ナットウキナーゼの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取する方法
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ナットウキナーゼの基本情報、種類、効果・働き、不足・欠乏・過剰摂取による影響、多く含む食品、効率よく摂取する方法について解説します。
ナットウキナーゼとは
ナットウキナーゼ(nattokinase)とは、納豆のネバネバに含まれるタンパク質分解酵素です。
タンパク質分解酵素とは、タンパク質の構成に欠かせないペプチド結合を消化する酵素。酵素は、体内の化学反応に関与する物質です。酵素がないと化学反応が進まず、結果として身体機能の維持ができなくなります。たくさんある酵素のうち、タンパク質を分解する働きをもつのがタンパク質分解酵素です。一般的には、消化酵素と呼ばれることもあり、摂取した食べ物を消化する消化液にも含まれています。
ナットウキナーゼは、血栓の元になるフィブリンを分解するタンパク質分解酵素として有名です。そのため、納豆は血液をサラサラにするイメージの強い食品の代表となっています。ただし、ナットウキナーゼは熱に弱い栄養素です。加熱すると構造が変性しやすいため、加熱調理には向きません。
タンパク質分解酵素はナットウキナーゼのほかに、パイナップルに含まれるブロメリンや、パパイヤに含まれるパパインなどがあります。
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ナットウキナーゼとビタミンKの関係性
納豆は、ナットウキナーゼのほかにビタミンK2という栄養素を含んでいます。ビタミンK2とは、ビタミンKに分類されるビタミンの一種で、納豆以外では動物性食品に多く含まれる栄養素です。
ビタミンK2は出血を止める働きがあり、ナットウキナーゼとは正反対の作用をもちます。そのため、納豆を食べると血液をサラサラにするナットウキナーゼと、血液を固めるビタミンK2の相反する作用が生じます。
そのため、ナットウキナーゼの働きを期待して納豆を食べても、ビタミンK2によって効果が薄れてしまう可能性に注意しましょう。ナットウキナーゼの効果をより高めたいなら、サプリメントとして摂取するのも1つの方法です。
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ナットウキナーゼの効果・働き
ナットウキナーゼの効果・効能について解説します。
血栓をできにくくして血栓症を予防
ナットウキナーゼは、血液をサラサラにして血栓ができないように働きかける効果があります。血栓ができると、心筋梗塞や脳梗塞といった血栓症を引き起こし危険です。
血栓症とは、血の塊が血管に詰まって血流が極端に減少、あるいは途絶えてしまう病気のこと。血流がとだえると、その血管の先にある臓器が壊死したり、正常な機能が失われたりします。
ナットウキナーゼは、血栓ができるときに働くフィブリンと呼ばれる物質を分解したり、血栓を溶かす酵素を活性化したりします。そのほかにも、複数の方法で血栓を溶かす効果をもっている成分です。
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血液をサラサラにして血流促進
ナットウキナーゼは、血流促進効果や血圧を下げる効果があります。
血液をサラサラにするナットウキナーゼにより、コレステロールや脂質でドロドロの血液がサラサラになって血流が改善します。血流改善により、肩こりの緩和や血圧降下作用が期待される栄養素です。
そもそも高血圧とは、安静にした状態でも基準値より血圧が高い状態。食塩の摂りすぎや肥満、飲酒、運動不足が高血圧の原因です。高血圧は脳卒中や動脈硬化などの原因として知られており、頭痛やめまい、肩こりなどの原因にもなります。
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ナットウキナーゼを過剰摂取すると起こる副作用
ナットウキナーゼの過剰摂取で起こる副作用は、現段階では見つかっていません。
しかし、抗凝固剤であるワーファリンを服用中の場合は、納豆の摂取を避けましょう。
抗凝固剤とは、血液をサラサラに保ち血栓ができにくくする薬剤です。ワーファリン服用中の人が納豆を摂取すると、薬剤の効果が弱まって血栓ができやすくなってしまいます。
これは、納豆に多く含まれるビタミンK2が原因です。ビタミンK2には、血液を固まりやすくする作用があり、ワーファリンの作用を弱めてしまいます。
ナットウキナーゼの1日の摂取目安量
ナットウキナーゼの1日の摂取目安量は、公的な機関によるデータは提示されていません。
日本ナットウキナーゼ協会が推奨するナットウキナーゼの1日摂取目安量は、2,000FUです。
FUとは、ナットウキナーゼの活性を表す単位で、納豆1パック50gに対し、約1,500FUのナットウキナーゼ活性があると考えられています。つまり、納豆を1日1〜2パック食べると、日本ナットウキナーゼ協会が推奨する摂取目安量になります。
ただし、あくまで推奨量のため、上記の摂取量を食べれば必ずしも効果が現れるわけではありません。
ナットウキナーゼを多く含む食品
ナットウキナーゼは、納豆に多く含まれています。
そもそもナットウキナーゼは、納豆菌によって産生される酵素です。大豆に納豆菌を植えて発酵させ、納豆を作ります。発酵に伴って、納豆特有のネバネバ成分が発生し、ここのナットウキナーゼも含まれます。
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ナットウキナーゼを効率よく摂取する方法
最後に、ナットウキナーゼをより効率よく摂取する方法を解説します。
加熱せずに摂取する
ナットウキナーゼは酵素の一種のため、熱に弱い栄養素です。加熱すると構造が壊れて、効果を発揮できなくなります。
そのため、ナットウキナーゼを効率よく摂取したいなら、加熱調理せずに食べましょう。納豆を加熱してパスタやおかずにするよりも、そのまま食べるのがおすすめです。
夕食後や就寝前に食べる
ナットウキナーゼの効果を高めたいなら、食べるタイミングは夕食後か就寝前にしましょう。
血栓は深夜から早朝にかけて発生しやすいと考えられており、ナットウキナーゼが働く時間をこのタイミングに合わせるとより効果的です。
食べ物は摂取してから、体内に吸収されるまでに数時間かかるため、寝る前に食べると効果を期待できるでしょう。