タウリンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法
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タウリンの基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。
タウリンとは
タウリン(taurine)とは、胆汁・肝臓・筋肉に多く含まれるタンパク質の分解産物です。魚介類やイカ・タコのような軟体生物に多く含まれています。
全身でさまざまな機能を果たしますが、胆汁酸と結合してコレステロールを減少させることから、栄養ドリンクやサプリメントとして利用される栄養素です。コレステロールを下げる以外にも、肝機能を高めたり高血圧を予防したりといった効果があります。
タウリンは水溶性の栄養素のため、茹でたり水に漬けたりすると食品から流出してしまいます。タウリンを逃さず摂取したいときは、茹で汁も利用するとよいでしょう。
タウリンの合成に関わるアミノ酸
タウリンの合成には、メチオニンとシステインと呼ばれるアミノ酸が関与します。それぞれの特徴と含有量の多い食品を解説します。
メチオニン
メチオニンは、硫黄を含むアミノ酸の1種です。人間の体内では合成できず、食事から摂取する必要があります。肉類・魚介類・大豆製品・乳製品に多い栄養素です。
含有量の多い食品は次の通りです。
食品名 | 成分量100gあたりmg |
乳類/<牛乳及び乳製品>/(チーズ類)/ナチュラルチーズ/チェダー | 700 |
魚介類/<魚類>/(かつお類)/かつお/春獲り/生 | 700 |
魚介類/<えび・かに類>/(えび類)/くるまえび/養殖/生 | 530 |
豆類/だいず/[全粒・全粒製品]/全粒/黄大豆/国産/乾 | 520 |
魚介類/<貝類>/しじみ/生 | 170 |
システイン
システインは、メチオニンやセリンを材料として、体内で作られるアミノ酸の1種です。肌や毛髪の代謝を担うメラニン色素の合成に関与しています。
食品にはシスチンとして存在しており、以下の食品以外にレバー・羊肉・サケ・ブロッコリーなどにも多く含まれています。
食品名 | 成分量100gあたりmg |
卵類/鶏卵/卵白/乾燥卵白 | 2,500 |
穀類/こむぎ/[その他]/小麦たんぱく/粉末状 | 1,600 |
魚介類/<魚類>/にしん/かずのこ/乾 | 1,600 |
卵類/鶏卵/全卵/乾燥全卵 | 1,200 |
豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分無調整タイプ | 1,100 |
アミノ酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
タウリンの効果・働き
タウリンの効果・効能について解説します。
血中コレステロールを下げる
タウリンの主な働きに、血中コレステロールの低減があります。タウリンと胆汁酸が結合し、コレステロールを消費して減らします。
胆汁酸とは、肝臓でコレステロールから合成される物質です。肝臓で合成された胆汁酸はタウリンやグリシンと結合して、胆汁として十二指腸に分泌され、脂質の吸収を促進します。グリシンとは、コラーゲンを構成するアミノ酸です。
タウリンを多く摂取すると、胆汁酸とより多く結合するため、材料となるコレステロールが消費されて血中コレステロールが減少します。
LDLコレステロール値を下げる食品 | NANIWA SUPLI MEDIA
カテコールアミンに働きかけて血圧を下げる
タウリンには、血圧を下げる作用があることもわかってきました。
そもそも血圧とは、血液を全身に送る目的で血管にかかる圧です。血管内が狭くなったり血管が硬くなったりすると、血圧が上がって高血圧と呼ばれる状態になります。
高血圧になると脳の血管に圧力がかかって切れやすくなり、脳出血を起こしやすくなると考えらえています。
血圧を調節しているのは、副腎から分泌されるカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミン)です。カテコールアミンは、交感神経を刺激して血管を収縮させます。血管が収縮すると、血圧が高くなる仕組みです。
タウリンは、カテコールアミンの分泌を抑制すると考えられており、高血圧の予防に働きます。
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肝臓の機能を向上させる
タウリンの主な働きの1つが、肝臓の解毒作用の促進です。
肝臓では、栄養素の代謝や有害物質の解毒が行われています。肝臓の機能が低下すると、有害物質が血液中にたまって、さまざまな症状を引き起こします。
有害物質の1つ、アンモニアが血中で増加すると、嘔吐や呼吸困難を起こして最終的には意識障害に至るため危険です。
タウリンは肝機能をサポートし、体内で作られた有害物質の排出を促進します。
肝臓にいい食べ物・飲み物・食事方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
疲労回復をサポートする
疲労回復を助けることも、タウリンの働きの1つです。
タウリンのほとんどは筋肉中に分布しており、筋肉の疲労によってたまった原因物質を除去する効果があります。栄養ドリンクにタウリンが多く含まれているのは、疲労回復をサポートするためです。
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目の網膜を保護する
タウリンは筋肉だけでなく、目の網膜にも存在する物質です。
タウリンは網膜で、代謝を促進して目の発達を助けたり、視神経を保護したりしています。網膜の機能が未発達な新生児には欠かせない栄養素で、母乳にも多く含まれています。
また、視神経をサポートする働きから、視力の維持・回復にも効果的な栄養素です。タウリンの働きで代謝が活発になるため、障害を受けた組織の回復に役立ちます。
目に良い食べ物・飲み物と目に良い生活習慣 | NANIWA SUPLI MEDIA
タウリンが不足・欠乏すると起こる症状
タウリンは食品に含有されるだけでなく、体内でアミノ酸から合成される栄養素です。そのため、一般的な食生活を送っていれば、タウリンが不足することはほとんどありません。
動物実験では、タウリン欠乏によって網膜障害や心機能障害を起こすとの報告もあります。しかし、人間で失明や心筋梗塞を起こすとの研究結果はありません。
タウリンを過剰摂取すると起こる副作用
タウリンは過剰摂取しても、尿として体外に排出されやすい栄養素のため、副作用は起こりにくいと考えられています。
ただし、副作用が起こる可能性もあるため、サプリメントや栄養ドリンクの過剰摂取は控えましょう。
タウリンの1日の摂取目安量
研究結果では、1日300mgのタウリン摂取で生活習慣病を予防できると考えられています。
しかしタウリンの1日の摂取目安量は、はっきりと定められていません。
日本人の平均タウリン摂取量は1日100~200mgとの調査結果が出ており、欧米人よりも摂取量の多いことが特徴です。魚介類を多く摂取する食生活が関与していると考えられています。
タウリンを多く含む食品
タウリンを多く含む食品は次の通りです。貝類や軟体生物に多く含まれますが、肉類や乳製品にも比較的多く含有されています。
- しじみ
- 牡蠣
- はまぐり
- ホタテ
- あさり
- サザエ
- イカ
- タコ
しじみの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
あさりの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
タコの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
イカの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
タウリンを効率よく摂取する方法
最後に、タウリンを効率よく摂取する方法について紹介します。
魚介類を積極的に摂取する
タウリンは野菜・果物にはほとんど含まれないため、多く摂取したいときは魚介類を選ぶのがおすすめです。より効率よく摂取したいなら、魚介類のなかでも貝類や軟体生物を摂るようにしましょう。
ダイエットで肉類や魚介類の摂取量が減ると、タウリンの摂取量も少なくなるため、ダイエット中もバランスのよい食事を心がけてください。
調理の際は出汁を利用する
タウリンは水に溶けやすい性質をもっているため、茹でたり水に漬けたりすると栄養素が食品から抜けてしまいます。
タウリンを逃さず摂取するには、味噌汁や煮物など出汁を利用できる調理方法がおすすめです。しじみやあさりの味噌汁、魚の煮物のほかに牡蠣フライもタウリンを効率よく摂取できるでしょう。