イチゴの栄養と効果効能・調理法・保存法

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イチゴの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、イチゴに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

イチゴとは

イチゴ(strawberry)は、バラ科オランダイチゴ属の植物になる果実です。

市場では果物として扱われていますが、農業上の分類ではメロンやスイカと同じ野菜。ただし、一般的に果物として食べられていることから「果実的野菜」と呼ばれています。

イチゴの表面にある粒は種ではなく、果実です。粒の1つ1つに種が入っています。

イチゴは、200~300の果実が集まった「集合果」と呼ばれる植物で、一般的に果実と思われている赤く甘い部分は、茎の先端の花床(かしょう)と呼ばれる部分が膨らんだ偽果(ぎか)です。

イチゴの原産地は北米東部と南米チリ。北米の「バージニアイチゴ」と、南アフリカの「チリイチゴ」がオランダで出会い、交配によって現在一般的に栽培されているイチゴが誕生しました。

日本に伝わったのは江戸時代末期(1830年代)で、オランダ戦によって持ち込まれました。本格的に栽培が始まったのは、明治時代に入ってからです。

イチゴの主な生産地は中国、アメリカ、メキシコ。日本では国産イチゴがほとんどを消費しています。世界各国で品種改良が行われており、多くの品種が存在します。日本国内の出願登録中の品種も含めると約300種にも及びます。

店頭に並ぶのは12月後半〜2月の冬の時期ですが、本来の旬は3月〜4月の春後半。ハウス栽培の技術や品種改良がなされ、旬の時期が早くなりました。

なお、イチゴは多くのツルに囲まれて育つことから、花言葉は「幸福な家庭」で、ほかにも「尊重と愛情」「先見の明」といった言葉があてられています。

イチゴの品種・種類

300種類にも及ぶイチゴの品種の中でも、代表的な品種とその特徴を紹介します。

とちおとめ

とちおとめは、栃木県生まれの品種です。国内で最も生産されている品種で、粒が大きめで形が良く、鮮やかな赤色をしています。

強い甘みと適度な酸味、ジューシーな味わいが特徴です。後継ぎ品種に「スカイベリー」という大ぶりの品種があります。

あまおう

あまおうは、福岡県生まれの品種です。比較的大きめのイチゴで、20gを超える大粒のものが多く見られます。

特徴は、鮮やかな赤色、丸みを帯びた形、サイズの大きさ、しっかりとした果肉です。「赤い」「丸い」「大きい」「うまい」の頭文字を取って「あまおう」という名前がつけられました。

紅ほっぺ

紅ほっぺは、「章姫(あきひめ)」と「さちのか」の交配種として静岡県で生まれた品種です。

粒が大きく、鮮やかな紅色で、果肉も赤くなるのが特徴です。糖度が高く、強い甘みがあります。

さがほのか

さがほのかは、「大錦」と「とよのか」の交配種として佐賀県で生まれた品種です。果肉の色が白く、サイズは比較的大きめで、香りが良いのが特徴です。

いばらキッス

いばらキッスは、2012年に品種登録された茨城県のイチゴです。サイズは大きめで、形は縦長の円錐形。果肉はややかためで果皮は濃い赤色をしています。

章姫(あきひめ)

章姫は、静岡県をはじめ、東日本でおもに栽培されている品種。細長い円錐形をしていて、大きめの果実です。

果肉は柔らかく、果汁がたっぷりで、酸味が少ないという特徴があります。

淡雪(あわゆき)

淡雪は、2013年に品種登録された品種。最大の特徴は、淡いピンク色の果皮です。

やや大きめの円錐形、酸味が少なくしっかりとした甘み、かための果肉をしています。12月〜4月が旬です。

イチゴに含まれる成分・栄養素

イチゴ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

生のイチゴのほか、高糖度と低糖度のイチゴジャム、乾燥イチゴの成分表を並記しています。

食品名単位イチゴ 生イチゴ ジャム 高糖度イチゴ ジャム 低糖度イチゴ 乾
廃 棄 率%2000
エネルギー(kcal)kcal/100 g34256197302
エネルギー(kJ)kJ/100 g14210718241263
水 分g/100 g903650.715.4
たんぱく質g/100 g0.90.40.50.5
アミノ酸組成によるたんぱく質g/100 g0.6-0.3-0.4-0.4
脂 質g/100 g0.10.10.10.2
トリアシルグリセロール当量g/100 g0.1-0.1-0.1-0.2
飽和脂肪酸g/100 g0.01-0.01-0.01-0.02
一価不飽和脂肪酸g/100 g0.01-0.01-0.01-0.02
多価不飽和脂肪酸g/100 g0.05-0.05-0.05-0.12
コレステロールmg/100 g0000
炭水化物g/100 g8.563.348.482.8
利用可能炭水化物(単糖当量)g/100 g6.1-65.1
水溶性食物繊維g/100 g0.50.70.71.2
不溶性食物繊維g/100 g0.90.60.41.7
食物繊維総量g/100 g1.41.31.13
灰 分g/100 g0.50.20.31
ナトリウムmg/100 gTr612260
カリウムmg/100 g170677915
カルシウムmg/100 g17912140
マグネシウムmg/100 g13785
リンmg/100 g3113149
mg/100 g0.30.20.40.4
亜鉛mg/100 g0.20.10.10.1
mg/100 g0.050.030.030.07
マンガンmg/100 g0.20.140.220.22
ヨウ素µg/100 g10-5
セレンµg/100 gTr0-3
クロムµg/100 g010
モリブデンµg/100 g92-76
レチノールµg/100 g0000
α-カロテンµg/100 g000Tr
β-カロテンµg/100 g17TrTr24
β-クリプトキサンチンµg/100 g1007
β-カロテン当量µg/100 g18TrTr28
レチノール活性当量µg/100 g1002
ビタミンDµg/100 g0000
α-トコフェロールmg/100 g0.40.10.20.7
β-トコフェロールmg/100 g0000
γ-トコフェロールmg/100 g0.20Tr0.3
δ-トコフェロールmg/100 g0000
ビタミンKµg/100 g0000
ビタミンB1mg/100 g0.030.010.010
ビタミンB2mg/100 g0.020.010.010
ナイアシンmg/100 g0.40.20.20.1
ビタミンB6mg/100 g0.040.020.030.01
ビタミンB12µg/100 g0000
葉酸µg/100 g9023274
パントテン酸mg/100 g0.330.080.060.02
ビオチンµg/100 g0.80.4-7
ビタミンCmg/100 g629100
食塩相当量g/100 g0000.7
アルコールg/100 g
硝酸イオンg/100 g
テオブロミンg/100 g
カフェインg/100 g
タンニンg/100 g
ポリフェノールg/100 g
酢酸g/100 g
調理油g/100 g
有機酸g/100 g0.8
重量変化率%
備考別名: オランダイチゴ廃棄部位: へた及び果梗別名: オランダイチゴビタミンC: 酸化防止用として添加品あり別名: オランダイチゴビタミンC: 酸化防止用として添加品ありドライフルーツ
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

イチゴの効果・効能

イチゴに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

ビタミンC

イチゴにはビタミンCが豊富に含まれており、100gあたり(約5粒)で一日の推定平均必要量の70%を摂ることができます。

ビタミンCは、細胞の老化を防ぐ、しみやそばかすの原因になるメラニンの生成を抑制する、体外から入ってくる有害物質を追い払う、風邪やインフルエンザを予防する、皮膚や粘膜の正常を保ち、肌荒れや口内炎を防ぐ、といったさまざまな効果があります。

また、鉄の吸収を高める働きもあり、貧血の予防や改善にも繋がります。

ポリフェノール(アントシアニン)

イチゴの果皮の赤色はアントシアニンという色素成分で、ポリフェノールの一種です。

アントシアニンには、がんをはじめとした生活習慣病の原因となる活性酸素の発生を抑制する働きがあります。

活性酸素は紫外線やストレスにより発生し、体内の細胞や組織を酸化させて機能を低下させます。

葉酸

イチゴに豊富に含まれる葉酸は、水溶性ビタミンで、エネルギーの代謝を促進するビタミンB群の一つです。ビタミンB12とともに、赤血球を作ることから「造血のビタミン」と呼ばれています。

葉酸を摂取することで、胎児の発育リスクを予防したり、心不全や心筋梗塞、脳梗塞、認知症のリスクを予防したり、といった効果が期待できます。

妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の先天性異常のリスクが高くなってしまいます。妊娠を控えている人は、普段から葉酸を摂取するようにすると良いでしょう。

イチゴの食べ方

イチゴの栄養素を損なわない洗い方や調理方法を解説します。

イチゴの洗い方

イチゴは表面がやわらかくデリケートな果実です。念入りに水洗いしてしまうと、傷がついて風味を損なってしまう可能性があります。

イチゴを洗うときは、水をはったボウルに入れて軽く洗う程度にしておきましょう。

また、イチゴに含まれる栄養素には水溶性のものも多く、水に長時間つけたり、念入りに水洗いしすぎると流れ出てしまいます。イチゴを洗う際は、手短に行うようにしましょう。

イチゴの調理方法

イチゴに含まれる栄養素の中には、加熱すると損なわれるものもあります。そのため、効率的に摂取したい場合には生でそのまま食べるのがおすすめです。

なお、イチゴジャムにすると一部の栄養素は損なわれるものの、ミネラルなど残存する栄養素も多くあります。

イチゴの保存方法

イチゴの栄養素を損なわない保存方法を解説します。イチゴは冷蔵保存と冷凍保存が可能です。

冷蔵保存:約10日保存可能

イチゴを冷蔵保存するときは、アルミホイルを使って光合成を防ぎ、細菌の増殖を抑えましょう。

まずイチゴをパックから取り出し、傷んでいるものは取り除きます。アルミホイルを敷き、ヘタが下になるように並べ、イチゴ同士が触れないようにアルミホイルで仕切りを作っておきましょう。

最後に、並べたイチゴ全体を包み込むようにアルミホイルで覆い、冷蔵庫に入れます。冷蔵保存での保存期間は約10日です。

冷凍保存:約1ヶ月保存可能

イチゴを冷凍保存するときは、まずイチゴのヘタを切り落として、キッチンペーパーなどで水分を拭き取ります。ヘタを切り落とすことで、ビタミンCの流出を防ぎます。

ヘタを切り落としたイチゴを冷凍用保存袋に入れたら、砂糖を入れて全体になじむように混ぜてください。

砂糖をまぶすことで、イチゴ同士がくっついてしまうことを防ぐのに加えて、冷凍した際に損なわれる甘味を補って、解凍後のイチゴをおいしくいただくことができます。

糖分を控えたい場合は、砂糖をまぶさずにイチゴを2~3個ずつラップに包んで小分けして冷凍用保存袋に入れましょう。

空気を抜いて封を閉じ、冷凍庫で約1ヶ月保存することができます。

冷凍イチゴの解凍方法・食べ方

冷凍イチゴは冷凍する際に細胞膜が壊れるため、解凍すると水分が出てきます。そのため、自然解凍するときにはキッチンペーパーなどに1つずつ並べて置くことで、食感を損なわずに解凍することができます。

手軽に食べるなら、冷凍庫から取り出したままミキサーにかけてスムージーにするのもおすすめ。

そのほか、5分ほど自然解凍してから砂糖とともに鍋に入れて加熱すれば、時短でイチゴジャムを作ることもできます。