ワキガの予防・改善におすすめの食べ物・飲み物

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ワキガの症状や定義、原因について解説したうえで、ワキガの予防・改善に役立つ栄養素を豊富に含む食べ物や飲み物を紹介します。

ワキガとは

ワキガ(腋臭)とは、アポクリン腺から分泌される汗が原因で、強い臭いを発する体質のことです。医学用語では、腋臭症(えきしゅうしょう)やアポクリン臭汗症と呼ばれます。

ワキガ特有の臭いは、スパイス・ねぎ・硫黄などに例えられることも多く、鼻につく臭いです。アジア人は、欧米人と比べてワキガを発症する割合が低いと言われ、日本人は10人に1人の割合でワキガを発症すると言われています。

汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の2種類があります。体温調節のためにエクリン腺から出る汗は、ほとんどが水分でサラサラしています。エクリン腺の汗は、直接的にはワキガの原因にはなりません。

一方、ワキガの原因となるアポクリン腺から分泌される汗は、脂質やタンパク質といった臭いのもととなる成分を多く含む、粘り気のある汗です。アポクリン腺の多くは腋・乳首・陰部に存在し、もともとはフェロモンの役割を果たしていたともいわれています。

ワキガの症状は、生活習慣の改善やデオドラント用品の使用で改善されるケースも少なくありません。

ただし、自分自身のワキガの臭いが気になり、外出できない・人と話せないなど日常生活に支障をきたしている場合は、医療機関で手術などの治療を受ける選択肢もあります。

ワキガのセルフチェック方法

次のいずれかに当てはまる場合、ワキガである可能性があります。

  • 脇がツンと臭う
  • 耳垢が湿っている
  • 服が黄ばむ
  • 汗っかき
  • 腋や陰部の毛が濃い
  • 両親のどちらか、または両方がワキガ
  • 近親者にワキガの人がいる

ワキガを発症する原因

ワキガを発症する主な原因は次の通りです。

遺伝

ワキガを発症する主な原因は遺伝によるものです。両親が共にワキガの場合は75%以上、片方の親がワキガだと50%以上の確率でワキガを発症すると考えられています。

性ホルモン

ワキガの症状は、アポクリン腺の数や活発さによって変化します。

アポクリン腺の働きを活発にする要素のひとつが性ホルモンです。性ホルモンが盛んに分泌される思春期になると、アポクリン腺が刺激されて臭いが気になり始めます。子供や高齢者のワキガが少ないのは、性ホルモンの影響が少ないためです。

女性の場合、妊娠・出産・生理など、性ホルモンの影響を強く受ける期間に、一時的にワキガの症状が出たり、臭いが強くなったりするケースもみられます。

ワキガの症状が悪化する原因

ワキガの臭いが強くなる原因として考えられるものは次の通りです。

脂質やタンパク質の多い食生活

脂質やタンパク質を多く含む食材ばかりの偏った食生活を続けると、ワキガの臭いがきつくなる場合があります。

高カロリーな食事で皮下脂肪が増えると、脂肪がアポクリン腺や皮脂腺の活動を促進し、ワキガを悪化させる原因にも。

肉類や乳製品などの動物性食品に加え、臭いの強いねぎ類やスパイス類、アルコールにも注意が必要です。

喫煙

たばこの煙には、汗腺を刺激するニコチンや、皮脂の酸化を引き起こす活性酸素が含まれていて、ワキガを悪化させる可能性があります。

喫煙習慣は、ワキガだけでなく、口臭や体臭などあらゆる臭いの原因にもなります。

ストレス・緊張

ストレスを感じたときや緊張したときに出る汗は、体温調節とは関係のない緊張汗(精神性発汗)です。緊張汗は、アポクリン腺から分泌されるタンパク質などを多く含んだ汗で、ワキガ臭の原因となります。

体を不潔にしている

ワキガ臭は、アポクリン腺から出る汗が皮膚常在菌によって分解されるときに生じる臭いです。

アポクリン腺の多く存在する腋や陰部が不潔なままでいると、たまった汗や皮脂に雑菌が繁殖してワキガの臭いがきつくなります。毛が濃い人も、同様に注意が必要です。

ワキガの予防・改善におすすめの栄養素

食事は、ワキガを発症させる直接の原因ではないものの、食生活を見直すことで臭いの強さは改善する場合があります。そのためここからは、ワキガの症状を軽減・解消するのに有効な栄養素を紹介します。

ビタミンA・C・E

ワキガなどの体臭は、皮脂が酸化することで生じます。体の酸化を防ぐ抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eを摂取することは、ワキガの症状にも良い影響が期待できます。

体内に取り込まれると必要な量だけビタミンAに変換されるβ-カロテンも、ワキガ予防に役立つ栄養素です。

ビタミンAの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・おすすめレシピ|NANIWA SUPLI MEDIA

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ポリフェノール

ポリフェノールは、植物に由来する抗酸化物質です。緑茶に含まれるカテキン、柿や茶に含まれるタンニンといった消臭効果や殺菌効果のあるポリフェノールは、特にワキガ対策に有効と言えるでしょう。

ポリフェノールの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ワキガの予防・改善におすすめの食べ物・飲み物

ワキガの予防・改善におすすめの栄養素を豊富に含む食べ物・飲み物について解説します。

緑黄色野菜:皮脂の酸化を防ぐ抗酸化ビタミンが豊富

緑黄色野菜には、抗酸化作用のあるビタミンC・Eや、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンが豊富です。そのため、ワキガ臭を引き起こす皮脂や汗の酸化予防に効果が期待できます。

緑黄色野菜は「カロテンを可食部100g当たり600µg以上以上含む色の濃い野菜」の総称で、ブロッコリー・ほうれん草・かぼちゃ・ニンジンなどが当てはまります。

体臭が気になるときは、緑黄色野菜をふんだんに取り入れた野菜中心の食生活を心がけましょう。

ブロッコリーの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ほうれん草の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

かぼちゃの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ニンジンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

果物:ポリフェノールやビタミンで体臭を抑制

果物には、消臭や殺菌効果が期待できるポリフェノールや、ビタミンC・Eといった抗酸化ビタミンが多く含まれています。

特に、消臭効果のあるポリフェノールが豊富なりんごや、殺菌作用のある有機酸やビタミンを含むレモンがワキガ対策におすすめです。

また、柿に含まれる柿タンニンは、ワキガ対策用のデオドラント用品にも配合されているなど、効果が期待できる成分です。

りんごの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

レモンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

柿の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

大豆製品:植物性タンパク質を摂取できる

動物性の脂肪やタンパク質の摂りすぎがワキガ臭を悪化させる原因のひとつですが、体の健康を維持するために必要な栄養素でもあります。

不足しがちなタンパク質は、植物性タンパク質が豊富な大豆製品から補うのがおすすめです。豆腐や納豆など、毎日の食事に手軽に取り入れられる食材で、ワキガ対策をしながら栄養補給できます。

皮下脂肪がアポクリン腺を活発にするため、ワキガ改善にはダイエットも必要です。カロリーが低く油脂も少ない大豆製品は、ダイエット中の食事にも役立ちます。

豆腐の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

納豆の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

緑茶:消臭効果が認められたカテキンが豊富

緑茶に豊富なポリフェノールのカテキンには、体臭や口臭を消臭する効果があります。また、水分を多く摂ることで汗や尿の量を増やすと老廃物の排出が促され、汗臭改善にも良い影響があります。

以上の理由から、緑茶はワキガの症状が気になるときにおすすめの飲み物です。

ワキガの症状を悪化させる食べ物

ワキガの症状が気になるときに避けたい食べ物は次の通りです。動物性の脂質・タンパク質や、刺激臭のある食品はなるべく控えましょう。

肉類

脂質とタンパク質が豊富な肉類中心の食生活は、ワキガの臭いを強めます。特に、脂身の多い牛肉や豚バラ肉の食べ過ぎには気を付けましょう。

ねぎ・にんにく・にら

ねぎ類・にんにく・にらなど臭いの強い食材を食べると、汗の臭いがきつくなる場合があります。人と会う予定があるときや、スポーツなど汗をたくさんかくシーンの直前には、これらの食材をなるべく避けましょう。

乳製品

牛乳やチーズなどの乳製品には、ワキガの臭いを強める動物性脂肪やタンパク質が多く含まれています。生クリームやバターなど、脂肪分や糖分の多い食材には特に注意が必要です。

油脂や砂糖を多く含む菓子類

ケーキ・チョコレート・ポテトチップスといった菓子類には、ワキガに悪影響のある油脂や砂糖が多く含まれています。

お菓子を食べたいときは、ナッツ・ドライフルーツ・ノンフライの野菜チップス・豆類など、植物性のヘルシーなおやつに置き換えてみましょう。

辛い食べ物

辛い食べ物を食べると汗がたくさん出て、体が臭いやすくなります。発汗作用のあるカプサイシンを含むとうがらしを使った料理や、刺激臭を持つスパイスをふんだんに使ったカレーは注意してください。

アルコール類

アルコールには汗腺を刺激する作用があり、アポクリン腺の働きを活発にする恐れがあります。

アルコールそのものにも臭いがあり、口臭や体臭を強める原因のひとつです。ワキガの症状を改善したいときは、お酒の飲み方を見直してみましょう。

ワキガの予防・改善に効果的な生活習慣

ワキガを予防・改善するために心がけたい食生活や生活習慣について解説します。

体を清潔に保つ

ワキガの臭いは、汗に含まれる成分が、皮膚に存在する常在菌によって分解されるときに発生します。そのため汗をかいたあとは体を清潔にすることを心がけ、臭いを予防しましょう。

人と会う前にはシャワーを浴びる、汗拭きシートで脇の下を拭くなど、常に皮膚を清潔に保つのが効果的です。汗をかいた服をこまめに着替えるのも有効でしょう。

また、腋毛にアポクリン腺から出る汗の成分や雑菌が繁殖し、臭いが増幅するケースもあります。毛が多い場合、剃ったり脱毛したりするのもワキガ予防に効果的です。

運動や入浴で汗をかく

汗腺が刺激されると、汗の質が改善して臭いが軽減する可能性があります。適度な運動・入浴・サウナなどで、積極的に汗をかくこともワキガの対策のひとつです。

また、汗を多くかいて体内の老廃物がスムーズに排出されることで、ワキガの臭いのもととなるタンパク質や脂質の量が減る効果もあります。

綿・麻など吸水性に優れた天然繊維の衣服を選ぶ

ポリエステル・ナイロン・レーヨンなどの化学繊維は、吸水性や通気性が悪く、蒸れやすい素材です。化学繊維の服を着ているときに汗をかくと、服の中が蒸れて雑菌が繁殖し、ワキガの臭いがきつくなることも。

綿・麻などの天然繊維は、化学繊維と比較して吸水性・通気性に優れているため、ワキガの人におすすめの素材です。汗が臭いやすい時は、天然繊維の衣服や下着を選んで蒸れを予防しましょう。

緊張するシーンを減らす

緊張時に出る汗は、臭いのもととなる成分を多く含んだベタベタの汗です。緊張でジワっと汗をかくようなシーンを極力減らすように心がけることが、ワキガ予防に繋がります。

度重なる緊張や極度のストレスは、ワキガ臭を強めるだけでなく、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。仕事や学業で日常的にプレッシャーを感じている人は、ライフスタイルを見直すことから始めてみてください。

禁煙する

たばこに含まれるニコチンには汗腺を刺激する作用があり、ワキガの症状を悪化させる可能性があります。たばこは、口臭や体臭などワキガ以外の臭いも引き起こすため、禁煙は自分自身の臭いが気になるときにマストな対策です。

参考文献

記事の監修

美容作家、評論家、ヨガインストラクター

AYA ARAHARA

ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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