マカダミアナッツの栄養と効果効能・調理法・保存法

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macadamia nuts

マカダミアナッツの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、マカダミアナッツに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

マカダミアナッツとは

マカダミアナッツ(macadamia nuts)は、ヤマモガシ科に属するマカダミアが付ける実です。観葉植物として人気のプロテアの仲間で、樹木は5~15mの高さになります。

原産地はオーストラリアの東海岸クイーンズランド州の南部から、ニューサウスウェールズ州の北部にかけて。マカダミアナッツはハワイのイメージが強いナッツですが、ハワイに移植されたのは1880年代に入ってからです。

マカダミアの木は風に強く、強風対策としてハワイに植えられました。ハワイで食用として注目されたのは1890年代で、比較的歴史の浅いナッツです。

日本国内に流通するマカダミアナッツは、殻付き・殻なしともにオーストラリア産が多く、ローストしたマカダミアナッツはハワイ産も輸入されています。他に南アフリカやケニア、グアテマラ、コスタリカなどの熱帯・亜熱帯地域でも生産されていますが、国内の流通量は少ないようです。

オーストラリアでは5月~9月が収穫時期で、熟すと実が地面へ落ちます。実は2~3cmの黄緑色をしていて、中に繊維状の茶色い殻が入っています。この殻の中にある丸くて白い仁と呼ばれる中身がマカダミアナッツです。

マカダミアナッツとその他のナッツの違い

マカダミアナッツと並び、アーモンドやくるみ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツもよく食べられているナッツの仲間です。それぞれ特徴や栄養素の違いを説明します。

アーモンド

アーモンドはバラ科サクラ属の落葉樹で、モモやウメの仲間です。食用となった歴史が古く、4000年以上前から食べられていました。アーモンドは品種改良が進んでおり、料理や加工方法によって品種を使い分けています。

アーモンドはビタミンEが豊富で、その抗酸化作用が老化を予防すると言われています。

アーモンドの栄養と効果効能・調理法・保存法

くるみ

くるみはクルミ科の落葉樹で、食用の歴史はアーモンドよりも古く紀元前7000年ごろと考えられています。品種改良により世界各地で栽培され、お菓子や料理に利用されています。日本の原産種は、オニグルミやヒメグルミです。

くるみには不飽和脂肪酸が多く含まれており、悪玉コレステロールを下げて生活習慣病を予防する効果があります。

また、必須アミノ酸の1種であるトリプトファンも豊富で、自律神経を整える効果も期待できます。

くるみの栄養と効果効能・調理法・保存法

カシューナッツ

カシューナッツは、南アメリカを原産とするウルシ科の種実類です。湾曲した形をしており、コリコリとした食感がマカダミアナッツと似ています。油で揚げたり、炒めたりして調理したときに甘みが出るのが特徴です。

カシューナッツにはビタミンB1が多く含まれており、疲労回復に効果があります。

カシューナッツの栄養と効果効能・調理法・保存法

ヘーゼルナッツ

ヘーゼルナッツはカバノキ科の落葉樹で、トルコ北部の黒海沿岸が原産地です。殻付きのヘーゼルナッツはドングリにそっくりですが、中身は白くてマカダミアナッツに似ています。マカダミアナッツよりも甘みが強いのが特徴です。

ヘーゼルナッツには、不飽和脂肪酸であるオレイン酸が豊富に含まれます。オレイン酸はコレステロールを下げるため、高血圧に効果があります。

マカダミアナッツの品種・種類

マカダミアナッツの栽培の歴史は浅く、成長が遅いこともあり、品種改良が十分にされていません。マカダミアナッツは大きく3品種に分けられますが、一般的に味に違いはないとされています。

インテグリフォリア種

インテグリフォリア種は光殻種とも呼ばれ、殻が滑らかで白い花をつけるが特徴です。キアウやカウ、ケアホウなどの品種が含まれます。

テトラフィラ種

テトラフィラ種は殻の表面がざらざらとしているのが特徴です。別名・粗殻種とも。ピンク色の花をつけ、気温が低い高地でも栽培できます。

ハイブリッド種

インテグリフォリア種とテトラフィラ種を掛け合わせたハイブリッド種で、花の色はテトラフィラ種と同じピンク色をしています。代表的な品種はバーモント種で、他の品種よりも成長が早いのが特徴です。

マカダミアナッツに含まれる成分・栄養素

マカダミアナッツ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

マカダミアナッツは脂質を多く含有しますが、そのほとんどが不飽和脂肪酸です。特に一価不飽和脂肪酸のオレイン酸と、パルミトレイン酸が約80%を占めます。一価不飽和脂肪酸は脂質の仲間ですが、悪玉コレステロールを下げる働きをします。

マカダミアナッツがオイルとして利用されるのも脂質が多いためです。

その他の特徴としては、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれています。特にビタミンB群とビタミンK、葉酸、カリウムを豊富に含みます。そのため、マカダミアナッツは健康や美容にもよいと考えられます。

ビタミンKには、血液を固まらせる凝固作用があります。凝固作用とは、出血したときに他の血液成分に働きかけ、出血を止める作用です。ビタミンKが不足すると、出血を止める働きが鈍くなります。そのため、血液をさらさらにする薬を飲んでいる人は積極的に摂りたい栄養素です。

食品名単位マカダミアナッツ いり 味付け
廃 棄 率%0
エネルギー(kcal)kcal/100 g720
エネルギー(kJ)kJ/100 g3012
水 分g/100 g1.3
たんぱく質g/100 g8.3
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g7.5
脂 質g/100 g76.7
トリアシルグリセロール当量g/100 g76.6
飽和脂肪酸g/100 g12.46
一価不飽和脂肪酸g/100 g59.23
多価不飽和脂肪酸g/100 g1.56
コレステロールmg/100 g0
炭水化物g/100 g12.2
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g-4.8
水溶性食物繊維g/100 gTr
不溶性食物繊維g/100 g6.2
食物繊維総量g/100 g6.2
灰 分g/100 g1.5
ナトリウムmg/100 g190
カリウムmg/100 g300
カルシウムmg/100 g47
マグネシウムmg/100 g94
リンmg/100 g140
mg/100 g1.3
亜鉛mg/100 g0.7
mg/100 g0.33
マンガンmg/100 g
ヨウ素µg/100 g0
セレンµg/100 g13
クロムµg/100 g2
モリブデンµg/100 g5
レチノールµg/100 g0
α-カロテンµg/100 g
β-カロテンµg/100 g
β-クリプトキサンチンµg/100 g
β-カロテン当量µg/100 gTr
レチノール活性当量µg/100 g0
ビタミンDµg/100 g0
α-トコフェロールmg/100 gTr
β-トコフェロールmg/100 g0
γ-トコフェロールmg/100 g0
δ-トコフェロールmg/100 g0
ビタミンKµg/100 g5
ビタミンB1mg/100 g0.21
ビタミンB2mg/100 g0.09
ナイアシンmg/100 g2.1
ビタミンB6mg/100 g0.21
ビタミンB12µg/100 g0
葉酸µg/100 g16
パントテン酸mg/100 g0.5
ビオチンµg/100 g6.5
ビタミンCmg/100 g0
食塩相当量g/100 g0.5
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g
重量変化率%
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

マカダミアナッツの効果・効能

マカダミアナッツに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

オレイン酸が動脈硬化を予防

マカダミアナッツに多く含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らす効果があります。

悪玉コレステロールは、肝臓で作られ血液の流れに乗って全身を巡るコレステロールです。末梢血管などの細い血管では、悪玉コレステロールが詰まってしまうことがあり動脈硬化を引き起こす原因になります。

オレイン酸は脂質代謝に作用し、善玉コレステロールの量を維持して悪玉コレステロールを下げる役割をしています。

ビタミンB1で神経系を維持

ビタミンB1は糖代謝に作用するビタミンB群で、神経系を健康に維持する効果があります。ビタミンB1が欠乏すると、脚気などの神経症状が起こります。

葉酸で貧血予防

ビタミンB群の仲間である葉酸は、血液を作る働きを持ち、不足すると貧血の原因になります。

また、葉酸は動脈硬化を起こす原因となるホモシステインを別の物質に変える働きを持つため、動脈硬化を予防する効果があると考えられています。

カリウムで脳卒中を予防

カリウムはミネラルの1種で、身体のミネラルバランスを整える働きをします。汗や尿と一緒に体外へ出て欠乏することがあります。

マカダミアナッツも他のナッツと同様に、カリウムを多く含む食材です。カリウムを多く摂ると血圧を下げ、脳卒中を予防する効果があります。

マカダミアナッツの食べ方

マカダミアナッツの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

マカダミアナッツの割り方

市販されている殻付きのマカダミアナッツは、殻のままローストされているため割ってそのまま食べられます。

ただし、マカダミアナッツの殻は非常に硬いため、ナッツクラッカーと呼ばれる専用の殻割り器が必要です。ペンチやパイプカッターなどで代用できますが、割ったときに殻が飛ぶことがあるのでケガに注意しましょう。

マカダミアナッツのローストの方法

生のマカダミアナッツを自宅でローストするときは、トースターやオーブンレンジ、フライパンを使用します。

オーブンレンジでローストするときは、トレーにマカダミアナッツが重ならないように並べます。余熱したオーブンに入れ、焦げないように2~3分ごとにトレーを揺らしましょう。8分程度ローストしたら完成です。

オーブントースターでローストするときも同様に、数分ごとに確認して焦げないように注意しましょう。

フライパンでローストする場合も、マカダミアナッツが重ならないように平たく並べます。焦げ付かないように、数分ごとにフライパンを振ります。

マカダミアナッツの食べ方

マカダミアナッツは、クッキーやチョコレート菓子に入れると独特の食感を楽しめます。

お菓子に使うイメージの強いマカダミアナッツですが、実は料理に使うのもおすすめです。細かく砕いてほうれん草や小松菜などの葉物と甘みそ和えにしたり、鶏肉と炒めたりと食感を活かして調理します。

もちろん、ローストしたものに食塩を振るだけでも、おつまみとして美味しく食べられます。

生とローストの栄養素の違い

ローストしたマカダミアナッツを生のものと比べても、含まれる脂質に大きな変化はないことがわかっています。

マカダミアナッツを加熱しても主要成分の脂質には影響はなく、栄養素を損なわずに食べられます。

マカダミアナッツの食べすぎに注意

マカダミアナッツには、タンパク質の一種であるレクチンが含まれています。レクチンは豆類やナッツに含まれ、一般にアクとなる物質です。

生のマカダミアナッツを大量に食べると、下痢や嘔吐などの中毒症状が起こることがあります。レクチンはタンパク質のため熱に弱く、加熱したマカダミアナッツでは問題になりません。

また、マカダミアナッツは他のナッツ類と同様に、アレルギーを起こすこともあります。食べたときに口の中が痒くなったり、蕁麻疹が出たりといった症状に気付いたら、ただちに食べるのをやめましょう。

マカダミアナッツの保存方法

マカダミアナッツの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

マカダミアナッツには脂質が多く含まれるため、酸化により風味が落ちる可能性があります。酸化させないためには、できるだけ空気に触れないようにします。密閉容器に入れて冷蔵庫で保存するとよいでしょう。

パックに入ったマカダミアナッツは、未開封なら6ヶ月~1年程度は保存できます。ただし、開封後はなるべく早く食べきりましょう。開封したら密閉容器に詰め替え、脱酸素剤を入れて保管するのがおすすめです。

生のマカダミアナッツはローストしたものよりも保存期間が短くなり、一般的には2~3ヶ月しか保存できません。

参考文献