寒天ダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点

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寒天ダイエットの効果と正しいやり方、継続のコツから注意点までを解説します。寒天ダイエットにチャレンジしたい方はもちろん、すでに寒天ダイエットに取り組んでいるけれど、いまいち成果が出ないとお悩みの方もぜひご覧ください。

寒天ダイエットとは

まず、寒天ダイエットの概要を紹介したうえで、寒天の種類や食べ方を簡単に紹介します。

低カロリーで食物繊維たっぷりのダイエット食材

寒天ダイエットは、ダイエット食材として名高い寒天を使って体重減少を目指す方法です。ヘルシーな寒天を食前や食間に食べることで、無理なく食事の量を減らすことができます。

天草やオゴノリなどの海藻を原料とする寒天は、低カロリーで食物繊維やミネラル類が豊富に含まれています。予防医学の医師が監修した、寒天ダイエットを推奨する書籍が発売されるほど、注目度の高いダイエット方法です。

整腸作用のある食物繊維を多く摂れる寒天ダイエットは、便秘に悩んでいる人からも支持されています。

なお、寒天に含まれる栄養素や調理方法の詳細は以下の記事でも紹介しているので、あわせて参考にしてください。

寒天の栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA

寒天の種類

寒天にはいくつかの種類があります。

粉寒天

粉寒天は、天日干しした寒天を粉状に加工したものです。水に溶けやすく、素早く調理できるのが特徴。計量も簡単で取り扱いやすいため、一般家庭でも広く使われています。

角寒天と比べるとわずかにカロリーが高めですが、同じ分量の水で煮溶かすときは角寒天の半分ほどの使用量で済みます。粉寒天と角寒天のカロリーの違いは、ダイエット中でもあまり気にする必要はないでしょう。

角寒天(棒寒天)

角寒天は、棒状にした加工された昔ながらの寒天です。和菓子の材料などに良く使われています。

ミネラルが豊富なのが特徴で、カルシウムが粉寒天の5倍以上含まれており、むくみに効果的なカリウムも多めです。

糸寒天

糸寒天は、糸状に乾燥させた寒天です。スープやみそ汁に入れたり、水で戻してサラダのトッピングにするなどの使い方ができます。

コリコリした硬めの食感を楽しみたいときにおすすめです。

寒天デザート

寒天にジュースや牛乳、フルーツなどを加えた寒天デザートも人気があります。

寒天ゼリーや牛乳寒天は、スイーツ感覚で食べられるのに食物繊維を摂取できる点がメリット。また、ゼラチンをベースとしたデザート類よりもカロリーが低く、ダイエット中のおやつにおすすめです。

とはいえもちろん、無味の寒天よりはカロリーや糖質が多いため、ダイエット中の食べ過ぎは禁物です。たとえば、牛乳寒天は100gあたり65kcalと、普通の寒天の20倍以上のカロリーを含みます。

寒天ダイエットの効果

寒天がなぜダイエットに向いているかの理由や、寒天に含まれるダイエット効果を高める栄養素について解説します。

カロリーがほとんど含まれない

寒天100gあたりのカロリーは、たった3kcalしかありません。食べる量や食事の満足度はそのままに、総カロリー量を大きく減らすのに理想的な食品です。

寒天ダイエットは、厳しいカロリー制限を行っているときや、摂取カロリーを少しでも抑えて早く痩せたいときに最適でしょう。

寒天と同様にゼリーやプリンの材料として使われるゼラチンと、それぞれの加工品のカロリーを比較してみました。

食品名100gあたりのカロリー
粉寒天160kcal
てんぐさ/寒天3kcal
牛乳寒天61kcal
ゼラチン347kcal
ゼリー(ミルク)103kcal
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)|文部科学省

加工前の粉寒天(160kcal)とゼラチン(347kcal)では、カロリーに2倍以上の差があります。

また、加工品の牛乳寒天(61kcal)とミルクゼリー(103kcal)を比較しても、寒天ベースのほうが40kcalもカロリーが少なめです。ゼラチン入りのデザートを寒天デザートに変更するだけでも、大幅にカロリーオフできることがわかります。

デトックスに効果的な食物繊維が豊富

寒天には、便秘解消効果のある食物繊維がたっぷり含まれています。水で溶かす前の粉寒天100gあたりの食物繊維量は79gと、そのほとんどが食物繊維で構成されていることがわかります。

食物繊維は、腸内環境を改善したり、便のカサを増やしたりして、お通じを改善する栄養素です。食事の量を減らすダイエット中には食物繊維が不足しやすく、便秘に悩まされる人も少なくありません。

寒天を食べ、たまった老廃物や便をすっきり排出させることで、ダイエットの効率を高められるでしょう。妊娠中の便秘予防にもおすすめです。

食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

コレステロールや糖の排出を促す

寒天に豊富な食物繊維には、コレステロールや糖を吸着して体外に排出する作用もあります。

肥満と併発しやすい糖尿病や、悪玉コレステロール値が高い人にとってもうれしい食材です。

ミネラル類も摂取できる

海藻が原料の寒天には、カルシウム・マグネシウム・ヨウ素・カリウムなど、ダイエットをサポートする効果のあるミネラル類が豊富です。

寒天には、骨や歯の健康維持に欠かせないカルシウム、便秘解消に効果が期待できるマグネシウム、新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンの原料であるヨウ素に加え、むくみを緩和するカリウムも含まれています。

カルシウムの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

マグネシウムの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

ヨウ素の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

カリウムの効果効能・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

腹持ちが良い

寒天は低カロリーなわりに食べ応えがあり、腹持ちも良い食品です。寒天の腹持ちが良い理由は、寒天に含まれる食物繊維が胃の中で水分を吸収して膨らむためです。

この腹持ちの良さによって、「食事制限をしている」「食事の量を減らしている」という感覚や空腹感をあまり感じずに、無理なくダイエットを続けられる点も寒天ダイエットのメリットと言えるでしょう。

寒天ダイエットの正しいやり方

寒天ダイエットの正しいやり方や、おすすめの食べ方を解説していきます。

食事の前に食べる

食前に寒天を食べてお腹を膨らませることによって、食べ過ぎを予防できます。ストレスなどが原因で食欲のコントロールがきかなくなり、思うように痩せられない人に特に推奨したい方法です。

水分や食物繊維をたっぷり含んだ寒天を食べておくことで、無理なく暴飲暴食や早食いを防げます。満腹中枢が作用し始めるのにはある程度の時間がかかるため、食事の20~30分前に寒天を食べておくと良いでしょう。

また寒天は、朝・昼・晩のどの食事の前に食べてもかまいませんが、夕食前が最もおすすめなタイミングです。夜は、日中と比べて活動量が少なくエネルギー消費量が減るため、晩ごはんの食べ過ぎは肥満につながりやすいのです。

また、夜遅い時間や寝る前にご飯を食べ過ぎると、胃腸に負担がかかり、睡眠の質が低下する恐れもあります。

以上の理由から、寒天ダイエットにこれからチャレンジする方は、まず夕食の20~30分前に寒天を食べることから始めてみると良いでしょう。

おやつや間食を置き換える

おやつや食後のデザートを寒天に置き換え、カロリーや糖質の摂取量を減らす方法もあります。

ダイエット中の間食はできるだけ控えたいところですが、おやつを食べることがストレス解消や気分転換になる人も多いでしょう。そんなときは、寒天デザートを上手に取り入れてください。

寒天そのもののカロリーが非常に低いため、甘く調味された寒天デザートでも、おやつとしては低カロリーな部類に入ります。たとえば、ゼラチンを原料とするミルクゼリーを牛乳寒天に置き換えるだけでも、40%ほどカロリーを減らせます

ストレス発散の機会が減るのは、精神衛生だけでなくダイエットにもかえって悪影響を及ぼしかねません。寒天デザートで、精神的にも無理のないダイエットを目指しましょう。

早く結果を出したいときはプレーン寒天がおすすめ

寒天ゼリーや牛乳寒天などの食味に優れた寒天デザートで、楽しみながらダイエットに取り組むこともできます。ですが、より早く効果を感じたいときには、寒天を水で溶かしたプレーン寒天が一番です。

プレーンの寒天は、粉寒天または角寒天(棒寒天)を水で煮溶かして作ります。水500~600ccに対し粉寒天なら4g、角寒天なら8gが目安です。プレーン寒天なら1食あたり10kcal以下に抑えられるので、大幅なカロリーカット効果が得られます。

便秘解消には粉寒天を飲み物や料理に入れる

ダイエットの大敵である便秘を解消したいときにおすすめなのは、粉寒天を飲み物や料理に混ぜる方法です。調理の手間なく、手軽に食物繊維を摂取できます。

粉寒天は、寒天の中でも食物繊維を多く含んでいるのが特徴です。あっさりした風味なので、食べ物の味を損なうことなく食物繊維を補えるでしょう。

ただし、空腹感を緩和する目的で寒天をダイエットに取り入れたいときは、粉寒天ではあまり効果が得られません。食べ応えや腹持ちを求めるなら、水で戻したゼリー状の寒天を選んでください。

1日の摂取目安量は180g程度

寒天ダイエットに取り組むとき、1日に食べる寒天の量は水で戻した状態で180gが目安です。180gの寒天のカロリーは約5.4kcalで、食物繊維は約2.7g、カルシウムは約18mg摂取できます。

食物繊維は、多くの日本人にとって不足気味な栄養素で、1日あたり3~4g多く摂取することが厚生労働省より推奨されていますが、寒天180gで3g弱の食物繊維を補えます。

ただし、不足しがちな食物繊維を補えるからといって、寒天を過剰に摂取したり、寒天ばかり食べたりするのはおすすめできません。詳細は「寒天ダイエットの注意点」でも解説しますので、あわせてご確認ください。

寒天ダイエット継続のコツ

寒天ダイエットを無理なく続ける方法やコツを紹介します。

タンパク質が豊富な牛乳寒天を取り入れてもOK

ダイエット食材としては優秀な寒天ですが、栄養価はさほど高くなく、三大栄養素のタンパク質・脂質・糖質やビタミンは補えません。

栄養の偏りや不足を予防するため、栄養豊富な牛乳を寒天で固めた「牛乳寒天」を適宜取り入れるのもおすすめです。牛乳寒天ならタンパク質や脂質といった寒天ダイエットで不足しがちな栄養素も補えますし、プレーン寒天に飽きてしまったとき、味に変化を持たせることもできます。

ただし、牛乳寒天のカロリーは61kcal(100gあたり)と、プレーン寒天と比べると大幅に高くなるので、食べる量には注意してください。牛乳寒天を自宅で作る場合、砂糖を控えめにするなどの工夫も必要です。

高カロリーな味付けやトッピングに注意

寒天そのもののカロリーが低いからと安心して、カロリーや糖が多い調味料やトッピングを使いすぎないように注意してください。ダイエットの成果が出にくくなり、逆に体重が増えてしまうこともあるかもしれません。

寒天の味付けには、脂肪燃焼効果も期待できる果実酢や、ビタミンを補えるフルーツなどがおすすめです。

寒天ダイエットの注意点

最後に、寒天ダイエットに取り組むときの注意点を解説します。

食べ過ぎない

食物繊維が豊富な寒天を食べ過ぎると、体質によっては下痢になる可能性があります。

寒天がダイエットに良い食材だからといって、食べれば食べるほど痩せるわけではありません。一度に大量摂取することはやめ、1日180gを目安に気長に続けましょう。

寒天ばかり食べない

寒天に含まれる栄養素だけでは、人体の健康を維持できません。たとえば寒天には、人体を維持するうえで欠かせない栄養素であるタンパク質がほとんど含まれていません

そのため、寒天ダイエットをする際は寒天だけを食べるのではなく、栄養バランスの良い食事に寒天をプラスするイメージでダイエットに取り組むことが大切です。

タンパク質の持つ機能や、タンパク質の効果的な摂取方法、タンパク質を豊富に含む食品の詳細については下記記事をご覧ください。

タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品 | NANIWA SUPLI MEDIA

参考文献

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