胃もたれの予防・改善におすすめの食べ物・飲み物

370views

indigestion

胃もたれの症状や定義、原因について解説したうえで、胃もたれの予防・改善に役立つ栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

胃もたれとは

胃もたれ(indigestion)とは、食間または食後に胃が重く感じる症状のことを指します。食べ過ぎ・加齢・妊娠・ストレスなどにより、胃の働きが低下することが胃もたれの原因です。

胃に入った食べ物は、胃のぜん動運動により胃液と混ざり消化され、小腸に送られます。胃のぜん動運動は、自律神経でコントロールされていますが、加齢やストレスなどでその働きが悪くなることがあります。

胃の動きが鈍ると食べ物が長時間胃の中にとどまってしまい、胃が重苦しくなったりムカムカ感が生じるのです。

また空腹時に起こる胃もたれは、ストレスなどによる胃酸過多や胃粘膜の荒れが原因と考えられます。

胃もたれの種類と原因

胃もたれは、空腹時に生じるものと食後に生じるものに大きく分けられ、アルコールや妊娠に起因する症状もあります。主な胃もたれの種類と原因は次の通りです。

空腹時の胃もたれ

空腹時の胃もたれは、胃酸が過剰に分泌され胃粘膜が荒れている状態です。通常、胃粘膜は粘液で胃酸から保護されています。しかし、胃酸が増加して粘液と胃酸のバランスが崩れると、胃のむかつきや痛みなどの不快感を生じます。

胃酸過多の主な原因は、ストレスや、胃酸の分泌を促す香辛料などの刺激物の摂りすぎです。

食後の胃もたれ

食後の胃もたれは、食べたものを消化しきれず、胃に食べ物が長時間とどまってしまうことで起こります。食べ過ぎに加え、脂身の多い肉や揚げ物など脂質の多いもの、海藻類や固い野菜など繊維質の多いものも胃に負担をかけます。

また、加齢・ストレス・夏バテなどにより、胃の消化機能が衰えることも食後の胃もたれを引き起こす原因です。

アルコールによる胃もたれ

お酒の飲み過ぎは消化器官にダメージを与え、胃もたれや胸焼けを引き起こします。アルコールには胃酸の分泌を促進する働きがあるうえ、胃酸から胃を守る胃粘膜の機能を壊してしまうことがあります。

高濃度のアルコールを大量に摂取すると、胃の粘膜が血流障害を起こし、腹痛・吐血・血便・嘔吐などの症状が起こる場合もあり、注意が必要です。

妊娠中の胃もたれ

妊娠中に増加する黄体ホルモン(プロゲステロン)には、胃腸の働きを低下させ、胃酸の逆流を防止する筋肉を緩める働きがあります。

妊娠初期には、つわりの一症状として胃もたれを生じることがあります。黄体ホルモンの影響に加え、つわりで食事を摂れず空腹状態が続くことも一因と考えられています。

また、妊娠後期には、大きくなった子宮が胃を下から圧迫することで胃の不快感を感じる妊婦も増加します。妊娠中の胃もたれへの効果的な対策は、消化の悪い食品を避ける、ストレスを減らすことなどです。

逆流性食道炎・胃潰瘍など病気のサインである場合も

胃もたれは、その他の病気の一症状である可能性もあるため、胃の不快感が長く続く場合は速やかに医療機関を受診しましょう。胃もたれを引き起こす可能性のある主な疾患は次の通りです。

  • 胃下垂
  • 逆流性食道炎
  • 胃潰瘍
  • 胃炎
  • 食道カンジダ症
  • 機能性ディスペプシア
  • ヘリコバクターピロリ菌感染症
  • 食道アカラシア

胃もたれの予防・改善におすすめの食べ物・飲み物

胃もたれの予防・改善に効果的な食べ物・飲み物について解説します。

かぶ:糖質の分解を助ける消化酵素のアミラーゼ

かぶ・大根・にんじん・ほうれん草・白菜・キャベツ・じゃがいも・かぼちゃなどは、固い繊維が少なく消化しやすいため、胃もたれが気になるときにおすすめの野菜です。

特にかぶには、消化酵素のアミラーゼ(ジアスターゼ)が豊富に含まれており、胃もたれや胸焼けの解消効果が期待できます。アミラーゼは、でんぷんやグリコーゲンなどの糖質の分解を助ける酵素で、大根や長芋にも含まれています。

アミラーゼは熱に弱いため、胃腸の調子を整えたいときは軽く熱を通す程度に留めるか、生のまま食べるようにしましょう。

かぶを食べる際は、細かくカットするかすりおろすと、より消化しやすくなり胃に負担をかけません。また、大きなかぶより小さなかぶのほうが繊維質が少なく柔らかいことが多いので、消化不良を起こしているときには小かぶがおすすめです。

かぶの栄養と効果効能・調理法・保存|NANIWA SUPLI MEDIA

キャベツ:キャベジンで胃の機能を正常に整える

キャベツに含まれるキャベジン(ビタミンU)には、荒れた胃の粘膜を修復し、胃の機能を正常に整える作用があります。キャベジンはキャベツの絞り汁から発見された成分で、胃への効能から胃腸薬の主成分としても用いられています。

キャベジンは水に溶けやすく、熱に弱い栄養素です。栄養価を最大限に摂取するには、生のまま食べるか、汁ごと食べられるスープや鍋料理がおすすめです。長時間加熱しすぎないように気を付けてください。

また、荒れた胃粘膜に作用するキャベジンは、お酒の飲み過ぎにより生じた二日酔いの胃もたれにも効果的な栄養素です。アルコールで胃腸が弱っているときは、キャベツを食事に取り入れてみてください。

キャベツの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

米やうどんなどの炭水化物:消化に時間がかからず胃に負担をかけない

白米・うどん・食パンなどの脂質の少ない炭水化物は、素早く消化されるため胃もたれしにくい主食です。一方、菓子パン・炒飯・中華麺・パスタなど脂質を多く含む炭水化物は、胃もたれを悪化させる恐れがあるので摂取を控えましょう。

白米のなかでも、水で柔らかく煮たお粥や雑炊が特に胃腸に優しい料理です。手軽に食べられるレトルトパウチのお粥はコンビニでも買えるので、胃の調子が悪いときには菓子パンや炒飯などの代わりに主食として取り入れてみてください。

また、小麦粉が原料のうどんも胃に優しい食材です。消化酵素を含むかぶや大根のすりおろしをトッピングしたり、たまごでとじて食べると、胃に負担をかけず栄養素を摂取できます。胃もたれしているときには、油の多い天ぷらうどんや肉うどんは避けましょう。

米(白米)の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

白身魚:脂肪分が少なく消化しやすい

たら・たい・かれいなどの白身魚は脂肪分が少なく、胃腸の調子が優れないときに適した魚介類です。

注意したいのは白身魚の調理方法で、フライや油炒めなど脂質の多いレシピは避け、煮る・茹でる・蒸す・電子レンジ調理など、なるべく油を使わない方法で調理してください。

また白身魚でも、塩分を多く含む干物は胃腸に負担をかけるので避けましょう。

鶏ささみ:胃もたれには脂身の少ない肉がベスト

胃もたれしているときに肉類を食べるなら、鶏のささみ・鶏むね肉(皮なし)・牛や豚の赤身肉など、脂身の少ない部位を選んでください。

特に脂質の少ないささみは、消化に良く胃腸の負担を最小限に抑えられるため、胃の調子が気になるときにおすすめの食材です。ささみを原料とするサラダチキンなら、コンビニやスーパーで気軽に買うことができます。

なお脂身の少ない鶏肉でも、皮には脂質が多く含まれており胃腸に負担がかかるので、皮は取り除いて食べるようにしましょう。

たまご:消化吸収に優れているのは半熟たまご

たんぱく質やビタミンなど、健康維持に必要な栄養素をバランスよく含んでいるたまごも、胃もたれに効果的な食材のひとつ。

なかでも、半熟たまごが最も消化に良く体に素早く吸収される調理方法です。半熟たまごは、固ゆでたまごや生たまごと比較して、消化時間が1時間~2時間程度短いと言われているので、胃が疲れているときには半熟たまごを積極的に食べると良いでしょう。

半熟たまごはコンビニでも買えるので、うどんや雑炊などのトッピングとして取り入れてみてください。また、たまご豆腐や茶碗蒸しも消化に良い調理方法です。

たまごの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

豆腐:胃に負担をかけない大豆製品

良質なたんぱく質が豊富な大豆製品は、脂質が少なく消化吸収に優れています。特に胃に負担をかけたくないときは、豆腐・豆乳・ひきわり納豆などがおすすめです。

豆腐の消化吸収率は90%以上とも言われており、胃もたれや下痢を起こしているときのたんぱく質摂取に最適。

木綿豆腐と絹ごし豆腐はどちらも消化に優れていますが、脂質や食物繊維がより少ないのは絹ごし豆腐なので、できれば絹ごしを選ぶようにしましょう。

豆腐の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

胃もたれを悪化させないために避けたい食べ物・飲み物

続いて、胃もたれを悪化させないために避けるべき食べ物・飲み物を紹介します。普段から胃もたれが起こりやすい人は、胃もたれ予防に効果的な食べ物を摂取するのに加えて、胃に負担をかける食べ物や飲み物の摂取も控えるようにしましょう。

脂質の多い食材

脂質の多い食材や料理は、胃の中にとどまる時間が長いため、胃もたれの原因となります。胃腸の調子が気になるときは揚げ物や油炒めは避け、煮物や蒸し料理などを選びましょう。

消化に時間がかかる脂身の多い肉も、食べすぎると胃もたれを引き起こします。牛肉・豚バラ肉・鳥皮などは脂を多く含むので避けてください。

魚介類の中では、白身魚よりまぐろやさばなど赤身魚の方が脂質を多く含む傾向があるので、胃もたれしやすい方は食べ過ぎないようにしましょう。また、うなぎやあなごも脂が多いため、注意が必要な食材です。

食物繊維の多い食材

適量なら体に良い効果をもたらす食物繊維も、摂りすぎると胃もたれや消化不良を起こすことがあります。

ごぼう・たけのこ・れんこんなど固い繊維質を多く含む野菜や、海藻類・きのこ類には食物繊維が豊富なので、胃もたれの症状があるときには摂取を控えてください。

胃酸の分泌を促す食材

胃酸が過剰に分泌され胃粘膜を刺激してしまうことも、胃もたれの原因のひとつです。

胃もたれを予防するためには、胃酸分泌を促す効果のある食材を避けましょう。具体的には、唐辛子・わさびなどの香辛料や、酢・梅干し・柑橘類などクエン酸が豊富な酸っぱい食材、にんにく・にらなどの香味野菜です。

また、チョコレートなどの甘いものや、漬物などのしょっぱいものなど味の濃い食品も胃への刺激となるので、胃腸の調子が悪いときには控えてください。

アルコール

アルコール類には、胃酸の分泌を促す効果があると同時に胃の働きを抑える作用があるため、お酒の飲み過ぎは胃もたれの原因となります。

胃の調子が悪いときはお酒を控えるようにしましょう。特に、空腹時の飲酒は胃粘膜への強い刺激となるうえ、酔いもまわりやすくなるため禁物です。

コーヒー・紅茶などカフェイン含有飲料

コーヒー・紅茶・緑茶などの飲料に含まれるカフェインには、胃酸の分泌を促す効果があります。胃粘膜が敏感な方は、カフェインが刺激となり胃もたれや胸焼けを起こしてしまうことがあります。

胃腸の調子が気になるときにはカフェインを含む飲み物は避け、胃の働きを高める白湯や、胃の粘膜を保護する作用を持った牛乳を飲むようにしましょう。

胃もたれの予防・改善に効果的な生活習慣

胃もたれを予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

胃の働きを低下させないよう規則正しい生活を心掛ける

睡眠不足や不規則な生活によって胃の働きが弱まると、消化に時間がかかるようになり胃もたれしやすくなります。

そのため、胃もたれを予防するためには、まずは生活習慣を見直して、内臓の働きを高めることを意識してみましょう。

よく噛んでゆっくり食べる

食材をよく噛んでから飲み込むことで、胃の負担を減らすことができます。早食いも胃もたれを引き起こす原因になるので、ゆっくり時間をかけて食事を摂ることを心がけましょう。

食べ過ぎは胃腸への負担となりますが、よく噛むことで満腹中枢が刺激され、過食を防ぐ効果もあります。

食事は就寝3時間前までに済ませる

就寝中は胃の働きが低下するため、寝る直前に食事を摂ると消化に時間がかかってしまい、翌日に胃もたれしやすくなります。

目安として就寝する3時間前までには食事を済ませるようにして、消化不良による胃もたれを予防しましょう。どうしても寝る直前に食べる必要があるときは、脂質・食物繊維の少ない炭水化物など、消化に優れた食品を選んでください。

参考文献