パスタダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点

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パスタ

パスタダイエットの効果と正しいやり方、継続のコツから注意点までを解説します。パスタダイエットにチャレンジしたい方はもちろん、すでにパスタダイエットに取り組んでいるけれど、いまいち成果が出ないとお悩みの方もぜひご覧ください。

パスタダイエットとは

パスタダイエットの概要や、パスタの食品としての特徴などについて解説します。

パスタをしっかり食べながら痩せるダイエット方

パスタダイエットは、毎日の主食をパスタに置き換えるダイエット法です。

パスタは太りやすいイメージがありますが、カナダの研究によると主食をパスタにする食生活で被験者の体重低下が見られたことがわかっています。実際に3ヶ月のパスタ生活で被験者の体重は平均で0.5kg減り、体脂肪率の増加も見られませんでした。

この結果は、パスタが低GI値の食品で、空腹を満たす効果があるためと考えられています。そのため、食べ過ぎを抑えられるパスタはダイエットに向いている食品と言えそうです。ただしソースや具材によってはカロリーが高くなってしまうため、ダイエットをするときは食べ方に気を付ける必要があります。

低GI値食品のパスタ

炭水化物が多く含まれる穀物の中でも、パスタはGI値の低い食品と言われています。GI(グライセミック・インデックス)値とは血糖値の上がりやすさを示す数値です。低GI値の食品はインスリンの過剰分泌を抑えるため、脂肪の蓄積を抑えられる利点があります。

日本Glycemic Index 研究会の「日本人の計測による日本食のGI」によると、パスタ(スパゲッティ)のGI値は64以下で低GI値食品に分類されています。同じ穀物類の玄米はGI値82~65の中GI値食品、炊いた米やパンはGI値83以上の高GI値食品です。

ただしパスタ100gあたりのカロリーは165kcalで、炊いた米100gのカロリー156kcalより多くなっています。茹でたパスタ1人前の重量は230~250gなので、カロリーに換算すると379~412kcal。いくら低GI値食品とはいえ、食べ過ぎるとダイエット効果が減ってしまいます。

食べる量や、いっしょに食べる食材に注意することでダイエット効果を最大化していきましょう。

パスタに含まれる栄養

パスタ100gに含まれる栄養素は次の通りです。

食 品 名単位マカロニ・スパゲッティ 乾マカロニ・スパゲッティ ゆでマカロニ・スパゲッティ ソテー生パスタ 生
廃 棄 率%0000
エネルギーkJ1476636784982
kcal347150186232
水 分g11.360-5742
たんぱく質アミノ酸組成によるたんぱく質g125.3-5.17.5
たんぱく質g12.95.8-5.57.8
脂質脂肪酸のトリアシルグリセロール当量g1.50.7-5.61.7
コレステロールmg00(Tr)0
脂質g1.80.9-5.81.9
炭水化物利用可能炭水化物(単糖当量)g73.431.3-29.746.1
g***
利用可能炭水化物(質量計)g66.928.5-2742.2
差引き法による利用可能炭水化物g68.929.7-28.445.9
*
食物繊維総量g5.43-2.91.5
糖アルコールg---0
炭水化物g73.132.2-30.546.9
有機酸g----
灰分g0.81.2-1.21.4
無機質ナトリウムmg1460-440470
カリウムmg20014-1376
カルシウムmg188-812
マグネシウムmg5520-1918
リンmg13053-5073
mg1.40.7-0.70.5
亜鉛mg1.50.7-0.70.5
mg0.280.14-0.130.12
マンガンmg0.820.35-0.330.32
ヨウ素μg000-
セレンμg6332-31-
クロムμg11-1-
モリブデンμg5313-12-
ビ タ ミ ンレチノール(ビタミンA)μg0000
α|カロテンμg--00
β|カロテンμg--00
β|クリプトキサンチンμg--00
β|カロテン当量μg9000
レチノール活性当量μg1000
ビタミンDμg000-
α-トコフェロールmg0.30.1-0.90.1
β-トコフェロールmg0.20.1-0.1Tr
γ-トコフェロールmg00-1.60.2
δ-トコフェロールmg00-0.1Tr
ビタミンKμg00-60
ビタミンB1mg0.190.06-0.060.05
ビタミンB2mg0.060.03-0.030.04
ナイアシンmg2.30.6-0.61.1
ナイアシン当量mg4.91.7-1.72.6
ビタミンB6mg0.110.02-0.020.05
ビタミンB12μg0000
葉 酸μg134-49
パントテン酸mg0.650.28-0.270.27
ビ オ チ ンμg41.6-1.5-
ビタミンCmg0000
アルコールg----
食塩相当量g01.2-1.11.2
備 考食物繊維:AOAC2011.25法1.5 %食塩水でゆでた場合食物繊維:AOAC2011.25法原材料配合割合: マカロニ・スパゲッティゆで95、なたね油5食物繊維:AOAC2011.25法デュラム小麦100 %以外のものも含むビタミンB2無添加のもの
β-カロテン当量(μg)=β-カロテン(μg)+1/2α-カロテン(μg)+1/2クリプトキサンチン(μg)
レチノール当量(μg)=レチノール(μg)+1/12β-カロテン当量(μg)
 Tr(trace) :微量含まれているが、成分の記載限度に達していないもの。
 (0):測定されていないが、文献等により含まれていないと推定されるもの。
-:未測定
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

パスタダイエットの効果

パスタダイエットにより期待できる効果や、痩せる仕組みについて解説します。

インスリンの分泌を抑える

低GI値食品のパスタは血糖値の上昇を緩やかにするため、インスリンの分泌を抑える作用があると考えられます。インスリンは血糖値を下げる役割のある物質で、過剰に分泌されると血液中の糖が脂肪に変わりやすくなります。ダイエットにおいて血糖値のコントロールが重要と言われるのはこのためです。

血糖値の上昇を抑えられれば、糖尿病の予防にもつながります。血糖値の上昇で太るメカニズムや、糖尿病の予防法について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

これを食べたら太る?痩せる?白いご飯よりチャーハンが太らないって本当? | NANIWA SUPLI MEDIA

糖尿病の予防・改善におすすめの血糖値を下げる食べ物・飲み物 | NANIWA SUPLI MEDIA

食べ過ぎ防止につながる

低GI値食品は糖が緩やかに吸収されるので、空腹を満たす効果が高いと言われています。一方、血糖値が上昇しやすい食品は強い空腹感を感じ、過食につながりやすいと考えられています。

また、吸収スピードの遅い低GI食品の場合満腹感も続きやすく、間食による食べ過ぎも防げるでしょう。

筋肉を減らさずダイエットできる

パスタには糖質が多く含まれています。糖質はダイエットの敵とみなされがちですが、実は筋肉を合成するのに欠かせない存在です。筋肉量の維持に役立ち、ダイエットをサポートしてくれます。

特にトレーニング中に糖質が不足すると、体は足りない分のエネルギーを筋肉中のタンパク質から補充しようとします。筋肉が低下すると基礎代謝量も減るので、ダイエット中は糖質を制限しすぎないことが大切です。

糖質の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法 | NANIWA SUPLI MEDIA

パスタダイエットの正しいやり方

パスタダイエットの正しいやり方を解説していきます。

パスタの量は少なめに

パスタ1人前あたりの量は、乾麺のパスタで80~100g程度です。しかし100gの乾麺を茹でると重量が230~250gに。カロリーを計算すると、1人前あたり379~412kcalと決して低い数字とは言えません。

低GI値食品でも糖分を摂り過ぎると脂肪の増加につながるため、パスタダイエット期間はパスタの量を通常より少なめに設定することが大切です。おすすめの量は乾麺で60~70g程度。カロリーに換算すると224~269kcal程度になります。

具材を増やす

パスタの量を減らすと、カロリーを抑えられる一方で食べ応えがなくなってしまう懸念があります。満足感を維持するには、パスタを減らしたぶん具材を増やすのがおすすめです。ただしカロリーの高いひき肉やチーズなどは、逆効果になってしまう可能性があるため気をつけましょう。低カロリーなきのこ類を使うと、カロリーを抑えたまま量をかさましできます。

また、パスタに使う具材を大きく切る方法も効果的です。咀嚼回数が増えることで満腹感を刺激でき、過食を防げるでしょう。

ソースの選び方

パスタのカロリーが高くなる原因のひとつにソースがあります。特にたらこパスタやカルボナーラはカロリーが高めなので避けるようにしましょう。チーズや生クリームなどの高カロリー食材を使うソースを控えると、ダイエットが成功しやすくなります。

ダイエット中に向いているのは、トマトベースのパスタやヘルシーな和風パスタです。ただしケチャップを使うと糖質が多くなるので、なるべく生のトマトやトマト缶を使用してください。

さらに野菜や魚介類、きのこ類など出汁が良く出る食材を使えば、味が複雑になり調味料を多く使わずに済みます。いろんな具材を使ってアレンジし、飽きないよう工夫しましょう。

夜パスタがおすすめ

1日3食の主食をすべてパスタに置き換える方法もありますが、同じ食品ばかりでは飽きてしまう可能性も考えられます。継続しやすいのは、1日1食のみ主食をパスタに置き換える方法です。

タイミングはエネルギーの消費が少ない夜が適しているでしょう。夜はもっとも糖が脂肪に変わりやすい時間帯なので、夕食を低GI値のパスタに換えることでよりダイエット効果が見込めます。

パスタダイエット継続のコツ

パスタダイエットを継続するコツや、よりダイエット効果を発揮するためのポイントを解説します。

低カロリー・低糖質のパスタを選ぶ

よりダイエット効果を高めたいなら、低カロリータイプや低糖質のパスタを選びましょう。これらの製品は、タンパク質や食物繊維の含有量を増やすことで糖質オフを実現しているものが多く、栄養面でも利点がありそうです。

または、小麦をまるごと粉上にした全粒粉のパスタもおすすめ。全粒粉には食物繊維やビタミン、鉄分などの栄養が多く含まれているので、健康的な体作りをサポートしてくれます。

サラダやスープと一緒に

パスタダイエットでパスタの量を減らすと満足感が足りなくなる恐れがあるので、サラダやスープで満足感を補うようにしましょう。野菜をはじめとしたほかの食品からミネラルやビタミンが摂取できるので、パスタだけを食べるより栄養価も高まります。

さらに食べる順番も大切です。サラダやスープから先に食べる、ベジタブルファーストを意識しましょう。野菜には血糖値の上昇を抑える食物繊維が多く含まれているので、より血糖値コントロールに役立ちます。ほかにも海藻類やきのこ類なども食物繊維が豊富です。

白滝で置き換えする方法もおすすめ

パスタダイエット中にさらにカロリーを減らしたい人は、パスタの代用品として白滝(しらたき)を使う方法もあります。白滝100gあたりのカロリーはわずか6kcalです。パスタを白滝に置き換えることで、かなりのカロリー削減につながります。

ただし白滝の96%は水分で、糖質やタンパク質などの栄養素がほとんど含まれていません。栄養が偏ってしまうので、3食ではなく夕食だけ置き換える方法をおすすめします。

運動習慣を取り入れる

パスタダイエットはインスリンの分泌を抑えたり、食べ過ぎを防止したりする効果が期待できますが、よりダイエットを成功しやすくするためには運動習慣が鍵となります。

ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、糖質と脂質をエネルギー源とするのでダイエット時には特におすすめです。おおよそ運動開始20分後から、体脂肪がエネルギー源に変わり始めます。

合わせて、筋肉量を増やす筋トレも行うとより効果的です。筋肉が増えると、基礎代謝量の増加につながります。

パスタダイエットの注意点

最後に、パスタダイエットにおける注意点をまとめます。

オイルの使い過ぎに注意

オリーブオイルをはじめとする食用油には、糖質の吸収を緩やかにする効果が期待できます。なかでもエキストラバージンオリーブオイルは、食後の血糖値の上昇を抑える作用が報告されている食品です。しかしカロリーが高いので、ダイエット中は使いすぎに気をつけましょう。

オリーブオイルのカロリーは大さじ1杯(12g)でおおよそ110kcalです。そのため1食あたり大さじ1~2杯程度にとどめると、ダイエットには効果的でしょう。ペペロンチーノを代表とするオイルパスタは食用油を大量に使うので、ダイエット時は控えたほうが賢明です。

コンビニ食の選び方

ダイエット中のランチにコンビニでパスタを選ぶときは、種類に気をつけましょう。満足感が高くヘルシーなパスタを選ぶと、間食を防げる上にカロリーも抑えることができます。

おすすめはなるべく具材が多く入ったパスタです。特に食物繊維が豊富なきのこ類や野菜が入ったパスタを選ぶと、より血糖値の上昇を抑えられます。合わせてスープやサラダなども揃えると、栄養価も高くなるでしょう。

バランスのとれた食事が基本

パスタは体重の減少効果が期待できる食品ですが、タンパク質や食物繊維、ビタミンなどの栄養素があまり多く含まれていません。そのためパスタばかり食べるダイエットを続けると、栄養が偏り健康を害する危険性が高まります。

パスタダイエットをするときは主菜や副菜なども揃えて、さまざまな食品からまんべんなく栄養素を摂取するよう心がけましょう。体に必要な栄養素をしっかり摂取することで、代謝の良い体を目指せます。

参考文献

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