喉にいい食べ物・飲み物【風邪・咳が出るときにも】

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Good for the throat food

痛み・咳・声枯れといった喉のトラブルの症状や原因について解説したうえで、喉のトラブルの予防・改善に役立つ喉にいい栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

喉とは

喉は、食べ物の通り道である咽頭(いんとう)と、空気の通り道である喉頭(こうとう)の総称です。医学用語では「咽喉(いんこう)」と呼ばれます。

鼻腔の下から食道・気管の入り口まで存在し、呼吸・嚥下・発声など、人間が生きるうえで大切な役割を担っています。

喉は、全体が粘膜で覆われており、粘膜は粘液で保護されています。外部からの刺激や声の出し過ぎなどにより喉の粘膜が炎症すると、痛み・イガイガ感・腫れ・声枯れ・咳・たんといった症状が現れます。

喉の調子が悪くなる原因

痛みや声枯れなど、喉の調子が悪くなる原因について解説します。

たばこの煙・ほこり・花粉など外部からの刺激

たばこの煙・ほこり・花粉・ハウスダストといった外部からの刺激にさらされることで、粘膜が炎症を起こし、喉に痛みや違和感が生じます。

特に喫煙は、たばこを吸っている本人だけではなく、副流煙による受動喫煙で周りの人の喉にも悪影響を及ぼします。

空気の乾燥

乾燥した空気を吸い込むと、喉の粘膜の水分が不足し、異物やウイルスを外部に排出する繊毛の動きが鈍くなります。その結果、喉に炎症が起こりやすくなり、風邪などの感染症にもかかりすくなってしまいます。

冬場に喉の不調を訴える人が増え、感染症が流行するのは、夏よりも空気が乾燥しているためです。

大声の出し過ぎなど喉や声帯の酷使

大声を出し過ぎたり、カラオケで歌いすぎたりして喉を酷使することも、炎症を引き起こす原因です。

長期的に喉や声帯を酷使し続けていると、声帯ポリープなどの深刻な疾患を引き起こすこともあります。

刺激の強い食べ物・飲み物

辛いものやアルコール類など喉への刺激となる食べ物・飲み物を摂り過ぎると炎症を引き起こします。

アルコール類にいたっては粘膜への直接的な刺激となることはもちろん、お酒を飲んでいつもより大声で喋ることも、喉により大きな負担をかけます。

風邪・インフルエンザなどの感染症

風邪やインフルエンザなどのウイルス性の疾患に感染すると、喉の粘膜が炎症して痛みや声枯れの症状を伴うことがあります。特に喉に強い症状が出る風邪を「喉風邪」と呼ぶこともあります。

また、風邪や咳喘息などによる咳が長く続くと、粘膜へ常に負担がかかっている状態になり喉の炎症が悪化します。

がんなどの疾患が原因の場合も

扁桃腺炎・喉頭がん・咽頭がん・声帯ポリープ・胃食道逆流症などの疾患が、喉の違和感の原因となっている場合もあります。

大声の出し過ぎ・飲酒など、喉への直接的な刺激が思い当たらないのに違和感が続くときは、医療機関を受診して原因を突き止めることが大切です。

喉にいい食べ物・飲み物

喉のトラブルの予防・改善に効果的な、喉にいい食べ物・飲み物について解説します。

生姜:香り成分のジンゲロール・ショウガオールで殺菌

生姜の辛味成分であるジンゲロールやショウガオールには強力な殺菌作用があります。喉の粘膜に、細菌やウイルスが繁殖して炎症を起こしているときには生姜がおすすめです。

また、生姜の辛味成分には血行促進や体を温める作用があり、体の免疫力を維持してウイルスに負けない体づくりを助けるという効果も。

ジンゲロールは生姜の皮付近に多く含まれているため、すりおろしやみじん切りとして皮ごと食べることでより効率的に摂取できます。体を温める効果のあるショウガオールは、加熱することで増加します。

生姜の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

れんこん:消炎作用のあるタンニン・粘膜を保護するムチン

れんこんに多く含まれるタンニンは、殺菌作用や消炎作用がある植物性ポリフェノールの一種です。タンニンの作用は、喉の痛みやイガイガ感の原因となる細菌・ウイルスにも効果が期待できます。

れんこんの粘り成分であるムチンには喉の粘膜に潤いを与えて保護する作用もあります。ムチンは、長芋・里芋・オクラ・納豆・なめこなどネバネバした食材にも含まれています。

さらに、れんこんには免疫機能をサポートするビタミンCも豊富で、喉の不調を引き起こす感染症にかかりにくい体をつくるのにも役立つ食材と言えるでしょう。

れんこんの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

大根:大根おろしが喉の炎症に効果的

大根には、殺菌作用のあるアリルイソチオシアネートという辛味成分が豊富です。

アリルイソチオシアネートは、大根を刻んだりすりおろしたりして細胞が壊れるときに発生します。喉の炎症を抑える目的で大根を食べるなら、大根おろしが最適です。

なお、アリルイソチオシアネートは熱には強いとされるため、温かいドリンクやスープに大根おろしを添加しても良いでしょう。

アリルイソチオシアネートは、わさびやからしなどの香辛料にも含まれていますが、辛味の強い食品は喉への刺激となる恐れがあるため、食べ方には注意が必要です。

大根の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ねぎ・にんにく:殺菌作用のあるアリシンが豊富

ねぎ類やにんにくの香り成分であるアリシンには強力な殺菌作用があり、風邪などの感染症が原因で喉が炎症を起こしている場合におすすめです。

ただし、生のねぎやにんにくには辛味があり、炎症を起こしている粘膜へ刺激を与える可能性があります。喉が痛いときにねぎやにんにくを食べるなら、加熱してから食べるようにしましょう。

ねぎ類に含まれる辛味成分は酸素に触れると増えるため、大きめに切ることで辛味を抑えられます。また、薬味などとして生のねぎを食べるときは、数分間水にさらすと辛味を飛ばすことができます。

ねぎの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

にんにくの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

きんかん:のど飴にも配合されるヘスペリジン

きんかんは、喉のケアに効果的なヘスペリジンという成分を多く含む果物です。ヘスペリジンには、ビタミンCの吸収を助ける作用や毛細血管を強化する作用があり、のど飴にも「喉に優しい成分」として配合されています。

ヘスペリジンは、きんかんの皮に含まれています。旬の時期のきんかんは生のまま皮ごと食べられますが、甘露煮にして食べるのもおすすめです。

きんかんの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

のど飴:高い効果が期待できるのは医薬品・医薬部外品

喉の不調緩和に役立つのど飴は、成分や効能によって「医薬品」「医薬部外品」「食品」の3種類に分けられます。喉の症状が特にひどい時は、有効成分による効果・効能が認められている「医薬品」「医薬部外品」ののど飴を選ぶようにしましょう。

のどの痛みや声枯れに加え、咳・痰などの症状も気になるときは「医薬品」ののど飴がおすすめです。ただし、医薬品はドラッグストアや薬局でしか取り扱っていません。

一方、医薬部外品ののど飴は、医薬品より効き目はおだやかですが、コンビニやスーパーでも入手できるのがメリットです。

はちみつ:市販薬より咳の緩和に効果的

抗酸化作用や抗菌作用のあるはちみつは、喉の痛みや違和感の改善に有効です。はちみつ自体に粘りがあるため、乾燥した粘膜を保湿する効果も期待できます。

はちみつは、咳が出ているときにもおすすめです。2020年8月のイギリス・オックスフォード大学の報告では、はちみつには市販の風邪薬よりも咳を和らげる効果があるとの発表もあります。

喉が痛いときには、はちみつをお湯で溶き、生姜・大根・きんかんなど喉にいい食材をすりおろしたものを混ぜて飲んでみてください。お菓子で喉のケアをしたいときは、はちみつ入りのキャンディもおすすめです。

ただし、はちみつに含まれるボツリヌス菌は、乳児ボツリヌス症の原因となるため、1歳未満の乳児には与えられません。

はちみつの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

緑茶:カテキンの殺菌作用で喉の炎症を予防

緑茶に含まれるポリフェノールのカテキンには殺菌作用があり、喉の粘膜の殺菌や感染症予防に効果が期待できます。

カテキンは、ペットボトルの緑茶にも含まれています。冷たい飲み物や熱い飲み物は喉の粘膜を刺激するため、常温かぬるま湯くらいの温度の緑茶がおすすめです。

ハーブティー:抗炎症作用のあるハーブ

喉の調子が悪いときは、抗炎症作用のあるハーブを用いたハーブティーで喉を潤すのもおすすめです。特に、喉の炎症に効果が期待できるとされるハーブは、ユーカリ・カモミール・エルダーフラワー・タイム・エキナセアなどです。

喉の調子が悪いときに避けたい食べ物・飲み物

喉の調子が悪いときには避けたい、喉に悪い食べ物・飲み物について解説します。

辛い食べ物

香辛料などの刺激物や辛い食品は、喉の粘膜を傷付けて炎症を悪化させます。喉の調子が気になるときは、とうがらしが入った料理や、カレーやエスニック料理などスパイスを多く使った料理を控えるようにしましょう。

炭酸飲料

炭酸飲料は、喉の粘膜への直接的な刺激となるため、喉に痛みや咳の症状があるときには避けたい飲み物です。大きな声で喋ったり、カラオケなどで歌を歌ったりするときは、炭酸の入っていないお茶やジュースを飲むのがおすすめです。

アルコール類

アルコール類に含まれるエタノールは、喉や食道の粘膜に刺激を与えます。特に喉に良くないお酒は、アルコール度数の高いお酒・炭酸の入ったお酒・冷たすぎるお酒などです。

また、利尿作用のあるアルコール類を飲むと脱水状態になりやすく、口や喉が乾くことも喉の痛みやイガイガ感を悪化させる原因となります。

熱すぎる・冷たすぎる食品

喉の状態が悪いときは、熱すぎる・冷たすぎる食品を避けてください。常温か人肌くらいの温度の食べ物・飲み物がおすすめです。

熱すぎる食べ物は、喉の粘膜から水分を奪って乾燥させます。一方、冷たすぎるものが喉を通ると気管が収縮し、むせたり、咳が出やすくなったりします。

喉のトラブルの予防・改善に効果的な生活習慣

喉のトラブルを予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

喉を保湿する

喉のトラブルを予防・軽減するには、喉の潤いを保つことが重要です。喉の粘膜が乾燥すると繊毛の働きが悪くなり、喉が炎症しやすくなったり風邪を引きやすくなったりします。

喉にとって理想的な部屋の湿度は40~60%です。加湿器などで空間の湿度を保つことに加え、マスクをすることや水分をこまめににとることも喉の乾燥予防になります。

喉を冷やさない

首元が冷えると喉の粘膜の繊毛の働きが悪くなり、異物が入り込みやすくなります。外気温の低い冬場や、クーラーの利きすぎた室内では、喉を冷やさない工夫をしましょう

タートルネックなど首元まで覆える服や、マフラーやストールで首元を保護するのが、確実かつ手軽でおすすめです。

歌ったり大声を出したりするのを控える

喉が弱っているときは、カラオケで歌う・大声を出す・長時間喋り続けるなど、声帯を酷使することを控えましょう

腹式呼吸で吐く息にのせて声を出すなど、声帯に負担のかからない声の出し方を心がけるのも有効です。

部屋をこまめに掃除する

ほこり・ダニの死骸・カビ・花粉・ペットの毛などのハウスダストを吸い込むことで、喉の炎症が起こる場合があります。部屋をこまめに掃除することが、喉のトラブルの予防につながります

掃除をする際に舞うほこりを吸い込まないように、マスクをして掃除するとより安心です。

禁煙する

喉の健康にとって、たばこは大敵です。たばこの煙は喉や気管への強い刺激となり、慢性的な咳やたんの症状を引き起こします。喫煙が原因で、声が枯れたり低くなったりする場合もあります。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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