バナナの便秘解消・便秘予防効果を徹底解説【悪化する理由も】
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便秘解消や便秘予防効果で注目されるバナナの栄養や効果について解説します。便秘改善に正しく効果を発揮するために守りたい摂取目安量やおすすめの食べ方なども解説するので、便秘にお悩みの方は参考にしてください。
バナナとは
バナナ(Banana)は、バショウ科バショウ属の植物で、実が食べられます。トロピカルフルーツに分類されますが、日本で最もポピュラーな果物のひとつです。
バナナの特徴は、ビタミン・ミネラル・食物繊維など、現代人の食生活で不足しがちな栄養を網羅していること。また、皮を手で剥いて食べられる手軽さや、コンビニでも購入できる入手のしやすさも人気の秘訣でしょう。
豊富な栄養素の中でも、食物繊維・オリゴ糖・マグネシウムなど、腸の働きを整えてお通じを良くする成分が多いことから、便秘解消効果のあるフルーツとして注目されています。
果肉が柔らかく消化吸収に優れたバナナは、妊娠中の便通の乱れや、赤ちゃんの便秘改善にも役立ちます。乳幼児には、生後5~6ヶ月の離乳食初期からバナナを与えられます。
甘みが強く高カロリーなイメージも強いバナナですが、1本(100g)あたり93kcalと意外とヘルシー。ダイエット中にもうれしい食べ物です。
便秘解消以外のバナナの効果効能や栄養素のほか、朝にバナナを食べるだけの「朝バナナダイエット」の詳細は、以下の記事を参考にしてください。
バナナの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA
朝バナナダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点 | NANIWA SUPLI MEDIA
バナナが便秘改善に効果を発揮する理由
バナナがなぜ便秘改善に効果的なのか、その理由を解説していきます。
お通じを助ける不溶性食物繊維が豊富
便秘を予防するうえで不可欠な成分といえば、食物繊維です。食物繊維は、胃腸で消化されずに大腸まで届く栄養素で、人体にとって多くの作用を持つことから「第6の栄養素」とも呼ばれます。
不溶性食物繊維・水溶性食物繊維の2種類に大きく分けられ、便秘改善には「不溶性2:水溶性1」の割合で摂取するのが理想的です。
バナナ1本(100g)から、1.1g(不溶性1.0g、水溶性0.1g)の食物繊維が摂取できます。バランスは偏っているものの、バナナに多い不溶性食物繊維には、腸のぜん動運動を活発にし、便のカサを増やして排便をスムーズにする効果があります。
お腹の動きが鈍ることで起こる弛緩性便秘や、便が硬くなって出にくいときにバナナが活躍するでしょう。
食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
腸内環境を整えるレジスタントスターチ
バナナには、食物繊維と同様に腸内環境を改善する効果が期待されるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が含まれています。
レジスタントスターチは、小腸で消化吸収されずに大腸まで届き、腸内細菌の栄養となる炭水化物です。熟す前の青みのあるバナナに多く含まれている成分なので、便秘のときは、若いバナナやグリーンバナナも取り入れてみましょう。
オリゴ糖でお腹の調子が整う
オリゴ糖が含まれていることも、バナナが便秘解消に良い理由です。オリゴ糖には、ビフィズス菌など腸に住む善玉菌のエサとなり、それらを増やす効果があります。
腸内環境が悪化する原因は、偏った食事や生活習慣の乱れ、飲酒、喫煙、ストレスなどさまざまです。オリゴ糖が豊富なバナナは、お腹の調子が優れないときに活躍します。
オリゴ糖の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
便を軟らかくするマグネシウム
マグネシウムは、筋肉の収縮や神経情報の伝達、血圧の調整などに関わるミネラルです。便に水分を与えて軟らかくする効果があり、非刺激性の便秘薬には「酸化マグネシウム」が用いられています。
バナナは、果物の中でも突出して多くのマグネシウムを含んでいます。代表的なフルーツ100gあたりのマグネシウム含有量は次の通りです。
食品名 | マグネシウム含有量(mg) |
バナナ | 32 |
もも(白肉種) | 7 |
りんご(皮なし) | 3 |
温州みかん | 11 |
バナナには、温州みかんの約3倍、りんごの約10倍のマグネシウムが含まれています。マグネシウムには水に溶けやすい性質がありますが、バナナなら水洗いせずそのまま食べられることもポイントです。
なお、マグネシウムを過剰に摂取すると下痢などの副作用が生じることがわかっていますが、厚生労働省が定める1日の摂取目安量は、成人男性で320~370mg、成人女性で260~290mgです。バナナ1本に含まれるマグネシウムはおよそ32mgなので、1~2本食べるだけで過剰症を心配する必要はないでしょう。
偏った食生活や水分不足などで便が硬くなってしまっているときには、マグネシウムが豊富なバナナを取り入れてみてください。
マグネシウムの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA
バナナで便秘が悪化する理由
バナナは、食べ方や便秘の種類によっては、逆に便を出にくくしてしまう恐れがあります。バナナを食べて便秘が悪化する理由を解説します。
冷えが原因の便秘とは相性が悪い
カリウムを豊富に含むバナナは体を冷やす作用があり、冷えが原因で便が出にくくなっている便秘には逆効果となる場合があります。
体の冷えや血行不良は、腸の動きを鈍らせる原因となります。いきんでも便が出にくいケースや、残便感が気になる便秘にはバナナは向いていません。
冷え対策には、バナナを加熱して焼きバナナなどにして食べるか、スープや白湯といった温かい食材と一緒に摂取するのがおすすめです。
その他の便秘の種類や改善方法について、詳しくは以下の記事で紹介しています。
便秘の予防・解消におすすめの食べ物・飲み物【食物繊維・有機酸】 | NANIWA SUPLI MEDIA
不溶性食物繊維の摂りすぎになる
不溶性食物繊維には、排便を助ける作用がある一方で、摂りすぎると便秘を悪化させることがあります。
バナナに含まれる不溶性食物繊維の量は、穀物や根菜類と比較してさほど多くはありません。しかし、他の食事の内容によっては摂りすぎになってしまうでしょう。
すでに解説した通り、便秘解消に理想的な食物繊維のバランスは「不溶性2:水溶性1」です。バナナと一緒に、水溶性食物繊維を含む食材も食べるようにしましょう。
バナナの摂取目安量
便秘解消や予防を目的としてバナナを食べる場合、どのくらいの量を食べたら良いという決まりは特にありません。
便秘解消に関係なく、1日に食べるバナナの量は1~2本(100~200g)が目安です。この場合のカロリーは、93~186kcalとなります。
食べたら食べただけ便秘が改善されるという食べ物ではないため、たくさん食べても意味はありません。むしろ、バナナばかり食べていると栄養が偏り、逆に便秘を悪化させる可能性もあります。
バナナのおすすめの食べ方・摂り方
バナナは生のまま食べるという人が多いかもしれません。バナナをより美味しく食べる方法や、便秘解消に良い食べ方を紹介します。
水溶性食物繊維が豊富な食材と一緒に食べる
便秘解消のためには、2種類の食物繊維をバランス良く摂取することが大切です。バナナには不溶性食物繊維が多いので、水溶性食物繊維が豊富な食材も一緒に食べてください。
水溶性食物繊維を特に多く含むのは、海藻類やこんにゃく、果物、野菜、納豆などの豆類です。また、小麦を原料とするパン類にも水溶性食物繊維が豊富なので、バナナとトーストの組み合わせもおすすめです。
腸が動き出す朝にバナナを食べる
バナナを食べるタイミングに決まりはありませんが、いつ食べるか迷ったときは、朝食にバナナを取り入れてみてください。
朝は、腸をはじめとする内臓が動き始める時間帯です。食物繊維やマグネシウムなど腸に働きかける栄養が豊富なバナナを食べることで、朝のお通じがスムーズになるでしょう。
また、バナナと一緒にコップ一杯の水分を摂ると、腸をすっきりと目覚めさせることができます。
焼きバナナにすると整腸作用アップ
バナナを加熱すると、腸内の善玉菌の栄養源となるオリゴ糖が増加します。腸内環境を整えたいときは、温めた焼きバナナを取り入れてみてください。
焼きバナナは、フライパンのほか、電子レンジやオーブントースターでも調理可能です。
焼きバナナと相性の良いシナモンパウダーをかけても良いでしょう。シナモンは、血の巡りを良くし、腸の動きを活発にする効果が期待されるスパイスです。
シナモンの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA
冷凍バナナには美容面でも嬉しい効果
バナナを冷凍すると、若返りや美容にも良いポリフェノールが増加するとされています。便秘解消と共に美肌も手に入れたい人には、冷凍バナナがおすすめです。
バナナを冷凍するときは、皮を剥いてからラップなどで果肉をぴったりと包み、冷凍室に入れてください。
冷凍保存は、食べきれないバナナを長期保存したいときにも便利です。凍らせたバナナは、そのままスムージーの材料として使うこともできます。
バナナとヨーグルトを組み合わせる
バナナに含まれるレジスタントスターチやオリゴ糖の整腸作用をより高めるため、乳酸菌が豊富なヨーグルトと組み合わせて食べるのもおすすめです。
バナナとヨーグルトは、味の面でも相性が良い食べ物です。カットしたバナナをヨーグルトに混ぜて食べるほか、バナナヨーグルトスムージーとして楽しむこともできます。
ヨーグルトや牛乳、チーズなどの乳製品からは、バナナに少ないタンパク質を補えるのもポイント。タンパク質は、筋肉の材料でもあり、筋力不足で腸の働きが鈍っている人はぜひ摂っておきたい栄養素です。
乳製品が苦手な人は、豆乳で代用しても良いでしょう。
ヨーグルトの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA
はちみつでオリゴ糖をプラスする
お腹の調子を整えるオリゴ糖は、はちみつにも豊富です。
ただし、バナナにもはちみつにも糖が多く含まれています。糖の摂りすぎは肥満の原因となるため、バナナにかけるはちみつの量は、スプーン1杯程度にとどめておきましょう。
はちみつの栄養と効果効能・調理法・保存法 | NANIWA SUPLI MEDIA
バナナを食べる・摂取する際の注意点
便秘解消効果を期待してバナナを食べる際の注意点を解説します。
食べ過ぎは糖質過剰になることも
糖質の摂りすぎは、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めます。
バナナには、食物繊維やミネラル類のほか、糖も多く含まれています。他の果物と比べても糖質含有量がやや高めなので、食べ過ぎは禁物です。
1日に食べるバナナは1~2本を上限とし、他の食事の内容も見直して、糖や炭水化物の摂りすぎとならないよう気を付けましょう。
冷えに注意
バナナは、体を冷やす作用のあるフルーツです。体質や季節によっては、便秘がひどくなってしまったり、逆に下痢になったりする場合があります。
冷えが気になるときは、焼きバナナやお菓子の材料とするなど、体を冷やさない工夫をしてみてください。
バナナだけを食べない
いくら便秘に良い食材とはいえ、バナナのみの食生活では栄養が偏ってしまいます。
バナナだけでは補えない栄養素も多く存在しています。バランスのとれた食事の中にバナナをプラスし、健康的に便秘解消を目指してください。