あおさの栄養と効果効能・調理法・保存法

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Sea lettuce

あおさの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、あおさに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

あおさとは

あおさは、数種類の海藻(緑藻)の総称です。乾燥させたあおさが乾物として出回っているほか、佃煮の原料や、たこ焼き・お好み焼きなどにトッピングする青のりの材料としても利用されています。

あおさ類には、アオサ科アオサ属に分類される「アオサ」や「アオノリ」といった海藻のほか、ヒトエグサ科ヒトエグサ属の「ヒトエグサ」が含まれています。食品として流通しているあおさの原材料は、多くがヒトエグサです。

ヒトエグサとアオサ科アオサ属の海藻は別種ですが、地域によってはヒトエグサのことを「あおさ」や「青のり」と呼び、アオサ科の海藻を「青のり」と呼ぶなど、区別が曖昧なのが実状です。

あおさの原料となるヒトエグサは、三重県・愛知県・静岡県・徳島県などで養殖され、1月~4月に旬を迎えます。旬の時期に収穫されたあおさは、冷凍・冷蔵の状態で出回ります。乾燥させたあおさは保存期間も長く、1年中流通しています。

沖縄では、あおさのことを「アーサ(アーサー)」と呼び、アーサ汁やアーサ天ぷらなど沖縄料理の具材として使用しています。

あおさと海苔の違い

あおさと海苔は、どちらも海藻を原料とする点では同じですが、海藻の種類が異なります。あおさの原材料が、アオサ科やヒトエグサ科の緑藻であるのに対し、海苔はウシケノリ科アマノリ属の「アサクサノリ」「スサビノリ」といった紅藻類・碧藻類から作られます。

見た目の違いとしては、あおさはフレーク状のまま販売されることが多い一方、海苔は焼き海苔などとして板状に成形されて利用されるケースが大半です。

栄養価の面では、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラル類やヨウ素はあおさの方が豊富ですが、海苔(甘海苔)には鉄・亜鉛・β-カロテン・ビタミン類・葉酸が多く含まれています。食物繊維の含有量はほぼ同じです。

あおさの主な用途は、汁もの・和え物・天ぷらなどの具材や、料理へのトッピングです。海苔は、おにぎりや寿司を巻いたり、ご飯のお供として利用されています。用途に合わせて両者を使い分けることで、栄養素をバランスよく摂取できるでしょう。

海苔の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

あおさに含まれる成分・栄養素

あおさ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。栄養素の含有量を比較するため、用途の似ている青のり(素干し)と甘海苔(干し海苔)も並記しています。

食 品 名単位あおさ 素干しあおのり 素干しあまのり ほしのり
廃 棄 率%000
エネルギーkJ84010351154
kcal201249276
水 分g16.96.58.4
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g16.921.430.7
たんぱく質g22.129.439.4
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g0.43.32.2
コレステロールmg1Tr21
脂質g0.65.23.7
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g0.20.5
g
利用可能炭水化物(質量計)g0.20.4
差引き法による利用可能炭水化物g1815.717.7
***
食物繊維総量g29.135.231.2
糖アルコールg00
炭水化物g41.74138.7
有機酸g
灰分g18.717.89.8
無機質ナトリウムmg39003200610
カリウムmg320025003100
カルシウムmg490750140
マグネシウムmg32001400340
リンmg160390690
mg5.37711
亜鉛mg1.21.63.7
mg0.80.580.62
マンガンmg17132.51
ヨウ素μg220027001400
セレンμg877
クロムμg160395
モリブデンμg231893
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg000
α|カロテンμg30022008800
β|カロテンμg25002000038000
β|クリプトキサンチンμg27811900
β|カロテン当量μg27002100043000
レチノール活性当量μg22017003600
ビタミンDμg000
α-トコフェロールmg1.12.54.3
β-トコフェロールmg000
γ-トコフェロールmg000
δ-トコフェロールmg000
ビタミンKμg532600
ビタミンB1mg0.070.921.21
ビタミンB2mg0.481.662.68
ナイアシンmg106.312
ナイアシン当量mg161420
ビタミンB6mg0.090.50.61
ビタミンB12μg1.33278
葉 酸μg1802701200
パントテン酸mg0.440.570.93
ビ オ チ ンμg317141
ビタミンCmg2562160
アルコールg
食塩相当量g9.98.11.5
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

あおさの効果・効能

あおさに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

骨と歯の健康に欠かせないマグネシウム

マグネシウムは、人体の健康維持に必要な必須ミネラルの一種です。リンやカルシウムと共に骨や歯の形成に寄与しているほか、筋肉の収縮・神経情報の伝達・血圧調整の機能も持っています。

炭水化物(糖質)を代謝するのに必要な酵素の働きを助ける作用もあり、ダイエット中にも大切な栄養素です。

マグネシウムは、海外で一般的な硬水に多く含まれています。マグネシウム含有量の少ない軟水を飲む機会の多い日本人には、不足しやすいミネラルでもあります。

あおさは、海藻類の中でもマグネシウムが豊富で、海苔(甘海苔/干し海苔)の約10倍もの量を含んでいます。マグネシウム不足が気になるときにもおすすめの食材です。

マグネシウムの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

カリウムで高血圧やむくみを解消

あおさに豊富なカリウムは、高血圧やむくみの解消に効果が期待できるミネラルです。カリウムには余分なナトリウムの排出を促す働きがあり、塩分の過剰摂取が引き起こす高血圧・むくみなどのトラブルに有効と考えられます。

あおさは、青のりよりも多くのカリウムを含んでいます。カリウムは水に溶けやすい性質を持っているため、あおさを汁ものの具材とする場合は、スープまで飲み切ることで余さず栄養を摂取できます。

カリウムの効果効能・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

骨格の発達を助けるカルシウム

あおさには、牛乳の約8倍のカルシウムが含まれています。

カルシウムは、骨や歯の主成分で、人体に最も多く含まれるミネラルです。カルシウムが不足すると骨粗しょう症を発症したり、骨折しやすくなったりする恐れがあり、骨と歯の健康維持には欠かせない栄養素です。

骨格が一気に発達する成長期の子どもや、女性ホルモンの関係でカルシウムが不足しやすくなる更年期以降の女性にとっても大切な成分と言えるでしょう。

カルシウムの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

腸内環境を整える食物繊維

あおさをはじめとする海藻類は、食物繊維が豊富です。食物繊維には、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整えたり、腸を刺激して便の排出を促したりといった機能があり、便秘や下痢など腸のトラブル改善に有効です。

整腸作用のほかに、コレステロールや中性脂肪を下げる効果も期待されています。多くの機能を持つ食物繊維ですが、食生活の欧米化が進む現代の日本人にとって不足しやすい成分です。

厚生労働省は、食物繊維の1日の摂取推奨量を成人男性で21g、成人女性で18gと定めており、あおさ100gに含まれる食物繊維はこれを上回る29.1gです。あおさは、一度に多量に食べる食品ではありませんが、スープや卵焼きの具材に少量取り入れるだけでも、1日の食物繊維の摂取量を増やせます。

食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA

新陳代謝を向上させるホルモンの主原料となるヨウ素

ヨウ素(ヨード)はミネラルの一種で、新陳代謝を向上させて体の働きを活発にする甲状腺ホルモンの主原料です。ヨウ素が不足すると甲状腺ホルモンが生成できなくなり、甲状腺の肥大や甲状腺腫といった疾患を発症することがあります。

また、甲状腺ホルモンは、胎児や乳児の骨や脳が正常に発育するためにも必要なホルモンです。そのため、妊娠中・授乳中の女性は、通常時より多くのヨウ素を摂取することが推奨されています。

ヨウ素は、わかめ・ひじき・海苔など海藻類に豊富で、海藻を摂取する機会の多い日本人は不足しにくい栄養素です。とはいえ、普段から海藻を食べる習慣がない人は、あおさなどの海藻類を積極的に食事に取り入れるようにしましょう。

ヨウ素の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

疲労回復やダイエットをサポートするビタミンB群

ビタミンB群は、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ナイアシン・パントテン酸・ビオチン・ビタミンB12・葉酸の8種類の総称です。

体の代謝機能との関わりが深く、疲労回復やダイエットをサポートするほか、貧血や気分の落ち込み、集中力低下も予防・改善する栄養素です。ビタミンB群の栄養素は、豚肉などの動物性食品に豊富ですが、あおさにも多く含まれています。

ビタミンB群の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA

あおさの食べ方

あおさの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

あおさの戻し方(洗い方)

乾燥あおさは、一度水で戻してから料理に使いましょう。海産物であるあおさには、砂利や貝殻などの異物が紛れ込んでいる可能性もあるため、水で戻しつつ軽く洗い流してください。

あおさを戻すには、水をはったボウルにあおさを入れ、1~2分漬けます。手をボウルに入れて軽くゆすり洗いし、異物が浮いてきた場合は取り除きましょう。洗ったあおさは、ざるにあけて水気を絞ったら、そのまま料理に使用できます。

なお、インスタント味噌汁やスープの具材として入っているあおさは、洗わずにそのまま食べられます。

あおさの汁物はスープごと飲む

あおさには、カリウム・水溶性食物繊維・ビタミンCなど水に溶け出しやすい性質を持つ栄養素が含まれています。

これらの栄養素を摂り逃さないために、味噌汁やスープなどの汁物にあおさを入れる場合、具材だけでなく汁ごと飲み干すのがおすすめです。

カルシウムを効率よく摂取するならあおさ入りたまご焼きがおすすめ

あおさに豊富なカルシウムは、ビタミンDと一緒に摂取することで腸からの吸収率を高めることができます。ビタミンDは、レバー・魚類・たまご・きのこ類などに多く含まれています。

そのため、あおさをたまご焼きに入れることで、風味がアップするだけでなくカルシウムも効率よく摂取することができます。骨が発達する成長期の子どものお弁当などにも、ぜひ取り入れてみてください。

塩分の過剰摂取には注意

ミネラルやビタミンといった栄養素が豊富なあおさですが、塩分も多く含まれている点には注意が必要です。あおさ100gあたりのナトリウム含有量は3900mgと、他の海藻類と比較しても多め。

高血圧や腎臓疾患などの持病があり、減塩の食事が求められる方は、あおさを大量に食べ過ぎないように注意しましょう。

あおさの保存方法

あおさの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

乾燥あおさは常温保存または冷蔵保存する

乾燥させた状態のあおさは、他の乾物類と同じく高温多湿と直射日光を避けた常温の環境で保存できます。ただし、開封したての風味を長く楽しみたいときや、暑い季節には冷蔵庫で保存すると安心です。

湿気に弱い乾物なので、使用後には袋の口をしっかり閉め、なるべく空気に触れさせないようにしましょう。乾燥剤を使用したり、ジップ付き袋など密閉できる容器に二重に入れるのもおすすめです。

生あおさは冷凍保存がおすすめ

生のあおさは、2日~3日で使い切れる場合は冷蔵保存し、長期間保存したい場合は冷凍しましょう。もともと冷凍した状態で販売されている生あおさも多くあります。

生のあおさを冷凍する場合、1食分ずつ分けて凍らせておくと、使用するときに便利です。冷凍あおさは、解凍せずにそのまま料理に使えます。冷凍したあおさは、1ヶ月を目安に使い切りましょう

参考文献