もち麦ダイエットの効果と正しいやり方・継続のコツ・注意点

17078views

mochi-wheat-diet

もち麦ダイエットの効果と正しいやり方、継続のコツから注意点までを解説します。もち麦ダイエットにチャレンジしたい方はもちろん、すでにもち麦ダイエットに取り組んでいるけれど、いまいち成果が出ないとお悩みの方もぜひご覧ください。

もち麦ダイエットとは

まずは、もち麦ダイエットの概要ともち麦がどのような食品なのかを説明します。似た食品であるオーツ麦や押し麦、丸麦とも比較します。

もちもち食感で満腹感を得やすいダイエット法

もち麦ダイエットとは、もち麦を白米の代わりにしたり、白米や副菜にもち麦を混ぜたりするダイエット法です。

もちもち・ぷちぷちとした食感のもち麦を白米の代わりにすることで、噛む回数が増えて満腹感を得やすくなります。また粘り気の強いもち麦は腹持ちがよいため、空腹感に耐えられずダイエットが失敗してしまうという方に向いています。

もち麦ダイエットでは、主食の量や食事の量を減らすわけではないため、継続しやすいこともメリットです。

もち麦とは

もち麦とは粘りの強いもち性大麦の1種で、もちもちとした食感が楽しめます。含まれる炭水化物はほとんどがアミロペクチンで、加熱されると粘性が強くなる物質です。

粘りが少ない大麦はうるち麦と呼ばれ、アミロペクチンよりもアミロースが多く含まれます。食感はもち麦よりも、ぷちぷち感の強いことが特徴です。

もち麦の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

大麦の種類とオーツ麦との違い

大麦の種類は、粘り気の強いもち性と、粘りの少ないうるち性に区別されます。

もち麦はもち性の大麦で、丸麦・押し麦・米粒麦はうるち性の大麦です。それぞれの違いは、以下のとおりです。

もち麦もち性粘りの強いもち性の大麦。含有炭水化物の多くがアミロペクチンで、加熱すると粘りが強くなる。
丸麦うるち性大麦の外皮とデンプンを取り除いて精白した大麦。押し麦とは異なり、丸い形をしている。
押し麦うるち性精白した大麦をローラーで押しつぶして給水率をよくしたもの。扁平状をしているため、丸麦のような食感はない。
米粒麦うるち性大麦を精白して米粒の形に成形したもの。お米と一緒に炊いても目立たないように形を似せている。

また、大麦と似た食品にオーツ麦があります。

オーツ麦は、日本語で燕麦(えんばく)と呼ばれるイネ科の植物です。脱穀後に加工したオーツ麦をオートミールと呼びます。

白米・オートミール・押し麦・米粒麦、それぞれ100gに含まれる栄養素の違いを以下の表にまとめました。なお、今回参照した資料にはもち麦の記載がないため、含有成分の近い押し麦の成分含有量を参考値として表記しています。また、同資料には丸麦の成分表示がないため、こちらは省略しています。

白米・オートミール・米粒麦と比較すると、押し麦(もち麦)は白米よりもカロリーと炭水化物の含有量が少なく、ダイエットに向いた食品であることがうかがえます。

白米(うるち米)オートミール押し麦米粒麦
エネルギー156kcal350kcal118kcal333kcal
タンパク質2.5g13.7g2.2g7.0g
脂質0.3g5.7g0.5g2.1g
炭水化物37.1g69.1g28.5g76.2g
出典:食品データベース|文部科学省

大麦の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

押し麦の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

オートミール(オーツ麦)の栄養と効果効能・調理法・保存法|NANIWA SUPLI MEDIA

もち麦ダイエットの効果

もち麦ダイエットにより期待できる効果を解説。食品に含まれる栄養素がもつ働きまで具体的に言及。類似する食品との違いなどもあれば。

次に、もち麦がダイエットに効果的な理由を解説します。

アミロペクチンで腹持ちがよい

もち麦のもちもちとした粘り気は、アミロペクチンと呼ばれるデンプンの1種によるものです。アミロペクチンの粘性により、消化管での消化吸収の速度が遅くなるため、腹持ちがよくダイエットに向いています。

デンプンとは炭水化物のことで、植物を構成する主成分の1つです。デンプンは構造の違いによって、アミロースとアミロペクチンの2種類に分類されます。うるち性の大麦(押し麦・丸麦)はアミロースが、もち麦にはアミロペクチンが多く含まれています。

アミロースが多く含まれる食品は粘りが少なく、アミロペクチンが多いと粘りが強くなることが特徴です。

アミロペクチンの含有量の多いもち麦は、消化吸収がゆっくり行われるため、腹持ちがよく食べすぎを防げます。

炭水化物の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品|NANIWA SUPLI MEDIA

食物繊維で腸内すっきり

もち麦には食物繊維が豊富に含まれているため、便通をよくして腸内環境を整える効果があります。

次の表は、押し麦・米粒麦・オートミール・白米・玄米(各100g)に含まれる食物繊維の量をまとめたものです。なお、日本食品標準成分表にはもち麦の記載がないため、含有成分の近い押し麦のデータを参考として記載しています。

食物繊維総量水溶性食物繊維不溶性食物繊維
押し麦9.6g6.0g3.6g
米粒麦8.7g6.0g2.7g
オートミール9.4g3.2g6.2g
白米(うるち米)0.5g-0.5g
玄米3.0g0.7g2.3g
出典:穀類|日本食品標準成分表2015年版(七訂)

食物繊維は、水溶性と不溶性の2つに分類されます。水溶性食物繊維は水に溶けやすい食物繊維で、炭水化物の吸収速度を抑えたり、腸内環境を整えたりする効果があります。

一方、不溶性食物繊維は水に溶けにくく、腸内の水分を吸収しながら腸内を移動する食物繊維です。大きく膨らんで腸を刺激し、便通を改善します。

もち麦や押し麦などの大麦に多く含まれるのは、水溶性食物繊維です。もち麦が大腸で分解・発酵されることで、腸内の善玉菌が増えて腸内環境を整えます。便秘の予防や改善をするため、ダイエットにも効果的な栄養素です。

また炭水化物の吸収が緩やかになるため、血糖値が急上昇しにくく糖尿病や血管障害を予防します。

食物繊維の効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率のよい摂取方法|NANIWA SUPLI MEDIA

β-グルカンが血中コレステロールを下げる

もち麦を含めた大麦には、β‐グルカンが多く含まれることがわかっています。

β-グルカンとは食物繊維の1種で、免疫機能を高めたり、コレステロールを下げる効果がある栄養素です。大麦には米や小麦よりもβ‐グルカンの含有量が多いため、β‐グルカンの効果を得られやすいと考えられています。とくにもち性のもち麦は、うるち性の大麦に比べてβ‐グルカン含量の多い食品です。

アメリカでは、血中コレステロール濃度を低下させる効果があるとして、1日3g以上(1食0.75g)のβ‐グルカン摂取を推奨しています。日本で流通しているもち性大麦に含まれるβ‐グルカンの含有量は5~6%と考えられており、100gあたり5~6g含まれています。

β‐グルカンはコレステロールを下げるだけでなく、内臓脂肪の蓄積抑制効果があるとの研究報告もあり、ダイエットや美容意識の高い人に注目されている栄養素です。

もち麦ダイエットの正しいやり方

ここからは、もち麦ダイエットの具体的な方法を解説します。間違った方法で行うと効果を発揮しないだけでなく、健康に悪影響を起こすリスクもあるため正しい方法を知っておきましょう。

主食をもち麦に変える

もち麦ダイエットでは主食の量は減らさずに、白米をもち麦に置き換えます。1食お茶碗1杯が目安です。もち麦が健康やダイエットによいからといって、食べすぎないように注意しましょう。

理想は100%もち麦に変えることですが、もち麦の風味に慣れていないと食べにくいと感じる人もいるため、最初は白米に混ぜて食べるとよいでしょう。白米9割もち麦1割程度からスタートし、少しずつもち麦の割合を増やしていくとダイエットを継続しやすくなります。

もち麦ダイエットが注目されたことから、コンビニでもち麦を使ったおにぎりも販売されています。食感や風味に不安があるなら、まずは市販されているもち麦の加工品から始めましょう。

副菜に混ぜる

もち麦ダイエットは主食に置き換えるだけでなく、副菜に混ぜても効果的です。

スープやサラダ、ミネストローネに入れて野菜と一緒に食べるのがおすすめ。もち麦の食物繊維だけでなく、美容によい野菜のビタミンも摂取でき、腸内環境の改善や肌・髪の健康維持に働きます。

また、ミートソースのひき肉代わりにもち麦を入れると、よりヘルシーに食べられます。少しはお肉も食べたいという方は、ひき肉の量を減らしてその分もち麦を加えましょう。パスタは食べたいけど、カロリーが気になる場合に試してほしい食べ方です。

もち麦を副菜に用いるときは、あらかじめ15分ほど茹でてぬめりを落とします。茹でたもち麦は冷凍庫で1か月弱保存できます。

もち麦ダイエット継続のコツ

もち麦ダイエットは食事の量を減らすダイエットではないため、継続しやすいダイエット法です。しかしもち麦の風味が苦手だったり、味に飽きてしまったりすることもあるでしょう。

そこでここでは、もち麦ダイエットを継続してダイエットを成功させるためのコツを紹介します。

風味が苦手ならオリーブオイルや料理酒でにおいを消す

もち麦には穀類特有のにおいがあり、苦手に感じる人もいるでしょう。においを消したいときは、におい消しの効果がある調味料を少量入れると緩和されます。

もち麦のにおい消しに使える調味料は、次のとおりです。

  • お酢
  • 料理酒
  • オリーブオイル

上記以外にも、もち麦を炊くときに大さじ1杯の醤油を入れると、くさみ消しになるだけでなく、炊き込みご飯風に仕上がります。

また、もち麦は保温状態で長く放置すると麦独特のにおいが強くなるため、炊いた後はできるだけ早く冷凍保存するとよいでしょう。

食感に飽きたら丼ものやリゾットに

主食として食べるのに飽きてしまったら、白米の代わりに丼ものやリゾットにして趣向を変えてみましょう。

具材はそのままで、もち麦を親子丼やチーズリゾット、雑炊にするだけです。白米のまま食べるよりも罪悪感が少なく、より健康的な食事になります。

もち麦ダイエットの注意点

最後に、もち麦ダイエットを行う際に注意したいポイントを解説します。

食べすぎはカロリーの摂りすぎになることも

もち麦がダイエットに向いている食品だからと食べすぎると、カロリーの摂りすぎになるケースもあります。

もち麦は白米よりカロリーが少なく、ダイエットに効果的な栄養素を含む食品です。しかし100gに含まれるエネルギーは118kcal(※)と、極端にカロリーが低いわけではありません。

そのため、大量に食べるとカロリーを摂りすぎてしまいます。ダイエットのためにもち麦を食べるなら、1日お茶碗3杯以内にとどめましょう。

※もち麦の成分詳細は日本食品標準成分表に記載がないため、同じ大麦食品である押し麦を参考にしています。

小麦アレルギーに注意

もち麦ダイエットをする際は、小麦アレルギーのある方は十分注意しましょう。ただし、小麦にアレルギーがあっても、必ずしも症状が起こるわけではありません。

小麦アレルギーは、タンパク質の1つであるグルテンなどの含有成分によって引き起こされます。グルテンはもち麦や押し麦などの大麦食品にも多く含まれているため、小麦アレルギーを起こす可能性もあります。

もち麦を食べたときに、口の中にかゆみを感じたり、蕁麻疹が出たりするなどの症状が起こった場合は、直ちにダイエットを中止してください。

参考文献

LINE公式アカウントを追加
LINEお友達追加