ルバーブの栄養と効果効能・調理法・保存法

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rhubarb

ルバーブの旬や原産地などの基本情報、似た食品との違い、ルバーブに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

ルバーブとは

ルバーブ(rhubarb)とは、そば粉の原料であるソバや、野草として群生するイタドリと同じタデ科の植物です。

和名ではショクヨウダイオウと呼ばれ、漢方の原料として使用されています。

ルバーブの原産地は品種によって異なり、シベリアやモンゴル、ヨーロッパと考えられています。食用ルバーブの栽培は、18世紀ごろにイギリスで始まりました。日本ではまだ珍しい野菜ですが、欧米では砂糖で煮詰めてジャムにして、デザートに使用される野菜として一般的です。

日本では長野県や北海道などの寒冷地でルバーブが栽培され、長野県産ルバーブの旬は4月~10月ごろまでです。収穫時期によって酸味や太さが異なり、夏以降は食感が硬くルバーブ特有の酸味が少ないため、あまり収穫されません。北海道では、5月~9月に収穫されています。

食用のルバーブは30~40cmの高さにまで成長し、葉と茎の間の部分である葉柄を食べます。葉には有毒成分が含まれているため、市場に出回るルバーブは、葉が切り落とされたものです。

ルバーブの葉柄は一般的に赤色をしており、酸味の強いことが特徴です。葉柄が赤色ではなく、緑色の種類もあります。

ルバーブと似た食品

ルバーブに似た形・色をした食品について解説します。

ビーツ

ビーツは、てんさい(別名サトウダイコン)の近縁種で、鮮やかな赤色が特徴の野菜です。

かぶに似た形をしたビーツは、見た目はルバーブとまったく異なりますが、加工したときに似た色になります。ビーツも、ルバーブと同様にジャムやスイーツに加工して食されることがありますが、ルバーブのような酸味はありません。

ビーツの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ずいき

ずいきは、里芋の葉柄を食用にしたものです。

赤色の赤ずいきや白い白ずいき、ハスイモの葉柄の青ずいきがあり、とくに赤ずいきはルバーブによく似ています。赤ずいきの原産地は加賀で、伝統野菜として知られる野菜です。

ルバーブと外観は似ているずいきですが、煮物や炒め物に用いられる点で、ルバーブとは異なります。デザートに使われることはありません。

ふきのようにアクがあるため、調理の際はアク抜きが必要です。

ずいきの栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

ルバーブに含まれる成分・栄養素

ルバーブ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

ルバーブには、腸の動きを活発にする食物繊維が多く含まれています。100g中に2.9gも含まれており、茹でたずいき100gあたりに含まれる食物繊維よりも豊富です。

また、ルバーブはビタミンやミネラルも豊富で、美容意識の高い人に注目されています。

食 品 名単位ルバーブ 葉柄 生ルバーブ 葉柄 ゆで
廃 棄 率%100
エネルギーkJ9558
kcal2314
水 分g92.194.1
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g
たんぱく質g0.70.5
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g-0.1-0.1
コレステロールmg00
脂質g0.10.1
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g-1.9-1.4
g*
利用可能炭水化物(質量計)g-1.9-1.4
差引き法による利用可能炭水化物g3.51.7
*
食物繊維総量g2.52.9
糖アルコールg
炭水化物g64.6
有機酸g
灰分g0.90.6
無機質ナトリウムmg11
カリウムmg400200
カルシウムmg7464
マグネシウムmg1914
リンmg3720
mg0.20.2
亜鉛mg0.10.1
mg0.020.02
マンガンmg0.050.05
ヨウ素μg
セレンμg
クロムμg
モリブデンμg
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg00
α|カロテンμg00
β|カロテンμg4042
β|クリプトキサンチンμg00
β|カロテン当量μg4042
レチノール活性当量μg34
ビタミンDμg00
α-トコフェロールmg0.20.2
β-トコフェロールmg00
γ-トコフェロールmg00
δ-トコフェロールmg00
ビタミンKμg79
ビタミンB1mg0.040.01
ビタミンB2mg0.050.03
ナイアシンmg0.20.1
ナイアシン当量mg0.30.2
ビタミンB6mg0.020.01
ビタミンB12μg00
葉 酸μg3122
パントテン酸mg0.10.1
ビ オ チ ンμg
ビタミンCmg54
アルコールg
食塩相当量g00
備 考別名: しょくようだいおう廃棄部位: 表皮及び両端硝酸イオン: 0.2 g別名: しょくようだいおう表皮及び両端を除いたもの硝酸イオン: 0.1 g
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ルバーブの効果・効能

ルバーブに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

食物繊維が便秘予防・解消に働く

食物繊維は、消化管では消化できない植物由来成分で、栄養として吸収されません。しかし、ほとんど形を変えずに消化管内を移動することで、便通をよくして便秘を解消する効果をもっています。

ルバーブをはじめとする野菜に多く含まれているのは、不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は、大腸で腸内細菌に分解されて栄養分となり、腸の環境を整えます。

食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA

カリウムでむくみ解消

カリウムはミネラルの1種で、血圧を調節するのに重要な役割を果たす栄養素です。

カリウムの多くは細胞内に存在し、ナトリウムの排泄や筋肉の収縮、神経伝達にかかわっています。体液バランスを調整するカリウムは、むくみ解消にも効果的です。

また、食塩の摂取量が多い日本人において、カリウムの働きは欠かせません。カリウムの摂取によって、血圧低下や脳卒中の予防に働くと考えられています。

カリウムの効果効能・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

葉酸が細胞産生を促進

葉酸は、葉物の野菜や果物などに豊富に含まれる水溶性ビタミンの1つです。

必須アミノ酸であるメチオニンを合成するときに欠かせない栄養素で、細胞や遺伝子の産生を助ける働きをもっています。とくに胎児の成長に大きな影響を与え、妊娠初期の女性で葉酸が不足すると、胎児の先天異常を引き起こすリスクが高まります。

葉酸の1日推奨摂取量は、妊娠中の女性で400μg、妊娠していない成人女性や男性では240μgです。

葉酸の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

アントシアニンが脂質の代謝を改善

アントシアニンは、ポリフェノールの1つで、青紫色の植物色素成分です。紫外線から植物を守る働きのほか、抗酸化作用をもつことも知られています。

抗酸化作用は、脂質代謝によって体内に蓄積される活性酵素を減らしたり、合成を抑制したりする作用です。活性酵素が蓄積すると、過酸化脂質が合成され老化や動脈効果を促進すると考えられています。アントシアニンの抗酸化作用には、老廃物の排出を促し、老化・動脈硬化を予防する働きがあります。

また、アントシアニンには血流促進効果もあると考えられており、眼精疲労を軽減したいときに効果的な成分です。

ポリフェノールの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法|NANIWA SUPLI MEDIA

ルバーブの食べ方

ルバーブの栄養素を損なわない食べ方・選び方・下処理の方法などを解説します。

ルバーブの選び方

ルバーブを選ぶときは、以下の点に注意しましょう。

  • 変色しているものは避ける
  • みずみずしく、しおれていないものを選ぶ

品種によって赤や緑などの色の違いがありますが、味に違いはないため好みで選ぶとよいでしょう。ジャムを作るときは、赤いルバーブを選ぶと色がきれいにでます。

ルバーブの下処理

ルバーブの葉柄にはアクがあるため、調理前に下処理が必要です。

アク抜きをするときは、ルバーブを調理する大きさにカットして、30分~1時間ほど水にさらします。生で食べる際は、皮をむいてから水にさらすことがポイントです。

酸味の強いルバーブはジャムにするのがおすすめ

欧米では、ルバーブの酸味を活かして、ジャムにしてパイやタルトに使うのが一般的です。

ルバーブのジャムを作るときは、1~2cmに切ったルバーブに砂糖まぶして30分置きます。水分がでたら、弱火で20~30分ほど煮込んでとろみをつけ、最後にレモン汁を入れて完成です。

ジャムには赤色のルバーブを使うと、鮮やかな色になります。

ルバーブはサラダに入れると食感が楽しめる

ルバーブのシャキシャキとした食感を楽しみたいなら、生のままサラダに入れるのがおすすめです。

酸味が効いているので、イチゴやりんごなどと一緒にフルーツサラダに入れて、味のアクセントに利用しましょう。

妊娠中のルバーブ摂取には注意

ルバーブの近縁種であるヤクヨウダイオウには、子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用があるため、妊娠中の摂取は避けましょう。

漢方に使われるヤクヨウダイオウを、食用に品種改良したものがルバーブです。そのため、ルバーブにも少なからず上記のような作用があると考えられています。

ルバーブの葉は有毒のため食べてはいけない

ルバーブの葉には、シュウ酸・シュウ酸塩・アントラキノンなど、多数の有害物質が含まれているため、摂取すると中毒症状を引き起こす可能性があります。主な中毒症状に、胃痛・下痢・嘔吐・腎損傷が報告されており、欧米では死亡例も散見されます。

葉の毒性については研究段階であり、詳細が不明のため、摂取しないように勧告されている国もあるのが現状です。報告によると、シュウ酸塩は加熱調理によって濃度が低下しますが、アントラキノンは加熱による失活はなく、毒性が保たれる可能性を示唆されています。

ルバーブの保存方法

ルバーブの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

生のルバーブは冷凍保存すると長持ちする

生のルバーブは、カットして冷凍庫に入れると1年程度保存できます。冷凍保存したルバーブは、そのまま加熱調理して食べます。冷凍庫内のにおいがつかないように、密閉容器に入れるとよいでしょう。

また、冷蔵保存も可能です。新聞紙に包めば、1週間程度は鮮度を保ったまま保存できます。

ジャムに加工した場合は2か月を目安に食べきる

ルバーブをジャムに加工した場合は、2か月を目安に食べきるようにしましょう。自家製のジャムには保存剤が入っておらず、殺菌処理もされていないため傷みやすいからです。

室温保存は避け、冷蔵庫で保管しましょう。保存容器を煮沸消毒してから、ジャムを入れると保存状態がよくなります。

参考文献