クロレラの栄養と効果効能・調理法・保存法

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chlorella

クロレラの旬や原産地、主要な品種などの基本情報、似た食品との違い、クロレラに含まれる栄養とその効果効能、栄養素を損なわない調理法や保存法などを紹介します。

クロレラとは

クロレラ(chlorella)は、淡水産の植物性プランクトンで藻類の一種です。主に湖や河川に生息し、およそ3~8μmほどの球形をしています。誕生したのは30億年以上も前で、1890年にオランダの生物学者によって発見されました。

クロレラという名前はギリシャ語の「緑色」の意味を持つ「chlor」と、ラテン語で「小さなもの」を指す「ella」が語源となっていると言われています。

クロレラは葉緑体の多さから、植物よりもはるかに光合成の能力が高い生物です。驚異的な増殖力で、約20時間ごとにひとつの細胞が4分裂を繰り返しながら増えていきます。

その生命力の高さから栄養価も豊富で、食用品として注目されてきました。日本では1950年代から食糧化の計画が進められ、今では健康食品のほか、医薬品や有機肥料、水産飼料、緑の着色料などさまざまな場面で活躍しています。

クロレラ・スピルリナ・ユーグレナの違い

同じ藻類として比較されるのがスピルリナ(Spirulina)とユーグレナ(Euglena)です。さまざな違いがありますが、大きな違いとしては形状と細胞壁の有無が挙げられるでしょう。

形状は、クロレラが球形をしているのに対し、スピルリナはらせん状、ユーグレナは紡錘型(細長い形)をしています。サイズは、クロレラが3~8μm(0.003~0.008mm)、スピルリナがもっとも大きく約0.3~0.5mm、ユーグレナは0.06~0.09mmです。クロレラが桁違いに小さいことが分かるでしょう。

細胞壁の有無は、体内での栄養吸収率と密接な関係があります。動物性と植物性の特徴を持ち合わせるユーグレナは細胞壁がない分、吸収率が高いです。一方、スピルリナは細胞壁がありますが、ごく薄いので高い吸収率を誇ります。

クロレラは細胞壁が厚いため、スピルリナやユーグレナと比較すると吸収率は低い傾向にあります。しかし、日本では福岡県筑後市で新種のクロレラが開発され、細胞壁の薄さと消化吸収率の高さが注目を浴びています。

クロレラの品種・種類

クロレラには、約20種ほどの種類があります。一般的に食用とされているのはブルガリス、エルプソイデア、ピレノイドサ、レギラリスなどの品種です。

なかでも日本で馴染み深い品種がブルガリス種です。日本で生産されるクロレラのほとんどがブルガリス種で、先ほど紹介した筑後産のクロレラはブルガリ種チクゴ株という種類になります。

栄養価で特徴的なのは、ピレノイドサ種という品種です。クロレラ独自の成長因子であるC.G.F(Chlorella Growth Factor)がほかの品種に比べ豊富に含まれている傾向があります。

クロレラに含まれる成分・栄養素

クロレラ100gに含まれる成分・栄養素は下記表の通りです。

クロレラはタンパク質の含有量が多く、食糧難を救う未来食として期待されています。さらに、クロレラのタンパク質は必須アミノ酸が豊富に含まれているので、質の高いタンパク質であると言われています。

そのほか、ビタミンKやビタミンAなどのビタミン、カルシウムをはじめとしたミネラルなどの栄養素を多く含んでいます。また、色素成分であるカロテノイドを多く含み、高い抗酸化作用を持つことも特筆すべき点でしょう。

名前単位
エネルギー300kcal
タンパク質60g
総脂質(脂肪)0g
炭水化物、違いによる40g
食物繊維、総食物繊維0g
砂糖、NLEAを含む合計0g
カルシウム、Ca333mg
鉄、Fe240mg
カリウム、K0mg
ナトリウム、Na0mg
ビタミンC、総アスコルビン酸20mg
ビタミンB-12300µg
ビタミンA、IU58331IU
ビタミンD(D2 + D3)、国際単位0IU
脂肪酸、総飽和0g
脂肪酸、トータルトランス0g
コレステロール0mg
出典:FoodData Central|USDA(米国農務省)

クロレラの効果・効能

クロレラに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働きを解説します。

質の良いタンパク質で身体作り

クロレラに含まれるタンパク質は、アミノ酸がバランス良く含まれているのが特徴です。

タンパク質を体内で効率よく利用するには、11種類の非必須アミノ酸と、9種類の必須アミノ酸が必要になります。特に必須アミノ酸は体内で合成できないため、食品から摂取しなければいけない栄養素です。

クロレラはタンパク質の含有量が多いうえに、アルギニンをはじめとした必須アミノ酸が豊富に含まれています。タンパク質は人間の筋肉や臓器のもととなる重要な栄養素なので、クロレラは健康な身体作りにぴったりな食品です。

カルシウムとビタミンKで骨の強化

クロレラはカルシウム、ビタミンKが豊富です。いずれも骨に関わる栄養素で、カルシウムは骨の形成、ビタミンKは骨に存在するタンパク質の活性化を促します。

骨がもろくなりやすい高齢者にとって、クロレラは最適な食材と言えるでしょう。

ビタミンAで目や肌の健康維持

ビタミンAは脂溶性のビタミンで、粘膜や皮膚にある上皮細胞の生成に関わる栄養素です。欠乏すると視機能の異常や、肌トラブルを起こす危険性があります。

ビタミンAが豊富に含まれるクロレラは、目や肌の健康維持にも最適です。

ルテインやアルギニンで高血圧症予防

クロレラを使用した研究では、高血圧症の人にとって非常に興味深い結果が出ています。高血圧症を持つラットにクロレラを補助食として与えたところ、血圧の上昇が抑えられ、血清総コレステロール値の低下が見られました。

これらの結果に関わっているのは高い抗酸化作用を持つルテイン、アミノ酸のアルギニン、ミネラルのリンと考えられています。

さらに脳血管障害の発生率低下も見られたことから、高血圧が原因となる脳卒中予防にも効果が期待できるでしょう。

クロレラの高い抗酸化作用

クロレラは、クロロフィル(葉緑素)やβ-カロテン、ルテイン、ビタミンCなど抗酸化作用の高い物質が数多く含まれているのが特徴です。

さまざまな野菜と比較した実験でもクロレラは高い抗酸化作用を示しており、糖尿病への効果が期待されています。2型糖尿病のラットにクロレラの摂取と有酸素運動トレーニングを実施した研究では、クロレラの単独摂取よりも大幅に血糖コントロールの改善が見られました。

クロレラの食べ方と注意点

クロレラの栄養素を損なわない洗い方・調理方法・食べ方などを解説します。

クロレラのさまざまな加工品

クロレラは、顆粒タイプや錠剤タイプ、ドリンクタイプなどあらかじめ加工された製品が多くあります。そのまま経口摂取する製品がほとんどですが、粉末タイプなら水に溶けやすく料理にも使えます。

クロレラの栄養を日常的に摂取したいなら、ご自身が使いやすいタイプを探してみると良いでしょう。

簡単にできるクロレラ料理

クロレラを手軽に料理に取り入れるなら、味噌汁が最適です。多少、緑色っぽくなりますが、苦味などはないので食味は損なわれません。

そのほかシチューやパスタ、カレーなどさまざまな料理に合わせられます。ドレッシングに混ぜたり、牛乳と合わせてドリンクにしたりする方法も手軽です。

クロレラ製品を選ぶ際の注意点

クロレラはさまざまなサプリメントが開発されていますが、栄養価の高いものを選ぶためにもいくつかのメーカーを見比べて購入することをおすすめします。

例えば、クロレラのデメリットである吸収率を高める加工が施されているかはひとつの判断基準になるでしょう。

また、製品の品質を判断する指標としてGMP(Good Manufacturing Practice)認定にも着目してみてください。GMPは厚生労働省が定めた品質管理基準に達しているかを評価するものなので、信頼できるメーカーを選ぶ際のヒントになるはずです。

クロレラ摂取による光過敏症皮膚炎の危険性

クロレラを常用した人のなかで、光過敏性皮膚炎を発症したという事例があります。光過敏性皮膚炎とは太陽を浴びた際に、皮膚の浮腫や痛みなどの症状が出る疾患です。

一説では、クロレラに含まれるクロロフィルが発症に関わっているとされています。適量摂取の場合は危険性が少ないと考えられるため、過剰摂取に気をつけましょう。

抗凝固剤薬服用中はクロレラ摂取厳禁

ワーファリンなどの抗凝固剤は、血液内に血栓ができるのを防ぐための薬剤です。ビタミンKの活性を抑える作用があるため、ビタミンKが豊富なクロレラを摂取すると薬剤の働きを弱める可能性があります。

抗凝固剤を使用している人がクロレラを摂取したい場合、必ず担当医師に相談するようにしてください。

クロレラの保存方法

クロレラの栄養素を損なわない保存方法を解説します。

クロレラはさまざまな製品タイプがありますが、いずれも直射日光を避け、涼しい場所で保管しましょう。保存期限は各メーカーが推奨する日数に従って、品質が劣化しないうちに摂取してください。

参考文献