インフルエンザ発症時におすすめの食べ物・飲み物
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インフルエンザの症状の特徴を解説したうえで、諸症状を和らげる栄養素と、それぞれの栄養素を豊富に含むインフルエンザ発症時におすすめの食べ物や飲み物を紹介します。
インフルエンザの症状の特徴
インフルエンザは、インフルエンザウイルスにかかることで起こる感染症です。
インフルエンザは一般的な風邪よりも症状が重くなることが多く、肺炎・脳症など合併症のリスクも高いと言われる危険な病気です。
特に、幼児・高齢者・妊婦・基礎疾患のある人など抵抗力が弱い人ほど重症化しやすいため、ワクチン接種をはじめ、手洗いうがいなどの感染対策をしっかり行う必要があります。
インフルエンザのウイルスにはA型・B型・C型・D型の4種類があり、ヒトの間で季節的に流行するのはA型・B型のウイルスです。高温多湿に弱いインフルエンザウイルスは、気温が下がり空気が乾燥する12~3月の冬季に活発化します。
インフルエンザにかかると、突然38度以上の高熱が出たり、全身の倦怠感・食欲不振・筋肉痛・関節痛などの全身症状が現れます。これらの急激な全身症状は、普通の風邪にはあまり見られず、インフルエンザに特徴的な症状です。
全身症状に少し遅れて、咳・鼻水などの呼吸器症状や、人によっては下痢・吐き気など消化器の症状が出ることがあります。
また、インフルエンザにかかると、食べ物の味を感じにくくなる、苦い味だけを強く感じるようになる、などの味覚障害や嗅覚障害を生じることもあります。
インフルエンザの症状を和らげる栄養素
以下の栄養素を摂取することで、インフルエンザの症状を和らげる効果が期待できます。
ミネラル
インフルエンザの特徴的な症状のひとつが、38度を超える高熱です。熱が出て汗を大量にかくと、汗と共に体内のミネラル分が排出されてしまい、健康が損なわれる可能性があります。
インフルエンザで高熱が出て汗をたくさんかいたときは水分を補給すると共に、ナトリウム・カリウム・マグネシウム・亜鉛などの必須ミネラル類を食品や飲料から補うようにしましょう。
ビタミン
汗を大量にかくことで、水分やミネラルと共にビタミンも失われてしまいます。ビタミン類には体の回復を早める効果があるため、インフルエンザの症状が出ているときは積極的に摂取してください。
特に、体のエネルギーとなる糖質を代謝して疲労回復を促進するビタミンB群・弱った喉や鼻の粘膜の機能を回復させるビタミンA・免疫力を高めるビタミンCが、インフルエンザの諸症状に効果的と考えられます。
ビタミンB群の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
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タンパク質
タンパク質は、筋肉・血液・骨の材料となる栄養素で、ウイルスや細菌が侵入するのを防ぐ免疫物質を作り出す働きがあります。
肉・魚・大豆製品など良質なタンパク質を多く含む食材を摂取することで、体の免疫機能を正常にしインフルエンザの症状を和らげる効果が期待できます。
タンパク質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA
インフルエンザ発症時におすすめの食べ物・飲み物
インフルエンザの症状を和らげる栄養素が豊富な、インフルエンザ発症時におすすめの食べ物・飲み物を紹介します。
なおここで紹介するのは食欲があるときに推奨する食品であり、高熱や全身倦怠感があり食欲がないときに無理して食べる必要はありません。
食欲が出ないときは、スポーツドリンク・経口補水液やゼリー飲料などで水分補給すると共にビタミン・ミネラルなどの栄養素を補いましょう。
緑黄色野菜:粘膜を保護するβ-カロテン(プロビタミンA)
ニンジンやほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜には、体内に取り込まれることでビタミンAに変換されるプロビタミンAのβ-カロテンが多く含まれています。ビタミンAは粘膜を保護する作用のある栄養素で、インフルエンザでダメージを受けた鼻や喉の粘膜の修復を助けます。
さらに、緑黄色野菜にはβ-カロテンのほかにも、ミネラル・ビタミン・食物繊維など体の健康を助ける栄養素がバランスよく含まれています。
緑黄色野菜は、根菜などと比較して消化に優れていて胃腸への負担が少ないのもポイント。緑黄色野菜を柔らかく煮込んだ野菜スープは、インフルエンザで消化器が弱っているときにおすすめのレシピです。
ニンジンの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
ほうれん草の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
ブロッコリーの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
バナナ:消化に優れた栄養豊富な果物
バナナは、消化吸収に優れているうえ、ミネラルや糖質などの栄養素が豊富なため、体力が落ちているインフルエンザのときにおすすめの果物です。免疫力を高めるタンパク質も、フルーツとしては比較的多く含んでいます。
皮を剥くだけで食べられるバナナは、料理をする元気がないときでも手軽に食べることができます。大抵のコンビニやスーパーで買え、手に入りやすいのもポイントです。
みかんなどの柑橘類には免疫力を高めるビタミンCが豊富ですが、酸味が喉への刺激となる可能性があるうえ、消化にもあまりよくありません。柑橘類は、インフルエンザの症状がある程度回復してから食べるようにしましょう。
バナナの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
たまご:弱った体へ効率的に栄養素を補給できる
栄養の豊富さから「完全栄養食」とも呼ばれるたまごは、体が弱っているインフルエンザのときに摂りたいミネラル・ビタミン・タンパク質などの栄養素を余さず含んだ食材です。
たまごは、胃腸で素早く消化吸収されるため、消化器に負担をかけずに効率的に栄養素を摂ることができ、体の回復を早めます。特に消化に良いのは、半熟たまご・茶碗蒸し・たまごとじ料理などです。
たまごの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
お粥:消化器の症状があるときにおすすめの主食
インフルエンザでは、下痢や吐き気など消化器の症状を伴うこともあります。インフルエンザによりお腹の調子が乱れているときや食欲がないときの主食には、消化に優れたお粥が最適です。
お粥の材料となる米(白米)自体も消化の良い食材ですが、水で煮込んでお粥にすることで、吸収効率が高まります。ミネラルなどの栄養素を補うため、たまごを加えてたまごがゆにするのもおすすめです。
お粥を作る元気がないときには、コンビニで買えるレトルトタイプのお粥も活用してみてください。
米(白米)の栄養と効果効能・調理法・保存法 |NANIWA SUPLI MEDIA
豆腐:免疫機能をサポートするタンパク質とビタミンB群
豆腐には、インフルエンザによって弱った免疫力を高めるタンパク質やビタミンB群が豊富に含まれています。脂質や硬い繊維が少ないため、胃腸に負担をかけずに栄養素を補給することができます。
インフルエンザで食欲が出ないときには、湯豆腐など柔らかく薄味の料理を無理のない範囲で食べてみてください。
豆腐の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA
スポーツドリンク・経口補水液:発汗で失われたミネラルやビタミンを補給
インフルエンザの高熱による発汗・下痢・嘔吐で脱水状態になってしまう可能性があります。インフルエンザに罹患したときは、水分補給を意識して行いましょう。
汗をかいたり下痢をすると水分だけでなく体内のミネラルやビタミンなども失われるため、インフルエンザ時の水分補給には水よりスポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。
インフルエンザによる脱水症状を予防するため、食欲が出ないときにもスポーツドリンクや経口補水液は積極的に飲むようにしてください。
インフルエンザ発症時に避けるべき食べ物・飲み物
インフルエンザにかかっているときは、胃腸などの臓器も弱っています。脂質・食物繊維が多いものや香辛料など刺激の強い食品は、胃腸に負担をかけるため避けてください。
インフルエンザ発症時に避けるべき代表的な食べ物・飲み物は以下の通りです。
- 脂肪分の多い肉類(牛肉・豚バラ肉・鶏皮など)
- 揚げ物
- イカ・タコなどの魚介類
- ごぼう
- れんこん
- タケノコ
- とうがらし
- 海藻類
- 柑橘類
- コーヒー
- アルコール類
インフルエンザ予防におすすめの食べ物はこちら
インフルエンザは、人から人への強い感染力を持つウイルスです。インフルエンザにかかると会社での勤務停止や学校での出席停止などを余儀なくされ、社会活動にも大きな影響が出ます。
インフルエンザにかからないためには、免疫力を高める栄養素が豊富な食材を意識して摂ることと、栄養バランスの良い食事で体調を整えておくことが大切です。
インフルエンザ予防におすすめの栄養素と、それぞれの栄養素を多く含む食べ物・飲み物は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
インフルエンザ予防におすすめの食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA
参考文献
- 健康・医療インフルエンザ(総合ページ)|厚生労働省
- 【医師監修】インフルエンザ時の食事、どうする?おすすめの食べ物や食事の工夫|Medical Note
- 胃腸の調子が悪い時の食事|東京都病院経営本部
- ミネラル | e-ヘルスネット(厚生労働省)
- ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 厚生労働省eJIM | ビタミンA | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 一般の方へ
- たんぱく質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
記事の監修
AYA ARAHARA
ヨガインストラクター。
ホテル、外資系化粧品メーカー、美容業の広報/PRとして業務を経て、アロマテラピーや美容業界の実用書等の、編集・執筆活動のほか、ライフワークとしてヨガインストラクターとしても活動している。
近著としては、「ママになっても美しい人の食事術」(PHP研究所)編集協力、「枯れないからだ」(河出書房新社)編集協力など多数。最新作は「寝る前5分の新習慣! 極上の眠りに導く安眠ヨガ」が好評発売中!
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