

アルファルファの種子にはカナバニンという毒性物質が含まれています。

カナバニンには抗炎症作用があると言われていますが、食べ過ぎると副作用を起こす危険性があるため気を付けましょう。

アルファルファの保存方法

アルファルファの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

アルファルファは日持ちしないため、なるべく購入した日に食べ切ってしまうようにしましょう。もし保存する場合は、冷蔵保存か冷凍保存がおすすめです。

冷蔵保存

保存袋などに入れ、空気に触れないよう真空状態にしてから冷蔵保存してください。野菜室で保管するとなお良いでしょう。保存期間は2日から3日です。

冷凍保存

冷蔵保存と同じく保存袋に入れて冷凍保存しましょう。保存期間は3ヶ月ほどです。

アルファルファなどのスプラウトは解凍する際に水分が出て、食感が損なわれてしまう傾向があります。調理に使う場合は解凍せずにそのまま加熱調理するか、スムージーなどに活用しましょう。

参考文献

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