カルニチンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法
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カルニチンの基本情報、種類、効果・働き、過剰摂取による影響、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。
カルニチンとは
カルニチン(carnitine)とは、アミノ酸から合成されるアミノ酸誘導体の1つです。アミノ酸に分類されると誤解されますが、カルニチンはアミノ酸ではありません。アミノ酸由来の栄養素との位置付けです。
カルニチンは、アミノ酸のリジンとメチオニンから体内で合成されます。カルニチンの合成にはリジンとメチオニン以外にも、ビタミンB6やナイアシンが関わっています。
カルニチンは、脂質からのエネルギー産生や、体内で生成された有害物質の除去に関与する物質です。
健康な成人ではカルニチンが不足することはまれですが、疾患や未熟児などでは合成量が不足するケースもあります。そのため、カルニチンは条件付きの必須栄養素とも呼ばれます。
カルニチンの効果・働き
カルニチンの効果・効能について解説します。
エネルギーを産生して運動をサポート
カルニチンは脂質代謝を促進し、エネルギーを産生します。エネルギーは身体を動かしたり、内臓機能を維持したりするときに必要不可欠な物質です。
脂質1gは、約9kcalのエネルギーへと変換されます。これはタンパク質や糖質の約2倍のエネルギー量です。
食品から効率よくエネルギーを作り出すために、カルニチンは重要な役割を果たします。
脂肪燃焼を促進する
前述のとおり、カルニチンは脂質を代謝してエネルギーを産生します。ダイエットや筋トレ中で、脂肪燃焼を促進したいときに役立つ栄養素です。
体内に脂質が吸収されると、脂肪酸へと分解されますが、エネルギー源として利用されずに体内に蓄積すると体脂肪の原因になります。
カルニチンは、脂肪酸を回収して細胞内にあるミトコンドリアへと運び、β-酸化と呼ばれる脂質代謝へと導きます。脂肪酸を体内に蓄積させないために、カルニチンの働きが必要です。
脂肪を燃焼する食べ物・飲み物|NANIWA SUPLI MEDIA
有害物質を除去して疲労回復を促進
カルニチンは、体内の有害物質を除去して疲労回復を促進する効果のある栄養素です。
体内ではさまざまな反応が起こっており、その過程で有害物質も生成されます。有害物質の蓄積は疲労の原因となります。
カルニチンはミトコンドリア内の有害物質を外に運び出し、体内への蓄積を防いでいます。
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男性不妊症の改善
カルニチンは、男性不妊症の改善に効果があると考えられている物質です。
精液にはカルニチンが含まれており、精液中のカルニチン含有量は精子数・運動率との関係が示唆されています。また、カルニチンの補充により、精子の質が改善されたとの報告もあります。
ただしカルニチンの摂取は、必ずしも男性不妊症に効果的との研究報告はありません。摂取によって、精子の質改善につながるかは検討の余地があります。
カルニチンを過剰摂取すると起こる副作用
カルニチンを過剰摂取すると起こる症状は次の通りです。
- 吐き気・嘔吐
- 腹部痙攣
- 下痢
- 体臭
カルニチンの1日の摂取目安量
カルニチンは、肝臓や腎臓で合成されるリジンやメチオニンから作られるアミノ酸誘導体のため、食事から摂取する必要はないと考えられています。
そのため、1日の推奨摂取量は定められていません。しかし、カルニチン含有サプリメントを1日約3g摂取すると副作用が生じるケースもあります。
カルニチンを多く含む食品
カルニチンを多く含む食品は次の通りです。
食品名 | 成分量mg |
牛ステーキ(加熱調理)約113g | 56~162 |
牛ひき肉(加熱調理)約113g | 87~99 |
牛乳(成分無調整)240ml | 8 |
タラ(加熱調理)約113g | 4~7 |
鶏むね肉(加熱調理)約113g | 3~5 |
アイスクリーム1/2カップ | 3 |
チェダーチーズ約57g | 2 |
全粒小麦粉のパン2切れ | 0.2 |
アスパラガス(加熱調理)120ml | 0.1 |
カルニチンは、肉類や魚介類などの動物性食品に多く含まれています。とくに、牛肉に多い栄養素です。
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カルニチンを効率よく摂取する方法
カルニチンを効率よく利用するために必要な栄養素は、リジン・メチオニン・ビタミンB6・ナイアシンです。それぞれの働きと多く含む食品を紹介します。
リジン
リジンは、リシンとも呼ばれる必須アミノ酸の1種です。必須アミノ酸は体内で合成できず、食事から摂取する必要があります。
カルニチンはリジンから作られる物質のため、リジンがないと必要量が不足します。
リジンは肝機能の向上や成長促進に関与し、豆類や肉類、魚介類に多く含まれる栄養素です。
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メチオニン
メチオニンも、リジンと同じ必須アミノ酸の仲間です。
炎症作用に関与するヒスタミンの働きを抑制し、抗炎症作用をサポートします。また、抗うつ作用や抗酸化作用ももっています。カルニチン合成の材料として、必要な栄養素です。
メチオニンは、肉類・魚介類・豆類・乳製品に多く含まれます。
ビタミンB6
ビタミンB6は、補酵素として脂質代謝に関与するビタミンB群の1つです。
カルニチンの合成にもビタミンB6は欠かせない栄養素で、合成時の酵素反応に関わっています。
ビタミンB6を多く含む食品は、次のとおりです。
順位 | 食品名 | 成分量100gあたりmg |
1 | 野菜類/とうがらし/果実/乾 | 3.81 |
2 | 穀類/こめ/[その他]/米ぬか | 3.27 |
3 | 調味料及び香辛料類/<香辛料類>/にんにく/ガーリックパウダー/食塩添加 | 2.32 |
3 | 調味料及び香辛料類/<香辛料類>/にんにく/ガーリックパウダー/食塩無添加 | 2.32 |
5 | 野菜類/(にんにく類)/にんにく/りん茎/油いため | 1.80 |
ビタミンB6の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA
ナイアシン
ナイアシンも、カルニチン合成に関与する栄養素です。ニコチン酸ビタミンの略称で、ビタミンB群に分類されます。
酵素の補酵素として代謝を促進し、エネルギー産生に関与しています。
ナイアシンを多く含む食品は、次のとおりです。
順位 | 食品名 | 成分量100gあたりmg |
1 | きのこ類/まいたけ/乾 | 64.1 |
2 | 魚介類/<魚類>/(たら類)/すけとうだら/たらこ/焼き | 56.9 |
3 | 魚介類/<魚類>/(たら類)/すけとうだら/たらこ/生 | 49.5 |
4 | し好飲料類/<コーヒー・ココア類>/コーヒー/インスタントコーヒー | 47.0 |
5 | 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/かつお節 | 45.0 |
ナイアシンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA