ニラの栄養と効果効能・調理法・保存法

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ニラ

ニラの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、ニラに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

ニラとは

ニラ(Chinese chive)は、強い香りを持つネギ属の野菜です。主に葉を食用としますが、つぼみも花ニラとして食べられます。ニラの葉は深い緑色をしていて、長さ30cmほどになる細長く平べったい形です。

ニラの原産地は中国などの東アジアで、3000年以上前から栽培されていたと考えられています。古事記や万葉集にニラが登場していることから、日本でもかなり古くから利用されていたことがわかります。

ニラは1年中出回っていますが、最もおいしく食べられる旬の時期は3~8月。春から夏に出回るニラは、葉が柔らかく香りも強いのが特徴です。

一方、つぼみを食べる花ニラの旬は5~9月ごろと、葉ニラの旬に少し遅れてやってきます。

ニラの品種・種類

ニラの代表的な品種・種類を紹介します。

葉ニラ

緑色の葉を食べる一般的なニラのことを、葉ニラと呼びます。「パワフルグリーンベルト」などの品種が代表的で、βカロテンやカリウムなどを多く含む栄養豊富な種類です。

黄ニラ

黄ニラは、普通のニラを日光に当てないように軟白栽培したもので、葉は淡い黄色をしています。別名「にらもやし」とも呼ばれ、食感は柔らかく甘みがあります。普通の葉ニラより高価ですが、βカロテンなどの栄養素はやや少なめです。

花ニラ

ニラのつぼみと花茎のことを花ニラと呼び、炒め物などにして食べることができます。花ニラは、ビタミンCやビタミンB6を葉ニラより多く含んでいるのが特徴です。

ニラに含まれる成分・栄養素

ニラ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

食品名単位にら 葉 生にら 葉 ゆでにら 葉 油いため花にら 花茎・花らい 生黄にら 葉 生
廃 棄 率%50050
エネルギー(kcal)kcal/100 g2131742718
エネルギー(kJ)kJ/100 g8813031211375
水 分g/100 g92.689.885.891.494
たんぱく質g/100 g1.72.61.91.92.1
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g1.2-1.9-1.4-1.4-1.5
脂 質g/100 g0.30.55.70.20.1
トリアシルグリセロール当量g/100 g-0.1-0.2-5.4-0.1(Tr)
飽和脂肪酸g/100 g-0.04-0.06-0.42-0.02-0.01
一価不飽和脂肪酸g/100 g-0.01-0.01-3.24-0.01(Tr)
多価不飽和脂肪酸g/100 g-0.08-0.14-1.5-0.05-0.03
コレステロールmg/100 gTrTr(Tr)00
炭水化物g/100 g45.74.95.93.3
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g1.7-2.3-2
水溶性食物繊維g/100 g0.50.81.30.50.4
不溶性食物繊維g/100 g2.23.52.22.31.6
食物繊維総量g/100 g2.74.33.52.82
灰 分g/100 g1.11.11.30.60.5
ナトリウムmg/100 g11Tr1Tr
カリウムmg/100 g510400600250180
カルシウムmg/100 g4851482215
マグネシウムmg/100 g1820221511
リンmg/100 g3126384135
mg/100 g0.70.70.80.50.7
亜鉛mg/100 g0.30.30.40.30.2
mg/100 g0.070.090.080.080.07
マンガンmg/100 g0.390.490.460.20.18
ヨウ素µg/100 g1
セレンµg/100 g1
クロムµg/100 g1
モリブデンµg/100 g15
レチノールµg/100 g00000
α-カロテンµg/100 g00200
β-カロテンµg/100 g350044004500110059
β-クリプトキサンチンµg/100 g32304900
β-カロテン当量µg/100 g350044004600110059
レチノール活性当量µg/100 g290370380915
ビタミンDµg/100 g00000
α-トコフェロールmg/100 g2.53.14.110.3
β-トコフェロールmg/100 g00.1000
γ-トコフェロールmg/100 g0.50.73.30.10
δ-トコフェロールmg/100 g000.100
ビタミンKµg/100 g18033022010029
ビタミンB1mg/100 g0.060.040.060.070.05
ビタミンB2mg/100 g0.130.120.160.080.08
ナイアシンmg/100 g0.60.30.80.60.7
ビタミンB6mg/100 g0.160.130.20.170.12
ビタミンB12µg/100 g00000
葉酸µg/100 g1007714012076
パントテン酸mg/100 g0.50.390.590.420.38
ビオチンµg/100 g2.1
ビタミンCmg/100 g1911212315
食塩相当量g/100 g00000
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g0.30.30.4TrTr
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g5.4
有機酸g/100 g
重量変化率%6383
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ニラの効果・効能

ニラに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

疲労回復や風邪予防に効果的なアリシン

硫化アリルの一種であるアリシンは、にんにくやねぎなどに含まれている香気成分で、ニラの強い香りの正体です。

アリシンには、疲労を軽減するビタミンB1の効能を高める作用があることがわかっています。アリシンを豊富に含むニラは、疲れやすいと感じたときや、スタミナが欲しいときにもおすすめの食材です。

また、アリシンには強い殺菌効果もあり、風邪などの感染症予防への効果も期待できます。

アリシンは細胞を壊すことで発生する栄養素なので、ニラを細かく刻んだりペーストにして食べると、疲労回復や風邪予防により効果が見込めます。

βカロテンで生活習慣病を予防

ニラに豊富なβカロテンは、増えすぎると体に有害な働きをする活性酸素を除去・抑制し、動脈硬化などの生活習慣病や老化を予防すると言われている栄養素です。

βカロテンは植物が持つ色素成分で、緑黄色野菜に多く含まれています。ニラ類のなかで最もβカロテンが豊富なのは葉ニラで、含有量は黄ニラの約60倍です。

βカロテンは脂溶性のため、生のニラよりも油で炒めた状態のほうが体に吸収されやすくなります。

ビタミンCが美肌・免疫力アップに効果

ニラにはβカロテン以外の抗酸化物質も豊富で、美肌効果・免疫力向上などの効能が期待できるビタミンCも多く含まれています。

血圧を低下させるカリウム

カリウムを多く含むニラは、高血圧症対策にも効果的な食材です。

必須ミネラルの一種であるカリウムは、細胞の浸透圧を調節し、余分な塩分を体外に排出します。塩分の摂りすぎで起こる高血圧や、むくみの予防・改善が期待できます。

カリウムは野菜やフルーツに多く含まれていますが、ニラに含まれるカリウムの量はレタスの約2.5倍と、野菜のなかでも特に豊富です。

ニラの食べ方

ニラの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

ニラの洗い方

ニラの葉は水に濡れると傷みが早くなるため、水洗いは調理する直前に行いましょう。葉先は流水でサッと洗い流します。根元の部分に土や汚れが溜まっていることが多いので、念入りに洗ってください。

ニラの栄養素を損なわない切り方

ニラの切り方は「ざく切り」「みじん切り」の2つです。料理によって使い分けるのが理想ですが、ニラの栄養素を無駄にしないためには、葉先はざく切りにして根元はみじん切りにするのがおすすめ。

ニラの葉先には、包丁で切ることで流出してしまうビタミン類が多く含まれているため、ビタミンを効率よく摂取したい場合は大きめにざく切りするのがベストです。

一方、ニラの根元に豊富に含まれるアリシンは、細胞が壊されることでより活発に働く成分なので、根元は細かくみじん切りすると、アリシンまで最大限活かすことができます。

ニラの栄養素を効率良く摂取する食べ方

ニラの栄養を効率良く摂取したいときは、豚肉・レバーなどの肉類や油と合わせて料理するのがおすすめです。

ニラに含まれるアリシンには、豚肉やレバーに豊富なビタミンB1の吸収を高める効果があります。ビタミンB1は、皮膚・粘膜の健康維持や脳神経の働きにも関与している栄養素です。

さらに、ニラの葉に含まれるβカロテンには油と一緒に食べると吸収されやすくなる性質があるため、油で炒めて食べるのがおすすめです。

生のニラの食べ方

ニラは、生でも食べられる野菜です。生のまま食べることで、加熱に弱いアリシンや水に溶けやすいビタミン類などの栄養素も取りこぼさずに摂取することができます。

ただし、生のニラは臭いがきつく口臭の原因にもなるので、食べるシーンは選びましょう。また、アリシンを大量に摂ると、強力な殺菌作用により腸内環境を壊してしまう可能性があります。

ニラを生で食べる場合は、適量を心がけてください。

ニラの保存方法

ニラの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

冷蔵保存

ニラの葉は傷みが早いので、冷蔵保存を基本とし、購入してから数日以内に食べきるようにしましょう。

冷蔵庫に入れる際は、葉が折れないように優しくラップで包み、立てた状態にしておくとより長く新鮮に保つことができます。

冷凍保存

ニラを冷凍保存する際は、適度な大きさにカットしてから凍らせると料理にそのまま使えて便利です。カットしたニラは水気をよく拭き取り、密閉できる保存容器に入れて冷凍してください。

参考文献