インフルエンザ予防におすすめの食べ物・飲み物

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栄養素

インフルエンザにかかる原因について解説したうえで、インフルエンザ予防に効果的な栄養素と、それぞれの栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

なお、インフルエンザ発症時におすすめの食べ物・飲み物については下記記事で解説しています。

インフルエンザ発症時におすすめの食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA

インフルエンザにかかる原因

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症で、人から人へ感染します。ウイルスを含む飛沫がくしゃみや咳によって飛び散り、それを吸い込むことで感染する「飛沫感染」が主な感染経路です。

また、ウイルスが浮遊している空気を吸い込むことで感染する「空気感染」や、ウイルスが付着したものや手指を触って感染する「接触感染」もインフルエンザにかかる原因のひとつです。

体内の栄養が不足していたり、十分な睡眠がとれていないために体の抵抗力が弱っているときは、インフルエンザをはじめとした感染症にかかりやすくなります。

インフルエンザの予防には、ワクチンの接種・マスクの着用・手洗い・うがいといった基本的な対策のほか、免疫機能を高める栄養素を含む食材の摂取や、栄養バランスの取れた食事で体の抵抗力を高めておくことも有効です。

インフルエンザ予防に効果的な栄養素

インフルエンザ予防に効果的な栄養素は以下の通りです。

ビタミンD:免疫機能の働きをサポートする

カルシウムの吸収効率を高めて骨を丈夫にするビタミンDには、免疫機能を調節する作用がありインフルエンザなど感染症の予防にも役立ちます。

ビタミンDは、カテリジンという抗菌ペプチドを作らせる機能を持っています。ビタミンDを摂取することで、体内に侵入したインフルエンザや風邪のウイルスを撃退する機能を強めることができます。

ビタミンDは、食品から摂取できるほか、紫外線に当たることで体内でも生成されます。紫外線が弱くなる冬は、体内で生成されるビタミンDが減少して、インフルエンザ感染のリスクも高まります。

そのためビタミンDが作られにくくなる冬季には、積極的に日光浴する・ビタミンDが豊富な食品を食べるなどの対策が必要です。

ビタミンDを多く含む食材は、きのこ類・レバー・魚介類など。その他の食材やおすすめのレシピの詳細については下記記事をご覧ください。

ビタミンDの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ|NANIWA SUPLI MEDIA 

ビタミンA:粘膜のバリア機能を高める

脂溶性ビタミンの一種であるビタミンAには、皮膚・粘膜・眼の細胞を健康に維持する作用があります。ビタミンAは、粘膜のうるおいを保つことでバリア機能を高め、インフルエンザウイルスが体内に侵入するのを防ぎます。

緑黄色野菜や果物に豊富なβカロテンやクリプトキサンチンなどは、体内に取り込まれるとビタミンAに変換される栄養素です。

プロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれるこれらの成分には、ビタミンAと同じくインフルエンザの予防効果が期待できます。

ビタミンAの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ|NANIWA SUPLI MEDIA 

ビタミンC:ウイルスを撃退する白血球の能力を向上させる

ビタミンCは、体内に侵入した細菌やウイルスと戦う白血球の働きを助け、免疫機能を高める作用がある栄養素です。

ビタミンCは通常、白血球に貯蔵されていますが、風邪などが原因で数が減少することがあります。白血球中のビタミンCが不足すると、免疫機能が低下し、インフルエンザウイルスへの抵抗力も弱まります。

ビタミンCは、人間の体内で生成できない栄養素なので、野菜・果物などの食品やサプリメントから補う必要があります。

ビタミンCの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA 

乳酸菌:腸内の免疫細胞を活性化

インフルエンザや風邪のウイルスを撃退する免疫細胞は、その多くが腸内に存在しています。乳酸菌には腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える作用があり、免疫細胞を活性化することで、インフルエンザウイルスに負けない体を作ります。

実際に、乳酸菌を含むヨーグルトの摂取が、人に対するインフルエンザワクチンの効果を増強させたという実験結果も公表されています。

またマウスを使った実験では、乳酸菌の一種である「L.アシドフィルスL-92株」がインフルエンザウイルスへの防御作用を持っていることが証明されました。

乳酸菌の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA 

ムチン:粘膜を健康に保ちウイルスの侵入を防ぐ

鼻や喉の粘膜には、外部から侵入する菌やウイルスから体を防御する作用があります。インフルエンザの感染を防ぐには、粘膜の健康を維持することも大切です。

多糖類の一種であるムチンは、人間の鼻や喉の粘膜にも含まれる成分で、粘膜の働きを高めて菌やウイルスの侵入を防ぎます。

ムチンは、山芋・里芋・納豆・オクラ・なめこなどネバネバした食品に豊富で、食品から摂取することもできます。

インフルエンザ予防におすすめの食べ物・飲み物

インフルエンザ予防に効果的な栄養素を豊富に含む食べ物・飲み物は以下の通りです。

まいたけ

まいたけをはじめとするきのこ類は、免疫機能をサポートするビタミンDが豊富です。日光に当たることでも生成されるビタミンDは、インフルエンザが流行する冬季に特に不足しがちなので、まいたけなどの食品から積極的に摂るようにしましょう。

ビタミンDは、油と共に摂取することで吸収効率がアップするため、まいたけの油炒めや天ぷらなど油を使った料理が、インフルエンザ対策には特に有効と考えられます。

まいたけの流通量が増えるのは10月~1月で、インフルエンザの流行期に手に入りやすいのもポイントです。

さらに、まいたけから抽出されるα-グルカンという栄養素には、免疫力に働きかけてインフルエンザウイルスの増殖を抑える作用があるという実験結果も発表されています。

まいたけの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA 

ニンジン

カロテノイドの一種であるβ-カロテンは、粘膜を強化してインフルエンザウイルスの侵入を予防するビタミンAに体内で変換されるプロビタミンAです。

ニンジンのβカロテン含有量とビタミンAに変換される量(レチノール活性当量)は、野菜や果物のなかでもトップクラス。皮を剥いた中サイズのニンジン1/2本で、1日に必要なビタミンAを摂取できます。

ビタミンAは、レバーなど動物性の食品に豊富ですが、摂りすぎると食欲不振・嘔吐などの症状を起こす可能性があるので注意しましょう。

一方、β-カロテンなどのプロビタミンAは体に必要な分だけビタミンAに変換されるため、過剰摂取の心配がないのがメリットです。

ニンジンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA 

キウイフルーツ

キウイフルーツには、インフルエンザウイルスと戦う白血球の機能を支えるビタミンCが豊富に含まれています。

特に、果肉が黄色い黄肉種のキウイには100gあたり140mgのビタミンCが含まれており、キウイ1個(約100g)で1日に推奨されるビタミンCの摂取量を補えます。インフルエンザ予防として体の抵抗力を高めたいときは、黄肉種のキウイを積極的に食べてみてください。

キウイフルーツのほか、アセロラ・レモンなどのフルーツにもビタミンCが豊富です。

キウイフルーツの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA 

バナナ

肉や魚に豊富なタンパク質は、免疫力の低下を防ぎ、丈夫な体を作るために大切な栄養素です。バナナには、タンパク質を代謝するビタミンB6が豊富に含まれていて、体の抵抗力を維持するのに役立ちます。

バナナは、コンビニでも1本から購入でき、皮を剥くだけで手軽に食べられる果物です。感染症が気になる季節には、デザートや間食にバナナを取り入れてみてください。

また、バナナには睡眠の質を高める効果が期待される必須アミノ酸のトリプトファンが含まれているのもポイント。インフルエンザウイルスを撃退する免疫を維持するには、良質で十分な量の睡眠をとることは不可欠です。

未成熟の青いバナナの発酵粉末に含まれるバナファインという成分にインフルエンザの予防効果があることも人を対象にした実験で実証されています。

バナナの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA 

ヨーグルト

乳酸菌には、免疫細胞が多く存在する腸内環境を整える作用があり、体の抵抗力を高める効果が期待されています。

乳酸菌は、チーズ・味噌・漬け物などの発酵食品に含まれており、手軽に摂取できるヨーグルトは、忙しい毎日の乳酸菌の摂取に特におすすめです。

免疫力増強に効果的なビタミンCを含むキウイフルーツと、ビタミンB6やアミノ酸を含むバナナのヨーグルトスムージーは、インフルエンザの予防に効果が期待できるお手軽メニューとしておすすめ

キウイフルーツやバナナには乳酸菌のエサとなり働きを助ける食物繊維が豊富で、ヨーグルトとの相乗効果で腸内環境を改善する効果もあります。

山芋

山芋のぬめりに含まれるムチンには粘膜や皮膚を保護する作用があり、喉や鼻からインフルエンザウイルスが体内に入るのを防ぎます。

さらに、山芋の一種である長芋に含まれるタンパク質のディオスコリンAには、インフルエンザの感染抑制効果があることが示唆されています。長芋から抽出した液体により、インフルエンザウイルスの損壊がみられたという実験結果も発表されました。

山芋には熱に弱い栄養素が多く含まれるため、インフルエンザの予防効果を期待するなら、とろろやサラダとして生で食べるのがおすすめです。

山芋の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

にんにく

にんにくの香りや辛味のもととなるアリシン(硫化アリル)には強い殺菌作用があり、インフルエンザウイルスへの効果も期待されています。アリシンは、にんにくに特に多く含まれる成分ですが、ねぎ・玉ねぎなどネギ科の野菜にも豊富です。

アリシンは、疲労回復効果や滋養強壮作用があるビタミンB1の働きを高める効果もあり、ウイルスに負けない健康な体を維持するのに大切な成分と言えます。

疲れがたまっているときは免疫力も落ち、インフルエンザや風邪にかかりやすくなります。感染症の流行期には、アリシンを豊富に含むにんにくやねぎを使った料理を積極的に取り入れ、スタミナを付けましょう。

にんにくの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA 

緑茶

インフルエンザを予防したいときの飲み物には、抗菌・抗ウイルス作用のあるカテキンを多く含む緑茶がおすすめです。

緑茶の渋み成分であるカテキンは、さまざまな菌に対して効果を発揮するポリフェノールで、インフルエンザのA型・B型への感染抑制作用も確認されています。

カテキンはペットボトルの緑茶にも含まれているので、インフルエンザの流行期に人の多い場所に出かけるときなどは、こまめに緑茶を飲むように心がけましょう。なお、緑茶をうがいに使用することでも、インフルエンザの予防に有効であると示唆されています。

インフルエンザ予防のために心がけたい生活習慣

インフルエンザにかからないための対策や、体の抵抗力や免疫機能を高める生活習慣は次の通りです。

手洗いを習慣的に行う

ドアノブ・電車のつり革・エレベーターのボタンなど、不特定多数の人が触れる場所にはインフルエンザウイルスが付着している可能性があります。ウイルスが付着したものを触った手指で鼻や口の粘膜に触れると接触感染してしまいます。

手指からのウイルス感染を防ぐためには、不特定多数の人が触れるものに触ったあと・帰宅時・食事の前・料理する前など、こまめに手洗いするようにしましょう。

消毒用アルコールは、インフルエンザウイルスにも効果があります。水が使えず手が洗えないシーンでは、アルコールで手指を消毒するのもインフルエンザ予防に効果的です。

うがいで口内や喉のウイルスを除去する

口内や喉に付着したウイルスからの感染を予防するにはうがいが有効です。水やうがい薬のほか、殺菌作用のあるカテキンが含まれる緑茶を使ったうがいもインフルエンザの予防効果が期待できます。

人混みに行ったあとや、不特定多数の人と会話したあとなどは特に、必ずうがいするようにしましょう。

マスクを着用する

飛沫感染の対策には、物理的に口と鼻を覆うマスクが有効です。マスクには外部からの飛沫を防ぐことに加え、自分に咳やくしゃみの症状があるときにも飛沫が飛び散るのを抑える効果があります。

インフルエンザウイルスは、感染した人の唾液や鼻水などに含まれています。大声での会話や、くしゃみや咳などで飛び散るウイルスを含んだ飛沫から、インフルエンザに感染する可能性があります。

人混みを避ける

インフルエンザにかからないために、人混みは避けるようにしましょう。インフルエンザは無症状の感染者も多いと言われており、流行期に人の多い場所に行くことは感染のリスクを高めます。

満員電車に乗ったり人の多い場所に行かなければならない場合は、ウイルスの飛沫感染を予防するためにマスクを着用しましょう。接触感染を防ぐために、つり革やドアノブになるべく触らないようにすることも効果的です。

こまめに換気する

インフルエンザウイルスを含む空気が漂う密閉された空間では、その場にいる人が空気感染する恐れがあります。複数の人が集まる屋内では、インフルエンザの空気感染を防ぐためこまめに換気するようにしましょう。

換気の目安として、1~2時間に1度は窓やドアを開ける、空調を回すなどして空気を入れ替えてください。

インフルエンザワクチンを接種する

インフルエンザの感染予防および症状の軽減には、インフルエンザワクチンを接種して免疫を獲得することが有効です。

インフルエンザワクチンは、接種の2週間後から効果が出始め、5ヶ月程度は作用が持続します。インフルエンザが流行する12~3月に効果を得るために、10月~12月上旬ごろまでに予防接種を受けるようにしましょう。

インフルエンザワクチンの接種回数は、13歳未満が2回で13歳以上が1回です。

十分な量の質の良い睡眠をとる

睡眠には、体や脳の疲労回復や記憶を定着させる作用のほか、免疫機能を強化する効果もあります。寝不足が続いていたり、質の良い睡眠がとれていなかったりすると免疫がうまく働かなくなり、インフルエンザや風邪にかかりやすくなる可能性があります。

睡眠時間を確保することはもちろん、寝る前にスマートフォンなどの液晶画面を見ない、就寝3時間前までに食事を済ませるなど、質の良い睡眠をとるための工夫もインフルエンザ予防には大切です。

乾燥を防ぐ

インフルエンザは、ウイルスが喉や鼻の粘膜に付着することで感染します。

乾燥により粘膜の働きが鈍ると、ウイルスを体外に排出しにくくなります。加湿器を使って室内の湿度を保ったり、マスクを装着したりして呼吸器の粘膜の乾燥を防ぎましょう。

インフルエンザウイルス自体も高温多湿の環境に弱いため、加湿は人が集まる場所での感染対策にも有効です。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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