クエン酸が疲労回復に効果的な理由を徹底解説【摂取目安量やタイミングも】
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クエン酸が疲労回復に効果を発揮する理由について解説します。疲労回復効果をより高めるために守りたい摂取目安量や摂取タイミング、摂取方法や合わせて摂りたい栄養素・食べ物についても解説します。より効果的に疲労回復効果を得たい方はぜひ参考にしてください。
クエン酸とは
クエン酸(citric acid)とは、レモンやオレンジなどの柑橘類、酢や梅干しなどに含まれる酸味成分のことです。癖のない爽やかな酸味を持つことから食品添加物として多用され、原材料表では「酸味料」などと表記されます。
クエン酸は有機酸の仲間で、有機酸にはクエン酸のほかに、酢酸・リンゴ酸・乳酸・酒石酸などが含まれます。いずれも酸味を持っていますが、渋味があるものや苦味のあるものなどその特徴はさまざまです。
漢字では「枸櫞酸」と表記し、枸櫞とはシトロンのことを指します。柑橘類に多く含まれる成分であることからこの名前がつきました。
主な効果・効能はクエン酸サイクルにおける糖質の代謝で、体内の細胞が活動するために不可欠なエネルギー「ATP(アデノシン三リン酸)」を生み出すのに必要な栄養素です。
体によい効果効能を持つほか、水垢やカビなどの日常的な汚れを除去できる安全性の高い洗剤として掃除や洗濯にも用いられます。
クエン酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
クエン酸が疲労回復に効果を発揮する理由
クエン酸が疲労回復に効果を発揮する理由を解説します。
乳酸の分解促進
クエン酸は、筋肉の乳酸濃度を低くする作用が知られています。
実験では、日常生活で疲労感を自覚する健康な人を対象に、クエン酸を2,700mg配合した飲料を1日1回、28日間摂取させたところ、疲労感の軽減、緊張度や退屈度、いらいら感の緩和作用が見られたとのことです。
ミネラルの吸収効率を高めるキレート作用
クエン酸には、ミネラルの生体内での利用効率を高める作用があります。
カルシウムや亜鉛、鉄、マグネシウムといった各種ミネラルは、人体に必須な栄養素であり食品やサプリメントからの十分な摂取が推奨されます。ところが、ミネラルを単体で摂取しても、それらが人の体の中で十分に利用されるとは限りません。
そこでミネラルの吸収効率を高めるのがキレート作用です。キレートとは、ミネラルなどの金属原子と、それらに結合できる分子とが結合した化合物のことで、ミネラルはキレートされることによって体内に吸収されやすくなります。
たとえばカルシウムとクエン酸のキレートでは、そのままでは吸収されにくいカルシウムをクエン酸が包み込むことで、吸収効率を向上させるのです。キレート作用は、活性酸素を抑止しアンチエイジングにもつながります。
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新陳代謝を活発にする
クエン酸は、人をはじめとする生物が活動するために必要なエネルギー・ATPを生み出すクエン酸サイクルの中心となる主幹物質です。クエン酸の補給は、このクエン酸サイクルの活性化につながります。
クエン酸サイクルが正しく回ることで、食品から摂取した糖質や体脂肪がエネルギーに変換されることにもつながり、ダイエット効果や肌のターンオーバー正常化による美肌効果なども期待できるでしょう。
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胃酸分泌を促し食欲増進
クエン酸には、胃の粘膜を刺激して胃酸分泌を促す効果があります。この効果により消化を促進する作用が得られ、食欲増進につながり夏バテなどで食欲がないときにも効果的です。
一方で、空腹時に飲むと胃が荒れることがあるため注意しましょう。
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精神的疲労の軽減
これまでの研究結果の中には、クエン酸の適量の摂取が疲労感の軽減効果をもたらすことを示唆するものが含まれていることも事実です。
一方で、クエン酸の疲労感軽減効果は、精神的疲労に対してのみ認められたとする研究もあります。
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クエン酸を豊富に含む食べ物
クエン酸を豊富に含む食べ物をランキング形式でご紹介します。
全食品中でクエン酸を多く含む食品ランキング
クエン酸を多く含む果実類ランキング
順位 | 食品名 | 成分量100gあたりg |
1 | 果実類/(かんきつ類)/レモン/果汁/生 | 6.5 |
2 | 果実類/うめ/梅干し/塩漬 | 3.4 |
3 | 果実類/(すぐり類)/カシス/冷凍 | 3.3 |
4 | 果実類/(かんきつ類)/レモン/全果/生 | 3 |
5 | 果実類/(かんきつ類)/グレープフルーツ/白肉種/砂じょう/生 | 1.1 |
6 | 果実類/キウイフルーツ/緑肉種/生 | 1 |
7 | 果実類/(かんきつ類)/オレンジ/バレンシア/果実飲料/ストレートジュース | 0.9 |
8 | 果実類/(かんきつ類)/オレンジ/ネーブル/砂じょう/生 | 0.8 |
9 | 果実類/いちご/生 | 0.7 |
10 | 果実類/パインアップル/生 | 0.6 |
クエン酸を多く含む野菜類ランキング
クエン酸を多く含む豆類ランキング
クエン酸を多く含む乳類ランキング
クエン酸のおすすめの摂り方
クエン酸の摂取目安量
クエン酸の1日の摂取量は、厚生労働省では定められていません。
一部の研究によれば、疲労回復を目的としてクエン酸を摂取する場合、1日あたり10~15gの摂取が必要とされています。ただしこれは、あくまでも「乳酸の抑制作用が確認された摂取量」であり、厳密に疲労回復効果が確認される量とは限りません。
また、クエン酸は人体に蓄積しにくいため過剰症の心配はあまりない栄養素ですが、一気かつ大量に摂取すると胃腸に負荷をかける場合もあります。そのため、推奨摂取量にとらわれすぎないように注意しましょう。
クエン酸の摂取タイミング
食品から摂取したクエン酸は人の体に蓄積しにくく、使い切れなかった分は尿として排泄されてしまいます。そのため、まとめて一気に摂取しようとするのではなく、毎日継続的な摂取を心がけることが大切です。
クエン酸の摂取方法
疲労回復を目的としてクエン酸を摂取するなら、1日10~15gを摂取する必要があるという研究結果があります。しかし、クエン酸を最も多く含むレモン果汁でさえ、100gあたり6.5gしか含んでおらず、この量をすべて食品に含まれる天然のクエン酸から摂取するのはなかなか大変です。
そこでお手軽にクエン酸を摂取したい方におすすめなのが粉末状のクエン酸。1包あたりの内容量は製品によってさまざまですが、普段の飲み物に加えるだけで簡単にクエン酸を摂取することができます。水、お茶、ジュース、牛乳などどんな飲み物に加えても問題ありませんので、飲みやすいオリジナルのクエン酸ドリンクを探してみてください。
粉末状のクエン酸が酸っぱすぎて十分に飲めないという場合は、粉末をオブラートに包んで飲む方法もおすすめです。
クエン酸と合わせて摂ると効果的な栄養素
クエン酸と合わせて摂りたい栄養素について解説します。
糖質を一緒に摂ることでエネルギー代謝をさらに促進
クエン酸はエネルギーの代謝を促進する作用がありますが、このとき肝心のエネルギーが不足していてはせっかくのクエン酸の効果も十分に発揮されません。
ご飯やパンなどの炭水化物(糖質)をクエン酸と一緒に摂取して、エネルギー源を確保しましょう。特に、スポーツの後などでエネルギーを消耗している状態のときは、バナナなどの消化吸収の早い食べ物をクエン酸と一緒に食べてください。
糖質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
BCAAで疲労回復をサポート
BCAAも、クエン酸と合わせて摂りたい栄養素のひとつです。BCAAは人の体内で合成できないため、食事からの摂取が必要です。
BCAAはバリン・ロイシン・イソロイシンという3つのアミノ酸の総称で、筋肉を構成する必須アミノ酸の35~40%を占めます。
筋肉のタンパク質分解を抑制する役割をしていて、普段は筋肉中に貯蔵されて運動時にエネルギー変換されるアミノ酸です。筋肉やエネルギー源になる働きから、筋トレやダイエットで注目されています。
またBCAAは、運動後の疲労回復や筋肉痛予防にも効果的です。詳細なメカニズムは解明されていませんが、遅延性筋肉痛や疲労感を軽減するとの報告があります。
筋肉を構成するBCAAを積極的に摂取することで、運動で壊れた筋肉を素早く回復する効果もあると考えられています。
BCAAの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
クエン酸を摂取する際の注意点
クエン酸は人体にあまり蓄積されず排泄物として体外へ出ていくため、過剰症による副作用の心配はほぼありません。
ただし、胃腸の弱い人が摂取すると、胃酸分泌作用によって胃が荒れてしまったり腹部膨満感を引き起こしたりします。疲労回復のためといって過剰に摂取せず、様子を見ながら徐々に摂取量を調整していきましょう。
参考文献
- 疲労をためない手軽な工夫?疲労回復に役立つクエン酸を上手に取りましょう|リポビタン スポーツコラム|大正製薬
- 分岐鎖アミノ酸|日本薬学会
- イソロイシンの糖代謝調節作用と臨床応用の可能性|生化学(PDF)
- 分岐鎖アミノ酸(BCAA)含有飲料摂取が漸増運動負荷中の生体に及ぼす影響について|日本生理人類学会誌(PDF)
- 分岐鎖アミノ酸の摂取が中強度運動時と運動後回復期の脂質代謝に与える効果|北海道大学大学院教育学研究院紀要(PDF)
- Branched-chain amino acid supplementation increases the lactate threshold during an incremental exercise test in trained individuals|J Nutr Sci Vitaminol(PDF)