えごま油の栄養と効果効能・調理法・保存法

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えごま油の旬や原産地、主要な品種などの基本情報、よく似た野菜との栄養価の違い、えごま油に含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

えごま油とは

えごま油(perilla oil:荏胡麻油)とは、シソ科の1年草であるえごまの種子から抽出した油のことで、しそ油とも呼ばれます。

えごま油は、体内で合成できない必須脂肪酸の一種、オメガ3脂肪酸に含まれるa-リノレン酸を60%ほど含む、健康効果の高いオイルです。

えごまはインドや中国の高地を原産地とする古い油脂植物で、遺跡で見つかった痕跡から、日本では最古の油脂植物だと考えられています。

「食べると10年長生きできる」という言い伝えから、地方によっては「十年」とも呼ばれます。

えごま油と他の食用油の違い

えごま油と、そのほかの食用油との違いを解説します。

えごま油とごま油の違い

えごま油とごま油は、名前こそ似ていますがまったく異なるものです。えごま油がシソ科のえごまを原料とするのに対し、ごま油はゴマ科のごまを原料とします。

大きな違いはオメガ3脂肪酸の含有量で、えごま油の約60%がオメガ3脂肪酸であるのに対し、ごま油は1%未満です。

オメガ3脂肪酸は180度以上に加熱すると酸化してしまうため、加熱調理に用いる際はごま油を利用するとよいでしょう。

えごま油と亜麻仁油の違い

えごま油と亜麻仁油はどちらもオメガ3脂肪酸が豊富で、その含有量もほとんど変わりません。

香りに若干違いがあるものの、品質のよいものであればえごま油でも亜麻仁油でも癖は少なく、サラダ油などと同じように加熱調理以外のあらゆる料理に使うことができます。

脂質はさまざまな種類をバランスよく摂ることが大切なので、普段の食事に取り入れる際は、どちらか一方でなく両方を取り入れるとよいでしょう。

えごま油に含まれる成分・栄養素

えごま油100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

参考として、えごま油の成分表に加え、ごま油と亜麻仁油の成分表、およびそれぞれの種実の成分表を並記しています。

食品名単位えごま油ごま油亜麻仁油えごま(乾燥)ごま(乾燥)亜麻仁(炒り)
廃 棄 率%000000
エネルギー(kcal)kcal/100 g921921921544578564
エネルギー(kJ)kJ/100 g385238533852227624182362
水 分g/100 gTr0Tr5.64.70.3
たんぱく質g/100 g00017.719.821.9
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g18.919.9
脂 質g/100 g10010010043.451.943.5
トリアシルグリセロール当量g/100 g99.598.199.540.651.141.3
飽和脂肪酸g/100 g7.6415.048.093.347.523.64
一価不飽和脂肪酸g/100 g16.9437.5915.916.6118.946.59
多価不飽和脂肪酸g/100 g70.641.1971.1328.8322.4429.27
コレステロールmg/100 g002002
炭水化物g/100 g00029.418.430.5
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g2.51
水溶性食物繊維g/100 g0001.71.69.1
不溶性食物繊維g/100 g00019.19.214.8
食物繊維総量g/100 g00020.810.824
灰 分g/100 g0003.95.23.8
ナトリウムmg/100 gTrTr02270
カリウムmg/100 gTrTr0590400770
カルシウムmg/100 g11Tr3901200210
マグネシウムmg/100 gTrTr0230370410
リンmg/100 g110550540720
mg/100 g0.10.1016.49.69
亜鉛mg/100 g0Tr03.85.56.1
mg/100 g00.0101.931.661.26
マンガンmg/100 g0.01003.092.242.99
ヨウ素µg/100 g0TrTr0
セレンµg/100 g13103
クロムµg/100 g12425
モリブデンµg/100 g0489213
レチノールµg/100 g000000
α-カロテンµg/100 gTr000
β-カロテンµg/100 g22Tr1015
β-クリプトキサンチンµg/100 g2032
β-カロテン当量µg/100 g23Tr11161716
レチノール活性当量µg/100 g201111
ビタミンDµg/100 g000000
α-トコフェロールmg/100 g2.40.40.51.30.10.4
β-トコフェロールmg/100 g0.6Tr00.30.20
γ-トコフェロールmg/100 g58.643.739.223.622.210.2
δ-トコフェロールmg/100 g4.60.70.60.50.30.2
ビタミンKµg/100 g5511177
ビタミンB1mg/100 g0000.540.950.01
ビタミンB2mg/100 g0000.290.250.17
ナイアシンmg/100 g00.107.65.12.6
ビタミンB6mg/100 g00.550.60.41
ビタミンB12µg/100 g000Tr
葉酸µg/100 g0599346
パントテン酸mg/100 g01.650.560.24
ビオチンµg/100 g034.611.733.5
ビタミンCmg/100 g000TrTr0
食塩相当量g/100 g000000.2
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

えごま油の効果・効能

えごま油に含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

血液をサラサラにして動脈硬化や血栓を防ぐ

オメガ3脂肪酸には、血流に含まれる血小板の働きを抑制して、血流を改善する効果があります。

血流が改善すると、動脈硬化や血栓の予防、心疾患リスクの低下などにつながります。

LDLコレステロールや血圧を低下して生活習慣病予防

α-リノレン酸には、LDLコレステロールを低下させる作用や、血圧を下げる効果があります。

LDLコレステロールとは、いわゆる悪玉コレステロールのこと。LDLコレステロールが増えすぎると血管壁にたまり、活性酸素によって過酸化脂質となってしまいます。

蓄積した過酸化脂質が血管を細めると、高血圧・血栓・動脈硬化などを進行させ、心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などを引き起こしてしまうのです。

美しい肌や髪を保つ美容効果も

α-リノレン酸には血流改善効果がありますが、血流の改善は肌や髪を美しく保つ美容効果にも力を発揮します。

改善された血流は皮膚のしわやたるみを予防し、アンチエイジング効果により美肌を維持。また毛包に十分な栄養が行き渡ることによって、抜けにくい太い髪を作ることにもつながります。

えごま油の調理方法

えごま油の栄養素を損なわない洗い方や調理方法を解説します。

えごま油のおすすめ調理方法

えごま油に含まれるオメガ3脂肪酸は、タンパク質と一緒に摂取することで、胆汁が分泌されてより効率的に吸収されます。

そのため、サプリメントとして摂取するよりも、食品として摂取した方が吸収効率の面からは優れていると言えるでしょう。

またオメガ3脂肪酸は熱により酸化しやすいため、栄養素を損なわず摂取したいなら加熱調理は避けた方が無難です。

なおオメガ3脂肪酸が加熱により酸化する温度は180度からなので、温かい味噌汁やスープに入れる程度ならば問題ありません。

えごま油を摂取する際の注意点

えごま油には発泡スチロール(PSP)を変性させる働きがあるため、カップ麺などに加えてお湯を注ぐと、発泡スチロール製の容器に穴が開く可能性があります。

また、摂取しすぎると脂質の過剰摂取になるほか、下痢を引き起こすことがあるため、1日3g(小さじ一杯)程度を目安に摂取しましょう。

えごま油の保存方法

オメガ3脂肪酸は熱や光、空気で酸化しやすく、放っておくと過酸化脂質になるため保存方法には注意が必要です。

冷蔵庫で保存する必要はありませんが、高温を避けて常温・暗所に保存するようにしましょう。